日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)努めて小さな物語をぞ

Σ(゚Д゚)

今週は休養期間としていましたが、あっという間に次週が見えてきていますね(早い
というか、すっかり「休む」ことが下手になってしまったなあと。気分転換に積みゲーをや
ったりして遊んだ後は、妙に虚無感やら後ろめたさに襲われて凹み、更にそこへ注いだ時間
が勿体無いと惜しむ。さりとてそれらが戻ってくる筈もなく、結局また一日ぐてんと布団に
潜り込んで終了。

十中八九、中毒なんでしょうねえ。十日どころか四・五日も書かなければ疼くし、筆感覚が
何処かに往ってしまって(しまうようで)焦る。正直な話、作業場で軽く事務──文章を打
っただけで少しホッとしましたもん;ただまぁそれだけでは足りないので、どのみちこうや
してまた雑感を絞り出そうとしている訳なのですが……。

さて、プロット作成の状況ですが──殆ど進んでおりません<(^o^)>
先日第Ⅵ部終了分までの資料集更新(加筆・修正)は済ませましたが、肝心のその先の展開
がまるで詰められていない。大まかな流れはかねてから考えてはあるんですけど、主だった
イベントの配置、最初の大きな杭打ちすらまだ途上といった状態です。
ただあまり急いた所でどうなるものでもなし、その内ふいっと降ってくる時が来るだろうと
腰を据えて挑む気ではいるのですが、如何せん当初切った大よその予定期間の間に終わるの
だろうか? ならば或いはもう、順繰りに一章分ずつごり押して書き始めてもいいかもしれ
ないけれど、それはそれで雑になっていきそうな気もします。なるべく書く時にも困らない
よう、今の段階できっちり詰められるようになる練習でもありますし……。
(キャラが勝手に動く、と言えば聞こえはいいですが、始めからそういった要素に期待する
べきではないと考えます。某作家の言葉を借りれば、設計通りに物語が人物が動かないのは
結局の所“バグ”のようなものであって、徒に運頼みになってしまいます)

……やっぱあれかなあ。やりたい事・創りたいものが散在し過ぎてるのと、それらの優先順
位をちゃんとつけてゆくのが遅れているのと。

色々と夢想して構想を書き出すのは楽しくても、いざそれを一本の企画として練り上げ先ず
プロットの段階までもっていく、実際に形に出来るのはまた別問題です。風呂敷を広げる事
ばかり達者でも、寧ろめいめいを適宜畳めるノウハウを蓄積していかないことにはどうにも
ならない(=残弾を造れない)どうもここ暫くは、脳味噌の中を散らかしてばかりのような
気がしますね。そりゃ捗らないわ。整理しなきゃ。

もっと、もっと。
だけど何よりも先ず濃密に。


という訳で、今回は「密度」のお話。いや、厳密には「スケール」の大小についてかな。

よくもまぁ我ながら続けてきたもので、拙作ユー録も連載開始から今年で六年を迎えます。
そして、ある意味宿命なのかもしれませんが、物語が長くなってくるとそのストーリーとは
得てして壮大なものとなりがちです。初期の舞台とキャラクタ達のみでは“事件”を持続さ
せることが難しくなってくるんですよね。だから新しい場所と人物を用意する必要がある。
それによって新しい相関図が生まれ、事件が続いたり、或いは新しく生まれたりする。中に
は一話完結式な作品もありますが、物語を持続させる手段としてはやはりこうした「増設」
が安牌でしょう(それに一話完結式な作品も、主要人物こそ固定であれ、各回毎にゲスト的
なキャラクタが登場する事で話が始まる・進むといったパターンが多いですし)

ただ僕個人は、特に昨今、自作がこうも大掛かりになってゆくのを肯定的──手放しで喜び
悦に浸り続けられなくなりました。寧ろ早く畳みたい、もっと“新しい”物語を書きたいと
うずうずしては断片的な構造ばかり零し、結局今ある分を越えられる気がしなくて失速する
というパターンを繰り返しています。
何と言うか……無駄に壮大になりがちじゃないですか。長編って。最初はローカルな地域を
うろうろしていたのに、段々とその活動域が拡大──幾つもの事件を経てその物語世界の表
舞台に立つようになる。良くも悪くも目立つようになる。あと主人公が実は○○だった!的
な後付け的な補強も満を持して登場し、作中の人物達が揃いも揃って驚いてみせたり、何か
含んだものを抱き始めたり。こと自分がファンタジー系を題材に採っていることが多いので
尚更そういった演出とは縁がある。
だけど、実際の所それらをただごり押していいのかなぁと思うのです。この閉塞感漂うご時
世っていうのもあるんだろうけど、得てして昨今の壮大な物語の主人公って特に明確な理由
もなく無双しては成り上がったり、やたら好かれたり、或いは逆にやたらハイスペック設定
が始めからあったり、後出しでひけらかしたり。
(前者の表現を借りれば逆ベクトル──“詰め込み過ぎ”な無双状態)
なので、リアルが雁字搦めで辛いから、せめて物語の中だけでも掣肘を受けない最強の私と
いうものを追体験したいのかなあと推測したりします。若しくはそもそも、大半の人は物語
に小難しさなど求めておらず、単に癒しだったり暇潰しに活字を追うなんていう消費の仕方
であるのかもしれません。その意味で、やはり作家とはエゴの商売なんだなと。

小難しさなど求めていない。

これです。ただ壮大な世界観やら話の展開があればいいってもんじゃない。本当にクールな
物語というのは、寧ろそういった“大きな”ものはなるべく本編の裏方に回せて、そこまで
突っ込んで覗いてくる物好きさんにだけは惜しみなく開帳されるぐらいが(同作品に対する
ニーズの棲み分け的な意味でも)ちょうどいいんじゃないかと、そう思いを来たすのです。

