日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(企画)週刊三題「小さきもの」

──これから毎週、小説を書こうぜ?

毎週一回、ツイッタの「診断メーカー」で出たお題で小説を書いてみるという
自己鍛錬、 それがこの『週刊三題』であります。
さてさて。紡がれる文章は良分か悪文か、或いは怪文か?
とある物書きの拙文晒し、此処に在り。

【今週のお題:卒業、妖精、高校】


 そいつらはいつも──俺の傍にいた。

 頼みもしないのに季節は巡る。この高校に入学してから二度目の春がやって来る。
 ぽかぽかとした日差し、温かな眩しさ。
 うつらうつら、その日も眠気と闘いながら、直弥は呪文のような教師の声に耐えていた。
(眠みぃ……)
 男子の中でもその背丈は高く、引き締まった筋肉質。
 それだけでも迫力があるというものだが、面長で彫りの深い顔立ちとそのぶっきらぼうな
性格が相まって、全体としての雰囲気は間違いなく強面である。
 だから、そんな彼が眠気と闘いながら何とかノートを取ろうとしているさまは……ややも
すれば“不機嫌”と捉えられてしまうのかもしれない。
「……」
 されどその実はちょっと──いや、大分違っていたのである。
『? どうしたのん?』
『ナオヤ、授業中だのん。しっかりノート取るのん』
『ふぁ……暖かいのん。眠くなるのん』
『古典とはいいものだのん。あはれだのん。ふむふむ……』
『ナオヤ、ナオヤ。お昼ご飯はまだなのん?』
 いた。そこに彼らがいた。
 直弥の机の上、教科書とノートが広げられている上。そこに小さな──親指サイズほどの
お揃いの格好をした小人達がいたのである。
 ちょこちょこと動くたびに揺れるとんがり帽子と緑のつなぎ。顔はデフォルメされた漫画
の世界のキャラクターのようで、初めて目の当たりにすればきっと自分は夢でも見ているの
だと思うことだろう。
 そんな、絵本から飛び出してきたような小人──本人達曰く“妖精”は、今日もまた授業
中に好き勝手に、机という名のフィールド上で遊び回っている。
(一気に喋んなっつってんだろ。手伝う気ねぇなら隅っこにいろ。あと昼飯はこのコマが終
わってからだ。……勝手に弁当漁るな(くうな)よ?)
 眉間に深ーく皺を寄せ、それでも周りに聞こえないよう小声で、直弥はそうこの妖精達に
応えていた。
 はーい。ぱたぱた、ちみっこい身体が机の左右の端に移動する。
 やれやれといった感じで密かに肩を竦め、直弥は遅れがちな板書の内容を写していく。
 内容はまた後日でいい。どうせ自分はそんなに頭がいい訳じゃない。馬鹿は馬鹿なりに、
えっちらほっちら後追いする位しかない。それくらいの抵抗ぐらいしかない。

 ──この小さなくっつき虫達に気付いたのは、もっと自分が小さい頃だった。
 小学校に上がって間もない頃だ。よく覚えている。ちょうどその時分に……母が家を出て
行ってしまったから。
 気付けば何故か自分の周りをうろちょろしていた。
 最初は幻覚だと思った。実際、今日この日に至るまでこいつらは自分以外の誰にも見えな
いらしく、当初はそれで大恥をかいたこともある。
 なのに一方で物に干渉することはできるのだ。なりこそ小さいが、その数は未だに把握で
きない程あちこちにいる。なのでこいつらが寄り集まれば、鉛筆の一本や二本、本の一冊や
二冊は易々と運んでしまえる。
 そういう意味では──どのみちその存在自体が意味不明なのだが──助かる事もあった。
 どうやらこいつらは自分に利益をもたらそうとする習性があるようで、部屋が散らかると
寝ている間に片付けてくれたし、溝に硬貨を落とせば回収しに行ってくれたし、時には一緒
になって試験問題に挑んだりもしてきた。
 ただ……そういう便利さを帳消しにするように、難点がある。
 それはずっと付いてくる、という点だ。つまりプライベートが無い。
 一見自分一人でいる時にも、じっと周囲に目を凝らして捜してみれば……いる。
 本棚やら机の上やら、ベッドの下やら。何故か飽きもせず出会ってからずっと、こうして
自分という人間にくっ付いているのである──。

