日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(長編)サハラ・セレクタブルⅡ〔26〕

 それは神父風の男(ラース)が、一人本を読んでいた時のこと。
 アジトの広間、仄暗さの中に灯る明かりの下でじっと時間を潰していると、ゆっくりと近
付いてくる足音がある。
 ゴスロリ服の少女──同じ“蝕卓(ファミリー)”の一角、スロースだった。知らぬ間に
離席していたようだが、戻って来たらしい。
「──プライドが?」
「ええ。既に動いているそうよ。シンも了承済みみたい」
 手にしていた海外小説の原書に、しおり紐を一旦挟んで閉じる。
 答える彼女はいつものように気だるげで、不機嫌を表情(かお)に貼り付けていた。静か
に深く、ラースはため息をつく。
「……また勝手なことを」
 彼女からの話では、先日プライドが守護騎士(ヴァンガード)に対して刺客を放ったのだ
という。
 正直な話、あまりいい気分ではなかった。刺客なら自分も、少し前に腕利きの者達を召集
して差し向けた。だが結果は芳しくなく、全滅。一人は召集前に、残りは連携を取ることを
怠った末に各個撃破されてしまった。現在も新たな人選を進めているが、徒に個体数を減ら
すような真似は本末転倒である。それはプライドも分かっている筈だ。
 ……口に衝いて出たぼやきは、偽らざる本音だった。確かに彼や目の前のスロースは自分
よりも古参だが、実質の司令塔を任されている自分に何の相談なくというのはやはりいい気
はしない。
「奴は、あのストームと競り勝ったほどの相手なのですよ? 何処の誰です? 生半可な力
の個体では、返り討ちに遭うのが落ちですよ?」
「それがねえ……。ミラージュらしいのよ」
「ミラージュ? あの、猿真似しか能のない臆病者ですか?」
 故に、訊ねたスロースから返ってきた答えに、ラースは思わず眉根を寄せた。眼鏡の奥で
険しい眼差しを作る。
 記憶を引っ張り出す。確かに“蝕卓(ファミリー)”が把握する進化体の中にそのような
者がいたなと思い出すが、自分の記憶が正しければあれは戦闘能力は低い──皆無の個体だ
った筈だ。刺客として使うにはあまりにも力不足過ぎる。
「ええ。私も変だなとは思ったんだけどね。でも、調べさせたら間違いないって」
「……」
 という事は、プライドは端から戦いを期待していないということか。もっと別の、戦いで
はない目的があるというのか。
 ふむ? 口元に手を当て、考えてみるがいまいち分からない。ミラージュに化けさせ、敵
の油断を誘おうとでもいうのか? しかしそれなら、他に攻撃用の個体にも声を掛けている
筈だ。だがスロースの話では、そんな素振りはないという。
(一体、何を考えているのだか……)
 顰めた眉間から、ズキズキと鈍い痛みが走るような錯覚さえあった。半ば無意識に眼鏡を
ずらして目頭を摘まみ、このピースの足りない情報に暫し思考を重ねる。
「それで、どうする?」
「どうすると言われましても……。シンが了承済みだというなら、私達に止める謂われなど
ないでしょう。それに元から、プライドは独断専行ではありませんか」
「うーん。まぁそうなんだけどねえ」
 あんたがいいって言うなら、あたしも構わないんだけどさ──?
 継ぎ接ぎだらけのパペットを抱えたまま、そうスロースは気だるげにラースの前から離れ
ていった。そのままゆたりと円卓を回り、自身の席へと腰を下ろす。
「……」
 ラースも暫くその様子を見遣っていたが、程なくして視線を戻し、閉じていた洋書を再び
開いて捲り始める。仄暗い、沈み込むような静かな時間だけが過ぎていった。
(シンもここの所、研究室(ラボ)に篭もっているようですし……。また何か企んでいるの
でしょうね)
 それが何かまでは断定できなかったが、大よそそんな目星をつける。
 だがやはり、頭一つ上で物事が進んでいるというのは、気持ち良いものではなかった。


 Episode-26.Friends/異形にココロは宿るか

『アウターの反応を多数確認! そちらから北北西に約十二キロ──西大場方面です!』
 自分達を密かに覗いていた二人組──ミラージュ・アウターとその召喚主・二見を捕らえ
ることに成功した睦月達の下に届いたのは、司令室(コンソール)からの緊急連絡だった。
 インカム越しに、慌てた職員の叫びが聞こえる。場の空気は一瞬にして張り詰めていた。
西大場……? 確か開発の波に取り残された、街の外郭地区だ。
「な、何だあ?」
「……どうやら、のんびり尋問している暇はなさそうだね」
「近くに他の隊士はいないのか?」
『い、いえ。待機中のメンバーに連絡は取っていますが、それでも到着には時間が掛かって
しまうと思われます』
「まぁ、外れも外れだしな」
「というか、何でそんな所に……?」
 ミラージュや二見を含め、一同がめいめいに戸惑い、眉根を寄せ、或いは何故そんな郊外
の場所にアウターが現れたのか、頭に疑問符を浮かべる。
「とにかく行かなきゃ。冴島さん。二人のこと、お願いします」
 そんな中で真っ先に動いたのは、睦月だった。司令室(コンソール)から現場へのルート
を示す地図データを送って貰い、一人既に駆け出そうとしている。ああ、分かった。冴島が
答えるや否や、睦月は腰のホルダーからEXリアナイザを取り出し、ホログラム画面から七
体のサポートコンシェル達を選択する。
『HAWK』『EAGLE』『PEACOCK』
『FALCON』『SWALLOW』『PECKER』『OWL』
『ACTIVATED』
『GARUDA』
 七つに分裂した白い光球が、守護騎士(ヴァンガード)姿の睦月に旋回しながら次々と降
り注ぎ、その姿を変じさせた。
 左右の反りが刃のようになった主装の弓と、機械の翼。白を基調としたパワードスーツ。
 ガルーダフォームに換装した睦月は、その足で地面を蹴り、高く上空へと浮き上がった。
皆が見上げる中、瞬く間に加速して遠く見えなくなってしまう。
「……」
「い、行っちゃった」
「はは。すまないね。ああいう子なんだよ、彼は」

