日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)処暑の空をぼうっと仰ぎ

月4回目の雑記なんて久しぶりな気がする。と思いきや、六月や四月は4本あった。

暫くぶりです。あれだけ暑い暑いとうだっていた真夏日も、気付けば盆明けから一週間ほど
が経ち、二度三度と台風が来ては去っている内に随分と過ごし易くなりました(体感気温が
一・二段階ほど緩んだかのような)
それもその筈。先日23日には二十四節気の一つ「処暑」に入っています。よく暦の上で~と
云うアレですね。次の節気までの来月6日まで、だんだんと暑さが収まる頃合とされています。
尤も旧暦だから実際のそれとはズレるだろうと思われますが、それでも少しずつ秋がこちら
を遠巻きから眺めつつあるようで、暑さで苛々していた心持ちも落ち着いてきました。願わ
くばこのまますいっと秋になり、なるたけ長く穏やかな時間が過ごせればなぁと思います。

『空が高くなってきた。秋だねえ』

作業場で同じ、年配の御仁がそう休憩中、窓の外から見上げて目を細めていました。
ああ、そういう指標(みかた)もあるのか……。僕個人はその知識?は持っていなかった&
意識してこなかったので彼のいう変化を明確に見分けられませんでしたが、確かに言われて
みれば雲が漂っている位置が以前に比べて高くなっているような……?( ˘ω˘ )

淡々と、暦が次の月へと変わっていきます。
自宅と作業場の行き来を繰り返し、少々せっつき気味に毎日が過ぎていきます。

そんなもんかね? 思っていても、実際僕もここ数日はどうにも身体にだるさが纏わり付い
ている感じで、寝たり起きたり。執筆モードの反動──にしては一週遅れなので、どちらか
と言うとおそらくはここに来て夏の疲れが出てきたのだろうなぁと解釈。ぼちぼち来月分の
執筆スケジュールも固めようって時にどうしたもんか、という最中です_(⌒(_=△=)_φ

ぼうっと晩夏の風に吹かれて穏やかでも、この身が心が、穏やかに留まり続けてはならない
のだという自罰癖(のような何か)。

「至近距離」に無い不安まで抱え込む必要はないんだと自戒しても、やっぱり折につけ自分
という人間のステータス不足に関しては意識せざるを得ませんね……。


『何で兄妹揃って、そんなのばっかり好きになったんよ……』

僕は小説で、妹は仕事の傍ら演劇に熱を上げているようです。
先日、そんな僕ら兄妹に対し、母はそう半ば諦観のような言葉を漏らしました。
自分とは違い、もう何年もいち社会人として仕事をしている妹の方は兎も角。
ただ一つの言動だけを切り取って、その人間を(結論ありきで補完するように)○○だ!と
断じてしまうのはあまり良い事ではないのですが、やはり親としては、僕のような創作趣味
を生の大部分に染み込ませて好しとする生き方を快くは思わないのでしょう。

学生時代、僕が法学部に進んだのは半ばその母の意向でもありました。手に職を──法律を
武器にできるようになれば食いっぱぐれない(何て事は本当は無いのですけど。現実は非情
である)、この先の人生にも役立つ、そして──母(じぶん)にもメリットがある。
その頃からぼんやりと夢──作家は在りました。だけどそれを僕は伝えられなかった。現在
以上にその道について無知だったし、何より力量が追いつかない。
結局、押し切られました。法律というものが僕の中の様々な煩悶に“答え”を出してくれる
かもしれないという後付けの理由を作りました。僕があの時柄にも無くボロボロと泣きなが
らもその“何故”を説明できない(しても理解されないだろうと思った)ことを微塵も理解
していなかった時点で、僕はやはりこの人とは根っこの部分で価値観が違っているんだなと
心身に刻み付けるべきだったのです。
実際、在学途中、僕は法学を身につける事に挫折し、またこの先の人生・労働者という自分
をイメージできず、徐々に夢想と現実に引き裂かれていき、一度ぐちゃぐちゃに壊れてしま
いました。あれから十年近く。ようやく僕ははっきりと「治癒」を認められるほどの回復に
至りましたが、それでも今日までに失った(捨てた)ものはあまりに大き過ぎたように思い
ます。

僕は、もっと「普通」の勤め人になるべきではなかったのか? なる為の学生ではないのか?
僕は、漠然とした夢の為に──覚悟と実行力もなく、ただ駄々を捏ねて逃げたのではないか?

