日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(企画)週刊三題「狼少年・異伝」

──これから毎週、小説を書こうぜ?

毎週一回、ツイッタの「診断メーカー」で出たお題で小説を書いてみるという
自己鍛錬、 それがこの『週刊三題』であります。
さてさて。紡がれる文章は良分か悪文か、或いは怪文か?
とある物書きの拙文晒し、此処に在り。

【今週のお題:闇、狼、悪】


 そこは小さな村だった。なだらかな丘陵と緑に囲まれた、何の変哲も無いいち集落に過ぎ
なかった。
 此処に一人の少年が住んでいた。名をヤーニンという。
 この日も、彼はぱたぱたと村の中を駆け抜けると、叫ぶ。
「狼が出たぞー!」
 その報せに、村人達は慌てた。牧畜はこの村の主要な産業だ。その大事な牛や羊達を喰わ
れてしまっては大損害だ。あちこちの家から、飼い主である村人らが飛び出し、ヤーニンの
やって来た方向へと棍棒や鍬を片手に走り出していく。
「……おい。狼なんていなかったぞ」
「くっそ! またあのクソガキの嘘か!」
「あんにゃろう、何処に行きやがった……!?」
 しかし多くの場合、彼らの心配は杞憂に終わる事が多かった。
 理由は単純。ヤーニンが嘘をついていたからである。
 かといって家畜達に何かあったら取り返しがつかない。なのでその度に、大人達は気持ち
ばかりの武装をして放牧地へと急ぐのだが……いつも牛や羊達は変わらずのんびりと草を食
んでいるだけ。
 この日もまた、彼らは安堵と、それ以上の憤りを抱えながら来た道を戻るしかない。
(えへへ……)
 当のヤーニン少年は、物陰からそんな彼らの背中を見つめている。
 彼は笑っていた。悪戯小僧のそれのように、或いは無邪気な子供そのままに笑っていた。

 ──少年には、親がいない。元々彼は余所の土地の人間だった。
 孤児という奴である。賊か何かか。この村から少し離れた、焼き払われてしまった別の集
落の中にぽつんと取り残されていたのである。
 そしてそんな彼を不憫に思った村長が、皆を説得して村まで連れて帰って来たのだった。
 ヤーニンには親がいない。おそらくあの焼き討ちの中で死んでしまったと思われる。
 だからなのだろう。しばしば彼はこうして虚言を叫び、大人達を巻き込むことを覚えてし
まった。村の一大事を報せれば、多くの人々が自分に注意を向けてくれると知ってしまった
からである。

「この……クソガキっ!」
 故にこっぴどく叱られた。何度も虚を吹聴して回る度に、少年は気の荒くなった大人達に
拳骨を喰らい、だがそれでも笑っていた。
 それが気に食わなかった。やがてそれだけでは足らず、大人達は村長にバレぬよう、密か
に腹や背を何度も何度も殴るようになった。蹴るようになった。
 なのに──それでもヤーニンは嘘を止めなかった。七度目辺りから「狼が出たぞ!」で皆
がうんともすんとも言わなくなると、今度は「火事だぞ!」で男衆だけでなく、女子供まで
も巻き込むようになった。
 勿論、それは嘘だ。平和な村の何処にも火が回った家は無い。
 またヤーニンはこっぴどく大人達に叱られた。殴られた。だけど当人はまた構ってくれた
と腫れだらけの笑顔を絶やさなかった。
 しかしやり過ぎたのである。巻き込む人間を増やし過ぎた所為だろう。
「あ、ヤーニンだ」
「あっち行けよ。この嘘つき!」
「母ちゃんがお前とは遊んじゃ駄目だって言ってるんだ」
「……な、仲間は外しはよくないんじゃないかな……?」
「何だよマルクト。お前、あいつの味方すんのか?」
「それは……」
「行こうぜ。こいつと同じ空気を吸ってたら、俺達まで嘘つき病になっちまう」
「そーだそーだ!」「行こーぜ」
「……」
 次第にヤーニンは同年代(こどもたち)からも除け者にされるようになった。遊んでいる
所へやって来ても、彼らはヤーニンの姿を認めるとそそくさと散っていく。
 傷だらけの笑顔が、少しずつ曇り始めていた。
 身元引受人でもある村長も、この養子(むすこ)を庇い切れなくなっていた。
 自身が歳を取った所為もある。村人達が彼の虚言に幾度となく悩まされ、腹に据えかねて
いた事も大きい。歳月が経つにつれ、重ねた嘘が増えるにつれ、ヤーニンだけでなく村長ま
でもが村人達からの信用を失いつつあった。
 ──自業自得。そう言ってしまえば簡単なのだろう。
 だが彼らの“報復”は、確実にこの二人の居場所を根こそぎ奪いつつあった。