 パワードスーツ内の視界に転送された地図データを頼りに、睦月は猛スピードで現場へと
向かった。
 暫くして、寂れた市街区域の一角に、元々は団地だったと思しき数棟の廃ビル群が見えて
くる。ぎゅっと目を細め「パンドラ、反応は?」と問う。『あそこです! 通りから二つ目
の五階──窓際!』感知能力をフル稼働して、パンドラが叫ぶ。
 現場の状況を見て、睦月は驚いた。多数のサーヴァント・アウターが、スーツ姿の男達を
今まさに追い詰めようとしていたのだ。
 しかも、その中には見覚えのある顔がある。刑事の筧と由良だ。
 思わず一瞬、睦月は躊躇いを覚えていた。頭の片隅でこのままかち合っては拙いという声
が聞こえる。だが一度はこちらで記憶を改竄したことと──何より今、危険に晒されている
人達を見捨ててはおけないと、睦月は加速をつけたまま彼らの下へ、ひび割れた窓ガラスを
ぶち破って突入する。
「うわっ!?」
「な、何(なん)──」
 殆ど思わず、反射的に身を屈めた刑事達。だが睦月はそんな彼らには構わず、真っ先にこ
れとサーヴァント達の間に割って入るように滑り込みながら着地した。ギギ……ッ! 邪魔
者が来たと言わんばかりにめいめいが五指の銃口を向けようとする。それを睦月は掌から生
み出した突風でもって防ぎ、彼らを守った。余韻で四散する風を浴びながら、筧以下一同が
唖然としている。
「……誰だ?」
「もしかして……。守護騎士(ヴァンガード)……?」
 刑事達の困惑の声が聞こえる。だが睦月は背中でそれら呟きを聞きながらも、悠長に振り
返っている暇はなかった。肩越しに彼らの無事を確認する。パワードスーツの両眼が淡い金
色に光った。漏らす筧と、何故か妙に身構えて唇を結ぶ、由良の姿が視界に映る。
「大丈夫ですか? ここは任せて、逃げてください」
 身バレの心配云々などは、もう優先順位としては二の次だった。
 とにかく刑事さん達を安全な場所に逃がさなければ……。話し掛けられて更に驚く彼らに
半ば構うことなく、睦月はEXリアナイザを操作していた。横水平に向けた銃口、光球から
二体のサポートコンシェル達を呼び出す。
『SUMMON』
『SPINE THE ROSE』
『HOP THE RABBIT』
 緑色の光球から現れたのは、薔薇をモチーフにしたコンシェルだった。
 黄色の光球から現れたのは、兎をモチーフにしたコンシェルだった。
 ひっ……!? 刑事達はその異形に驚いたが、すぐにこちらに害意がなさそうだと知る。
加えてこの二体は、睦月の「刑事さん達をお願い」との命令にコクリと頷き、それぞれに自
身から伸ばした蔓で彼らをしっかり結んで地上へと降ろし始めたり、その跳躍力でもって階
下壁の出っ張りから出っ張りへと飛び移っては地上に届け、また戻って来るを繰り返したり
し始めたのだ。
 どうやら、助かったらしい。
 刑事達は目の前の光景に訳が分からないながらも、少なくとも自分達に助けが来たのだと
は理解した。最初こそ二体の人外な外見に怯えてはいたものの、避難させてくれていると分
かってからは大人しくその身を委ねていた。
(どういう事だ……? 今度は怪物同士で潰し合うってのか……?)
 最後に由良と、もう一人の刑事が階下の外へと消えてゆく。それを視界の端で確認しなが
ら、睦月は迫ってくるサーヴァント達に弓撃を食らわせていた。
 如何せん敵の数が多過ぎる。一気に片付けてしまいたい所だが……。
「──」
 片手でEXリアナイザを持ち上げて、しかしその手が一度止まる。
 睦月はこの強化換装、ストームとの戦いの時を思い出していた。あの技は拙い。こんな狭
い場所で放ったら、このビルどころか逃がしている途中の彼らまで巻き込んでしまう。
『ELEMENT』
『RAPID THE PECKER』
「チャージ!」
『MAXIMUM』
 なので、選択したのはサポートコンシェルの内の一体。銃口から飛び出した白い光球が弓
へと吸い込まれ、その全体を繰り返し明滅させていた。
 エネルギーの弦を引き絞り、ギリギリまでサーヴァント達を引きつける。ギギ、ギギッ!
その全てが近から中距離へと集まってきたのを見計らい、睦月はその手を離す。
 瞬間、無数の風の矢が散弾銃の如く放たれ、サーヴァント達を一掃した。目にも留まらぬ
怒涛の連射が叩き込まれ、その異形の身体は同時多発的に爆発四散する。
「……ふう」
 ぐるりと、倒しこぼしが無いことを確認し、睦月はようやく安堵のため息をついた。
 一方で、そんな一部始終を──役目を終えてデジタルの光に包まれて消えていった二体の
コンシェル達と、頭上廃ビル屋内から溢れた爆風を見上げ、唖然としている筧達がいる。


 守護騎士(ヴァンガード)と思しきパワードスーツの人物は、結局その後こちらに戻って
来るでもなく何処かへと飛び去ってしまった。
 筧ら廃ビルに突入を試みた刑事達は暫くその場に立ち尽くしていた。ゆっくりとお互いに
顔を見合わせ、且つその見開いて驚愕のままの相手の表情(かお)が、今し方あった出来事
をただの幻ではないと証明している。
「一体、何だったんでしょうね……」
「俺に訊くな。俺だって絶賛混乱中だよ」
「話には聞いてたが、本当にいたんだな……。一体、どういうカラクリだ?」
「そもそも、何で俺達がここにいるってことが分かったんだ……?」
『……』
 ノンキャリ仲間の刑事達は一様に混乱していた。異形の怪人達に襲われた事実と、そこか
ら助け出されたという事実。常識(あたま)が状況に追いついていない。幸い全員が軽傷程
度で事なきを得たが、少なくともあのままビル内に居れば、自分達は殺されていただろう。
 あの怪物達は、間違いなく自分達を始末する気だった。
 何か見られて知られて都合の悪いものを、自分達から隠蔽する為に。
(こいつは、本格的にきな臭くなってきやがった)
(……分からない。守護騎士(あいつ)は、本当に俺達の味方なのか……?)
 じっと眉間に皺を寄せながらも、筧は内心ある種の確信を得ていた。巷説を丸々信じるな
ど当局の人間としてはあるまじき態度なのかもしれないが、これまでの一連の不可解事件と
今回のガサは間違いなく繋がっている。瀬古勇は──生きている。
 同じく由良も、じっと考え込んでいた。いや、厳密に言えば迷っていた。
 筧とは違い、こちらは確信とは逆に判断がつかずに困っている。脳裏に焼きついたあの日
のメディカルセンターでの目撃(ひとこま)と、先刻自分達を助けた彼の行動がどうにも上
手く一致しない。あれと今回は、別物なのか? 同じ化け物の力を使っていても、互いに立
場が異なっているというのか?
『──』
 ちょうど、そんな時である。困惑して場を動けない筧らの下へ、ザリザリッと無遠慮に近
付いて来る足音があった。白鳥である。普段以上に生真面目で、高圧的な視線も然る事なが
ら、加えて今日は彫りの深い長身の刑事と筋肉質なガタいの良い刑事──側近の角野と円谷
まで伴っている。
「……揃いも揃って規律違反か」
 心なしか身構える筧らノンキャリ組の面々。そんな様子をまるで歯牙にも掛けず、白鳥は
一旦ぐるりと一同を見渡すと、開口一番そう静かに詰るように言った。寂れて置き去りにさ
れた街の風景と隔絶するように、高級なスーツ姿が違和感を醸し出している。
「白鳥。お前──」
「勝手にヤマを追っていたのは謝る。だがな、俺達は見つけたんだよ。瀬古勇の隠れ家があ
ったんだ。あのビルだ。何日も前から最近まで、飲み食いした跡もある」
「ほう? だがそれが瀬古勇のものだと証明できるのか? 第一、当の本人は何処にいる?
捕まえられたのか? お前達が勝手に嗅ぎ回っては、気取って更に逃げてしまうとは考えな
かったのか?」
 うっ……。弁明しようとした仲間の刑事達が、顔を顰めて言葉を詰まらせる。その横で筧
は、遮られた自身の言葉を口の中で持て余していた。
 白鳥。お前何でここに……?
 見張られていたのか? だったら誰かが気付いているだろう。なら、奴らは奴らで、既に
ここを突き止めていたのか? だったら何故自分達に、組織内で共有しない? あれほどの
事件を起こした犯人を、この男が許すとは思えないのだが……。
「だ、だがな。見たんだよ! 化け物達だ。うようよいて、俺達を襲ってきた。ブダイの時
と一緒だ。何とか俺達は逃げ出せたが……」
 思案する筧。唇を結んでいる由良。
 その一方で、ノンキャリ仲間の刑事達は何とか弁明しようと必死だった。或いはあの現場
で見た出来事を、早く真相解明に繋げなければという使命感がそうさせたのか。
「……まだそんな与太話を信じているのか。馬鹿馬鹿しい。仮にも、お前達も刑事だろう?
言い訳なら、もっとまともな台本を考えるんだな」
「違っ……! 本当に出たんだよ、見たんだよ! あんたは普段中々現場に出ないから知ら
んだろうが、実際俺達は何度も助けられてるんだ! ここん所の異常な事件も全部──!」
「いい加減にしろ。怪物? そんなもの、今日の科学技術があればいくらでも見せかける事
ぐらいできるだろう。そんな子供騙しを間に受けて、恥ずかしくないのか」
 しかし白鳥は、頑としてこちらの主張を聞き入れなかった。
 尤も無理はないのかもしれない。警察組織の幹部として、街で起こった凶悪犯の正体を都
市伝説でしたなどと結論・公表する訳にはいかないのだ。彼らの仕事はあくまで“犯人”を
捜査・逮捕し、検察へと送ることなのだから。
 それでも、筧達には不服に変わりはなかった。少なくとも現場の自分達の、文字通り命を
かけた努力を、馬鹿馬鹿しいの一言で信じようともしない。険しい表情で、ノンキャリ組の
刑事達が白鳥を睨んでいた。そんな敵意に反応し、角野と円谷が一歩前に出ようとしたが、
それを止めたのは他ならぬ白鳥本人である。
「とにかく一旦、署に戻れ。処分はその後で検討する。ここでは何もなかった。いいな?」
 有無を言わせず、そう白鳥は一同に言い残して踵を返した。角野と円谷も一度こちらを睨
みつけたが、すぐに彼の後を追って歩き出す。
『……』
 筧らノンキャリ組は、またしてもその場に取り残された。しかし組織幹部たる白鳥の命令
は一同を場から引き摺り出さんとする吸引力があり、やがて一人また一人と不承不承に歩き
始めてゆく。
「あの野郎……」
 そんな彼らの背中を見つめて、筧は密かにごちていた。やはり不審だった。何故奴らは自
分達の居場所が分かったのか。
(……どうして、そこまで隠そうとする?)
 眉間にじっと皺を寄せ、ハッと由良が顔を上げる。互いに顔を見合わせることこそしなか
ったが、ふと脳裏に過ぎったものは同じだった。
 まさか。内通者とは。