(……栗みたいな口しやがって)
 カリカリ。ノートにペンを走らせる。相変わらず書かれてあることはさっぱりだが、書き
写しておかないことには余計に解らなくなる。
 妖精達の多くは言われた通り、机の左右の端でちょこんとこちらの様子を見上げていた。
 それでも一部は尚も自分をサポートしたいのか、数人がかりでシャーペンを持って器用に
字を書いてみせている。
 直弥はそれをちらっと見ると、そっとこの妖精らを摘まんで端っこに移動させた。気持ち
はありがたいが、実際問題そうやって物に干渉されているのを見られると色々と面倒な事に
なるからだ。サラサラっとノートの余白に「気持ちだけ受け取っとくよ」とメモして伝え、
にこにこと嬉しそうに笑うこの小人達についっと、小さく片眉だけを上げる。
(はあ。何でこんな──)
 ちょうどそんな時だったのだ。ふとこちらを見つめる視線を感じて、直弥は思わず眉間に
皺を寄せると、その方向へと視線を向けていた。
「──っ」
 クラスの女子だった。小柄な緩い後ろ結びの髪の女の子。ちょうど互いが教室の対角線上
に位置し、他のクラスメート達の身体で陰になって分かり辛かったのだが、さっきあの瞬間
彼女がこちらを見ていたような気がしたのだ。
「……?」
 だが確かめようがない。目を遣った時にはすぐに授業を受けている様子に戻っていたし、
そもそも記憶が正しければ彼女とは今年二年に上がってからの初対面の筈だ。大体、自分で
言ってしまえば詮無いが、こんな強面を好き好んで見ていたとも思えない。
(……。気のせいか)

 尤も、自分も男だ。興味がない訳ではない。
 だが現状それは絶望的といってよかった。何せ自分は、そういう甘い青春といったものと
はある意味で真逆の所にいるのだから。
「こんちはッス、兄貴!」
「今日も半日、ご苦労さまです!」
「……おう」
 時刻は授業が終わって昼休み、処は校舎同士が折れ曲がって作る隙間、その裏手の一角。
 そこが彼らの溜まり場となっていた。直弥を中心としたグループ──俗に言う不良集団の
溜まり場となっていた。
 そこへ弁当を入れた鞄を肩に引っかけた直弥が現れると、既に集まっていた彼ら──いか
にも柄の悪そうな、落ちこぼれに属する生徒達がその姿を認め、そう妙に統率の取れた挨拶
を向けてくる。
 一段高い、長く放置されたままの石材の上が彼の指定席だった。皆に微笑みかけられ、促
され、直弥はそのままどっかりと腰を下ろすと、鞄の中から自身の弁当箱を取り出す。
『もぐもぐ』
『もきゅもきゅ』
 因みに、鞄の中には実はもう一箱の弁当が忍ばせてある。
 妖精達の、毎度密かに与えている昼飯用だ。
(あんまり散らかすなよ? 後で洗うの面倒臭いんだから……)
 そもそもこうなった理由なり経緯なりは──解っている。
 始まりは、自身のささやかな反抗期だった。
 母が家を出て行き、されど相変わらず仕事ばかりで家庭を顧みない父。子供心に自分は彼
を酷い人間だと決めつけ、拗ねた。有体に言えばグレていった。
 とはいえ、何処かで──やがて解ってはいたのだろう。不真面目といっても夜に遊び歩く
とか酒を飲んでみたりといったもので、直接誰かに己の憤まんを殴りつけるというような事
はしないように努めていたと思う。
 お互い、不器用なだけだ。父も……自分を養う為に必死だったろうから。
 それでも、現実として夜の街というのは不良の闊歩する時間と場所ではある。こちらは望
んではいないのに、しばしば喧嘩を吹っかけられた。或いは顔見知りになった者がその魔の
手に遭いそうになり、割って入ったこともある。
 “拳鬼”の半田。巷の不良どもは自分のことをそうあだ名しているらしい。
 曰く鬼神の如き強さ。常勝無敗の番長。
 だがそんな周りの評判を聞く度に、自分はばつの悪さを覚えずにはいられない。
 ……なんて事はないからだ。自分にはいつも妖精達(あたまかず)が付いている、単純に
にそれだけのことだから。いざ喧嘩沙汰になってもこいつらが相手に群がって体勢を崩し、
隙を作ってくれるのでそこを叩けばいい。それだけのことだから。
 だが、例の如くそんな事情は他の誰も分からないし、視えない。
 だから気付けば祭り上げられてしまった。その時その時の事情で助けに入った奴らからは
兄貴だのと妙に慕われ、気付けば一大グループの頭にまでなっている現実がある。
 これまで何度も弁明しようとした。流石に妖精達(こいつら)のことは話したって信じて
もらえないだろうけど、自分は好き好んで喧嘩をしたい訳じゃないんだってことくらいは。
 だけども、妙に勘違いされている。
 下野──自称一番の舎弟を名乗る同級生──らはその度に「謙虚ッスねぇ。いいんですよ
いいんですよ。俺達、ちゃーんと分かってますから!」と笑う。……分かってない。
 でも、全く嫌で嫌で仕方ないって訳じゃない。
 野郎ばっかりだとはいえ、気付けば一つの居場所になってはいる。こうして昼飯を広げて
ワイワイと、馬鹿をやって笑い合える関係がここにはある。
「……」
 だけど。
 事実を知らない、伝えられないままの俺とこいつらとの関係は、果たして本当に“仲間”
だなどと言えるのだろうか……?
「お──」
 そうして、いつものように舎弟達(自称)と駄弁りながら、昼飯を食い終わってまったり
としている頃だった。校舎の内側から響いてくるのはチャイムの音色。昼休みの終了、午後
の予鈴を告げるメロディだ。
「早ぇなあ。もう五限かぁ」
「だりぃ……。フケちまわね?」
「こらこら、そんな理由でサボんじゃねぇよ。格好だけでも受けとけ。ただでさえ俺達は何
かあったら目を付けられる側なんだから、点数を稼げる時には稼いどけよ」
『う~い』
 早速グループの面子がサボりモードに入ろうとしていた。しかしそれを直弥はやんわりと
そう理屈を付けて諌める。
 気だるそうに、だが彼の言葉には面々は素直だった。
 だりぃ……。相変わらず面倒臭そうではあったが、我らがリーダーの方針とあらばと空の
弁当箱やビニール袋を片手に、彼らはのそのそと立ち上がっていく。
「じゃあな。ぼちぼち俺も行くわ」
 そうして直弥もゆたりと踵を返し、この溜まり場を後にする。
「……真面目だよなぁ。兄貴って」
「まぁな。でも言ってたことは間違ってねぇぜ? この前もそれで軽めに済んだじゃん」
「変わった人だよなあ。あんなに強いのに。……だから俺達もついてきてるんだけど」
「違いねぇ。ま、俺ら(バカ)は俺ら(バカ)なりに学業に励むとしますかね?」

