日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)意識の高い侮蔑たち

φ_(¦3 」∠)_ ……ふぅ。

三月もばたばた執筆とお仕事を行き来している内に、気付けば一週間が経ちました。
これまで油断すればすぐ曇天になって冷えてばかりいたお天道様も、何だかここ暫くは上着
が要らないくらいの暖かい日差しを届けています。
朝の早い内は、作業場内をある程度暖めるのにストーブや空調を焚きますが、もうぼちぼち
その必要性もなくなってきそうですね。春の足音がにわかに大きくなり始めています。
冬も遠退き新しい季節、環境、人。しかしそれが次第に惜しくすら感じられてくる日も……。
未来よりも在りし日々に情が移りがちなのは歳の所為なのかしら? こんにちは長月です。

例の如く、先日拙作連載(ユー録)の七十一章をUPしました。あと今週分の三題も。
先月がインフルで気持ち不完全燃焼だったからなのか、何だか今回は反動のようにもっさり
と盛れてしまいましたね。だが私は謝らない。書けること筆が進むことは嬉しきかな愉しき
かななのですが、如何せんどんどんユーザビリティというものからは遠ざかっている、よう
な気がしないでもないです。
だけども、今回更新して(おそらく)すぐに、なろうさんの方で評価点を付けていってくだ
さった方がいたようでした。そして累計アクセスも18万PVのキリ番を突破する運びとなりま
した。あちらの活報では既に追記しておきましたが、改めて重ねてこの場を借りて御礼申し
あげますm(_ _)m

幸い、引き続き平穏無事な日々。
あまり大きいとは言えない作業場も、地域や業界方々に知られていくにつれ、新しく人もお
仕事の依頼も増えていっているようです。まぁ高齢や転身を理由に卒業して(さって)いく
同僚さんもいなかった訳ではないですが、今生の別れでもなし、また何処かで縁があれば会
うことがあるかもしれません。お仕事に限らず『新参者→離反者』ではなく『いらっしゃい
ませ→いってらっしゃい』くらいの精神で場に場に在りたいものですね。
……まぁ一方、年齢を問わない場合、気付けば自分がかなり長老格に近くなっているという
現実がが<(^q^)> いつぞやの嘯きではないですが、そんな時の流れもいつかは笑って語れる
ほどに、自身が成長してくれていればいいんだけどなあ……。

ぼちぼち年度も変わります。

新年の折の如く改めて、この先どんな自分になりたいか、具体的なプランを立てて邁進でき
るくらいのバイタリティがあれば尚理想的ではありますね。


──と、ちらちら布石を敷いておいて。今回はぼやっと未来のお話。

当庵にちらっと、或いは何度か来てくださっている方は見渡せば分かると思いますが、僕は
しがない物書きの一人です。現状、趣味で小説を書いています。でもやっぱりあわよくば、
この営みで暮らしていけるのならと夢をみない訳ではありません。
少し前にも雑記で書いていたと思いますが、こと“看板”が欲しいというのがありますね。
或いは“赦し”とでいうのか。書いてていいよという経済的・ステータス的な承認を、一時
ほど激烈(且つ無知)にねだってはいないものの、今も一つの大きな着地点の理想として見
ている部分は否めません。
……なまじ一番若くてバイタリティに溢れていただろう時期に病気をし、何年も臥せってい
たことで負い目があるのでしょう。今でこそ「普通」なサラリーマンではなくともお仕事を
できるようになってその焦燥は表立っては薄れていますが、一度この国でレールから零れ落
ちた人間が本来(という表現も如何なものかとは思うけど)の位置取り、レベル以上にまで
復帰するのはよほどの努力と運、人脈がない限り絶望的でしょう。……僕個人は半ば、もう
そこまで往くこと自体を目的にするのは諦めている節がありますが、それでもガツっと看板
を得て、世間様にも苦労をかけた両親にも(とりわけ金銭的な意味で)報いたい──報いな
ければというベクトルでの焦りは未だ自身の中に残存していると思うのです。

まぁこうくどくど前置きを付けつつも、なのでざっくり括れば僕も作家志望(ワナビ)と呼
称される一人なのだろうなと思います。
ただやはり……どうも昨今、所謂ワナビという括りに対しては批判的というか、心構え云々
が足りんという苦言がちらほら観られるのでありまして……。

趣味とは違って、作家とはプロです。お仕事とはつまり金銭を対価に任された内容に責任を
持つ事であり「好きだから」「そんな気分じゃない」といったこちら側の主観など基本的に
通じない世界であります。
(大御所と呼ばれるくらいになれば多少こっちの我が侭も通るようになるのでしょうけど、
先ずそこへ登り詰めるにしたって長い長い階段を上っていく過程が不可欠である)
もっと容赦なく言えば“クライアントの求めに応じた物語(という名の文字の羅列)を提供
できるかどうか?”──いわばソフトな製造業みたいなものだとも捉えられるのです。寧ろ
資本主義の社会である今の世は、ややもすればそれ以外に何かあんの?と真顔で訊ねられ、
哂われかねない時代でもある……。
いや、違う! 俺は創作をやっているんだ! この思いを形にしたいんだ!
貴方は、巷の創作人さんの少なからずはそう仰るのかもしれませんね。
だがこれも哀しいかな。所詮小説とて“商品”である世の中な以上、お仕事の世界において
作家個々人の思いとやらはおそらくかなり優先順位・必然性の低いファクターであると考え
ます。某ライターさん曰く『お前の思いなんてこっちは知ったこっちゃない。とにかく面白
い企画を持って来い』──とか何とか。やっぱりどたい、ビジネスであるという現実は避け
ようがないのですから、プロになるという事は少なからずそういう“我”を横に置いておけ
る人間にならないといけない道なのだろうなと思います。