 後々調べてみた所によると、どうやらあの廃ビルは瀬古勇が隠れ家として使っていた場所
だったらしい。
 尤も自分達や、警察が踏み込んだ以上、もう彼はあそこには戻って来ないだろう。実際筧
達が中を調べた時、生活の痕跡こそあったが肝心の当人はおらず、既にもぬけの殻だったと
いう。ただその場所を、まるで守るようにアウターが徘徊していたというのは気になる。嫌
な予感がした。瀬古勇は、まだアウター達と関わっているのか。
『俺は反対だぞ』
 現場から戻って来、少なからず消耗していると分かっている睦月を前に、皆人は言った。
他でもない二見とミラージュを、要請通り保護するのか否かについてである。
 肩で息をしながら、何処となく残念そうに変身を解いた睦月。周りには同じく冴島や他の
隊士達が二見とミラージュを包囲するように立っている。
『最初に言ったように、こいつらがスパイである可能性は消えないんだ。大体、アウターを
味方に引き込むなんて……』
「したじゃない。前に」
『あれは例外中の例外だ。それにあの時だって可能な限り、情報は引き出したし、互いに相
手を売らない契約も取りつけた』
「でも実際、この二人から実害らしい実害って出てませんよね」
「まぁ強いて言えば、私達の活動を覗かれていたってことですけど……」
「そうだよ。それに二見さん達はちゃんと“蝕卓(ファミリー)”について色々話してくれ
たじゃないか。ギブアンドテイクは果たしてるよ」
『む……』
 尤も睦月以下現場の面々は、皆人ほど警戒心を維持してはいない。
 それはひとえに二人を捕まえること自体は簡単だったのと、彼らの“ただのんびり暮らし
たい”という願いに絆されたという部分が大きい。
 通信の向こうで、皆人は唸っていた。次いで気配で司令室(コンソール)内の面々と相談
している様子が分かる。警戒するに越した事はないが、かといってSOSを蹴って態度を反
転させられてしまっても、こちらの情報が蝕卓(むこう)側に告げ口される可能性がある。
「仕方ないか。やっぱりここで?」
「無抵抗の相手を倒すというのは、あまり気が進まないけどねえ」
「ちょっ……!? ま、待って!」
「裏切らないから! 訊きたい事が他にもあるなら答えますからあ!」
 スーッと向けられる冴島達の視線。その妙な不穏さに、思わず二見とミラージュは後退っ
ていた。しかし二人はとうに包囲されており、別の隊士らに背後を埋められるだけである。
『……待て』
 そんな時だった。暫く熟考していた皆人が口を開き、睦月達がピタと動きを止める。
『信用するかしないかはともかく、ここは一旦話に乗ろう。せっかくの内情を知っている証
言者だ。早々に切ってしまうのは惜しい。俺達にはまだ、知りたいことがある』
 了解。その言葉を待っていたかのように、睦月達は通信の向こうにいるであろう皆人に頷
いていた。何とか首の皮が繋がったと理解したらしく、二見とミラージュもホッと胸を撫で
下ろしている。
 少なくとも、何かしら向こうが仕掛けてきているのは事実だ。
 何故ミラージュを送り込んできたのか? 今回の目的は何か? もう暫くこの二人を泳が
せておく必要がある。

『──』
 それから数日。隊士らは交替を繰り返し、二十四時間体制で二見とミラージュの暮らす自
宅アパートを密かに監視していた。ミラージュ以外のアウターの接近があれば、すぐに分か
る筈だ。しかし今の所、こちらからも向こうからも、目立って怪しい動きはない。
 通信越しに、皆人は司令室(コンソール)からこの監視映像を見ていた。香月以下研究部
門、他の職員らと共に根気強く、相手の出方を窺う。
「……」
 たがそれよりも。
 静かに一人嘆息を漏らす皆人には、もう一つ懸念することがあった。

