日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)移ろう姿を留めたくて

随分と過ごしやすくなりましたね。こんにちは、長月です。
先日、連載の九章をUPしました。期せずして、現在今作中最大分量となっています<(^o^)>
まぁ戦闘回(盛り場?)の章立てでプロット段階でもシーンを多めに構成していたので、多
少長くなるだろうとは予想していたのですが……;

話題は変わってツイッタ(という名の小日記)での一コマ。
TL上で「創作の修行方法を晒し合ってスキルアップ」なるハッシュタグを見つけ、暫くその
発言の流れを眺めていました。
その多くはひたすら書く、模写する、好きな作品を自分なりにアンソロジー化して練習台に
する等々。割と個別具体的なノウハウだったと思います。
ですが……自分自身はちょっと唸っていました。
確かに「これで君も絶対文章力UP!!」みたいな方法があるのなら自分も飛びついているかも
しれませんが、実際はそうこれだ!という確固たる方法があるとは思えないのですよね。
皆さんが寄せた例は結局は個人的な経験則とか、或いは何処かのノウハウ本の受け売りのよ
うな。そんな印象を受けたのです。
でも文章力ってものは、そういう小手先の鍛錬で得られるものなのだろうか?
(偉そうに言っていますが)何だか違うような気がするのですよね……。


勿論、文章を書く技術論が要らない訳ではありません。
多少なりとも「作法」はありますし、仮に何処かの公募に投稿するのならば尚の事、そこで
示されているルールは守るべきでしょう。
それでも技巧というのは、あくまで“基礎体力”だと僕は思うのです。
単に文章がトリックばかりであるだけで、他人がその文章を「上手い文章」だと思うには足
りないのではないでしょうか?
加えて大事なのは、そこに「心」を書き留められているかにあると思うのです。
良い文章──それは(特に小説などは)人や事物、様々な“変化するもの”らを言葉という
手段で以って留められている。その点において巧妙・精緻であったりすると認められた文章
ではないか? 僕はそう考えています。

物書きが紡ぐもの、それは言葉ですが、何よりもその対象は“現実”だと思っています。
たとえ物語の舞台が仮想の世界でも、ファンタジーでも、そこには何かしら作者達が思い、
多くの考えを巡らせたメッセージ性がある。
(それはもう娯楽とは呼べないのかもしれませんが……)
だからこそ、僕らはただキャラクタが動く過程を「説明」するのではなく、むしろその理由
となる心の映りよう、思いの中身を「切り取る」ことに文章力を費やすべきではないのかと
いう気がして。
故に良い文章とは描きたいそれと同様、時代と共に日々移ろうものだと思うのです。
それ故にこれだという固定された解が早々定まるとは思えないのです(技術論を除く)

では、その現実(リアル)とは何だろう? 人って何だろう?
僕は物書きと共にそうやって世の中の事象に眼をしばしば向けてきたつもりです。
でも……そこから返ってきた姿(レスポンス)は決して良い文章をと願う綺麗さ、青臭さと
は必ずしも馴染まないものがどうしても多く目に付いてしまって。
政治、経済、宗教、私事。
どこにも集団故の柵や腐敗、或いは歪な個人が台頭し、この眼に醜悪を見せてくる。
事あるごとに人とは愚かだと、汚らわしいものだと、ネガティブな印象を「結論」に持って
こさせようとしてくるかのようにすら思える。
だけど、それは違うんじゃないかと、僕は思うのです。

──少なくとも人を描く物書きが、人間を諦めちゃいけない。

かつては世の人を愚を斜に構えて哂い、蹴り飛ばす事“閉じた悦”に落ちていた僕ですが、
今はそう自分に自戒を込めて言い聞かせているのです。

せめて物語では、良き終末を。
思索の果てだろうが、娯楽の中でだろうが、せめて手に取る人達の清涼剤になれたらどれだ
けいいだろう。物書き冥利に尽きるだろう。
言葉は誰かを攻撃する為のものじゃいけない。
誰かを──こう言うと大袈裟ですが──救う為のものにしなければと思うのです。
とはいえ、これも逆ベクトル(人は醜い。自分は奴らとは違う!といった侮蔑)と共に、押
し付けがましい「してあげる気取り」や優越感・要らぬ自己陶酔へと陥る可能性があるのは
否めないのですけど……。

移ろうものを言葉に留めること。それら見つめ続け、諦めないこと。
良い文章とは、長く険しい道のりです。ゴールさえ見えない苦行でもあるのでしょう。
だけど、このカラダがもつ限り、僕はその営みを続けていきたいと思っています。

この手で残した物語達が何時の日か、人を……より多くの人を、良き心へ誘ってくれる。
その一助になると信じて。そうなってくれればと願って。

スポンサーサイト
  1. 2011/10/20(木) 00:30:00|
  2. 【雑記帳】
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<(書棚)とある物書の読了履歴 | ホーム | (長編)ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle-〔9〕>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://higurasisouann.blog27.fc2.com/tb.php/80-2a5a2cc4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

自己紹介

長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
します。

訪問者累計

最新記事

最新発言

検索窓

月別履歴

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

分類/索引

【案内板】 (2)
【小説:短編】 (20)
本の蟲 (1)
硝子野不動産店 (1)
夏の日の幻影 (1)
四番線の彼女 (1)
夢視の宿 (1)
線を曳く町 (1)
炬燵の神様 (1)
三者三盗噺 (1)
色眼鏡 (1)
奴らは攻城戦師 (1)
詰め替える (1)
同じ籠の狢 (1)
二十年後の遺言 (1)
轍の先 (1)
水に流せば (1)
真夜中の御二柱 (1)
いつか見た夢 (1)
神様達の初詣 (1)
白い花束 (1)
丸の代償 (1)
【小説:長編】 (150)
Amethyst League (6)
アンティーク・ノート (3)
ユウキのヒカリ (5)
NIGHT GUNNERS (5)
レディ・ルーン-Bonds of RU'MEL- (6)
ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle- (88)
死に損いのデッドレス (5)
Dear SORCERY (4)
サハラ・セレクタブル (28)
【企画処】 (344)
週刊三題 (334)
その他参加物 (10)
【資料庫】 (15)
【落書帳】 (6)
【詩歌帳】 (6)
【雑記帳】 (323)
【読書棚】 (30)
【遊戯倉】 (24)
path. (4)
decide: (3)
ユー録FW (16)

記事録

交友関係

このブログをリンクに追加する

(RSSリンク)

(QRコード)

QR

@long_month からのツイート