日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)火に泣かされたる国

今年もまた、ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下の日を迎えました。
遠く離れた土地からながら、僕もせめての祈りを捧げたく思います。
こんにちは。暑さとネガティブな世相にへばり気味の長月です。
改めて、自分は創作をしていても、世の中はどんどんきな臭い方向へ流動してゆくのだなぁ
と思えて気分が沈んでくる心地がします。
それでも、やっぱり僕は創りたいと思案し続けるのだろうな……。大好きな事だから。
調子付いているのかもしれないし、多くの人に力を貰っているのかもしれないですけどね。


一般的に、日本はヒロシマとナガサキ、二回の大規模被爆の被害を受けたとされています。
ですが昨今はこれに加え、1954年の第五福竜丸らが巻き込まれた水爆実験、そして記憶に
新しい東日本大震災に伴う福島原発の事故(というより人災)を含めて四度の被爆被害だと
する主張も見られます。
流石に、こうした甚大な被害が起こってしまい(本来は惨禍の前に手を打つべきなのでしょ
うけれど)世論も政治?も脱原発の動きがうごめています。
ですが以前の雑記でも僕自身述べたように、これらはそう一筋縄でいくものではないなとも
思っています。
廃炉にするにしても数十年単位、エネルギー政策の組み直しの如何、国策として展開され染
み付いた利権構造。そして何より被害に遭った(或いは遭ってゆく)人々への償いとその再
起をどうやって実現するのか。対処すべき問題は山積するばかりです。
(加えて大災害による国難というマイナスは、周辺諸国にとってはある意味“攻め時”でも
あるという意地汚さ。……保守派かよと揶揄されるかもしれませんが)

そして──国内もこんな混迷の中だったら、海外もまたあちこちできな臭くて。
英国の暴動、アラブ諸国の反体制運動とその弾圧、アメリカの財政悪化とその余波での円高
等々……挙げていけばキリがなく、常に何処かしらで何かしらの事件が起きている。
「そうやって刻々と流れてゆくのが世の中なんだよ」と言われればそれまでなのかもしれま
せんが、僕個人の思いとしては、やっぱりやるせない。
豊かさを、幸せを目指した筈なのに……気がつけば皆が互いに監視し合い、攻撃し合い、結
果的にすべからく全体が、当然個人が不幸の中にある事が少なくない。
そんな世相を、片手間ながらに垣間見てどうしても思ってしまうのです。
──創作をしていて、果たして何になるのだろう? 言葉で紡ぐ奇麗事や理想は、もう届か
ぬ願いなのだろうか?……と。
僕は一介の物書きとして、描いた物語が人の今とこれからの糧(活力剤や清涼剤)となって
くれれば嬉しいと思っています。
正直、素人に毛が生えた程度の実力でそんなことが達せられるのかというと自信はあまりな
いのですが……。それでも、僕は物語の力を信じたい信じていたい。青臭いと哂われても、
“良きもの”を希求する心を支えたいと思うのです。

一方で、場合によりけりの筈ですが、世に蔓延る害悪はもしかするとフィジカルに掴みかか
れば僕らの“目の前から見えなくする”ことはできるのかもしれません。
でもそれは、本質的な解決ではなくて……。
できる事ならしっかり膝を詰めて思いを交わし、互いの友好とコミュニティぐるみで育て上
げてゆく倫理観で以って良くしてゆくことが理想であって……。
(現実には先方への友好や倫理やらがそもそも無い輩も少なくないのですが……)
ただ権力で、法律というある意味での暴力(力ある者の後ろ盾があるという面でもやはり)
で人をアプリオリに均してゆく事で世の中を良くしようという志向は、廻り回れば本末転倒
だと思うのです。……だって法律で雁字搦めにするということは、そもそも人を根源的に
「悪」とする、性悪説に則っている訳ですから。
人の本質は荒ぶる悪だ──確かに一面ではそうかもしれませんが、そんな奥底の前提を持っ
たままで、果たして僕達は本当の意味で他者と友好を結ぶことができるのでしょうか?

今まさに進行中でもあって、僕達は権力(ちから)が先導した原発という“国策”が甚大な
災厄をもたらした末路の渦中にいます。
これはまた、考え様によっては「力」に奢ったが故の過ちの一つなのかもしれません。
僕らはもう単に個別の「事故」だと片付けてはならない時期に来ているのかもしれません。
様々な形での“力押し”が、人々や社会のあちこちで歪みを作っている。その事に、僕らは
どんな形であれ向き合い、考えてゆかねばならないのだと思うのです。

『二回も原爆を落とされた国が安全だ安全だと言ってあちこちに原発を建てたらこの様だ。
 やってることがおかしいんだよなぁ……そもそも』
 
 ──以前、福島原発事故のニュースを、晩酌しながら眺めていた父が呟いた言葉です。

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  1. 2011/08/10(水) 22:00:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止します。

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