 その日もそんな、妙な勘違いと安寧の中でゆったりと過ぎていく筈だった。
 校舎裏から昇降口に戻り、下駄箱へ。直弥は靴を部屋履きに履き替えようとする。
(ん……?)
 そんな時だった。はらりと自分の靴箱から何かが落ちた。
 何の気になしに拾う。それは一通の手紙らしきもので「半田直弥さんへ」と間違いなく自
分宛てに書かれたものであると分かる。
「これは……」
 思わず眉間に皺を寄せた。少し迷ってから中を開け、文面を検めてみる。
『折り入ってお話があります。放課後、旧校舎の中庭まで来てください』
 そこにはちみっと可愛らしい手書きの丸字で、そう書かれていたのだった。

(まさか、いや……でも……)
 悶々としながら、それでも放課後、直弥は手紙の通りに旧校舎へと足を踏み入れていた。
 人気のない古びた二階建ての木造校舎。耐震基準に合わせ、今の鉄筋コンクリートの校舎
に建て替えられてからはすっかり、取り壊しの費用をケチっているらしく放置されている。
 直弥はそわそわしていた。その上着のポケットには、先刻の手紙が入っている。
 二つの可能性が脳裏を過ぎっていた。
 内一つは、甘い展開。つい顔が綻んでしまう、まさかの女子からの告白という可能性。
 もう一つは、罠。女子の字を模して油断させた上で“拳鬼”を倒そうとする別のグループ
の策略であるという可能性。
 期待と不安。頭の中で、その二つが出て来たり引っ込んだりを繰り返している。
 まぁこうしてのこのこやって来ている時点で、下心があったと言われても否定できない訳
なのだが──それはそれ、これはこれである。
 直弥はぎゅっと拳を握った。こういう時は悪いパターンを想定して対処するのが最善だと
経験が言っている。正直理由のない喧嘩はしたくないのだが……いざとなれば、また妖精達
の力を借りつつ切り抜けよう……。
「あっ」
「え──」
 なのに、今回ばかりは杞憂だったらしい。
 その分、意外な展開にすぐに頭がついてこなかった。
 女子がいた。それも見覚えがある。何かなければ足を踏み入れないであろうこの場所に、
中庭の一角にクラスメートが──午前中、自分の方を見ていたような気がした、あの女子生
徒が待っていたのである。
 直弥は中庭の入り口で固まってしまっていた。ちょこん。されど彼女は間違いなくこちら
の姿を認めて待ち、動かないこちらに徐々に頭に疑問符を浮かべ始めている。
「……あ、あのぅ」
「はっ──。あ、いや、すまん。まさか本当にこっちだったなんて……。えっと」
「二ノ宮です。二ノ宮優子。同じクラスなんだけど、覚えてる……かな?」
 こくこく。直弥は緊張したままに頷いていた。
 お互い怪訝に思った箇所は違うが、概ね間違ってはいなかったらしい。彼女──優子は両
手をお腹の前に組んだまま佇み、そう控え目な風にして自己紹介してくる。
「半田だ。半田、直弥。じゃあやっぱり、あの手紙を入れたのは……?」
「う、うん。私だよ……」
 急に全身が熱くなるような気がした。ごくりと息を呑んで踏み出し、彼女の方へ向かう。
(まさか、本当にそうなのか……!?)
 自分の中のもう一人の自分が、既に万歳三唱していた。
 こんな自分にも、遂に──。
 もじもじと気恥ずかしそうにしている優子を見るに、予感は確信に変わろうとしていた。
ざりっ。生え放題の雑草の上で互いに向き合い、二人は一度数拍押し黙る。
 嗚呼神様、ありがとう。
 俺、遂に大人の階段を──。
「おっ、お願いです! その子達、触らせてくださいっ!」
「…………。は?」 
 なのに真実とは残酷だった。先に口を開いたのは優子。だが彼女が告げたのは愛の告白で
はなく、もっと直弥にとって予想斜めの展開で。
『? のん?』
 肩や頭に乗っかっていた妖精達。
 直弥は彼らとゆっくりと互いに顔を見合わせ、そしてまた暫し彼女の言葉を理解するまで
に時間を要することになる。
「……か、確認したいんだけど、まさかこいつらのこと、見えてる?」
「はい。半田君にいっぱいくっ付いてますよね? 小人さん達」
 暫く、直弥は目を見開いて言葉を失っていた。
 まさかのまさかだ。妖精達(こいつら)が見える奴が、他にもいるなんて……。
「あ、あのぅ」
「あっ。お、おう。触るくらいなら……。いいか?」
 肩に留まっている妖精達の首肯を確認して、何人かを摘まんでやる。ひょいっとそれを両
掌で受け皿を作った彼女に。とてんと着地した彼らに、ぱぁっと優子は目を輝かせるほどに
