日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)アイデンティティの置き場所

[三月] └(^q^)┐三   [一月]

先月を惜しむ間に今月が折り返しを通り越し、もう終盤に突入しています。
早いなあ……。まぁ執筆スケジュールが一通り済んだ頃にはその月は残り僅かになっている
筈なので、当たり前っちゃ当たり前なのですが。正直(色々やるには)五週間でさえ足りな
くなってますよねえ。幸いなのは、流石に暦的に少しずつ寒さが和らいできていることか。
一時はかじかむほど冷えてましたが、ここ数日は日中、上着が要らないほど暖かさを感じる
なんてことも珍しくなくなってきました。

そんな訳で再び一週間ぶりです。長岡壱月です。
先日、サハラ~の三十一章をUPしました。16エピソード目前編、現行シーズン3では二つ目
のお話になりますね。本筋幕間というか、ちょっと特殊な構成でお送りします。具体的には
時系列の入り乱れですかね……? 執筆中もそうだったのですが、回想的なパートが案外に
多くて大変でした。人称と段落の使い分け──自分の中のマイルールはありますが、それが
いわゆる「小説作法」に何処まで合ってるのか不明瞭な部分もありますしね……。まぁ所詮
ウェブ小説、と言ってしまえば詮無いですけど、徒に貶める理由もなく……。

そんでもって例の如く、また今回も難産。

余裕をもって臨めるようにと、予め早めの段階で今週分の三題を片付けておいたのですが、
どうにもコンディションが宜しくない──文章を起こそうにも「コレジャナイ感」がいつも
以上に付き纏い、パート毎の分量も思ったほど嵩まない。進行自体は前回より多少マシでは
あったのですが、やはり頻繁に“視点変更”を差し込むと描写には苦労するようです。自分
は一人称文体があまり得意ではない(語り手の知覚範囲外の事もつい書いてしまう)ので、
余計だったのかもしれません。
それでも何とか、書き進むには書き進んで、今章の〆。
前述のようなコレジャナイ感──不安材料は残れど、それも含めて一晩寝かせた後の推敲に
任せようと一旦手放し、気持を鎮めるために頓服を飲んで眠ったのですが……それが結果、
妙に良く働いた。いざ推敲作業の通し読みをしても、昨日ほど違和感はない。あれ? もし
かしていまいちだったコンディションって、こっち(病気)の波のせいだった?\(^o^)/

結論:仮眠を取るだけじゃなく、宜しくなかったら薬も飲んでいいんじゃよ

どうやら(今回に限っては?)一時の精神的なものだったようです。確かにコレジャナイ、
コレジャナイと唸るのなら、そもそも「コレ!」って何なのだと。そう自問してみても未だ
に言語化できないでいるのだから、気に病み過ぎたのかなあ……?という気はしています。
こんな事ならもっと早くから──執筆モードの途中からでも始める前からでも、飲んでおけ
ば良かったなあと地味に後悔。まぁ一方でそれが常態化してしまっても、頼りっきりになっ
てしまうので、あまり宜しくはないのかもしれませんが。

……それにしても。

いわゆる創造的営みというものも、所詮は脳味噌の中の分泌物如何でしかないのかなあ?と
一方でしょんぼりしてみたり。そりゃあ人体なんてのは曖昧模糊なスピリチュアルの塊など
ではなく、科学的にはタンパク質やら何やらの塊で、この意識だって突き詰めれば脳内物質
や電気信号の産物。日々の苦しみも閃きも、その掌の上で起きている「現象」に過ぎないの
かもしれないけれど……(´・ω・`)


書くこと、語ることを止めてしまうべきではないと(創作中毒的な切迫感でもって)自らに
言い聞かせてはいるのですが、それはそれとして、自分達のこうした“語り”が必ずしも他
人には受け入れられないのだと予め覚悟はしておくべきだとも思うのです。

先日、ツイッタ上でとある創作企画が盛り上がりをみせていました。
その名も『魔女集会』。書き手によって細かい違いはあるのですが、ざっくり説明すると、
長命の魔女と、彼女に拾われたショタ(ないし幼女)の成長やその後の絆などを描いた短編
漫画を見せ合いっこする──というようなもの。個人的には割とピンポイントな属性なのか
なと思っていたのですが、存外性癖に刺さる方が多かったらしく、同名タグと共に数日TL上
でRTされ合っていたのを覚えています。

ただ、この「祭り」に苦言を呈していたユーザーもいます。
ここでは仮にT氏と呼ぶことにしましょう。T氏はメンタルヘルスの互助会に携わっている
方で、ご自身も精神疾患などを抱える当事者です。そういう意味では、僕と似たタイプの方
なのかもしれませんね。そのT氏が、この魔女集会のTLに対してこう呟きました。