確かにかねてより両親などからはサラリーマンより職人気質と評され、実際どれだけ社会的
にこうある「べき」と言い聞かせても、心の素直はそれを病で患わせるほどに拒絶したのだ
けれど……。

ぼちぼち、僕は三十路になります。もう迷わずにおっさんと呼んでしまっていい歳です。
幸い、それまでに病気療養という名の引き篭もりからは脱しました。作業所という一般就労
ではありませんが、決まった日に仕事に出て、給料を貰ってという「仕事」に、形の上では
乗り直せたんだろうかと考えます。
……ぼやっと。夏の厳しさも少しずつ和らいで、おそらく作業所というカテゴリの中にあっ
ても和気藹々とした、緩い環境の中で。
室内にてチクチクと手仕事を。屋外にて時たま草刈りやトイレ掃除などの肉体労働を。
だけども同時に「これでいいのか」という不安は、ずっと抱えています。
導入部のように、至近距離に無い不安まで節操なしに抱え込んでてもプラスになるなど殆ど
ないのですが、それでもこの年齢になり、この年齢とは十中八九比例していない大人として
の人間としての経験値・ステータス(能力値)の不足を思うと、やはり僕は大きな眼で見れ
ば何も成長していないのではないか? と焦ってしまう。

ではどうすれば?
順当、というか現実的即物的なことを言えば、勿論それは今をステップにして一般就労に結
びつけていく事に他ならぬのでしょうが……あんな事になった癖に、未だにそれを自分の中
で真っ先なプライオリティに上げられないでいる自分がいます。
夢。やっぱり過ぎるのは、物書きで生きていくこと。書いてていいよ、という赦し。
だけども知っています。夢の多くは叶わない。それは目標の設定が甘いとか、才能や運に恵
まれなかったとか色々あるけれど、何より(作家に限らずなんだろうけど)実際のその夢を
仕事にした先が喜びに満ちている訳では、必ずしも無い──よりブラックでより過酷な競争
が大きく横たわっていることを多少なりとも見聞きしているから、願う事すら最善の選択で
はないのではないか? とすら臆してしまう。
(それでも分け入りたいと覚悟してこその志願者なのだろうし、何よりなる前からあれこれ
心配したって皮算用以外の何物でもないんですけどね)

小説は──数だけはこさえてきた。だけども何分インプット(読書)が少なく、文章の硬軟
やターゲティングする畑(層)はどうにも半端で、これ!という自分なりの武器をまだまだ
持てていないような気がする。
正当な攻略路であろう公募も一度だけの経験・一次落ちしたきりで、新しくそれ用の物語を
仕上げる事すらままならない。
絵は──下手の横好き、時代に遅れたアナログの、不定期な趣味程度。
ツクールは──そもそも「仕事」にもなりゃしない。最近は実況プレイヤーなる火付け役と
そこに目をつけた資本がビジネスを展開しようとしているけど、その露骨さが寧ろ界隈自体
を焼き畑農業で喰い荒らしているかのような印象さえある(まぁそういう傾向に上手く乗っ
かりでもしないと、実際職業として成立し難いというのがコンテンツ産業なのかもですが)
短歌も──本当にこれらに同様ですしね。下手の横好き。寧ろ小説以上に食い扶持にするの
が困難な畑ではあるまいか。

「好き」がこんなに難しいなんて、思わなかったなぁ……。

時たま、理不尽ですらあります。何で「好き」がこうも許されないんだろう。否、そもそも
好きと仕事を両立したいという発想が間違いなのか。「普通」にならざるを得なかった人々
からの嫉妬・怨嗟ガーなんて思う時もありますが、これは見下し過ぎです。だって藝術の類
とは人にとって「必需品」ではないのですから。そこに金銭を発生させ、それだけで生きて
いこうとするような心根の方が寧ろずるい──のかもしれません。

『金にならないことは無意味』なんて云いは、結局は貧乏人の哲学だけども。

ぼやっと気持ち雲が高くなった夏の空を見上げながら、やはり僕はこの先の自分というもの
に不安を拭えないでいます。不釣合いだと思ってなりません。
実際問題、少しずつ進んでいくしか他にないとしても、如何したって自身が「周回遅れ」で
あることは否めないですからね……。

……だから、そうしたものの一挙逆転も含めて作家になりたいなど、やはり不純に過ぎる。
(結局これも皮算用の一つではあるけども)

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  1. 2015/08/29(土) 18:00:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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