嬉しそうにしている。
「ふぁぁ~! やっぱり本物だぁ~! 可愛い……可愛い、可愛いよぉぉ~!!」
 それから暫く、優子は妖精達の感触を目一杯楽しんでいた。
 やたら弾力のあるほっぺをもふもふしたり、すりすりと頬を擦りつけてみたり。あまり接
点がなかったからパッと見のイメージしか直弥にはなかったとはいえ、彼女はこういう性格
だったのか……。
 嬉しいかな哀しいかな、直弥はそんな優子をただ見守るしかなかった。
 これが漫画なら、まさに自分はモノクロ調になって影がついていただろう。告白は告白で
も、自分にじゃない。妖精達(あいつら)にだった訳だ。
「……しかし、驚いたな。俺以外にこいつらが見えるのってお前が初めてだよ」
「あ。やっぱりそうなんですか? おかしいなーとは思ってたんですよ。あんなに半田君の
周りでぴょこぴょこしてるのに、クラスの皆も先生も全然気付いてなかったですし……」
 ひとしきり妖精達を愛でて落ち着いた所で、二人は近くのベンチに腰掛けていた。
 直弥が言う。先ず確かめるべきはそこだ。あわよくばこいつらが何者なのか、彼女から情
報が得られるかもしれない。
「この小人さん達、何なんですか? クラス替えの時からびっくりして見てたんですけど、
半田君自身はだいぶ慣れている感じですし……」
「……それは俺が訊きたいくらいだよ。分かんねぇんだ。気付いたら俺ん家に居座ってて、
四六時中こうやってくっ付いてくる。確かにもう慣れはしたけどな。小学校に上がるくらい
からずっとなんだ」
 しかし彼女の口ぶりから察するに、求めるような答えは持ち合わせていないらしかった。
背もたれにだらんと両腕を預ける。少しずつ日が落ちていく空を眺めながら、直弥はつい不
思議と、母の出奔から現在に至るまでの思い出を漏らしていってしまう。
「ご、ごめんなさい! そんな事があったなんて……」
「……気にすんな。俺も、らしくねぇことをしちまった。こいつらのことは、今まで話そう
にも話せなかったからなぁ」
「……」
 もじもじ。気まずく、されど何処かフッと気持ちの晴れたような直弥の横顔を見て、優子
はじっと何かを考えている。
 何度かの逡巡。それでも吐露させるだけさせたのはアンフェアだからか、それとももっと
親身になってくれているのか。彼女はその視線を、彼からそっと逸らしたままで言う。
「これはもしかしたら、ですけど。私達が似た者同士だからなのかも……しれません」
「似た者?」
「……私も、お父さんがいないんです。四年前、事故で亡くなりました。今はお母さんと弟
とで、三人暮らしです」
「……。すまん」
「いえ……。ただ、だから私にもこの子達が見えるのかもしれないなぁって思って。何処か
で“寂しい”って思っているから、こんな小さなトモダチが現れたのかもしれないって。私
は半田君ほど時間が経っていないから、大きくなってからだったから、見えるだけで来なか
ったのかなぁって……」
 それは推測だ。ファンシーな仮説に過ぎないのかもしれない。
 だが直弥は、彼女の言葉が妙にすとんと胸に落ちるのを感じていた。
 そうなのかもしれない。男だから、昔はもっともっと突っ張っていたから終ぞ気付かなか
ったけれど、実はこいつらは、幼心に駆けつけてくれたイイ奴らなのかもしれない。
「……」
 心持ち視線を落として目を瞑る。程なくしてそっと目を開ける。
 やはり妖精達はそこにいた。自分の肩や頭の上、ベンチのあちこちにちょこまかと。
 ちらと目を遣れば優子の方にも集まっていた。自分達の存在を知覚し、尚且つあれだけ愛
でてくれたからだろうか。父を亡くした頃を思い出して涙が蘇っている彼女に、この小さき
者達はさも「大丈夫?」と慰め、励ましているかのようにみえる。
「ご、ごめんなさい。その、お時間取らせちゃって……」
「だから気にすんなよ。どうせこっちは暇人なんだしさ」
 それでも微笑(わら)おうと優子は努めていた。こちらを見返してくる彼女に、直弥は努
めて何でもない風を装う。彼女に「半田君って……本当は凄くいい人なんだね」と虚を突か
れても、やや視線を逸らし、ポリポリと静かに頬を掻くだけに済ませる。
「……ま、その、あれだ」
 だから直弥は半ば照れ隠しに、そう夕暮れの空に目を遣りながら言った。
「こいつらをモフりたいんならまた言ってくれればいいさ。も、もう、こういう遠回しなや
り方をする必要はねぇだろ?」
「──!? うんっ!」

