日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)明暗逡巡─悪人とは誰か

予報通りと言えば通りだけど。

つい先週くらいまでにわかに暖かくなってきたなぁと思いきや、ここ数日はまるでスイッチ
が切り替わったかのように曇天・雨天が晴れを押し切り日がな自己主張。思わずしまいかけ
ていたヒーターも引っ張り出し直しました^^;
でも、それでも一頃の冷えに比べればもうその程度は大分“浅い”ように感じられて。
日和こそ連続してぐずつくものの、じわじわと春が歩いて来ているのは多分変わらないんだ
ろうなあ。一喜一憂し過ぎる事なく、何とか穏やかに暮らせれば理想なのですが……。
暦変わり三月になりましたね。こんにちは、長月です。

今回はご報告が一つ。先日、前々回の雑記辺りから言及していた、リアルでの立て込み──
病身の身分からのリトライがある程度進展し、一先ずの所は方向性は落ち着きそうです。
まぁその「一先ず」もどの程度の期間を保証できるのかは分からないのですけど(それこそ
シーンを変えたで安堵し、また徒に時を重ねてしまうかもしれないし)当面はこの一先ずに
身を委ねてみようかと思っています。具体的に言うと、作業所に通う事となりました。

なので、これも以前に言及していたように、小説は勿論、創作活動に掛けられる時間全般が
減る事になる筈です。尤も先方が理解?ある方で、多分頼めば執筆作業も出来なくは無いん
でしょうけど……あまりつけ込むというか、趣味を全開に持ち込むべきではないだろうなと。

ただまぁ、全く時間が取れなくなる訳ではないです。少なくとも(当面は)夕~夜はフリー
になる予定なので、その時に集中して書き描き出来れば御の字でしょうφ(・_・;)
(というより、世の創作人さん達の少なからずは、そうやって「普通」の日常と折り合いを
つけながら暮らしている筈で。寧ろ今までの自身が野放図だった訳で)

……さてはて、これからどうなる事やら。

出会った人達の縁、世間は狭いを具現化した地方の町だからこそのマイケース。
ぶっちゃけ自業自得な面がある癖に病んで捻くれ、何時の間にか《闇》に寄り掛かりながら
生きるんだ、自分はそうでなければならないんだと刷り込んでしまった故に、はたと訪れた
ここ暫くの彼らの《光》がどうにも眩しいというか、くすぐったいというか。

向けられる優しさ、温かみが沁みる一方で、怖くもある。畏れ多くもある。
そもそも自分は、彼らの厚意にあずかるに値するのか……? ビジネスを絡めてあるからと
割り切ってみても、脚がぶるぶる震えてともすればその場から逃げ出してしまいそうで。

……はてさて、一体どうなってしまうのやら。

分からぬ不安と──ちょっぴりの打算期待が入り混じる。


既にメディアでも繰り返し報道されていて皆さんもご存知の事かと思いますが、川崎の中一
殺害事件でようやく、逮捕された(主犯格を目される)18歳少年が犯行を認める供述を始め
たそうですね。
横暴の末にまだ若い命を、同じくまだ若かった筈の命が奪う。
巷では例の如く、この18歳少年とそのグループらへの“義憤”で騒々しくなり、更にやはり
というべきかまたかというべきか、彼らとの交友を見逃した・許してしまっていた担任教師
や死亡少年の両親にまで(前者はともかく)非難の矛先が向いている。
……何だかなあ。手前らにそこまで当事者達の奥、隅々まで突ける資格なんぞあるのかよ?
所詮は各々個人的な、余所から持って来た憤懣をぶつける口実(人はこれを正義とか大義だ
と云う)が欲しかっただけじゃないかと。
今に始まった事ではないですが、改めてげんなりしますね。人一人死んでも、誰も本当の意
味で悲しんだり怒ったりはしないんだなぁと。大よそ外野にとって、どだい死亡少年や18歳
少年のような「人」は「他人」でしかないんだなと。
だからこそ──だったらいっそ──そこ(世に起こる事件)に対し僕らは安易に“義憤”を
持ち込むべきでは無いと思うのですよ。
思い、ものを言う自由までは否定しません。でもそこには、当然言葉を向けられた側が被害
を被る可能性がありますし、もしかしたら貴方が先方や彼らを守りたい(と義憤する)誰か
から反撃を喰らうリスクだってあるのです。それらを被らせてもいい、喰らうリスクを受け
ない「自由」までは……無いのですよ?(自由、権利の対義語は義務です)
何より、ものを言うこととは即ち言霊です。ただ義憤だけに任せた口撃は、貴方の品格まで
は保証してくれないのです。