『これ、リアルでやったら間違いなく毒親コースですからね』

世の中には様々なものの見方をする人がいるもので、本人もそれは解っていたのでしょう。
T氏や同意して補足している方達の発言を掻い摘むに、年上女性が(血の繋がらない)幼い
男の子を囲う──それは養子などというきちんとした親子関係ではなく、所詮は“愛玩”に
過ぎない。その子の為ではなく、自分の欲望の為。愛玩するが故にべったりな関係である。
そんな(選択の余地のない)刷り込みから寄せてくる囲い子からの思慕を、本物と思い込ん
でまた愛でて……という構図を“表立って”楽しむというのは正直気持ち悪い。成長したら
ちゃんと手放すという「親」の役目を履き違えているこのような行為は、文字通り現実世界
でやってしまえば、子供を一生振り回す──。

だからというべきか、T氏がこの切欠となった発言をした後、氏の元には反発のリプライが
大量に届いていたようでした。
「創作なんだからいいだろ」「好きを邪魔するな」「虚構と現実の区別がついてない」果て
は「そんなこと一々言ってくるからお前はメンヘラなんだよ」と……。
勿論、感情的に反発してきたのは一部の人達だったでしょうし、自分達の「好き」にまさに
“冷や水”を掛けられたのはいい気持ちはしなかったのだと思います。ただT氏は発言中に
も「リアルでやったら」ときちんと限定を入れていますし、フィクションの中で欲望を楽し
むことまでは否定していません(その意味で虚構と現実の区別はついている)ただT氏は、
今回の『魔女集会』のような性癖をぶちまける行為には、その“業”もまた自覚した上でや
って欲しい──好きだけで突っ走ったら、理解されない人には「気持ち悪い」だけだよ?と
言いたかった&言わずにはいられなかったんだろうと思います。創作人とメンタル界隈、畑
は一見違うようですが、T氏にはT氏なりの、過去の自他の経験が被ってもどかしい思いに
駆られたのではないでしょうか?
(実際、反論リプライの群れと同様に、T氏の「不快感」に賛同する旨のリプライ・応援も
また氏の下には少なからず集まっていたようです。彼らにとっては代弁してくれたという側
面が強いのでしょうね。尤もどのみち、それらは両者の“対立”を印象付ける以外の何物に
もなっていないのが辛い所なのですが……)

『人間にはキモい欲望をフィクションの中で楽しむ権利があるが、それはそれとして、その
欲望がタチの悪いものであることには自覚的であるのが望ましい』

『多様性とは、誰かに嫌悪を抱かせる可能性のこと(いわゆる輝かしい部分だけを強調し、
受け入れるなんてのは欺瞞に近い)』

どちらもネット上の論客達が発したものです。多少僕個人の理解も加えてありますが。
というのも、今回の一件に関しては僕もT氏に近い感覚だったからなんですよね。まぁ彼ら
ほど件の企画TLを嫌悪して観ていた訳ではなく、ほお~?と自分とは違った沼に棲んでいる
創作人さん達がはたと沸いてきた、くらいの認識でしたが(あと、何で皆揃ってあんな絵ぇ
描けるんだか……)

多分T氏らも含め、僕らは“古いオタク”なんですよね。
すなわち自分達の趣味・嗜好は、世間一般というものには認められないんだ、迫害されうる
少数派なんだという大きなコンセンサスがあった。事実今でもオタク=犯罪者予備軍という
感じの報道は、何かしら事件がある度に事欠かないですし、未だに僕らの選り好むこの界隈
は「サブカル」と称されている。昨今は(良くも悪くも)メディアに取り上げられ、その認
知度は高くなっていますが、それでも基本的に心は許していないんです。

『俺達は日陰者だ。日向に出ちゃいけない』

学生時代、オタク趣味の同好会(グループ)の顧問を務めていた先生(本人も歴戦のオタク)
が僕らに話していた内で、今も記憶に残っている言葉です。
もしかしたら自虐的に聞こえるかもしれません。でも、僕ら“古いオタク”の世代はこれが
基本戦術だったんですよ。悪目立ちすれば、狩られる。だから日の目をみようと“運動”だ
なんてしたら却って自分達同胞達の首を締めることになる。狭くたって、自分達の好きをこ
っそり愛でられたらそれでいいじゃないか。どうせ自分達は「サブ」カルチャー。この社会
の中心にはなり得ないんだから……。

それが今では、若い世代を中心にオタクであることを隠さなくなってきた。ある種のオサレ
要素として手に取る層という者も増え、上記ツイッタのようなSNSの普及もあり、自分達
のそういった「好き」を必死に隠すという概念自体がそもそも希薄になっているというのも
今回のような“ズレ”が生じた一因にあるのかもしれません。いわゆる市民権を得た後の、
めいめいの態度の違いですよね。得たことに対してポジティブになる=オープンにしてゆく
のか、それとも未だネガティブ=警戒心を貫くのか……。