 それからというもの、二人は折につけて落ち合った。場所は決まってこの場所、旧校舎の
中庭だ。
 相変わらず普段──クラスでは話をする事もなかった。それはお互いどちらともなく噂を
立てられてしまうのを避けていたからであったが、何よりも妖精達の話が漏れ、奇異の目で
見られるのを恐れたからでもある。
『すりすりだのん?』
『ふわふわだのん?』
 決まって二人の仲立ちをしたのは、その妖精達だった。優子は毎度、飽きもせず彼らに群
がれると目を輝かせ、この小さなマスコット達を目一杯可愛がった。
 だから、基本的に二の次。二人はこっそり中庭で落ち合っても、妖精達を弄りながら不器
用に雑談をするくらいであった。
(お……。おお……!)
 尤も、彼らが見えない第三者がそのさまを見れば、二人がいい感じの──恋人同士である
かのように見える以外にないのだが。
(な? 本当だったろ?)
(い、いつの間に……。兄貴、今までこういう手の話はまるでなかったのに)
(分かんねえ。でもここは俺達も祝福すべきじゃないか? 兄貴にも春が来たんだ)
(そ、そうだよな? 見た目より中身(ハート)なんだよ。うん……)
 そんな彼らの逢瀬(?)を、下野たちグループの面々がこっそりと物陰から覗いている。
 始めはメンバーの一人が、妙に直弥が大人しくなったんじゃないか? と本人のいない場
で指摘したことだ。元々腕っ節は強いが意味もなく喧嘩をしたがらない人だとはいえ、ここ
最近の兄貴は妙に丸くなっているというか……。それでこの日、意を決して彼の後をつけて
みた訳なのだが……。
(いいなぁ。俺も女の子といちゃいちゃした──)
(し~っ! 二人、動くぞ)
 そうしていると物陰の向こうで直弥と優子がベンチから立ち上がっていた。空も随分茜色
に染まってきた。ぼちぼち帰るのだろう。
「ごめんね。また長居させちゃって」
「気にすんな。こいつらも嬉しそうだしな」
『のん♪』
『また遊んでなのん』
「ふふっ。うん、またね」
 そうして妖精達を肩に頭に乗せて、直弥は優子とその場を後にしていく。
 そのさまは傍からみれば──この一部始終を先程から覗いている、妖精達が見えない下野
達から見れば、恋人のそれに限りなく近い。
(……?)
(ん? どうした?)
(いや。さっき視線を感じた……と思うんだけど)
(おいおいよせよ。旧校舎(ばしょがばしょ)だからってホラーにすんじゃねぇよ)
(大体、誰かいたら拙いじゃねぇか。俺らの覗きとか、兄貴と姐さんの関係とか)
(うーん……。特に誰も見当たらねぇぞ? その辺の動物と間違えたんじゃね? この辺、
すぐ近くが山だし)
(あー、そうなのかなぁ? ……ま、いっか)
 途中メンバーの一人がそんな事を呟き、下野が辺りを見渡してみたが、この旧校舎一帯は
至って静かな時間が流れていた。
 ひそひそ。このまま一緒に帰って行くのであろう二人を見送りながら、彼らはこの時それ
を大きな問題とは捉えずに終わる。

