日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)三十路創想嘆

先日、30回目の誕生日を迎えました。これで大よそオッサンと括ってしまっても違和感の無い
領域に到達です\(^o^)/

そういや自分のリアルスペックについて明確に言及した事って今まであったかしら? まぁ
病気してたことなど私情は雑記(ここ)では何度も触れているし、直ちに実害が及ぶような
ご身分でもないから大丈夫だとは思うんだけど……。

(わざわざカミングアウトする必要性は無かったんだろうけど)物書き仲間さんやネット上
の知人達からは総じて「おめでとう」の定型句を頂いているのですが、いざこの区切りを迎
えてみて思うのは、喜びというよりも遂に来ちまったか……という一種の凹むような、軽い
気鬱のような感慨です_| ̄|○ それは間違いなく、実年齢に相応しい社会人的な経験値が
伴っていないという負い目が原因なのでしょう。今春頃からはこれまでに比べると恵まれた
環境に出会えた筈なのですが、中々ネガティブからポジティブに、とはいかない;

一応、この歳を迎えるまでに仕事に就くという段階には到達できた。
一応、この歳を迎えるまでに大よそ治癒したと言える状態にはなった。

だけども、これは未だ“途上”なんだよなあ。もっと普通にならなきゃいけない訳で……。
歳月が経つ事による少しずつの衰えと、ややもすれば「今」が固着していく恐れ。
今此処にある・持てている安堵がいつまだ崩れて壊れてしまうかもしれないし、今此処以上
のものに自分が至れないかもしれないと思うと、二進も三進もいかなくなって震える。道筋
が見えたと思ってその実、とうに詰んでいるのかもしれない。そんな推測だけで不安を自家
発電したって何かメリットがある訳ではない、上記二段のように前向きに捉えて進めばいい
じゃないと家族は言うけれど、やっぱり(時々によってはどうせ真反対に責められるんだと
経験的に知っているから)内心後ろめたさや逃げ腰を行ったり来たりしてしまいますね。

三十回目の秋。

はてさて自分はどんなもので、どんな場所で、腰を落ち着けられるんだろう……?


(今に始まった事ではないけれど)嘆き節ばかりですみません。

ただ、この節目の歳を迎えても、どうも僕自身はそれをポジティブな気持ちで迎えられない
でいます。今在るものよりも、まだ届かない・足りない・持っていないものばかりに目を向
けては気落ち──己にピシパシと鞭を打たずにはいられないというか……。

一応自覚・自省する限り、その原因は十中八九焦り、なのでしょう。前段でも述べていたよ
うに僕には経験値が足りない。三十路になってもそれ相応の社会人的な経験値が足りないの
だという切迫感が心の片隅に居座り続けている。
例えば同年代の友人・知人の中には既に結婚して子供もいる者もいる。妻子を持つことが全
て、唯一の到達点ではない(そんな画一的な時代ではない)のは重々承知だけれど、少なく
ともそういう“普通”すら僕には遠い。その二週三周という周回遅れを感じさせる瞬間瞬間
に出会う事が、僕を焦らせ、負い目を刺激するのだと思います。

自活して、縁があれば所帯を持って、人々の日常の中に溶け込んで……。

かつてはその“普通”を“凡俗”と読み違えて毛嫌いしていた時もあったけど、自身歳月を
経て落ち着いて、自分の出来ること出来ないことが多少なりとも見えてきた──理想と屁理
屈だけでは何一つこのリアルに存在できないんだと理解した時、一周してそういう“普通”
に僕は反動の如く憧れているのかもしれません。戻らなければと、焦っているのかもしれま
せん。どだい普通のレールというものから脱落した人間だという負い目が相まって。

さりとて、では僕に“普通”の勤め人というものが務まるのかなぁ?と思うと。
大よそ、その自問に対する答えは否です。そもそもかねてよりのそうした自問と回答が、迫
り来る現実と相反するものだからこそ、二進も三進もいかずに身体を壊してしまったという
節があるくらいですし……。
幸い、今春から福祉NPOを通じて今の作業所に通うようになり、仕事という一点においては
何もしていないという格好からは脱せました。
だけど、此処は長い目であろうとステップであるべきなんでしょうね。関連してお手伝い的
な要員になったり、自分でそっち方面に進むというのも(この言及自体は母からのものなの
ですが)有りなのかもしれませんが、僕自身はあまりこの環境に──こういう言い方をする
と失礼かもしれないのは理解していますが──甘えたままでは駄目なんだという気持ちが今
は強いです。