 やがてある日村長が病に倒れ、亡くなった。
 ヤーニン少年が人知れず村を出て行ったのは、それから程なくしての事である。


 彼のその後の半生は、断片的にしか判っていない。
 だが少なくとも、成長した彼は当時の自分を大いに悔やんでいたらしい。
 義父の遺してくれたお金を元手に、ヤーニンは都で独り暮らすようになった。昼間は幾つ
もの仕事を掛け持ちし、夜は遅くまで勉強に励む……。学校に行く余裕は無かった。
 どうやら彼は官吏を目指していたらしい。立派になってあの頃を償おうとしたのか。
 いや──或いはこう思っていたのかもしれない。

“立派な仕事に就けば、もう誰も俺を馬鹿にしたりはしない筈だ”

 実際、彼の努力は凄まじかった。文字の読み書きや計算などの基本的なことは養父である
村長に習っていたとはいえ、後年彼の住んでいた部屋を見た役人らはその膨大な勉学の跡に
酷く驚いたという。
 部屋自体は決して広くはない。むしろ粗末で、大きな雨風が直撃すれば倒れてしまいそう
なあばらの平屋であった。だがその小さなテーブルの上には、ボロボロになるまで使い込ま
れた辞書や多数の参考書が積み上げられていたという。
 彼はこの小さな部屋で、生活費も稼ぎながら、必死に勉強した。
 それこそ人付き合いも殆ど無い──最低限の孤独の中で。或いは幼い頃に繰り返したあの
虚言癖(ひび)に自らも囚われ、深く関わる事を避けるかのように。