『そうか。天ヶ洲と青野が……』
 それは先日、睦月達がミラージュと二見を誘き寄せる為に動いていた頃。
 事が済んだ後、司令室(コンソール)の皆人は國子と仁から報告を受けていた。思ってい
た通り、彼女達が動いたのだ。
『はい。睦月さんが一人になるのを待っているようでした』
『こっちもだ。お前や佐原が一緒でなきゃ、ボロを出すと踏んだらしい。……すまん』
 二人からの報告によると、宙と海沙がそれぞれに一対一の状況下で自分達の活動について
詰問してきたらしい。國子は睦月を追おうとしていた海沙の前に割って入ったことで、仁は
電脳研の部室で宙と二人になったタイミングで。
 淡々と、ばつの悪さと。
 先刻あった出来事をありのままに告げる國子とは対照的に、仁は事の深入りを招いてしま
った自身の弱さを悔いているようだった。
 気にするな。すっぱりと皆人は言い切る。彼女達の不信感に火を点けてしまったのは、先
日のアウター暴走の一件だ。……いや、元を辿ればアウターや対策チームの存在をこれまで
隠し続けてきた自分達に原因がある。
『起こった事を悔いても仕方ない。大事なのはこれからどうするかだ』
 一対一の構図に持ち込んだからか、これまでにないほど強く直截的な言葉で詰め寄ってき
たという二人。リスクを伴うと分かっていながらリモートのスイッチを押したのは、國子が
それだけ今回の事態が深刻だと判断したからだろう。皆人も司令室(コンソール)司令官と
して、彼女の主として、その判断は仕方なかったと考える。
『それで、その後二人は?』
『青野さんは保健室に、天ヶ洲さんは電脳研の皆が部室に寝かせました。二人とも保健室で
目覚めさせると、また要らぬ勘繰りを誘発すると思いましたので』
『妥当だな。まぁもう遅いとは思うが』
『本当、参ったぜ。あそこで海沙さんの名前を出されちまうとな……』
 傍らでこの報告を聞いていた香月が問う。國子はちらっと目を遣り、淡々と答えた。皆人
は小さく首肯していたが、一方で仁は大分精神的にやられてしまったようである。くしゃっ
と片手で頭を抱え、心底心苦しい表情をみせている。
『……出来る事なら、もう直接リモートで宙ちゃんや海沙ちゃんをダウンさせるのは止めた
方がいいわ。以前にも話したと思うけれど、リモート・コンシェルの能力はあくまで記憶を
“妨げる”のであって、完全に“消して”しまうものではないの。脳内のシグナルを阻害し
て、思い出させないようにするのが精一杯なのよ』
 加えて、香月も申し訳なさそうに、後ろめたそうに言った。なまじ自身もよく知っている
少女達がターゲットになっているのだから、当然と言えば当然だが。
『シグナルのパターンはそれこそ無数にあるわ。私達の技術はあくまでその内、どの回路を
通って対象の記憶が呼び出されているのかを分析し、遮断壁を作るだけなの。揉み消したい
記憶が増えれば増えるほど、その回路を経由する他の記憶にも影響が出るわ。何より下手に
弄り続ければ、最悪脳自体が壊れてしまう危険性だってある……』
『……』
 親しい身内への操作、科学者としての限界。
 香月や萬波班長以下研究部門の面々は、そう申し訳なさそうに眉を伏せていた。皆人達も
そんな彼女らに、これ以上の負荷を要求する訳にはいかない。
『いつぞやの、クリスタル・アウターのような能力を再現できればいいのですけど』
『そうね。もっとピンポイントに、特定の記憶だけを取り出せればターゲットへの負担も格
段に減るわ。尤も、記憶なんていう電子的なものをどうやって固体として抽出するのか、私
には見当もつかないけど』
『それに、どのみち他者の想いに手を加えることには変わりないからね』
『……そうッスね』
 國子がふと、以前戦ったアウターの特殊能力を思い出す。
 あれがこちらのサポート・コンシェル達にも導入できれば或いは……。しかしそれは香月
の頭脳で以ってしても中々難しいようだ。加えて萬波の、ふいっと優しく宥めるような言葉
が紡がれ、仁や皆人が思わずその唇を結ぶ。
『……そろそろ、限界かもしれないな。もしまた同じような事が起きれば、大江達の時のよ
うに、こちらへ引き入れることも選択肢に入れなければならないかもしれない』
『でもよお。それは、佐原が』
『ああ。ギリギリまで反対するだろうな。あいつは自分の身を挺してでも、二人を巻き込む
まいとするだろう』
 長い沈黙の後、皆人が言った。それはかねてより誰もが思い浮かべていたが、他ならぬ睦
月の強い意思によってこれまで封じられてきたものだ。
『だろうな。俺だって、海沙さんを巻き込むのは……』
『それでも必要に迫られたら、という認識で宜しいのですね?』
『ああ。状況が状況だからな』
 大きく嘆息をつく仁と、ぐっと何かを呑み込むようにして確認する國子。香月や萬波以下
場の面々が、総じて不安そうな面持ちをしながら、この司令官の言葉を待った。
『……だがまだだ。睦月には、もう少し黙っておこう』

 一口にオタクと言っても、色んなタイプの奴がいる。ただでさえ拘りの強い人種なのに、
そんな一括りで皆仲良くできるだなんて見当違いもいい所だ。
 ソースは僕。まぁ要するに、今まで本当の意味で仲間と呼べる奴がいなかったんだ。まぁ
こう言っておいて、欲しがるっていうのも可笑しな話なんだけども。
「引き金をひきなさい。貴方の望み、叶えてあげる」
 でも、だから僕はあの日、差し出されたリアナイザを手に取ってしまったんだ。
 何の前触れもなく突然現れたゴスロリ服の──見た目とは裏腹にやたらダウナーで上から
目線な女の子。正直一体何が起こってるの分からなかったけど、その一言が妙に僕の胸の中
でトクンと響いたのを覚えている。言われるがままに、デバイスを入れて引き金をひいた。
『願イヲ言エ。ドンナ願イデモ叶エヨウ』
 放たれたデジタルの光の中から現れたのは、一言で表現するならバケツヘッドの怪人。
 そいつは、ゴスロリ服の彼女と同じ事を言ってきた。何でまた、こいつらは寄って集って
僕なんかに構ってくるのだろう……?
 でも実際の所、僕の願いは一つだった。トクンと胸に響いたその瞬間から、返す答えは決
まっていたんだから。
「……友達が欲しい」
 ゴスロリ服の彼女が、このバケツヘッドが、それぞれ怪訝と疑問符でもって僕を見ていた
のが分かった。何でもって言ってた癖に、拍子抜けされたという感じか。だけどもアニメみ
たいに力が欲しいとか、異世界に行きたいとか、そんな現実味のないことを言ったって何に
なるんだろう。分かち合う誰かがいなきゃ……全部虚しいだけなんだから。
『友達、トハ何ダ?』
「えっ? うーん。同じ“好き”を共有できる相手……かな?」
 バケツヘッドは言った。友達とは何かと。だから僕は答えた。それは僕自身の欲している
ものそのものでもあったと思う。
『共有……』
 するとどうだろう。彼は少し考えるようにしてから、ついっと僕の額に指先を当て、次の
瞬間僕と瓜二つの姿になったのだった。
 これが、彼が後のカガミンだ。ゴスロリ服の彼女は「契約完了」とやらを見届けて、何処
かつまならなそうにして帰っていったけど、僕にとっては幸せな時間の始まりだった。
 カガミンと一緒になって、漫画やアニメ、音楽を観たり聴いたりする。
 最初は知識も何も無いからか、ピンと来なかったカガミンだけど、段々その面白さを解っ
てくれるようになった。そして一年ほど経った頃には──僕達は無二の親友となった。
 嬉しかった。その正体も実体化(しんか)とやらが完了した事も、後になってから詳しく
話してくれたけど、もうどうでもよかった。カガミンも同じだった。
 やっとできた本当の友達。同じ“好き”を共有できる相手。加えてカガミンは身体の鏡に
映したものに何でも変身できるから、色んなキャラに化けて貰ったりもした。化けて貰い、
二人してゲラゲラと笑った。
 ……でも、そんな楽しくて幸せな時間も長くは続かなかった。ある日プライドの使いと名
乗る男がやって来て、僕達に守護騎士(ヴァンガード)のデータを採って来いと命令してき
たんだ。
 カガミンは怯えていた。最初に会った頃の、マシンみたいな冷淡さはとうに消えていた。
 彼は戦いたくないと言った。向いてないと言った。それは僕もよく知っている。カガミン
は化けることはできるけど、力まで真似できる訳じゃない。そんな能力を持っているからこ
そ、こんな命令が来たんだろうけど……。少なくとも、何か良からぬ企みに巻き込まれよう
としているらしいってことは、お互いに解っていた。
 嫌だ。でも“蝕卓(ファミリー)”に逆らって無事に済んだ奴はいない。だからと言って
守護騎士(ヴァンガード)に近付こうものなら、最悪カガミンが退治されてしまうかもしれ
ない。僕達は悩んだ。どうにかして、この日常を守れないものかと。
 だから思いついたんだ。
 ならばいっそ、守護騎士(ヴァンガード)に事情を話して守って貰おうって。カガミンが
ある程度情報を持っているから、取引にはなる筈だ。元々僕達は“蝕卓(ファミリー)”の
手下になりたかった訳じゃない。ただこの楽しい日々を、守りたかっただけなんだ……。