「勤め人になるべき(それが現実的な妥協点)」
「でも持てる技能は物書きで、憧れがある」

ここ長らくの焦りのもう一つの要因は、更に内心“普通”のレールへの回帰すべき論から延
長している、有り体に言ってしまえば夢と現実との間で揺れる心持ちが故です。
こうして当庵を訪問なさってくれている方はご存知の通り、当頁は自作小説──いち創作人
の趣味を開帳している場所です。
以前にも何度か述懐している通り、昔から物書きの趣味はありました。それが病に落ちて何
も身動きすら出来ず、通院を繰り返してようやく身体が楽になってきた頃、主治医に『自分
の好きなことをやってエネルギーを溜めるといいよ』とアドバイスを受け、リハビリがてら
再開したのがそもそもの始まりでした。
……それが今や、手段と目的が逆転し、僕という人間にとってのライフワーク、棄てること
すらできない拘りとなってしまいました。もしかしたらもっと別の、置かれた身分に相応な
「勉強」の日々のような選択肢もあった筈なのに、結局ものを書くこと、そればかりに自身
のステータスを極振りしてしまったかのような状態になっています。

アンビバレント、と言えば少々高慢に映るかもしれませんが、だからこそもう何年も思考し
ては実際に有効な行動に出れた試しがなく、ただ悶々とするばかりなのです。
昔から、僕は両親に「サラリーマンには向いていない」といった旨の言葉を浴びせられる事
がままありました。でもそれは特別“普通”に馴染めないことを肯定する訳ではなく、寧ろ
内心の僕への嘆息を表現したものであったのだろうなと。
そこが、先ず一つ僕を勘違いさせていたものでした(凡俗という読み違え云々の件ですね)

実際には何かしら、高望みでなくてもいいから勤め人に収まるのが次善であった筈です。
だけどもそうした勘違いから、一時は自分は作家になりたい(ならないと詰む)という我執
に囚われ、自らその視野を狭めて首を絞めていたんだと思います。
事実、公募に挑戦した経験もありますが──見事一次落ち。傾向と対策、ノウハウの不足も
大いにあるのでしょうが、夢はそう易々と叶う筈もなく……。

先ず公募という篩(ふるい)の中で生き残れる志望者は限られている。
先ず生き残ってデビューしたとしても、昨今の作家というのはその殆どが使い捨てだ。中に
はいわゆる公募を経ず、向こうから摘み取られてデビューする人も近年少なからずいるけれ
ども、利益が見込めなくなれば版元から切られるという点では変わらない。それこそ“夢”
を見過ぎなのだろうけど、編集さんと一緒になって長い目で育ち・育てされていくような関
係性の中で『書いていていいよ』となるのは物凄いレアケースなのだと思う。

基本的に生計を立てるという一点見れば、寧ろ作家って劣るんですよねぇ。つい大御所さん
のネームバリューで印税ウハウハな生活……みたいなイメージを持つ若い子も多いですけど。
でも実際そんなポジションは良くて全体の数パーセント、残り大部分は言及したようにいつ
使い捨てられるか分からないポジションなのです。それでも技を磨き、振り落とされる中で
も喰らい付く、自分を売り込めるハングリーな奴こそが多分ホンモノで……。

先日フォロワーの物書きさんとも似たような話をしました。やっぱり夢のように作家だけで
食っていくというのはかなり難しいのが実態のようです。だから多くの場合は確実に収入に
なる表向きの仕事(サラリーマンやらアルバイターやら)をしつつ、こっそり作家業もする
という兼業型が殆どですし、しばしば志望者らへのアドバイスとしても実際そういう確実な
食い扶持は別途持っておくべしというのは在ります。
加えて、現在は紙本だけではなく、自費出版や電子書籍という道もありますからね。どちら
にせよ営業──自分の作品だよ~!という宣伝(アピール)攻勢は必須となりますが、ただ
作家を「名乗るだけ」なら、選択肢自体は昔に比べて増えてはいる……筈。
(ただまぁ、僕個人に限って言えば先述のように『書いてていいよ』という許しの為に作家
という看板を欲する向きがあるので(残弾は持ってないですが)尚も挑むなら公募中心にな
るのかなぁ? コネでデビューってのも、何だかズル臭いし……。何より問題はその名実を
どれだけ持続できるか、力を磨き、実績を積んでいけるかですからね……)