 事件は、ちょうどその翌日に起きた。優子が登校して来なかったのだ。
 風邪か? 直弥は思うがすぐに頭の中で否定する。昨日も昨日、またあそこで会って話を
していた時にはそんな様子はなかったと思う。相変わらず大人しい癖に可愛いもの好きで、
例の如く妖精達(こいつら)をもふもふしまくっていたくらい元気だった。
『……のん?』
「……。何でもねぇよ」
 ぽつり。自分の机の上で思い思いに過ごしている妖精達の見上げてくる表情にひそひそ声
で答えながら、直弥は終業のホームルームの中にいた。目の前には今日の荷物を詰め込んだ
鞄があり、教壇では担任の教師がのんべりとした口調で連絡事項を喋っている。
(二ノ宮と仲のいい女子に訊けば早いんだろうが……そうもいかねぇしなあ。俺なんかとつ
るんでる事がバレたら迷惑になるし、第一誰と仲いいかなんて知らねぇし……)
 悶々とする。何をこんなに気になっているんだろうか。
 ただあいつとは妖精達(こいつら)の、似たような過去と秘密を抱えている仲間……それ
だけなのに。
「では、今日はここまで。部活のない者は寄り道せずに帰るようにな」
 気が急いた。約束はないが、もう一度中庭(あそこ)に行ってみよう。起立、礼。担任の
言葉と委員長の合図でようやく拘束から解放されると、直弥は鞄をやや乱暴に引っ掛け、誰
よりも早く教室を後にする。
「──」
 だが、見つけてしまったのだ。中庭(あそこ)に行こう。そう思って下駄箱の蓋を開けた
その次の瞬間、はらりと一枚の手紙が落ちてきたのだ。
 今度は可愛らしい丸字などではない。殴り書きされた荒々しい文字だ。

“お前の女(スケ)は預かった。返して欲しければ十七時に鹿嶋田第四倉庫に一人で来い”