夢だけで何かやってるか? その程度の力量で届くと思うのか?
その力量で満足なのか? 無理だと諦めるのか?
届くまでスキルを身につける、そういうメソッドに向き合わないから駄目なんだ──。

夢と現実の間には、きっと僕や貴方が普段認識している以上の溝(齟齬)が横たわっている。
もっと言えば具体性だろうか。作家になりたい。では○○のスキルを覚え、△△以上の価値
を生み出し、◇◇という手段を経て、××で在り続けろ──。夢は夢想するだけで充分、お
腹いっぱいだが、現実という形にするには色々な段階と技能を収めていく必要がある。勿論
ながら天運も絡む。その「現状」「戦略」というものを常に意識せねばならない。だという
のに今時のワナビどもはそういう思考を馬鹿みたいに嫌いやがる、だからお前達はその群れ
の中から突出することすら出来ないんだ──。

ワナビとはI wanna be writer──意訳すると「作家志望の人」を指すスラングです。
ですが今日はどうも、小説(創作)業界をウォッチしている御仁、或いは現役の作家さん達
にとってはそういう“甘い”人達を侮蔑する為の蔑称として扱われて久しいのかなぁ?と、
自身の観測圏内を眺めながらぼやっと思います。

いや、ぐうの音も出ない正論なんですよ?
作家だけに限らず、夢を叶えたいなら技術を磨き知識を深めるべきだし、何より叶える為の
行動に糸目をつけない主体性・地頭が(長い目で見ても)不可欠である筈で。
……だけどもなあ。単に僕個人がその辺にナイーヴというか、正論をぶつけられて張りぼて
の自己愛を砕かれるのが嫌なのか、どうも少なからずワナビ──新参志望者批判をしている
人達は、業界の中身・暗部をいかにも知っているぞと語り、知らない(知ろうとしない知り
たくない)者達を腐すことを愉しみにしているような気がしてくるんですよね……。にわか
を叩きたいというか、己が知をひけらかす事自体が目的になってやしないか? と……。

僕自身もこの雑記内で何度か話していたように、決して出版業界は楽ではありません。出版
不況というのも言わずもがな、世の一般人がイメージするほど印税収入なんて多くはないし、
毎年掃いて捨てるほど鳴かず飛ばず、一冊出せてもそのまま消えていく作者がいる。単純に
ご飯を食べていくお金が欲しければ普通にサラリーマンをやっていた方がよっぽどマシであ
る職業なのですよ(契約切られればお終いですからね)そも、こういう営みを職業にしよう
ということ自体リスキーで、中世ヨーロッパのようなパトロンなんてほぼ現存しない以上、
どうしても「藝」を究めるよりも先に「金」に窮まってしまうもので……。それでもいいん
だと、プロとして書きたいんだという人間のみが、才能と技術を認められて看板を持つこと
を許される。何処の業界もそうだけども、ただ「好き」を仕事にするっていうのは、多くの
そうではなかった人達のやっかみや潜在的な私怨も手伝って、とても難しいし、往々にして
それまでの拘りなり何なりを捨てていかなければやっていけない茨の道──なのです。

……萎縮させてしまっただろうか? 或いは一介のワナビ風情が偉そうに……とでも。

それでも好きを仕事に換えるのは難しい。先ず金になるかどうかというのもあるし、よく云
われるのは、仕事にしたことで好きという感情が磨耗していく末路がありうるからだ。個人
的にはそれが一番の悲劇だと思う。元よりのお仕事ならいざ知らず、かつて自分の根っこを
成していた思いすら死んだら、本当に僕らは生きていると言えるのだろうか(繰り返すが、
五月蝿ぇ!食えなかったら死ぬんだよ!が自分の中の中心に来るのなら、そもそも創作家で
はなく最初からサラリーマンをやっていればいい訳で)
某学者さんの言葉を借りれば『藝術家が特権的であるのは、ある意味世間に復讐しながら、
それでいて賞賛されるという生き方をできるから』なのですが……まぁそれとお金の問題は
別次元の話になるのかな。

ただ、僕は先日からの(多分某所の公募結果が出ていたから?)御仁達の苦言・義憤を観て
いて心苦しかったのです。でもこのモヤモヤを本人達にぶつけたって届かないだろうし、持
ち前の正論でボッコボコにされる。実力主義・結果が全ての世界を当たり前として生きてい
る人達を揺り動かすには──相手の根っこが悪辣や卑劣でない限り──やはり同じ土俵に立
って示さなければ難しいのだと感じます。

だけども……と、僕は思う。
その苦言めいた哂いが彼らなりの“優しさ”なのかもしれないけれど、やはり攻撃的な言葉
というのは厭なものだ。そうしなければ生きてこれなかったこの世界を、こういう時ばかり
は僕は忌々しく思わざるを得ないのだ。

If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.
(タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない。by フィリップ・マーロウ)


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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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