日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)役に立つとか立たぬとか

(まだ一週間と経ってはいませんが)

いやあ、遂に梅雨明けですね。統計上では平年よりやや早い部類のようですが、自分の個人
的な体感としては今年はもっと早くても違和感がなかった。まぁ一度降るとさっぱあ降って
たので、明け宣言する条件などが満たせてなかったのでしょうが……。
ともあれ夏本番です。これからどんどん暑くなっていきますよ。子供達はぼちぼち夏休みに
なるんですかね? こっちはまだ田舎なのでマシですが、コンクリジャングルな街の方だと
既にもっと酷暑になっているんだろうなあ(´A`)
重々承知の事とは思いますが、こまめに水分を摂って、日陰に逃げましょう作りましょう。
室内でも空調が掛かってなければ熱中症になってしまう可能性はあります。どうかお身体を
第一にして過ごしてください。

──尤も、かく言う自分は根っからのインドア派であり、お仕事も基本屋内でありまして。

先日、サハラ~の十五章をUPしました。8エピソード目前編です。
ようやっと、二ヶ月ぶりに更新と相成りました。今回からシーズン2となりますヽ(・ω・)ノ
プロット作成で暫く間が空いていたので文章運びに不安もありましたが、まぁそれも含めて
の作者なのだと前向きに考える事にします。一節一節が雑になっていないかとか、密度が落
ちていないかとか、そんな中の人の個人的な拘り云々よりも、畢竟重要なのは読者にとって
面白いか否かであって、彼らの益にならない事をうじうじと考えるよりはもっと面白くする
工夫に執筆自体に労力を注ぐべきだろ? という、如何せん効率厨的な哂い声。実際自身の
こういう思いが杞憂で、それだけ(流石にこれだけ数をこさえれば)相応の技量が積み上が
ってきた証が故の「慣れ」なんだと、思いたいんですがね……。天狗になってはいけない。

ともあれ、今月より長編x2、週一で三題という現状でき得るコンスタントな更新ペースに戻
ってくることができました。相変わらず決して順風満帆な物語ではありませんが、宜しけれ
ば今後とも気長に生温かくお付き合いくださいませm(_ _)m

……嗚呼、一安心。これで今月は大方片付いた。

身体はどうしたって衰えるしかないのだから、無理せず常に余力を残しておくべきなのだけ
ど、定期なコンテンツ以外にも創れるものもキチンと創り切って形にしたいもんだね……。


がらりと話題は変わりますが、今回は少々ややこしい福祉のお話。

ここ一年ほど何度か言及していますが、僕は現在とある作業場で働かせて貰っています。山
合いにある小さな作業場です。何より此処は、主に心身に病を抱えた人達を受け入れ、その
就労を含めたステップアップの為に開かれている(ざっくりと括れば)福祉系の事業所でも
あります。
なので、僕も大なり小なり、何かしら生き辛さを抱える人を見聞きすると「どうすればいい
だろう?」という思考がふわっと巡るようになっています。自身がその一人である──だっ
たからこそ、今度は誰かに還元したいなと心持ちが変遷してきたのかもしれませんね。

先日の夕食の席でのことでした。母(パート勤め)が僕の向かいで、いつもの事と言えばい
つもの事ではあるのですが、職場での愚痴を一つ漏らしていたのでした。
それは、三十代ぐらいのまだ歳若い同僚さんの仕事が下手クソだというもの。僕自身も母伝
でしか聞いていないのですが、計算ができない・すぐ前のことを覚えていない・集中力が続
かないなどの症状を繰り返しており、もしかしたら発達障害ではないか? というのです。
勿論本人に直接訊くようなデリカシーのない行動はできませんし、その方自身は普通に結婚
してお子さんもいる。だけど、全員が全員きちんと病として把握・告知されている訳ではな
いので、可能性はあるだろうと。僕はそう答えました。
……問題はそこから。今回こうして雑記の一つにする切欠は、そのすぐ後のことです。