(くっそ──!)
 手紙もとい果たし状に目を通した次の瞬間、直弥はそれを握り潰しながら猛然とその場を
駆け出していた。
 二ノ宮が巻き込まれた。ごくごく普通の、大人しい女の子が不良どもに捕まり怯えている
姿が脳裏に浮かぶ。
 一番、起こって欲しくないことが起きた。或いはもうこれは自分の宿命なのか。
 昨日確かに自分は彼女を見た。途中まで一緒に、周りに気付かれないようにそれとなく距
離を置きながら帰り、それぞれの分岐路の前で「また明日と」言い合って別れたのだ。
 なのに……来ていない。
 だとすれば連中はその後、彼女を掻っ攫ったことになる。二ノ宮家が今どれだけ把握して
いるかは分からないが、学校でも特にあの担任(ハゲ)が言及していなかったこと考えるに
まだ水面下で情報が隠されているとみてよいだろう。
(くそったれが……!)
 商店街から裏路地に入り、猥雑とした工事区画をショートカットして抜ける。一般道とは
違った通用路が続くエリアに入れば指定された倉庫群はすぐ近くだ。
 大至急。鬼気迫る形相で現場に滑り込むように到着する。
 携帯の時刻表示は十六時五十七分。ギリギリだ。肩にしがみつく妖精達もデフォルメなそ
の表情(かお)に緊張を走らせている。大きく静かに呼吸を整え、いざその鉄扉を力任せに
引き放つ。
「……よお。待ってたぜ“拳鬼”の半田ァ」
 そのまますぐに殴り掛かってやろうかと思った。倉庫の中には既に自分達とは別のチーム
が陣取っており、その奥にガムテープで口を塞がれ腕を縛られた優子が、リーダー格と思し
き不良に囚われていたからだ。
 だが数歩歩いて、直弥は止まらざるをえなかった。すぐ向こうで彼女がより強く羽交い絞
めされ、じりじりっと部下の不良達が四方八方から自分を囲ってきたのだから。
(やっぱそういう事かよ)
 眼光だけは負けじと、そして拳はいつでも振るえるように強く強く握り締めていた。なの
にこちらが何もできないと思ってか、リーダー格はひひひっと意地汚く笑う。
「そうそう。大人しくしてりゃいいんだ。にしても……へへっ、泣く子も黙るてめぇにこん
なカワイコちゃんがいたなんてなあ……妬けるぜ。だがまぁ、そのおかげでこうしてお前を
潰せる訳だがよぉ」
 やれ! 哄笑の後、リーダー格が指示を飛ばし、不良達が襲い掛かってきた。
 何てことはない。いつもなら妖精(あいぼう)達と一緒に、隙の出来た奴らから順に切り
崩していけばいいだけの話なのだが……。
「ぐっ!?」
 腹に拳を受けた。顔に一発二発と入れられた。
 ちらりとリーダー格を、彼女の方を見る。
 もう泣きそうになっていた。自分があれだけ塞がれて縛られて、怖い目に遭っているとい
うのに、先ずこちらを心配してやがる。むごむごっ! 何かを必死に叫んでいるようだが、
大方「止めて!」とか「私はいいから!」とか言っているのだろう。……優し過ぎだ。
『ナオヤ』
『やっつけるのん』
「止めろ。お前らは手ぇ出すな。二ノ宮が見てる。手を汚すのは……俺一人で充分だ」
 妖精達がいつにも増して目の前でぴょんぴょこと跳び、意気込んでいた。
 だが直弥はそれを止める。四方八方から袋叩きにされながらも、そう崩れ落ちることなく
立ち続けている。
 いつもなら、それでいい。
 だけど今回ばかりは違うのだ。妙なプライドというか何というか、彼女の前では、この小
さな相棒達を愛玩以外の方法で見せたくはないと彼は強く思ったのだ。
「……余裕ぶっこきやがって。おい、ちんたらやってんな。得物使え得物!」
 だが、勿論そんな事情など解る筈も見える筈もないこの不良達にとっては、自分達が尚も
舐めて掛かられているようにしか聞こえなかったらしい。
 リーダー格が苛立たしげに吐き捨て、そう新たに指示をした。袋叩きが一旦止み、何人か
が倉庫内の隅から木の角材やら金属バットやらを持ってきて、仲間達に手渡し始める。
「ん~~! んんん~~!!」
「はははっ! おらおら、どうする? 今の内に大人しく降参した方が身の為だぜ? 俺の
手下になりますって約束すりゃあ、こいつもお前も許してやる」
 優子が先ほどよりも必死になって抵抗、叫ぼうとしていた。
 しかしそれでも、このリーダー格には体のよい興奮剤にしかならなかったようだ。ぐいっ
と暴れる彼女を無理やりに押さえつけ、彼はそう上機嫌になって言葉を投げつけてくる。
「……冗談はその顔芸だけにしとけ。阿呆」
 殆ど迷いもなく、直弥は答えていた。こういう馬鹿は甘やかすほどつけ上がる。
 だが、故にこのリーダー格は眉間に深い皺を寄せてキレていた。潰せッ! その怒号に近
い合図をもって、周りを囲む不良達が一斉に握った得物を振り上げる。
『──ッ!?』
 まさにそんな時だったのだ。パシャリ。数度のフラッシュが場をしっかりと映したのは。
「兄貴っ!」
「大丈夫ッスか!?」
 下野達だった。気付けば彼らも徒党を組み、すっかり喧嘩モードになって、驚き攻撃の手
を止めていた不良達を睨み付けている。
「お前ら……どうして」
「見てた奴がいたんですよ。凄い血相変えて飛び出して行ったそうじゃないッスか」
「事情は大体呑み込んでます。写真(ほけん)も撮っときました。とにかく姐さんを!」
「は……ふぁへ?(あ……姐?)」
 下野を筆頭にグループの面子が言う。確かに見てみれば、その何人かの手にはカメラ状態
にしたスマホや携帯。直弥に武器を振りかざそうとした、優子を人質に取っている不良達の
姿がばっちりと写し取られている。
「お……押さえろぉ!!」
 理解が及び、焦ったらしい。リーダー格はそれまでの哄笑が一転、不利な証拠を握られて
青褪めた顔のまま部下達に命じていた。
 それを、下野達は迎撃する。後ろへ後ろへ、肝心のその端末を回して前線を張り、直弥の
下で培ってきた喧嘩の真髄を彼らに次々とお見舞いさせていく。
「な、何やってんだ! 二十人もいねぇ相手に何を負け──」
「……」
 リーダー格が言いかける。そして、はたっと気配を感じて視線を横にずらす。
 直弥が立っていた。ずんずん。両手をポケットに突っ込んだまま、気付けば彼がこちらの
すぐ近くまでやって来ている。
「く、来るんじゃねぇ! わ、分かってんのか? お、俺に手を出そうものならバッ!?」
 吹き飛んでいた。いや、正確には殴り飛ばされていた。
 恐ろしくピンポイントな右ストレート。リーダー格は顔面にそれを受けて白目を剥くと、
そのまま大きく後ろに転がって動かなくなる。あまりの早業にぽかんとしている優子に直弥
は近付くと、すぐにその口と手の戒めを解いてやる。
「大丈夫か?」
「う、うん。ありがとう。……本当、強いんだねぇ」
「……こんなの、何の役にも立たねぇよ。おーい、もういいぞ! 適当に締めとけ!」