……政治だったり、経済だったり、戦争だったり社会問題だったり。
個人の主観がたっぷり入っているが故というのは否めませんが、僕らはあまりそうやって徒
にスケールの大きいものを語り出してがなり合うべきじゃない。少なくとも“運動”に身を
投じて主義をぶつけ合う人々の様はとにかく見苦しい。これが物語作品の中ならまだ拳で語
って済む──和解や妥協、ないし徹底的な決別からの殲滅など何かしらピリオドがあります
が、現実はそこまでするりと終止符は打たせてくれません。寧ろ打っても打っても根本的で
はなかったり、新しく火をくべ煙を立たせさえされる。物語という一つの箱庭にオブラート
に包んで表現しているとしても、その本質は変わらない。闘争か、嘆きか。それらは両極端
のようで、切欠一つでどちらにも毛色を変えてしまいうる。先述の無双やら成り上がり属性
然り、表す者自身が悦に浸って「読んで貰っている」ことを忘れてしまっては一体誰の為の
物語なのか。それらを悦び合う“内輪”という意味では小さなスケールなのかもしれないけ
れど、彼らの共有するその精神的スケールは無駄な大きさを孕むのではないでしょうか。
何と言うか……物語それ自体が大事にされていない気がするのですよね。結局消費財でしか
ないというか。欲張りなのかもしれませんが、叶うのならもっと血肉にして貰える物語であ
りたいし、あって欲しいなって……。

ある意味で「逃げ」だと思うんですよ。何かしら伝えたいものを、スケールの大きな問題に
再変換してしまうと、主語ばかりが大きくなって目的語がぼんやりとしてしまう。これって
結構「楽」なんですよね。それだけで語った気になれるから。壮大と銘打てば聞こえはいい
けれど、その実お前(僕)はじゃあ、どれだけ緻密に強かにクリティカルに届くものを作り
込めてる? シビアに突っ込んでいけば、そういう話で。

勿論、この価値観だけが全てじゃない。こと映像作品ならば壮大な画それ自体に人を感動さ
せる力があると思うし、ダイナミズムに蠢く人々の描出に「生」とめいめいの学びを読み取
る事だってあるだろう。
……ただ、僕個人は正直、そういう大スケールに疲れてきたかな? というだけで。
それは例の如く、スケールの大きさが即ち何かしらのイデオロギーに流れてゆくことへの辟
易だったりするし、単純に自分がそれほどの規模を畳めるスキルを未だ持ち合わせていない
だけの負け惜しみだったりもする。夢想すること自体を楽しみ切れなくなった昨今、いずれ
形にすることすらできない創作は、僕にとって最早カウントすらされない(することを許せ
ない)のかもしれない。
……ならばいっそ、もっとコンパクトに纏まるように物語を組んでいく方がよっぽど精神衛
生的には健康だろう。少なくともぴしっと、今までの過去作以上に一先ず消化し切ったピリ
オドをつけられるぐらいのスケールで充分だと思う。技量に相応しいのではと思う。
加え、こと自分が福祉系の仕事に携わっているものだから、いわゆる「問題」とはその主語
をやたら大きくしてはいけないと日々感じていることも大きいのでしょう。その「問題」を
抱えるのは目の前の個人であって、立ち向かうべき制度はあくまで手段でしかない。目的は
目の前の彼・彼女を救うこと。軽減すること。スケールの大きな一般論で慰めても、彼らに
は殆ど意味はないし、届かない。故に問題のスケールを大きくして眼を向ける相手があさっ
てに──闘争へと向かうことのちぐはぐさは、言わずもがな。

出来る事なら、これから先はもっとスケールの小さな、ぎゅっと素朴な中に込めた物語を創
っていきたいです。何も伝えたいことの熱量や質量は、必ずしも箱庭の壮大さに比例する訳
ではありませんし、十分条件ではなく必要条件──先にある筈のものなのですから。

スポンサーサイト
  1. 2017/03/16(木) 23:00:00|
  2. 【雑記帳】
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<(企画)週刊三題「濁流」 | ホーム | (企画)週刊三題「サバイブ」>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://higurasisouann.blog27.fc2.com/tb.php/849-86a7b179
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

自己紹介

長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
します。

訪問者累計

最新記事

最新発言

検索窓

月別履歴

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

分類/索引

【案内板】 (2)
【小説:短編】 (20)
本の蟲 (1)
硝子野不動産店 (1)
夏の日の幻影 (1)
四番線の彼女 (1)
夢視の宿 (1)
線を曳く町 (1)
炬燵の神様 (1)
三者三盗噺 (1)
色眼鏡 (1)
奴らは攻城戦師 (1)
詰め替える (1)
同じ籠の狢 (1)
二十年後の遺言 (1)
轍の先 (1)
水に流せば (1)
真夜中の御二柱 (1)
いつか見た夢 (1)
神様達の初詣 (1)
白い花束 (1)
丸の代償 (1)
【小説:長編】 (150)
Amethyst League (6)
アンティーク・ノート (3)
ユウキのヒカリ (5)
NIGHT GUNNERS (5)
レディ・ルーン-Bonds of RU'MEL- (6)
ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle- (88)
死に損いのデッドレス (5)
Dear SORCERY (4)
サハラ・セレクタブル (28)
【企画処】 (344)
週刊三題 (334)
その他参加物 (10)
【資料庫】 (15)
【落書帳】 (6)
【詩歌帳】 (6)
【雑記帳】 (323)
【読書棚】 (30)
【遊戯倉】 (24)
path. (4)
decide: (3)
ユー録FW (16)

記事録

交友関係

このブログをリンクに追加する

(RSSリンク)

(QRコード)

QR

@long_month からのツイート