「……」
 しかし現実は非情である。その年の採用試験の結果通知を前に、青年となったヤーニンは
一人静かに小さな飲食店の隅で肩を落としていた。
 書かれていたのは、不合格の文字。その後に続く二言三言の定型文。
 その日も都は賑やかだった。いつものように猥雑で、周りの客は連れと雑談を楽しんだり
黙々と食事を摂っていたりした。
 だがヤーニンはもうパンの一欠片も喉を通らない。ただ仕切り板が立つ店の隅っこの席で
じっと、突きつけられた現実の前に抜け殻のようになっていただけである。
 ……届かなかった。
 いや、まだだ。まだ来年がある。筆記試験は通ったのだ、今度こそ……。
 いや、もつのか? 次の試験の時まで、この暮らしが……?
 更にそう限りなく絶望の淵に近い場所で揺らめく中、彼は聞いてしまったのである。ふと
その耳に、信じがたいやり取りが届いてしまったのである。
「う~ん……。味はいまいちだな」
「言ってやるなよ。安上がりに飯を食えるだけ、ありがたく思わなきゃ」
 気持ち立ち上がり、ヤーニンは仕切り板越しにその二人組を見た。こちらとは正反対に店
の入口近くの席にどかっと座って昼食を摂っている。
 王国の官吏であった。他ならぬ、彼が憧れ目指し続けたその制服を着ていたのである。
 思わずヤーニンは静かに目を細めた。切り替えようとしていた頭が、またずるずると後悔
の側へと引き戻されていく。
「そういや昨日だっけ? 今年の採用結果」
「ああ。みたいだな。懐かしいっつーか何つーか……」
 加えてヤーニンが目を見張ったのはその二人組の顔である。
 見覚えがあった。面影があった。この店の味をイマイチと言い、連れの振ってきた話題に
も何処か飄々とした様子で応えているこの男。
 ……あいつだ。村にいた頃、率先して自分を子供達(みな)から除け者にして憚らなかっ
たあのガキ大将ではないか。
「そういやさ。知り合いの先輩が人事局にいるんだけど」
 だからこそ、それはヤーニンにとって途轍もない一撃だったのである。ヤーニンが彼の正
体に気付いたその時、彼は思い出したようにほくそ笑み、この同僚に口を開いたのだ。
「受験者の中に昔、故郷にいた嘘つき野郎が交じっててさー。びっくりしたよ。だから俺、
その名簿見た時に先輩に言ってやったんだよ。『そいつ、ガキの頃からの嘘つきで、どうし
ようもない悪ガキだったんスよ。採用しない方がいいですよ?』って」
「──」
 目が真ん丸に、大きく見開かれていた。まさか。ヤーニンは思い、しかし半ばそれを確信
として抱いた。
 ふらふらと視界が霞み、椅子に身体が落ちる。店内の雑音の中から尚も聞こえてくる彼ら
の声。一人の人間の生殺与奪すらもそう軽々しく雑談の種にし、笑って憚らない彼ら。
 視線を落としたヤーニンの眼前に、不合格の紙切れが鎮座していた。
 嗚呼、そういう事なのか……。青年は理解してしまった。

『そいつ、ガキの頃からの嘘つきで、どうしようもない悪ガキだったんスよ。採用しない方
がいいですよ?』
 おそらくは。それが、自分が面接にまで辿り着き不合格になった理由だとしたら。
『狼が来たぞー!』
『火事だぞー!』
 かつて、頼れる家族もいなかったがために虚言を吐き、皆に構って欲しかった幼年時代。
 だがそれは逆効果だった。愚かだった。他人を振り回し続けた事で自分は村の中で信用を
失い、唯一自分に味方してくれた村長(ちち)すらも追い込んでしまったのだ。
 気付いた時には、もう全てが手遅れだった。
 彼は病に倒れて死に、幾許かの金が手元に残った。それは養父が直筆で残した遺志でこそ
あったが、村人達からは「遺産泥棒」の烙印を押された。……もう居られなかった。
 だからこそ、頑張ってきたのに。
 この都で、あの村ではないこの別の土地で心を入れ替えやり直そうと頑張ってきたのに、
またそれも叶わない。他ならぬ同じ故郷から出て来たらしい一人の人間の告げ口によって夢
は絶たれた。来年また、ではない。駄目なのだ。内部に自分の“烙印”を知っている人間が
いる限り、自分は決してあの制服に袖を通す事はない──。
「ぁあ……」
 過ち。愚策。嘘付き。
 烙印。不滅。ウソツキ。
「あぁぁぁぁ……っ」
 そのまま皮膚を引き剥がしてしまいそうなほど、ヤーニンは頭を抱えて震え出した。ちら
ほらと、周りの席の客らがその異変に気付き、されど我関せずといった様子で遠巻きに一瞥
を遣っている。
「ああ、あぁぁァァァッ!」
 詰んだ。詰んだ。詰んでいた。とうに自分は詰んでいた。
 消えぬ烙印。過ち。お前は、悪だ。
「アァ……」
 嗚呼、そうだ。
 もう自分はとっくに──。
「う、ああああああぁぁぁぁぁァァァァーッ!!」
 そして次の瞬間だった。彼は狂ったように吼えると、周りがビクンと慄くのも構わず近く
にあった窓を蹴破り、外へと駆け出して行ってしまったのである。


