日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)自益、他益、何がため

先刻、連載小説のプロット追加作業が完了しました。どっさり十二章。
メモ紙に書き出しただけなので、きっと実際に執筆する際にはもっと風呂敷が広がるんだろ
うなぁ……。でも書くよ、ガシガシ書くよφ(・_・;) こんにちは、長月です。
ありがたいもので、なろうさんでのアクセス数も(この雑記を書いている時点で)450PVを
越える状態となっています。趣味丸出しのファンタジー小説だと思っているのですが、こう
して読んでくれる誰かがいるというのは、励みになります。
この場を借りてお礼を申し上げますm(_ _)m


さて、今回の雑記はそんな「創作を世に放つ」事についての道程、思索です。
実際こうして誰かに手に取って貰える事は一人の作り手として正直嬉しいものです。加えて
評価を下さったりお気に召していただければ、より嬉しく(お互いに)磨きを掛け合うこと
もできるでしょう。
ですが……同時にそれには多くの影になる部分も伴います。
一つは他人からの評価が厳しい、痛い所を抉られたが故に立ち直れなくなるリスク。
二つは受け手がつく故のプレッシャーの類──いや、むしろ自分の創り出したものが見向き
されない場合の孤独感といった種々の苦痛。
そして何よりも、それまで「自分の為」だったものが何時しか「彼らの為」になっていくと
いう一見した矛盾だと思うのです。
言い換えるのなら“創りたい”と楽しむ事よりも“創らなければ”という一種の責務感へと
内心の創作動機に占める比重が変わってゆくことなのではないでしょうか。

これは、正直辛いです。つい立ち止まってしまう(いや現在進行形なのでしょう。きっと)
自分が好きだった筈の創作が、何時の間にか作業となり義務となり、苦痛になっていはしま
いか。その疑心の穴に落ちる事は、創作人にとって大きな試練の一つになる筈です。

ですが、実はこれは冷静に考えれば当然の変化なのですよね。
それまでは「趣味」で自分の楽しみが目的でやっていた。
でも他人眼に晒し、誰かしらからレスポンスを受け始めた頃から、それは最早自分一人の創
作ではなくなる。それまで自分の内側だけを見ていればよかったのが、ふとした瞬間からそ
の外側を見ざるを得なくなるのですから。……だからしんどいのです。
でも、そうした事は元より予想できた筈なのです。
外に人目に晒してゆく行為は、自己満足から自己顕示欲を伴う外部進出となる。そして感性
は人それぞれだからこそ、仮に返って来るレスポンスがあったとすれば、それは様々であっ
て当然な筈で……。
だからこそ、これは(僕にとっても)環境の変化なのでしょう。
他人の眼という「外」に、自分との差異に大いに悩み、大いに考えて慣れてゆく他ないのだ
と思っています。

以前の僕は「自益」と「他益」二つの尺度で創作を分けてしまっていました。
それは自分の場合、思索か他人への享楽かという危うい二分法で。
エンタメ性を採るか否かを自身に迫っていた危うい二分法で。
でも……やっぱりどちらかだけではいけないと思うのです。
自身の思索ばかりで“どや顔”をしてもそれは所詮、自己完結のループでしかなく。
他人の楽しみばかりに心身を捧げるのは、時に「楽しむ」という創作の起源を何処かに捨て
置いてしまう事になりかねず。
勿論、私を捨て他人に資することこそエンターティナーである──そう考える方もいるので
しょう。だけど……僕はそこまで捧げられるのかな?と、自問してみてもやっぱり今でも首
を縦には振れないのです。
だって、どうしてそこで「どちらか」なのでしょう? 「どっちも」では駄目なのですか?
自分も楽しみ、読者さんも楽しみ、共に考え、互いに資するものとなってゆけばもっといい
じゃないですか。
勿論、商業的な意味での当たり外れとして、他益(商業的)と自益(同人的)とは平行線に
なるケースは多いのかもしれません。
でも、それだけが全てだと僕は思いたくはない。
……自分を幸福にできない創作が、他人の幸福に資する事ができるとは思えないのです。

この度小説連載を始めてみて数週間。
以前友人と語らい得たあの言葉が、一層の深みを増したような気がします。
ただ他人に晒し叩かれる、スルーされる痛みというリスクを負ってでも「外」へと出してゆ
く成長への意思(耐性の獲得や視野の拡大)だけでなく。
もう一つ。それが今までの自身に加え、受け手たる誰かにも糧を与える者となる“覚悟”の
類なのだと思うのです。
他人に晒すことは「どや顔」をする為という自己満足の発露ではなくて。
あわよくば誰かの糧となり、自身をそこからもっと成長させる階段であるべきなのだと。
だから、他人の眼が責務感が苦痛でも、快感に変えてゆけ。それがきっと他人に資する喜び
にも──エンターティナー性にもなり、自他の両方を満たせるだけの慣れ(せいちょう)と
なっていくのだろうから。

『表現とは、著す勇気と見つけたり』 ──友よ。改めて貴方の視座をありがとう。

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  1. 2011/08/27(土) 23:30:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止します。

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