「──ごめんくださ~い」
 睦月はこの日も、二見の自宅アパートを訪れていた。言わずもがな、警護目的である。
 エレベーターを降りてから廊下を渡り、部屋のインターホンを押す。覗き穴を一瞥したの
か、少し間が空いた後、ガチャリと扉が開いて瓜二つの二人が迎えてくれた。相変わらずど
っちがどっちか分からない。一旦喋り出すと区別がつくようにはなったけれど。
「ああ、よく来たね。ちょっと待っててくれ。お茶淹れるから」
「あ、いえ。お構いなく……」
 二見とミラージュは、まさか守護騎士(ヴァンガード)の正体が同年代の少年だとは思っ
てもいなかったらしい。それでも奇妙なエンカウントから数日が経ち、三人はすっかり仲良
しになっていた。仁(ゆうじん)が同じサブカル好きという事もあって、思いの外話が弾ん
だのも大きい。
 言って、流しの方へ歩いてゆく二見。私服姿の睦月は苦笑いして遠慮しつつも、ぐるっと
部屋の中を見遣っていた。
 典型的なオタクの部屋である。室内にはあちこちにアニメグッズ、フィギュアなどが飾ら
れており、二見と瓜二つな人間態のミラージュが今日もそれらを愛でている。睦月自身、そ
れまで料理以外これといって趣味らしい趣味はなかったが、仁達との一件もあって何か戦い
以外に打ち込めるものがある人間というのを内心羨ましくさえ思っていた。
「はい、どうぞ。茶請けは適当に開けてあるのでいいか?」
「ええ。ありがとうございます」
 ここ数日ですっかり勝手知りたる何とやらになり、リビングに腰を下ろして暫しのティー
タイムとしゃれ込む睦月と二見、ミラージュ達。
 だがこの日、二見の様子が少し違っていた。寛ぐ睦月をじっと見、何か言いたそうで言い
出し難いといった感じで口元をもごもごさせている。
「……あのさ」
「? はい」
「何で君は、僕達を守ってくれるんだい? 最初、インカムの向こうの兄(あん)ちゃんは
反対してただろう?」
「ああ……その事ですか。前にもちらっと話したと思いますけど、友達にこの手のものやら
ゲームが好きな子が何人かいて、親近感がありまして。それに助けてくれって言ってきたの
は二見さん達じゃないですか」
 フッと睦月は微笑(わら)う。ま、まあ、そうなんだけど……。二見やミラージュも照れ
臭そうに頬や髪を掻いている。
 それにね……。睦月は話し始めた。湯飲みの中の茶葉がゆらゆらと揺れている。
「あまり詳しくは話せないんですけど、僕らは人と共存しているアウターを知っています。
だから他人に危害を加えない・加える意思のないアウターとは、なるべく戦いたくないなあ
って思うんですよ。それに」
「それに?」
「戦いなんてのは、どうしたって虚しいから」
 微笑のままだった。だがそう一言付け加えた睦月の横顔は、ゾクッとするほど実感の籠も
った哀しさを含んでいる。
 二見が、ミラージュが、思わず言葉を失っていた。暫く場に沈黙が横たわった。
 睦月自身、自分の目的の為に戦っている。自分の存在理由を証明したくて、現状自分にし
かできない事をやっている。でもそれは……多くの他者(アウター)を犠牲にしながら行わ
れるものだった。
「自分を認めてくれる誰かがいるって、凄く幸せだと思うんです。それがたとえ人間でなく
てもいい。それで救われる思いがあるなら、それに越した事はないんですから」
「佐原……」
 紡ぐ。それはきっと、海沙や宙を念頭に置いたものだ。
 司令室(コンソール)でこの一部始終を聞いている皆人が、椅子に深く腰掛けたままじっ
と黙っている。香月や國子、他の職員達も複雑な表情で動くに動けない。
「確かに、ずっとこのままじゃいられないのかもしれないけど、アウターだからイコール殺
していいなんてのは、違うと思うんです」
 それは一連の戦いの中で、初めて睦月が直接口にした意見だった。当の二見やミラージュ
も心なしか唇を結んで押し黙っている。或いは守護騎士(ヴァンガード)イコールアウター
を倒す者という認識が揺らいでいるのかもしれない。
(……気持ちは分からんでもないさ。だがな、睦月。それは甘さだよ……)
 そして司令室(コンソール)、通信の向こうに座る皆人も内心で呟く。かねてから彼の苦
悩を知ってはいたが、それでも対策チームの司令官として、そこを譲る訳にはいかない。
「──?」
 ちょうど、そんな時だった。ふと再び部屋のチャイムが鳴った。
 誰だろう? 睦月がハッと我に返って立ち上がろうとする。「ああ、僕が出るよ」二見が
それを制して、一旦覗き穴で確認してからチェーンを外してドアを開ける。
「こんにちは。お届け物です」
「あ、はい。どうも」
 どうやら宅配だったようだ。制服と帽子を着た男性が一人、小包を持って来ている。
 二見は差し出されたサインペンでさっと自署し、荷物を受け取った。軽く帽子を持ち上げ
てこの配達員が立ち去ろうとする。
「……ッ!?」
 しかし様子がおかしい。その場で小包を開け始めた二見が、目を見開いて固まっている。
 どうしたんだ? 睦月とミラージュが異変に気付いて立ち上がる。そおっと振り返って、
二見が顔を引き攣らせて開封したそれを見せてくる。

『裏切り者は許さない』

 菓子箱に貼り付けられていたのは、そんな太く淡々と綴られた一文だった。睦月達や通信
越しの皆人らが目を見開く。
「がっ──!?」
 更に、次の瞬間だった。突然殺気を感じて前に向き直った二見の首を、先程の配達員が絞
めてきたのだ。見ればいつの間にか目が赤く、常軌を逸している。ギチギチと、尋常ではな
い力で絞め殺しに掛かっている。
「二見さん!」「フタミン!」
 インカム越しの指示を待つでもなく、二人は叫び、走り出す。