 そんな小さな瓦解(じけん)から、一体どれだけの歳月が経ったのだろう?
 この頃、王都郊外の森ではとある魔物が出没するとして人々の不安を掻き立てていた。何
でも噂によれば、巨大な人狼が道行く者を手当たり次第に襲っているのだという。
 困った事にその森、中を貫き整備された街道は、都に物資を届ける幹線の一つでもある。
 故に王国は、被害の続くその森へと、騎士ら一軍を派遣したのだが……。
「──情報によると、この辺りらしいが」
 鎧甲冑を揺らし、その派遣された一個騎士団が森の中を何度も見渡していた。
 中々に繁茂した森。草花。昼間こそ日差しが注ぎ、この内部をくねくねと貫くように整備
された街道を穏やかに照らしているが、いざ日が暮れ始めると辺り一体は急に不気味な気配
を帯び始める。
 隊長以下、騎士らは眉根を寄せて立ち止まっていた。
 このじわじわと迫る不気味さは、何も単に日が落ちてきたからだけではないのだろう。
「見当たりませんね」
「ま、こう大人数で来ても警戒されるだろうしなあ」
「ああ。だが王の命、市民の安全の為だ。のんびりと待ってもいられない。人員を幾つか班
に分けよう。それぞれ別地点からぐるりと円を描くように森の中を探索するんだ」
 はっ! 隊長マルクトの指示で、すぐさま部下達が四・五人規模の小グループに分かれ始
めた。街道の一角に探索拠点を設け、広げた地図上で各々のスタート位置と探索の方角を確
認する。
 剣や槍、弓などの武器を携え、騎士達が次々と森の中に分け入っていく。
 やがて方々から白い狼煙が上がった。位置に着いた合図だ。その報告を森の出口、都方面
にに控えさせた部下より受け、マルクトら本隊が燃料を燃やして黄色い狼煙──捜索開始の
合図を出す。
 暫く、彼らは散開した彼らからの報告を待った。されど何時でも戦える準備は整え、街道
に立ちながらじっとその瞬間(とき)を待つ。
 人狼型の魔物……。定期的に討伐を繰り返している人里近くに、それも王都のすぐ目の前
にそんな高位の魔物が潜んでいるとは考え難いが……。
「隊長! 狼煙です、赤の狼煙が上がりました!」
「……ッ!?」
 すると、そう眉間に皺を寄せて考え込んでいた最中、部下が森の一方向を指して叫んだ。
見上げれば確かに赤い狼煙──標的発見の合図が上がっている。
 本当にいたのか。鎧を鳴らし、マルクトは急ぎ指示する。
「全軍に伝達! 赤狼煙の方向──第四班の下へ至急合流すべし!」

