日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)同じヒトなら優しさを

急に空気が冷たく寒くなってきました。早くも十月も終盤となったのですね。芸術の秋も気
付けばあっという間に過ぎ去り、聞こえてくるのは冬の足音のようです。
季節の変わり目故、皆さんも身体を壊さないように気をつけて下さいね。
こんにちは、長月です。

夏の暑さよりマシとはいえ、寒いと外に出るのが面倒になってきますよね……。
かといって、部屋にれば執筆が捗るかというと別にそうでもないのが難儀な所です<(^o^)>
連載もとうとう十章──二桁の章立てに突入しました。
ツイッタでも進捗報告を呟いていますが、ぼちぼちと書いていこうと思います。
豆腐なカラダでも、思考だけは止めないように。
見えぬ誰かであっても、娯楽と思索の糧になる物語の書き手となりたい。
そんな若輩者の今日この頃であります。


「思考停止」といえば、先日ツイッタで友人とのやり取り(齟齬?)がありました。
日々の報道に目を配っている皆さんならご存知かと思いますが、どうやら日本政府が韓国と
の外貨スワップ上限の拡張を決めたとか。……経済学に詳しい訳ではないので、各自仔細は
調べて頂きたいところなのですが、ざっくり言うと「互いの外貨の融通枠を増やす」ことで
あるようですね。

ですが、世間──というよりネット上でその報が出た際の反応は、少々ラディカルなもので
した。曰く「韓国にまた金をせびられた」「震災復興の予算以上の金(報があった当時で、
前者は約2兆円に対し、後者は5兆円に上ります)を何で外国にやるんだよ」等々。
騒がれていたのは、そういった国内事情とは別に(韓国という隣国へ)予算を投げるかのよ
うな政治の決定に対するブーイングの類、その声が少なからず見られたように思います。

実は言うと、僕も当初はそんな懐疑的な声を持っていた一人でした。
「韓国だから」という昨今の?嫌韓論は抜きにしても、国内が震災や不況を始め大変な状態
なのに、そんな支出は違うんじゃないのか。優先順位が間違ってないか? そう思ってぽつ
と呟いたのですよね。
すると……その発言を見ていたその友人が苦言を呈してきました。
曰く「外貨スワップは一方的な金銭授受ではない」云々。
門外漢なのでやはり詳細は割愛しますが、僕の理解ではこういった論点でした。
一つは、今回の取り決めは、先の欧州信用不安によって影響を受けている新興国の金融市場
を下支えする目的があること。
二つは、外貨の融通=貿易枠の拡張であって、日本が一方的な損だと決まった訳ではない
(為替の損益差などはあっても)こと
三つは、融通を増やすのであってすぐに国内の資金が失われるものではないこと。
こういったような、経済学を知る?が故の反論でした。
そして……何よりもこの友人が嘆いていたのは、
『嫌韓をベースに、よく知ろうともしないで脊髄反射的に騒ぐ皆の非論理的さ』でした。

なるほど。僕は大いに頷いていました。
確かにロジカルではない。僕も当初「嫌韓感情」のような、何かの前提・結論ありきだけで
物事を語るのは論理的ではないと思っていたので、それは尤もな思いだと思ったのです。
──しかし。
次に彼が漏らした言葉で、僕らは互いの考え方の違いを見たような気がしました。
『本当、衆愚政治だよな』
そんな嘆き。国民が“衆愚”だという僕も否定しない現実を、彼は自身の無力感──どんな
に自分が考えたって、思ったって、そんな人達を変える事はできないという知性ある者故の
深い諦観と共にディスプレイの向こう側で呟いていたのでした。
それでも……いや、彼がそう呟いてくれたからこそ、僕は自覚できたのです。
『うーん、何だか○○は人と距離を取り過ぎてる気がするなぁ』
正直なそんな感想を。
『僕みたいにさ、人を描く物書きは、人を諦めちゃいけないと思うんだ』
そして僕自身の中で言葉として形をみせたもの。彼のお蔭で芽生えたそんなフレーズを。
友人はその後、ディスプレイの向こうでじっと考え込んでいるようにもみえました。