『抜かった。人間(ヒト)を使ってきたか……!』
 インカムの向こうで皆人が吐き捨てている。睦月とミラージュは慌てて、この二見を襲う
配達員を引き剥がしに掛かった。
「がっ、あっ……!」
「フタミンを、離せぇぇッ!!」
 誰かに操られているのだろう。この配達員の目には明らかに狂気が宿っていた。駆け出し
た内ミラージュが少し早く辿り着き、二見からこの首を締める手を撥ね退ける。
「ぐぇ……。げほっ、げほっ」
「二見さん!」
「大丈夫だ。それよりも早く外へ! こいつは間違いなく“蝕卓(ファミリー)”だ。フタ
ミンを連れて早く!」
 引き剥がされても、尚も凶暴に抵抗するこの配達員──洗脳された人間を組み伏せ、駆け
寄ってくる睦月にミラージュは叫んだ。危うく絞め殺されかけ、咽る二見を彼から託され、
睦月はコクッと頷いて窓際へと走り出す。
「逃げますよ。掴まってください!」
 えっ──? 二見が返事をするのもそこそこに、睦月は懐からEXリアナイザを取り出し
ていた。ぐんと彼を引っ張って叩き開けた窓から放り出すと、自身も跳びながらホログラム
画面を操作して引き金をひく。
『TRACE』
『GELATIN THE JELLY』
 青い光球を纏って変身した守護騎士(ヴァンガード)姿は、身体のあちこちに丸い柔突起
を備えた、青を基調としたものだった。あああああっ!? 六階の高さから飛び降りる格好
になって悲鳴を上げる二見の手を再び掴み、直後全身のその突起から寒天質状の保護膜が押
し出される。
「ぬんっ」
「ひっ……!」
 そして着地。睦月と二見をまるごと包んだこの寒天質のバリアは、二人の着地の衝撃を十
二分に吸収してくれた。怒涛の展開に二見が涙目になっている。役目を果たした寒天質が再
び全身の突起の中に吸い込まれて消えてゆく。
 するとちょうど、同じく窓からミラージュが飛び降りて合流してきた。姿は二見と瓜二つ
であるものの、伊達にアウターではないらしい。
「っと、逃がさねえぜ」
「いひひ。久しぶりー。ねぇねぇ、食べていい?」
 しかし裏手から逃げると踏んでいたのか、待ち構えている者達がいた。
 柄の悪そうなチンピラ風の男と、丸太のような肥満の巨漢。グリードとグラトニー、以前
H&D社の生産プラントでも出くわした、上級アウターのコンビである。
「駄目だ。お前達はもういい。通常のルーティンに戻っていろ。……私がやる」
 加えてそこには、彼ら以外にももう一人別のアウターが立っていた。
 一応は人型だが、頭部を覆うのは不気味な一つ目の銀仮面。濃白の滑らかなショールを羽
織ったその佇まいは何処ぞやの紳士風にも見える。何よりその手には銀縁で装飾された分厚
い本を持っており、言いながら開いた頁がぱらぱらと捲れていた。
「へいへい。ったく、相変わらず人遣いが荒ぇなあ」
「えー。あいつ美味しいのにィ」
「駄目だって。お前、処刑され(ヤられ)てぇのかよ」
 仮面のアウターがゆっくりと前に出るのと同時に、グリードとグラトニーが引き揚げてゆ
くのが見えた。
 だが、睦月達に彼らを追っている暇はない。理由もない。ただギリッと、この立ちはだか
る第三の上級アウターと相対するので精一杯だ。
「くっ。こうなったら……」
 先に動いたのは睦月だった。二見とミラージュを庇うように立ち、近付いて来るこの仮面
のアウターに向かってシュートモードの銃口を向けようとする。しかし。
「──おわっ!?」
 直後、ミラージュが後ろから押し倒してきたのだ。そしてそのすぐ一刹那、ちょうど睦月
の首があった所に何かがギィンッ! と鋭い刃物の音を立てるのを聞く。
「駄目だ! あいつに武器を向けるんじゃない! あれがプライドの能力だ。あいつに危害
を加えようものなら、すぐに“処刑”されちまうぞ!」
 ミラージュは慌てて庇ってくれたのだった。プライド。ハッとなって先程まで立っていた
空間を見遣るが、何も見えない。それだけ一瞬で発動し、消える凶器という事なのか。
「……ありがとう。助かった」
『こちらからもよく見えなかった。何か刃物──ギロチンのようなものが急に現れたような
気がするが……』
 ミラージュに手を引っ張って起こされ、インカム越しの皆人も今し方の映像に眉を顰めて
呟いている。起き上がり、睦月とミラージュ、二見はじりじりっと後退していた。仮面のア
ウターことプライドが、その間もじりじりと近付きながら手の中の本を捲っている。
「守護騎士(ヴァンガード)!」
「ご無事ですか!」
 そして異変を察知した表の隊士達が、それぞれのコンシェルを伴って加勢に来る。
 だがそんな味方も、プライドの前には無力だった。一見にして敵だと理解し襲い掛かろう
としたこのコンシェル達を、瞬く間に空中から現れたギロチンが刎ねていったのである。
「な、何!?」
「俺の、相棒が……」
『まともに戦うな! そいつも幹部の一人だ! 今は二人を逃がす事だけを考えろ!』
 呆然とする隊士達。そこへ二度見、改めてその強さを理解した皆人の叫びが飛ぶ。
 悔しいが、この場では防戦一方にならざるを得なかった。隊士達と睦月で壁を作り、二見
とミラージュを逃がす。プライドの歩いてくる方角とは逆の路地に入って逃げ出した。それ
でも尚、プライドは悠然とした歩みを崩さずに追ってくる。
「私から逃げられると思うか? データを寄越せ」
「い、嫌だ! おいらはもう、人を傷つけたくない!」
「もう放っておいてくれよお! 僕達はただ、のんびり楽しく暮らしたいだけなんだ!」
「……」
 睦月達は散開し、路地裏の物陰に隠れた。時間稼ぎにしかならない事は分かっていたが、
少しでも向こうがハズレの面子を選んでくれることを信じて。
「拙いな……。このままじゃ振り切れない」
「まさか、本人自らやって来るとは思わなかったよ……」
『ど、どうしましょう? まだ近くに反応があります。探してますよ?』
「……。佐原、フタミン」
「?」「な、何?」
「おいらに……考えがある」