 その後は、敵はあっという間に瓦解していった。
 元々彼らはチームとしてはそう強い方ではなかった。偶々自分と彼女の関係を知り、一気
にのし上がるチャンスだとでも考えたのだろう。
 かくして逃げた奴はそのままにして深追いはせず、倒れた者はとりあえずお縄にし、直弥
達グループは今回の一戦を難なく勝利で飾ったのだった。
「その……ごめんね。半田君達に、迷惑掛けちゃって」
「何でお前が謝るんだよ。それは俺の台詞だっつーの。知ってはいたんだろ? 見ての通り
俺は不良で、こういう喧嘩は結構普通にあるんだ。巻き込みたくは……なかったんだがよ」
 それでも先ず、二人がやっていたことはそんな謝罪合戦だった。
 迷惑を掛けたと開口一番に優子が頭を下げる。だがそれは言う側が逆だと、彼女の襟を持
ち上げて面を上げさせ、代わって直弥がそう訥々と語る。
『……』
 にやにや。そしてそんな二人のやり取りを、下野達はにやけた笑みで見ていた。
 ハッと我に返る。直弥は思わず優子から手を離すと、ようやく怪訝を取り戻して彼ら面々
に問い質し始める。
「な、何ニヤニヤしてんだよっ! だ、大体何だ? 二ノ宮を姐さんって……」
「えっ。ああ、そりゃあ……」
「兄貴の彼女さんでしょ? そうなれば、俺達からみりゃあ姐さんになるじゃないッスか」
「ばっ──!?」「~~ッ!?」
 面白いほどに直弥と優子、二人の顔が真っ赤になるのが分かった。
 馬鹿野郎、そんなんじゃ……そんなんじゃねぇよ! 直弥は必死になって、尚もにやにや
している下野達を怒鳴りつけていたが、一方の優子は真っ赤になった両頬を押さえたまま、
言葉にならない焦りのままにうろうろと目を泳がせている。
「……ったく、お前らも人が悪いぜ。覗いてた(しってた)なら知ってたでそんなコソコソ
するもんじゃねぇよ……」
「はは。すみません。でも、嬉しかったもんで」
 なっ? 下野を中心に、グループの面々がそう互いに顔を見合わせ頷いていた。
 ほうっと頬を染めたまますっかりショートしてしまっている優子、ジト目ながらもそれ以
上強く言い返せずに黙り込んでしまう直弥。
「まぁいいけどよ……。でも何で、首突っ込んで来た? お前らだってまた暴力沙汰になれ
ば色々やばいだろうによ」
 だから代わりに彼は訊ねた。下野たち彼らにとって、今回の一戦は本来部外者であった筈
なのだ。
「ですねえ。でもまぁ、こうやってちゃんと写真(しょうこ)がありますし、ちゃんと事情
を話せばそう滅茶苦茶な厳罰になることもないでしょう」
「そうそう。大体水臭いじゃないですか。兄貴は俺達のリーダーなんですから」
「それに……教えてくれたのは兄貴じゃないッスか。──仲間(ダチ)を助けるのに、理由
なんて要らないって」
「下野……」
 直弥は思わず目を丸くしていた。かつての出来事を思い出す。
 そう、あれはまだこのグループが出来る前のこと。お互い同じゲーセンの常連であった自
分は、ある日対戦で打ち負かした相手に因縁をつけられたこいつの助けに入ったんだっけ。
 その時に言ったのだ。
 仲間(ダチ)を助けるのに、理由なんて要らないって。暴力じゃなく、ゲームで普通の趣
味で、やっと仲良くなれた相手だったから。
「……。そうだったな」
 フッと、はにかむように直弥は笑った。
 はいッス! 自称彼一番の舎弟・下野はそう一切の迷いなく笑う。
 嗚呼、そうか。拘り過ぎていたんだ。恐れていたんだ。
 なまじ腕っ節ばかり強くなったものだから、判らなくなっていたんだ。今こうして自分を
囲んでくれる皆が、自分の暴力でそうしているのか、もっと別なものでなのか。
 過ぎた心配だったのかもしれない。すぐ傍にいたんだ。
 友人、仲間、好きになった人。自分は──独りじゃない。

「じゃあ帰ろうか。下野、さっきのお前らが撮った写真、後で俺に預けさせてくれねぇか?
確かにあれは証拠にはなるんだろうが、二ノ宮も巻き込んじまうしな。使う時はいざ表沙汰
になった時で充分だろ」
「そうっすね。了解ッス」
「半田君……」
「まぁ、兄貴がそう言うんなら」
 夕陽が眩しい。直弥達は皆揃ってその場を去ろうとしていた。
 ぐったりとしている先の不良グループの残党。これで暫くは大人しくなるだろう。直弥に
そう言われ、下野が写真を撮った面子から一旦端末を回収している。
『──良かったのん』
『──本当に良かったのん、ナオヤ』
『──これならもう、大丈夫なのん』
 だがこの時、彼らは誰一人として気付かなかったのだ。
 立ち去る直弥達、その背中を見送るように倉庫の中に居残り、デフォルメされた満面の笑
みを浮かべる妖精達。
 その小さき身体が存在が、そっと静かに透明になって……消えてゆくのを。
                                      (了)

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  1. 2014/03/24(月) 18:00:00|
  2. 週刊三題
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

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