日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)いつか不安と享楽(かれら)に

四月です。世間的には新年度を迎えました。

もう手垢の付き過ぎた導入ですが、本当に月日の流れとは早いものですね。去年一昨年を引
き合いに出して家人はまだ寒いだの春はまだ?だのとごちてきますが、個人的にはカッカ明
るく照っているよりも多少陰っているままの方が落ち着きます(病人思考)晴天に清々しさ
を感じない訳ではないのですが、どうせちょうどいい陽気なんて一時のものですしね……。
ただ自分は、毎日・毎月の創作スケジュールと共に生きるのみです。

ユー録の次編プロット作成、亀足ながら進めております。
もう三・四章分くらいこさえ終われば、なろうさんの活報にも書こうかな……? どのみち
次の〆までにはまだまだ時間が掛かりそうだけども。如何せん降ってくるのを待つ閃き頼り
な所があって、思うようにサクサク進んでくれない自分がもどかしいけれど、じゃあ急いた
からって早く仕上がる訳でもなし。これも生みの苦しみって奴なんだと自分に言い聞かせ、
その都度その都度、耐えてはやり過ごしていく他ないんだろうなあと(半分諦めに近い形で)
考えるようにしています。気長にお待ちくださいφ(=_=;)

……とは言っても、自分という人間の根っこはやはりネガティブらしい。

年度替わりという季節柄もあれば、今の作業場にすっかりどっぷり慣れて久しくなったが故
に見えてきたものもあるのでしょう。ふと気付けば、ぼやっと手だけを動かしている間にも
脳裏に過ぎるのは諸々の、リアルの側についての不安が多く。これじゃあ創作思案を併せて
進めてゆくというのも難しい、むべなるかな。職人的にしろ作家的にしろ、できることなら
とかく没頭し続けられる(ことが許される)環境というのが理想ではあるけれど……。だが
それらを阻害するリアルを凡俗だの、面倒だ邪魔だと突っ撥ねるようでは、以前の厨二思考
とさして変わらない。閉じ篭ることは、できない。或いは結局現在も絶賛進行中なのか。

大きな物語ばかりを語るのがみっともない云々という感慨は、その題材を観続けることが辛
いというだけでなく、その実「逃げ」──他ならぬ自分自身の小さなリアル、そこで抱える
課題を責任転嫁し、目を背ける一助にもなっているという点にも起因していると思うのです。
どれだけ社会だのセカイだの、大きなことを語っていようとも、その自分の足元すらまとも
に御せず投げ出しているような人間に、はたして説得力があるものなのか?
(まぁ大きな物語で名を成している御仁のプライベートを他人が一々知ろう・調べようとは
しないかもしれないし、仮に洗ってみてもこっちはてんでって事も少なくはないのですが。
こと藝術に身を捧げたような人間は、極振りされた能力が故に性格やら何やらに難があるっ
てパターンも少なくないですしね)
個人をつぶさに知って勝手に失望するのか、それともあくまで作品とは別物だと切り離して
割り切るのか。これも結局、こちらの心掛け・人格錬磨というよりは相手次第──どうしよ
うもないのかなあ? 突き所さえあれば自他共に何でも叩くんだ、というのも息苦しい。

少なくとも、大きな物語が絶対駄目で、小さな物語が絶対美しいという訳でもない。

要するに両者へ適宜・適度に力を入れるバランス感覚の問題なんだろうなとは思うのだけど、
未だに自分はそんな器用に、身軽に生きられる気がしないのです……(・x・)


うだうだと書いていますが、要するに「将来への不安」ないし迷いがまたむくむくと膨れて
きているんだという話で。

もう手垢が付き過ぎたくらい話していますが、僕は病気持ちです。学生時代に精神をやられ
て身体を壊し、以後何年も実家で日がな伏せっているという生活を送っていました。
そんな折に主治医が勧めてくれたのが、自分の好きな事をやってエネルギーを溜めること。
臥せってからはぷつと途切れてはいましたが、皮肉にも今やライフワークと化した創作活動
に没頭することになったのも、振り返れば間違いなくこの一件が契機です。
鬱々と、部屋に篭もりながら物を書く日々。このままじゃいけないのにという焦り。
そうして寝て起きて、何年も経った一昨年のこと。ふとした切欠で行政から福祉NPOへと
繋がり、現在の作業場──お仕事を得る事ができました。仮とはいえ療養ニートから脱する
ことができたことは、随分と僕自身の肩の荷を降ろしてくれたと覚えています。

ただ……この作業場も結局は「通過点」であって。
法的な区分は、就労継続支援B型作業所。様々な理由で社会の普通から零れ落ちた人達がそ
の復帰を目指して治癒を、必要に応じたステップアップを図る場です。何にしろ段階を踏ま
ねばと言い聞かせて当初から僕はここで働いてきましたが、先月末でそれも丸二年となり、
はたしてこの先どういった道を進んでいけばいいものだろうかと。