 また一グループ、また一グループとハズレの面子を倒しながら、プライドは人気の乏しい
裏路地を歩いていた。
 どうっとボロ雑巾になって倒れる隊士達を一顧だにせず、踵を返して辺りを見渡す。少し
面倒になってきた。こんな事なら少数でも兵を連れてくるべきだったか。いや、向こう側に
守護騎士(ヴァンガード)がついている以上、徒に個体を減らすだけだろう。先日も随分と
可愛がられた。警戒するに越した事はない。
「た、隊長……」
「早く……」
 倒れている隊士達はもう動けなかったが、何やら呟いていた。
 ふん。プライドは一瞥して見下ろし、鼻で哂う。隊長。確かジャンキーを倒したというこ
の者達のリーダー格か。はっきり言って興味はないが、来られると面倒だ。その前にさっさ
とミラージュから守護騎士(ヴァンガード)関連のデータを回収してしまおう。
(何処にいる……?)
 銀仮面の一つ目が、ギロリと殺風景な路地裏を睥睨する。
 こそこそ隠れ続けられると思うな。同胞の気配など感覚を集中させればすぐに分かる。
「ほう? そこにいたか」
 そして暫く立ち、ゆっくりと振り向いた先。
 そこには別の路地裏に入ろうとする守護騎士(ヴァンガード)の後ろ姿があった。目的の
者ではないが、まぁいいだろう。パラリと左手の“法典”を開き、能力を発動する。
「──斬首だ」
 ザン。次の瞬間、その首目掛け、中空から召喚された半透明のギロチンがこれを刎ねる。
呆気なく吹き飛んでいった。ぐらりと、やや遅れて胴体の方が灰色の地面に膝をつく。
「む……?」
 しかし、すぐに違和感に気付いた。膝をついた胴体が砕ける硝子状の光を纏ったかと思う
と、そこには首を失った怪人態のミラージュが座っていた。プライドは微かに眉を顰める。
この猿真似が。同じコンシェルを起源とする力である事を利用し、見誤らせたか。
「へ、へへ……。これで、いい……」
 その直後である。
 おおおおおおおッ!! パワードスーツの下に涙を隠し、頭上から必殺の一閃を打ち下ろ
す睦月の──本物の守護騎士(ヴァンガード)が襲い掛かってきたのは。

 悲痛と怒り、激情に駆られて放った睦月渾身の一撃は、奇しくもプライドの虚を突く事に
成功した。咄嗟に見上げ、半身を返して避けようとするプライド。しかし彼のエネルギーを
纏う剣閃は完全にはかわし切れず、手に持っていた銀縁の本が弾き飛ばされてしまう。
 これこそがミラージュの、命を賭けた囮作戦だったのだ。
 自身の変身能力で、それまで頑なに避けてきた守護騎士(ヴァンガード)の姿を借り、追
ってくるプライドに隙を作る。だが予定はそこまでであって、本来はその隙を突いて彼の能
力の源である手元の“法典”を奪う筈だったのだが……。
「……小癪な」
 銀縁の本を叩き飛ばされ、自身も左手にバチバチとダメージの余韻を残したプライド。
 それをじっと睨みつけながら、睦月は彼と相対してスラッシュモードの剣を構えていた。
ちらと肩越しに崩れ落ちたミラージュを見遣り、覆面の下でギュッと唇を噛み締める。
「何でだよ……。そこまでしなくたって、よかったのに……」
「……いいんだ。いずれ追い詰められる(こうなる)ことは分かってた。おいらは逃げてた
んだ。でもフタミンだけは──大切な友達だけは、守りたかった」
 カガミン! 次いで後ろの物陰から二見が飛び出してくる。その目からはボロボロと涙が
とめどなく零れ落ちていた。膝をついた胴体と、刎ね飛ばされた首。ミラージュの身体を急
いで引き寄せて、彼は声を震わせている。
「ば、馬鹿野郎! お前だけ格好つけてどうするんだよ。僕達は二人で一人だろう? こん
な無茶、頼んでなんか……」
「あはは。大丈夫だよお。おいらは人間と違って、首が飛んでも──」
 だが次の瞬間だった。ぐしゃぐしゃに泣く相棒を見て苦笑するミラージュが、そう宥める
ように諭そうとしたその時、背後から鈍く突き刺さる音がしたのだ。
 下からすくい上げて、抉り取るように。
 二見の顔に、デジタル記号の光の粒子が飛び散った。ミラージュの胴体を、背後から刺し
貫いた怪物の腕がある。
「……」
 全身錆鉄色の、竜(ドラゴン)のアウターだった。以前セイバーの事件の折、一度は絶体
絶命に陥った睦月との間に割って入った、謎のアウターである。
 睦月が、司令室(コンソール)の皆人達が、目を見開いて固まっていた。すぐ目の前で相
棒を奪われた二見は、眼に光を失って硬直している。
 竜(ドラゴン)のアウターは、その貫いた手に一個の光球を握っていた。
 デジタル記号の光が帯となって絡まり、何周にも螺旋する金色の光球。そのさまを他なら
ぬミラージュが驚愕の表情で見つめ、振り絞るように呟く。
「そんな……馬鹿な。その権限、まさか……」
 直後、ミラージュの頭部が胴体が、まるで糸が切れたように崩れ去った。大量のデジタル
記号の光の粒子となり、静かに霧散してゆく。二見がその一部始終、事細かを目撃させられ
ていた。自らが抱えた腕の中で、瓜二つの親友が消えてゆく。
「カガミン……? カガミーン!!」
 そしてその叫びは、睦月の怒りにいよいよ火を点けた。プツンと自分の中で何かが断ち切
られたような気がして、咆哮する。EXリアナイザからホログラム画面を呼び出し、迷う事
なく更なる力を召喚する。
『LION』『TIGER』『CHEETAH』
『LEOPARD』『CAT』『JAGGER』『PUMA』
『TRACE』『ACTIVATED』
「……ッ!」
『KERBEROS』
 赤の強化換装・ケルベロスフォーム。全身を赤い装甲と両肩のモフ、鉤爪や排熱の具足で
覆ったその身体は、一瞬にして猛烈な炎を巻き起こした。
 プライドが身構え、この竜(ドラゴン)のアウターを庇うように横移動する。同時に睦月
は地面を蹴り、怒涛の拳を振るい始めた。
「どうして! どうして! どうして!? 二人は解り合えていたのに! 彼には心があっ
たのに!」
「心……? 馬鹿馬鹿しい。あれは所詮、あの繰り手(ハンドラー)を真似ただけだ。次へ
と向かうステップに過ぎない」
 しかしプライドは、この炎熱纏う連打を易々とかわし続けていた。その上で淡々と、寧ろ
嘲笑うほど冷徹に言ってのける。
「我々は──人間を越える」
「こん……のォッ!!」
 はたして何百発。最後に突き出された睦月の拳は、他ならぬ竜(ドラゴン)のアウターに
よって受け止められていた。
 熱を孕んでも尚、錆鉄色の分厚い掌に掴み返され、微動だにしない拳。
 睦月も抵抗したが、すぐに弾き飛ばされた。尻餅をついてキッと睨み返したその僅かな間
に、プライドは落ちていた自身の“法典”を拾い直し、竜(ドラゴン)のアウターから先程
のデジタル記号の螺旋纏う光球──ミラージュの核(コア)を受け取る。
「目的は果たした。帰るぞ」
 すぐさま起き上がって喰らい付こうとする睦月。しかしプライドはそう竜(ドラゴン)の
アウターに促すように告げたかと思うと、こちらを一瞥して頁を開いた。ゆっくりと片方の
掌をかざし、フォォ……と不穏な風が辺りに過ぎる。
「──禁固刑だ」
 するとどうだろう。次の瞬間、睦月を包囲するように何処からともなく黒い角柱が何本も
降り注ぎ、檻のように組み上がった。数拍、しんと音が無くなる。ガンガンッと中で睦月が
暴れている音がした。そしてようやく、炎熱の鉤爪を何度も叩き込んでこれを破壊、脱出で
きたかと思った時には、もうプライドの姿も竜(ドラゴン)のアウターの姿もなかったので
ある。
「……畜っ、生ォォォッ!!」
 狂ったように、睦月はその場で地面を叩いた。強化された拳は容易にコンクリートの地面
を陥没させる。互いに肩を貸し合って、ようやく隊士達が追いついてきた。しかしもう事は
全て終わってしまっていた。司令室(コンソール)の皆人達も、ただ魂が抜けたようにその
場から項垂れて動かない二見を、沈痛な面持ちで見つめ続けるしかない。