『困るのよねえ。私達の負担が増えるのに。何であんな子を雇ったのかしら』

実母だから擁護しているのかもしれません。ただその時その場でその言葉を聞いた本人とし
ては、母にそれ以上に他意はなかったと思います。ただ単純に「自分の仕事が乱される」と
嘆いた、それだけなんだと思います。
……でも、聞いていた僕は、他人事とはいえ辛かった。もやもやとした。息子という病んだ
他人というケースを経験しても尚、人は自分以外の誰かに寛容ではいられないのか。
この場合、一体どちらが間違っているのでしょう? 抱えた性質的に向いていない職場に就
いたその同僚さんか、見抜けず雇ってしまった経営者か。或いは殊更の直接的害意を向けた
訳でもない母もまたその一犯なのか。
(ざっくり括れば)福祉系の事業所に勤めている一人として、ふと暗澹たる深みに転がりそ
うになった一件でした。平坦な道でないことくらいは解っている。だけども、こう身近な所
でも、いわゆる「普通」じゃない人間が「普通」を標榜する世間一般大多数の中で生きてい
くのがこうも無数の壁が立ちはだかるとは。

悪意があるならもっての外。しかし多くの場合、彼らは別に攻撃すること自体が目的でそう
いう態度を取る訳ではない筈で。

当たり前の事ですが、世の中の人間の大半は先ず自分の日常が大事です。たとえ自分に負担
や不利益がおっ被さっても社会的に弱い人達を守る・優先する──そんな聖人君子な人間な
どまずいないと考えてよいでしょう。でも世間様の眼は、声は(叫ぶ当人はともかく)他者
にそうで在れと半ば強制しようとする向きさえある。例えば子供、例えば女性、例えば病人
や老人。彼らの為に譲ることを拒めば、彼らはきっと「差別だ!」と罵ってくる……。

思うに、そういう“差別利権”が現実に生まれ存在してしまっているからこそ、余計に世の
人々は中々あからさまに助けないし、自分の日常へ日常へとミニマムに悪い意味で籠もって
いく。消極的な反発というか何というか。ワールドワイドに見ても、今各国で様々な差別に
対しての解放的な政策善──ポリティカルコレクトネスに強硬に反対する人達が出てきてい
るのも、こうした「弱者」という属性を利用したマウントを取ってくる輩が少なからずいる
ことに(原因の一つとして)起因しているのではないかと思うのです。実際、いわゆる差別
利権に関わっている人間と、本当に困っている弱者というのは結構な隔たりがあると僕には
思えます。そもそもそれだけ他人へマウントを取りに掛かるぐらいバイタリティのある人間
が「弱い」訳ないですからね。加えて、差別だ差別だ俺にも寄越せと高らかに叫ぶという態
度の裏には、マイノリティだけども結局マジョリティでなければ「普通」ではないといった
意識が潜んでいるという指摘も在りますし……。
(個として弱かろうが、強かろうが、絶対多数派の「普通」に属さなければならないという
焦りで動いているのなら、それは結局ただの権力闘争的なものでしかない、ということ?)

しかして、難しい問題です。では弱者は求めるなという事かと言われると、必ずしもそうで
はないのですから。そうであっては困るのですから。

ここからは僕個人の意見であって、病を持つ人間全体の意思ではないことを勿論の事ながら
前もって宣言しておきます。──個人的には、究極「違う」者同士はたとえ病の有無であろ
うとも徒に平等に対等に、同じであろうとしなくてもいいのでは? と考えます。
さりとて『そのままでいいんだよ』という安易な優しさで片付けようとも思いません。此処
に通い始め、心身様々な生き辛さを抱えている方を見ていると、それがどんなに自分にとっ
て体のいい楽な逃げ口上なことか。前に話したと思いますが、本当に弱き人に寄り添おうと
するならば、相当量の“覚悟”が必須になってきます。彼らをケアできるのに充分なスキル
という意味でも、自分自身が被さってくる負荷に耐えかね「先ず自分が大事」と匙を投げて
しまう末路を事前も事前の段階で避ける為にも。
人間には、色んなレールを通ってきた人達がいます。もし例えるのならば、その「普通」の
レールを経ないで(経ることが叶わず)ぐねぐねと遠回りしているのが、いわゆる弱者と言
われる人達であり、彼らの生き辛さの理由であるのだろうと考えます。一見遠回りで同じ路
線に乗ってこないからこそ、乗っている人達には奇異に映るし、“面倒”な相手になってし
まうのだと思います。でもいずれ交わる・近付く時が来る──そう信じてゆっくりと構えて
くれさえすれば、少しは僕らも合わせ易くなるのかな。