個人的な意見としては、現状まだ後者の方が無難かなあ? という気はします。
確かにサブカルという存在は昔に比べればずっと「認知」されたのだろうけど、それと他者
個々人が「理解」してくれているかどうかは別でしょうし。未だにそういう趣味ってだけで
拒否反応を示す人達は相当数いますし、上述のようにオタク=犯罪者予備軍的な扱いは払拭
されていません。基本性癖は隠して(身バレに繋がらぬようにして)暮らす方がベターだと
いう点には変わりないのです。

……少々持論で熱くなってしまいました。話の修正をば。

サブカルを含めた“多様性”とは必ずしも綺麗で輝かしいものばかりではない筈なのです。
その中にはAは至高のものと崇めても、Bには醜悪で腹持ちならないものが含まれているか
もしれません。Cにはそれ無しには生きていけないほどの好きでも、Dにとってはその存在
自体それまで自らの認識の中になかったといったパターンも少なくありません。(日本的)
リベラルが陥りがちな罠なのですが、そこをどうも履き違えて、綺麗なもの──と自負する
価値観のみを“国教”に据えるべく他をクレンズする方便として使われてしまっているよう
な気がするんですよね……。せめて「放っておいて」欲しい。先述の“古いオタク”の戦術
とはすなわちそれで、危害は加えないからそっちも侵攻してこないでくれ、という類のもの
である訳です。だけども自称マジョリティ(ないし先進的マイノリティ集団)って連中は、
そこを簡単に踏み越えて“善意”で“正義”の行いを突き進みがちで……。

T氏の発言に殺到した反発・反論のリプライは、基本的に「感情的」なんですよねえ。氏が
あくまで「リアルでやったら」と注釈をつけているのに、先ず自分達の好きに“冷や水”を
掛けられた! という認識でもって食いかかってゆく。こうなるとどれだけ片方が論理的に
弁明しようとしたって無駄な訳です。だって彼らの目的は「議論」ではなく「汚された!」
「謝れ!」の情動な訳ですから。虚構と現実の区別が……。いや、だけどもT氏もT氏で、
地雷を踏み抜く行為だろうと予想はできていたのに、苦言を漏らす相手が悪かったなあとは
思いますよ? オタク界において腐女子は(色んな意味で)最強ですから……。
(ただこれも「年上♀がショタを」という男女構成を逆にしてやれば「オッサンが幼女を」
というまさに“事案”になる訳です。こっちの系の作品は、たとえ虚構でもこれまで散々叩
かれてきて、その性癖自体から撲滅しようと躍起な勢力が元気していますからねえ。落ち着
いてそう観てみると、やはり男オタクも女オタクも、その抱える“業”には自覚的であれと
いうT氏らの物言いには基本頷くざるを得ない)

……しかし、反発・反論のレスに対しての擁護・再反論レスの応酬、という極端化する構図
は何とかならないものなんですかね? 賛否どちらかの意見の人達が全員そこへ飛び込んで
いる訳ではないし、こと中立的な意見の人達はそもそも書き込まない──下手に発言してし
まえば、どちらか或いは両方から攻撃される=敵or味方認定されてしまうと経験的に分かっ
ているから、そもそも「言わない」訳であって。心の琴線、好き嫌い(拘り)への冷や水に
感情的になってしまうのはどの界隈でも言えた話なのでしょうけど、目に映るのは対立構造
ばかりで、建設的と議論というものがどうにも成立しない。……そもそも向いていないんで
しょうねえ。議論=両者にとっての次善解を求める作業自体を求めないし、意味を見出して
いない以上どれだけ促したって喧嘩の元ですし、その場に私情を差し込んでくる間は成立し
得ない訳ですから。どれだけ片方が「説得」だの「論理的説明」だのを試みても、寧ろ逆に
「インテリぶったいけ好かない奴」認定されて、余計に拗れる。議論という局所的プロセス
の限界が露呈する。というより、SNSは基本的に「発進」の場であって「議論」の場では
ない──所詮は不毛という諦めが少なからぬ人々を支配して久しい節はあるのですが……。
そりゃあ無理して他人を“変えよう”とするより、自分の属性(カテゴライズ)に近しい人
達と、多少狭くても楽しくやってりゃあ平和だよなあと。そこを踏み越えるから諍いに、面
倒臭いことになる。

……やっぱ棲み分けは最強だな。古いオタクのままでいいや。
(各々の心が分断されたままという、もどかしい現実から目を背けながら)
(というかそれほど、それは“改善”しなきゃいけないことなのか……?)


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  1. 2018/02/21(水) 18:00:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

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