……とまぁ、僕もまたこうして雑記に世の事件(誰かの不幸)をダシにするのはこの辺りに
しておくとして。
つい自身の(創作と)立て込んでいたリアルで忘れそうになっていましたが、命にすら関わ
る事件というのは本当に毎日のように起きていて、その実、僕らの精神の在り方に繰り返し
問題提起をしていると思うのです。
少し抽象的な言い方に戻りましょう。
ここに何かしらの集団があるとします。そしてそのメンバーの中に、困った性質を持つ人間
が混じっています。
困った性質──換言すると、その集団、全の環境(居心地)を悪化させる言動をしてしまう
事に(多くの場合)躊躇いがないような性質。その持ち主です。例えば嫉妬。自分の考えが
通らず、他のメンバーの考えが通ったことが面白くなく、明らかに不機嫌と取れる乱暴な言
動を取るような人間です。そしてその他のメンバーを“敵”のように扱います。自分の味方
を増やし、じわじわと嫌がらせをしてくる事さえあるでしょう。或いはメンバーを集団目的
の為の駒としか見ていない人間。彼らを消耗品のように扱い、都合が悪ければ詰り、そうで
なくとも更なる高みを要求──強要する。そこで反抗するようなら、それこそ文字通り切り
捨てる……。

これが管理側、上層部なら首を飛ばせというのは言わずもがな(ただ惜しむらくはそれだけ
をしても大抵の場合、そのブラックな環境は変わらないという点でしょうが)もしそういう
集団、場の環境──空気を悪化させ、壊すような人間が内部にいた場合、僕らはどうすべき
なのでしょうか?
個人的に聞いた愚痴と、今回の中一殺害事件。
人々を荒ませる、悪行をノーマルとさせしむ空気の主を、ただその性質だけで「罪」として
排除してしまう事は出来るないのだろうか……? ですが、殊職場というフィールドである
場合、それは難しいようです。
(僕自身、社会人経験が乏しいので伝聞なのですが)どうやらこういう「毒人間」に対し、
多くの場合はその人物を遠回しに辞めさせる方向に持っていくそうですね。いわゆる窓際へ
の配置だったり、タスクの変質・削減だったり。労働法でも解雇させるに『合理的な理由』
が無ければ無効である、とありますから……。

つまり(長的な人が)直截的に「貴方がいると私達はギスギスします。出て行ってください」
というのは、少なくとも法律的には『合理的な理由』とは認められないようなのです。
……それが分かった(聞かされた)時、モニョっとしました。釈然としない、もやもやした
気持ちが残ったのでした。
事実、彼・彼女による言動(どく)で人が苦しめられる、病んでいく。
もしかしたら川崎の事件のように、人一人の命にすら関わる重大事件に発展してしまうかも
しれない。だから、成る丈周りに被害が及ばぬ内に「悪人」は摘んだ方がいいのでは──?

だけども。僕は思い直します。はたと、さも当然のようにそう感じてしまった自分を戒めね
ばならぬと思いました。
だってそうでしょう? 仮に「俺達をギスギスさせるからお前達は消えろ」が汎用的に通用
してしまえば、もしかしなくても(各々が邪魔と思う相手・思想を排そうと)いわゆる派閥
争い的なものが余計に悪化するんではないかと思うのですよ。実際、漫画アニメなどオタク
コンテンツに対する表現規制はそういう──“悪は駆逐せねばならない”理論が盾となり、
推進者のこれらに対する嫌悪感を正当化する手段になって久しいですし……。

峻別しなければなりません。
責められるべきは実際的に迷惑になった言動(行為)であって、その者の人格・思想自体を
権力的に否定するのはやり過ぎだ、と──。

そもそも「集団をギスギスさせるお前=悪」という(集団からの)評価が常に正しいとは限
らないのです。
あいつは「悪人」だから周りに被害が出ぬ内に潰すべきだ──そんな行為論的な処罰を越え
てまで彼・彼女の精神を、各々の内情を一切鑑みずに進入し、否定することを僕らは安易に
許してはならないと思うのです。
……ただ、昨今の風潮からすればこういう考えは甘いと哂われかねないんでしょうね。
「毒」なる人種には極力関わらない。自分を守る為にも、切り捨ててでも遠ざかる。そして
そんな選択をしてきた・せざるを得なかった人達は、そうした人種に対して容赦無い……。