 深くなっていく森の中を走る。すると案の定、そこには人狼型の魔物がいた。今まで散々
暴れ回ったからだろう。白銀の体毛はすっかり血や土で汚れ、その身体にも先に出くわした
部下達からの攻撃を受けて幾つもの傷が刻まれている。
「一対一にはなるな! 囲んで、複数から同時に攻めろ!」
 爪を立てた豪腕をギリギリの所でかわし、刹那周りを囲んだ弓兵らの矢が次々にこの人狼
に突き刺さった。
 悲痛の鳴き声を上げる人狼。だがその瞳は、灰色に濁りこそすれど、狂気に苛まれたが如
く真っ赤に血走っている。
「今だ、両脚を押さえろ!」
 次に槍兵が、左右正面四方向から一気にこれを突き立てた。両手足を彼らの槍先が貫き、
ぐらりと人狼が大きく倒れかける。
 だが踏み止まっていた。更に凶暴な咆哮を放ち、血が吹き出る両手足を振るって足掻き、
近接した兵らをがむしゃらに弾き飛ばしてくる。
「くそっ、まだ……」
「いや、脚は取った。もう動けない!」
「一気に畳み掛けろーッ!!」
 おおおっ! だが騎士達も必死だった。弾き飛ばされ、鎧が凹みながらも、それでも剣を
槍を抜き放ち、集まった全員で一斉に飛び掛かる。両手足だけに留まらない。首根っこから
胸、腰まであらゆるこの人狼の身体に、騎士たち渾身の突撃が叩き込まれていく。
「はぁァァァーッ!!」
 そして最後。それは隊長マルクトの放った一閃だった。
 剣を抜き放ちながら疾走し、部下達が押し倒すその巨体。その首筋へと、全身全霊を込め
て強烈な横薙ぎを叩き付ける。
 駆け抜けざま、鮮血が飛び散った。人狼の首を、文字通り彼の一撃が落としたのだ。
 見開かれたその目が小刻みに揺れ、そして力を失う。どうっと。斬り飛ばされた狼の首が
宙を舞い、秋に差し掛かった乾いた草の中に落ちる。
 おおっ……! 流石は隊長!
 中々どうして苦戦し汚れた、部下達の笑顔が咲く。
「……念の為、生死を確認するぞ。不死(アンデット)系の魔物でもない限り、これでまだ
動くとは思えんが……」
 それでも、マルクト自身は眉根を顰めたまま、ひゅんと剣の血を払って鞘に収めた。
 もう誰も失わないようにと求めた強さ。この剣技。
 だが、いくら魔物相手でも、他人を殺すというのはやはり慣れない……。
「? おい。それは何だ?」
 そして、部下達が骸となった人狼を囲み調べている中で、ふと彼は気付く。
 部下の一人がいつの間にか、とある物を手にしていたからである。
「あ、はい。さっきこの魔物のズボン? から落ちた物です。犠牲者の遺品でしょうね。魔
物の癖に律儀に持っていたんでしょうか……」
 差し出される。それは古びた小さなロケットペンダントだった。
 受け取り、二度・三度検めてみる。作り自体は金属製の至って質素なものだ。
 だがマルクトはそれを見た瞬間、半ば直感のように背筋が凍る思いがする。
「──」
 ロケットを開けると、一枚の写真が収まっていた。何処かの家の前で老いた男性にそっと
頭を撫でられ、抱き寄せられている一人の少年の姿だ。
 そしてマルクトはその人物に見覚えがあった。
 そうだ。この男性は村長で、この子は村に連れて来られた──。
「ヤーニン……?」
 今にも泣き出しそうに顔を顰めて、マルクトはそうゆっくりと顔を上げながらその名を呼
んでいた。
 嘘つきヤーニン。賊に滅ぼされた集落で、一人生き残っていた男の子。その天涯孤独とな
った身の上を案じて、村長が皆の不安を押し切って引き取った男の子。そして多分、幼心な
がら自分が余所者だと自覚し、それが故に度々嘘をついて大人達を困らせた──やがて村の
皆からそっぽを向かれた男の子。
 偶然なのか、必然なのか。マルクトは唖然としていた。
 ヤーニン、君なのかい? 一体何があったんだ? 何でもって君が、魔物に……?
 部下は犠牲者の遺品だろうと言った。だがマルクトは、殆ど直感的にこの人狼こそが彼自
身だと悟っていた。
 何故? 心の中で彼は問う。
 僕は君を助けられなかった。自分達の態度が君や村長を追い込んでいると理解していなが
らも、僕は周りの圧力に屈するしかなかった──。
「そんな、こと……」
 にわかに手が震え始めていた。今し方この人狼を、彼の首を刎ねた剣を握っていた手だ。
 間違っていた? いや、これが任務だ?
 でも私(ぼく)は、もうあんな思いをしないで済む世界を作りたくて、守りたくてこの道
に進んだんだよ……?
「……隊長?」
「どうか、しましたか?」
 部下達が気付き始めて、見遣ってくる。
 だが彼は何も言わなかった。ただペンダントを手の中に弱々しく握り、変わり果てたあの
少年の骸(すがた)を見下ろしていたのだった。
                                      (了)

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  1. 2015/01/25(日) 18:00:00|
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自己紹介

長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
します。

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