それでも、現実として遠回りを選ばざるを得なかった僕らは、やはり「普通」に収まり続け
てきた人達に比べればどうしても“周回遅れ”であると言わざるを得ない。だからこそ僕ら
が彼らに追いつき、平然と肩を並べられるようになるにはその何倍もの努力と継続、はたま
た運といった要素が必要になるでしょうし、しかし仮にそこまで届いてもこの時彼らは既に
その先を往っている……。
だからこそ、僕個人はその「普通」ではないままに、自分が生きていられる方法を探そうと
思っています。それは個人個人の特技だったり、中々多くの人が手を出したがらないものだ
ったり。何かしら活路はある。あると──信じたい。

哀しいかな、いわゆる「普通」でない人、変人・奇人の類がこの世界で生きていくのは余分
に難しい。だからこそ彼らは時に秀でた一芸で勝負し、結果を出し、その部分だけに光を当
てられて体よく“感動”を消費させる構図ではあれども、それぞれの活路を切り拓いてきた。
僕だってそういった生き方には憧れるし、今更「普通」の並でいられる自信もないから自分
もと夢見てしまう。ただ己に合わない世界を恨み、攻撃し、世の「普通」からも倦厭されて
lose-loseとなるよりは、まだ所詮彼らにとってはいちパフォーマーでも、win-winを得られ
る生き方のほうがよっぽど実がある筈だ。

……しかし、それは詰まる所『他人の役に立つか、立たないか』で人間の存在価値が決まっ
ていくという構図ではないか? ただ此処にいる。カタワだけれど此処にいる。それ自体を
許して貰えている訳ではなく、役に立つかどうかで許されるというのは、どうなのだろう?
結局、生き辛さの根本は変わりはしないのではないか? 誰に許可を貰うでもない! その
心意気は尤もだ。だけども現実問題この世界は、人間は、そこまで誰彼構わず寛容だったり
余裕があったりする訳ではないのだ。先述の通り、大多数の人間が自分一人の日常──生計
を立てることにも汲々とし、ややもすればその障害となるものには辛辣にならざるを得ない。
それが人間だと言われればそれまでなんだろうが、どうにかならないだろうか? 食卓で母
がごく「普通」にさらっと漏らしたように、ただ自身にとって邪魔だから“要らない”と値
札を貼られすらするアタリマエに、はたして僕らはこのまま唯々諾々と従い続けて幸せなの
だろうか? 弱者という「枠」自体、その実誰もが陥りうる烙印(レッテル)だというのに。

生きていてごめんなさい。生まれてきてごめんなさい。
病で一切何も出来なかった頃、僕もまた口癖のように呟いていた言葉だ。

どうすればいい? 福祉の基本は共助だが、余力に乏しく且つ負担や不利益を強いるばかり
の「正しさ」では、きっとこの先も人は寛容という穏やかさを我が物にはできないだろう。
役に立つor立たないで個々の人間を選別するよりも、もっと先に排除すべき喧伝家は巷に多
くいる筈だ。少なくとも「差別」を寛容を促す言葉ではなく、意に添わない相手を陥れる為
の言葉として使っている内は。

分断ではなく、棲み分けられればもっといいのに。
誰も彼も一緒に役に立つか否かで階級を作ろうとするから、しんどいんだ。こいつは役に立
たないと見限ってしまうなら、いっそ数層の社会をそれぞれ整備できればいいのだが。ただ
これは一歩間違えばいわゆる格差社会──ディストピアの肯定になってしまう。何よりも今
の「普通」達が、世の中の枠組みが、資本的な意味で本音では脱落者すら許さない。だから
こそ余計に、人はややもすれば自身が病んでいるということを隠したがるし、認めたがらな
いし、そう自他でもって生を縛り上げる。件の同僚さんも?気付かず、認めず、掬われず……?

どうすればいい?

強がりじゃなく、本当の意味でそのままそっくり存在できて、だからこそ其々が高みへ邁進
できる──心も好循環する世界になるには。

耐えかねて何処かで切り捨てて、選別され始めるような世界じゃきっと後悔する。益々排除
に震えて、故に誰かを排除することが日常茶飯事になってしまう。個を守ることと全を守る
ことは、そんなにも相反することなのだろうか?

だったら何故、僕ら種(にんげん)は“最大生存の為に群れる”道を選んだんだ?

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  1. 2016/07/20(水) 18:00:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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