……僕は、半端者だ。志望者と言うには行動も覚悟も伴っていないし、かといって違うと断
言してしまうほど全く未練がない訳ではない。

先述のフォロワーさんも、先日『これで一旗あげて食っていってやる、誰にかに目をつけら
れて書籍化したり映画化したりしてやるぜ!って気概の人がどれだけいるのだろう』などと
呟いて──結果、趣味でいいや・楽しめればいいじゃんな主義の他の物書きさんから口撃さ
れていました。
……すっごいモニョる。
変に火に油を注いでは向こうさんが困るかなぁと思い、僕は遠巻きに眺めているだけに終始
していましたが、嗚呼プロ志向でない人にとってはこういう呟きすら敵意の言葉に聞こえて
しまうんだなぁと。自分と周囲だけでワイワイやれればいいやって人達と、使い捨て・買い
叩きが常態化している業界を憂い、何とかしたい──その中で各々が可能な限り健全に生き
残る道はないかと模索する人達。前者にとっては、後者のそういう試行錯誤すら、自分達の
“粋”に水をぶっ掛けるものとして嫌うんだなぁと思って。
僕はどっちもに足を突っ込んでいる(半端者だ)から、両者の至上や願いが分からなく無い
のですが、同じ物書きですら、こうも棲み分けないと決裂しかねないとなると……。

僕も気を付けなければなりません。言葉を恐れて物書きが務まるかって話でもありますが。

正直言って(もう何度もごちている事ですけど)自身、その文章・物語がいつ──もうどん
詰まりになっているんじゃないか?と思って不安にならない月はありません。その瞬間瞬間
がたとえ気分良くノって書けていても、疲れという反動と共に、すぐに自分の書いた物語達
を「最高」とは思えなくなる。足りない、足りない。不安になる。

長編。ただ長く続けれていればいいってものじゃない。
読み手も追いかけるのは大変だろうし、僕自身も何処で力尽きるか、尽きそうになって心身
を削ってきたことか。それで体勢の評価がアウトなら──何の為に費やしてきた数年間なの
だろう? もっと色んなお話を、数をこさえた方が好いのではないか? されど一方で歳月
を二の次にした自分の物語は(継続期間=目に付くタームの比較的な短さもあって)大抵は
埋もれてしまう。メイン連載という名の過去を超えられないジレンマが在る。

短編。数をこなしても達成感は束の間で。読み捨てられる速さは長編よりも早くはないか?
週に一度は書くようにしている。鍛錬の為にと始めた。だけども、長編と同じく、何処まで
が自分の執筆力の血肉となり、誰かの愉しみや糧に寄与できているのだろう? 時折ネタに
困った時、しばしば僕のそれは詩のようになる。イデオロギーやその時々の雑感を吐き出す
だけの小説もどきに為っているように思う。許すべきではないと思う。その怠惰、誰も文句
をつけてこないしという心の何処かにある言い訳を。ノルマを、クオリティよりも優先して
してはいまいか?(そりゃあ何となく書いた話の方が受けてたりする事もあるけど……)

継続してきた歳月(ひび)に感謝を。
積み重ねてきた分量(せいか)に感謝を。
何よりこれまで手に取ってくれた全ての人々に感謝を。

だけども、これで良かったのだろうか? もっと自分を峻別し、もっと良い物語を書ける術
は無いのだろうか?
ただ漫然と同じ物語を続けるべきではない。新しい物語を生み出し続けること。だけども実
際は思い入れとか、今までの数値とか、そういう打算があって中々脱皮できていない自分が
もどかしい。ノルマのように月々に書き続ける自身に……意味はあるのかと問う。
何より、半端者であることの後ろめたさだ。
プロになりたいのか、ならなくてもいいのか、どっちだ? 手前の夢ってのはその程度か。
ただ今も“普通”の勤め人から「逃げる」為の口実が欲しくて、まだ保険を掛けるようにし
て嘯いているんじゃないのか? この卑怯者。
いい加減如何したい? 作家になりたい。でも、その難しさを見聞きしているから──。

三十路。

ぼちぼち色々なことを、はっきりさせていかねばならぬ頃合。
焦らなくてもいい、今まで先に病んだ経験をしてきただけなんだからと慰められても、この
道の先に横たわっている巨大な現実に……変わりは無い筈だもの。

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  1. 2015/09/24(木) 18:00:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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