でも一方で、僕は──自分を守る為にも云々は仕方ないよなぁと思いつつも──そうやって
排斥された彼ら「毒人間(悪人)」が、以降(その性質と言動を)悔い改めるとは考え難い
と思うのですよねえ……。
寧ろ拗らせる──悪化するのではないかと思うのですよ。その性質から自覚無自覚で起こる
トラブルを繰り返し、何度も排斥され、いずれ人や世界への恨みを募らせていくだけではな
いかと思うのです。
だとすれば、結局繰り返される。
同じように(悪人と評される彼ら自身もまた何処か他人に対して自棄になり)また別の何処
かで誰かが彼らの言動の被害に遭う。そうして、被害側が病んでいくか、また排斥される。
Aが迷惑を被り、排斥する人々だとすれば、その対象となる他称・毒人間とはBです。

──Aにとって、Bは自分達(集団、コミュニティ)を滅茶苦茶にする“敵”だ。
──だけども同じように(排斥された恨み自体のみに眼を向ければ)Bにとってもまた、A
は多くの場合、自分を弾き出さんとする“敵”になるのだろう。

繰り返されるだけじゃないか……。
基本的に、他者や集団に実害を為す言動は、処されるべきです。そう考えます。
でもだからと言って、その“悪”の広義に過ぎ、恣意的な認定を許しては、結局各々による
居場所の椅子取りゲームが延々と続くばかりだと思うのです。そんな潰し合いの果てに、他
ならぬ「諍い」の果てに、一体何があるというのか……?

正直、僕自身も戸惑っているのだと思います。
相変わらず世を見渡せば、ミクロにもマクロにも、人の『悪』に根差すクソッタレな事件が
毎日のように起こっている。この世界を尽きぬ炎で焦がし続けている。勿論、心温まる類の
事件も存在しているのでしょうけど、悪貨は良貨を駆逐するとでもいうのか、どうにもそれ
らは悪事ほど多くはない……ような気がする。
だから、尚の事認識に困っているんでしょうね。ここ暫くの、一度は病身に落ちた僕に対し
温かい優しい眼差しと対応を送ってくれる先方が現れた。それは彼らが福祉に携わる人間だ
から、とビジネスライクに冷めて見てしまえばいずれ慣れる──内心で哂ってやり過ごす事
が出来るのかもしれませんが、現状そんな応じ方をするのは自身のモラルが許さないと言っ
ている。その厚意にあずかる資格が自分にあるのか不安だけど、出来る事ならその向けてく
れた場にチャンスに応えたいと思う。

だけども、同時にこうも思っているのです。
だからと言って「ネガティブで鬱々としていたけど、○○に出会えて人生変わりました! 
○○最高!」的な、良い人に巡り合えればオールオッケー(だから一緒に頑張ろう!的)な
ポジティブ教への改宗・布教に安易に加わる事までは……したくないんですよ。
それはまぁ、長らく捻くれて来た性分もあり、加え自身の創作に根差したものが“人の業”
に寄り掛かる価値観──性悪説(?)が光のような出会い・経験によって180度変化して
しまう事への恐れでもあると思うのです。
天邪鬼だなとは自分でも思うのですが、馬鹿みたいじゃないですか。
ここで真っ白眩いポジティブ教徒にキレイすっかり変わってしまったら、これまでの数年が
自分が、無意味となるに等しいみたいで……。
落差に戸惑う。
優しい出会いや経験=《光》と、辛辣な出会いや経験=《闇》と。その両方の存在が、自分
の視界に観測された事例が、僕にとっては差が大き過ぎる……。

ただまぁ、これも多分、僕が人というものを一義的に──性善・性悪の二元論で捉えようと
し過ぎているが故の現象(混乱)なのでしょうね。そう理解しようとしています。
『安易に人間を二項対立で考えると危ない』そう以前知人に言われた事があるのに、どうも
その方が(創作的にも)楽だから、白か黒か人の定義を予め決めようとしてしまっていた。
灰色なのです。人間も、色んなことも。
どっちも在って、せめぎ合っている。悪と評される誰かの言動、罪は、何かの切欠や偶然で
表面化したものなのではないか。
(自身の思考を見返し、特に実行為を伴っていない中で何かしらのそれも罪だと思うのは、
やはり自分なりの美意識・己に課すルールを破ったと自認したからなのだろう)

《光》に振れ過ぎないように。でも、光も闇も──清濁吞み併せてこそ。

願わくば私や貴方に、呆けない程度の安寧を。自傷には過ぎない程度の研鑽を。

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  1. 2015/03/03(火) 22:30:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止します。

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