 突然の別れから、二週間近くが経った。
 この日、睦月や冴島、國子のリアナイザ隊の正副隊長は、再び二見の自宅アパートを訪れ
ていた。一階の正面玄関には引越しのトラックがアイドリングしている。先日の騒動を重く
みた──配達員の暴走を二見のせいだと思い込んだ大家の圧力があり、アパートに居られな
くなったのだという。
 インカム越し、司令室(コンソール)には皆人や仁、香月に萬波以下対策チームの面々も
顔を揃えていた。暗く眉を伏せる睦月達に、二見はあくまで気丈に振る舞う。
「その……すまなかったな。色々迷惑掛けちまって」
「い、いえ。僕達こそ、守り切れなくて……」
「仕方ないさ。カガミンも言ってたろ? いつかはこうなる運命だったんだ。あんた達が謝
ることなんて何もない」
 みっちりと私物を詰めたリュックサックを背負って、二見は苦笑(わら)っていた。その
笑顔が却って睦月達を苦しめる。カガミン──ミラージュの名前が出た瞬間、一同の顔色に
険しさが増した。
 そうは言ってくれるが、内心は恨んでいるのではないか?
 元を辿れば、そもそも対策チーム──守護騎士(ヴァンガード)が存在しなければ、彼ら
はこの先も幸せな時間を過ごせたかもしれない。
 でも……。尚も睦月は口篭っていた。そんな知り合ってまだ日の浅い友を見つめて、二見
は再びフッと苦笑(わら)う。それはこの一個下の協力者達への、反省の弁であった。
「いいんだよ。僕もそろそろ、動かなくちゃって思ってたんだ。あの部屋にずっと居たら、
どうしたってカガミンの事を思い出しちゃうし」
『……』
「話が上手過ぎたんだよ。あいつが言ってたみたいに、結局僕は“都合のいい友達”が欲し
かっただけなのかもしれない」
「二見さん……」
 あくまで笑みを浮かべて。
 しかしその胸元にやった手は、きゅっとシャツを握り締めていた。あいつとはプライドの
ことだろう。心のない怪物に心ない言葉を浴びせられ、彼はきっとミラージュを失った以上
に傷付いた筈だ。睦月もまた哀しみと、プライド達への怒りが込み上げる。
「でも彼は、確かにここで君と生きていた。組織を裏切ることになると分かっていても、何
より君を守ろうとしていた」
「無駄では……ありませんよ。誰よりも先ず、貴方がそう信じてあげなければ」
 冴島と、間接的に事の経緯を聞いていた國子が言った。
 そう、なのかな。二見は照れ臭そうで──やはり哀しそうだった。忘れたくはないけど、
憶え続けていることは辛い。そう言外に滲み出ているようでこちらも辛かった。
 暫くの間、四人は黙っていた。睦月の胸ポケットにデバイスごと収まっていたパンドラも
司令室(コンソール)の皆人達も、誰一人これ以上気の利いた言葉を生み出せない。下手に
慰めた所で虚しいだけだと、場の誰もが理解していた。
「……本当、迷惑を掛けてすまなかった」
 そして二見は言う。
「こんな事になるなら……友達なんて、作らなきゃ良かったのかな……?」
 ずっと堪えていて、だけども吐き出さずにはいられなかったものを。
 冴島がそっと眼鏡のブリッジを押さえる。國子も一見微動だにせず立ち続けていた。その
一方で睦月はくしゃっと、今にも泣き出しそうに表情を歪め「だったら──!」と、前に進
み出て紡ごうとする。
 しかしそんな動きを、他ならぬ冴島が押さえていた。ずいっと進み出ようとする睦月の肩
を取り、止める。不安だらけで振り向いてきたその表情(かお)に、静かに小さく首を横に
振ってみせる。睦月はぎゅっと唇を噛み締めていた。そんなやり取りを二見はじっと無言の
まま見つめている。密かに皆人が、軽く頭を片手で掴むと目を瞑った。
「じゃあ、これで」
 二見を乗せたトラックがエンジン音を鳴らし、ゆっくりと動き始めた。睦月や冴島、國子
と皆人ら司令室(コンソール)の面々がこれを見送り、彼の新居での生活が穏やかなもので
あって欲しいと願う。
 だが──それはかなり難しいだろう。少なくともそう簡単に忘れる事などできない筈だ。
 改造リアナイザに願ってまで欲した“友達”の喪失。その現実から逃げようと、向き合お
うと、この先彼に待っているのはきっと精神の地獄だ。悪しき力に手を出した弱さ、自業自
得の末路と言ってしまえばこれまでの召喚主と同じだが、はたして自分達はそんな個々の喪
失感までを考えて戦ってきたのだろうか。
『……』
 答えはない。強いて言うなら、切り捨てるしかない。
 敗北以上の敗北を味わいながら、睦月達は二見を乗せたトラックが走り去ってゆく後ろ姿
を、只々黙って見送る事しかできなかったのだった。
                                  -Episode END-

スポンサーサイト
  1. 2017/06/20(火) 18:00:00|
  2. サハラ・セレクタブル
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<(雑記)今更だろうと自嘲(わら)えども | ホーム | (企画)週刊三題「読書家の墓」>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://higurasisouann.blog27.fc2.com/tb.php/880-8626594a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

自己紹介

長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
します。

訪問者累計

最新記事

最新発言

検索窓

月別履歴

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

分類/索引

【案内板】 (2)
【小説:短編】 (20)
本の蟲 (1)
硝子野不動産店 (1)
夏の日の幻影 (1)
四番線の彼女 (1)
夢視の宿 (1)
線を曳く町 (1)
炬燵の神様 (1)
三者三盗噺 (1)
色眼鏡 (1)
奴らは攻城戦師 (1)
詰め替える (1)
同じ籠の狢 (1)
二十年後の遺言 (1)
轍の先 (1)
水に流せば (1)
真夜中の御二柱 (1)
いつか見た夢 (1)
神様達の初詣 (1)
白い花束 (1)
丸の代償 (1)
【小説:長編】 (150)
Amethyst League (6)
アンティーク・ノート (3)
ユウキのヒカリ (5)
NIGHT GUNNERS (5)
レディ・ルーン-Bonds of RU'MEL- (6)
ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle- (88)
死に損いのデッドレス (5)
Dear SORCERY (4)
サハラ・セレクタブル (28)
【企画処】 (343)
週刊三題 (333)
その他参加物 (10)
【資料庫】 (15)
【落書帳】 (6)
【詩歌帳】 (6)
【雑記帳】 (322)
【読書棚】 (30)
【遊戯倉】 (24)
path. (4)
decide: (3)
ユー録FW (16)

記事録

交友関係

このブログをリンクに追加する

(RSSリンク)

(QRコード)

QR

@long_month からのツイート