大きな軸は、この作業場を梃子にこの分野に今後も携わってゆくのか? もう一つは長年続
けてきた創作活動──作家業を、リアル生計とするのか?
ぐわんぐわんと迷っています。物書きで食っていけるのは理想だし、夢ではあるのだけど、
実際問題その看板を得られるだけの努力・スキル・体力(リソース)は到底足りないと判断
せざるを得ないのが現状です。何よりそうやって夢を追いかける余裕は、もう許されていな
いような気がして……。
僕も三十路を回り、自身の限界というものがちらついてきました。臥せっていた頃からの分
もあるとはいえ、一度失った体力気力(の上限値)はもう戻って来ない。リソースを無限の
ように振り回せるような時代はもう終わってしまったのだと。何よりそうじりじりと切迫感
を覚えるのは、僕以上に確実に目の前で老いてゆく両親の存在であって……。

昔は深く考えもしなかったけど、いざ自分が陥ったからこそ考え込む。このまま福祉の分野
に僕は関われるのだろうか? 生計として、かつて僕がそうだったという経験などを活かし
てこの社会の中で痛んだ人達を助ける存在になれるのだろうか?
……正直言って、まるで自信がありません。二年が経ち、作業場でも古参(設立自体がまだ
浅いので)の部類となった自分ですが、あくまで僕はいち利用者としてチクチク手仕事をや
ってきた、折につけてその他雑務も手伝えるようになっただけで、本丸?の彼らへの支援に
関してはまるで素人です。そもそも一概にこうこうすれば大丈夫、みたいなメソッドが存在
し難い分野であるというのに。
「職人」ではあっても、正直「支援者」になれるのかなあと思うのです。そりゃあ広い意味
では同じ痛んだ者として仲間達を把握し、そっと見守ってはいますが、僕のそれは本質的に
ただ距離を取っているだけなのですから。ここでの手仕事とプライベートの創作活動、その
僕個人の領域(テリトリ)を侵されない為にも、深く関わることを何処かで面倒だと感じて
いる自分がいる。体の病気、心の病気、皆の抱えている事情は様々で、その一人一人をきち
っと本当に“理解”しようとすれば、たちまち僕は疲れてしまう。後学に励めば如何様にも
補正をつけることはできても、決定的に覚悟が足りない。弱さを知って弱さに克ち、未来の
痛んだ人々に寄り添い続けることができるだろうか……? 少なくとも、今僕にそんな自信
も技術もない。僕でいいのだろうか? 所長達から向けられた期待を、裏切るような結果に
なりはしないだろうか? どう内観してみても僕という人間は『他人は他人、自分は自分』
を地でゆくような性質なのに……。

与えてくれた厚意に甘んじ、応えられるかどうかという不安を、日々の創作──夢想の世界
に楽しむことで誤魔化す。
きっとここ二・三年ほどの僕は、そんな状態だと思うのです。いずれ次のステップへ、生計
を立てるという先送りにした人生の命題へと挑まなければならないのに、未だにどっちつか
ずで漂っている。人生の「現役」期間としては、単純計算でもう半分を過ぎている。いつま
でも中途半端なままじゃあ、結局落ちる所まで落ちる結末なのに……。

尤も、こうやって長々と文章に起こすのに暇を使っていること自体が馬鹿なのか。
ぼんやりとした不安は確かに在るというのに、いざ他人を前にすれば上手く言葉に──喋る
ことができず、抱いているものらをはっきりと言語化する力にどうにも困難を感じざるを得
ない。時間を掛けて、日数を掛けて、文章として起こしてみても、その実本当に抱いている
全ての半分も出し切れていないんじゃないかと思う。それでもその一時は吐き出しスッキリ
とした感触でもって好しとし、見逃してしまう。何度も見逃してきた。しかし手持ちの時間
はリソースは確実に減ってゆく。
それはまるで、不安と享楽──定期的に疼いては吐き出して消える衝動と、最早手段ではな
くそれ自体が目的と化した創作中毒にずずいっと距離を詰めて挟まれ、知らず知らずの内に
この首を真綿で絞め付けられているかのような。いずれ、死ぬ。その寸前までそのことを本
当の意味では理解できず、ただリソースだけを食い潰してゆく。そんな事実を、どうしよう
もない僕ら人間の有り様を考えるだけで……未来はあっという間に遠く黒雲を被る。

……嗚呼、また吐き出してしまった。

足りない。多過ぎる。
何度やっても、視えているものさえ掬い切れない。

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  1. 2017/04/04(火) 00:00:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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