──考え直してみる。
そうは言ってくれたけど、果たしてこれでよかったのか? 今になって後悔もあって。
僕はまだ“世間様”に彼ほど揉まれている訳でもないからこそ、こんな「奇麗事」を吐ける
のかもしれません。言葉では何とでも言えても、多分自分達では彼が嘆いたようにセカイを
変えることはできないのかもしれません。
それでも……。僕はそこを譲りたくはなかった。物書きとして、思索をこね回す一人として
その対象である人を安易な形で諦める──斜に構えて傍観者になりし、或いは失望した思い
を辛辣で以って彼らに投げ返す──ことを良しとはしたくなかった。
それはそうした醜い応酬の中に浸ることが、その洗礼を受けることが、どれだけ互いを苦し
めるだけのものであるのか、こんな若輩者でも身を以って知っていたから。
……周りの誰かに強制はしなくとも、せめて自分自身は優しく、理性的でありたいと願って
きたから。その想いを投げ棄てたくはなかったから。

“闘争”しろとはいいません。
ラディカルに闘っても、所詮は「猿山のボス」を挿げ替える一種の熱狂だけに終わってしま
いがちでしょうし、それだけで根本的に変わるとは思えません。何よりも、そんな闘争の繰
り返しはとても虚しいと思うのです。
“論破”するのが目的ではないのです。
ロジカルであれと言うのは、相手を打ち負かすことではなく、共存できる道筋を探ることに
あるからに他なりません。言葉を弄して相手を砕くことは、手段こそ違っても「暴力」だと
僕は思うのです。
既存の権力が悪? それを糾弾する僕らが正義? いや……違う。
同じなんだ。権力の側も、非権力の側も、同じヒトに変わりはない筈で。
だからこそ、互いに闘争でもなく論破でもない“答えを共に探す為の論理的思考”に臨める
筈だと、僕はまだ信じてみたいのです。

理想論過ぎるでしょうか。歯が浮く科白でしょうか。
それでも……僕はやはり願いたい。
苛烈に争うセカイよりも、優しさが尊ばれるセカイを。

同時にそれが成されていけばきっと、友人のように、想うが故に苦しんでしまう人々を救い
出すことにもなる筈だから。

スポンサーサイト
  1. 2011/10/26(水) 21:00:00|
  2. 【雑記帳】
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<(書棚)感想:石田衣良『うつくしい子ども』 | ホーム | (書棚)とある物書の読了履歴>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://higurasisouann.blog27.fc2.com/tb.php/82-f8eaea6e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

自己紹介

長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
します。

訪問者累計

最新記事

最新発言

検索窓

月別履歴

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

分類/索引

【案内板】 (2)
【小説:短編】 (20)
本の蟲 (1)
硝子野不動産店 (1)
夏の日の幻影 (1)
四番線の彼女 (1)
夢視の宿 (1)
線を曳く町 (1)
炬燵の神様 (1)
三者三盗噺 (1)
色眼鏡 (1)
奴らは攻城戦師 (1)
詰め替える (1)
同じ籠の狢 (1)
二十年後の遺言 (1)
轍の先 (1)
水に流せば (1)
真夜中の御二柱 (1)
いつか見た夢 (1)
神様達の初詣 (1)
白い花束 (1)
丸の代償 (1)
【小説:長編】 (151)
Amethyst League (6)
アンティーク・ノート (3)
ユウキのヒカリ (5)
NIGHT GUNNERS (5)
レディ・ルーン-Bonds of RU'MEL- (6)
ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle- (89)
死に損いのデッドレス (5)
Dear SORCERY (4)
サハラ・セレクタブル (28)
【企画処】 (349)
週刊三題 (339)
その他参加物 (10)
【資料庫】 (15)
【落書帳】 (6)
【詩歌帳】 (6)
【雑記帳】 (326)
【読書棚】 (30)
【遊戯倉】 (24)
path. (4)
decide: (3)
ユー録FW (16)

記事録

交友関係

このブログをリンクに追加する

(RSSリンク)

(QRコード)

QR

@long_month からのツイート