日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)人それぞれという云い方

書かなきゃ(義務感)

……どうにも時間が経つのが早い気がします。急に寒くなってきました。
ぼうっとしているとあっという間に一日が終わってしまい、その勿体無さに_| ̄|○となる
のも珍しくなくて……。まぁそんな体感的なものだけでなく、実際にこの季節はどんどん日
が短くなっていく時分なのですからあながち間違ってはいないのでしょうけれど。

前回の雑記より一週間。今月も早半ばに差し掛かっています。
その間の自分は……あんまり書けてないですね(´・ω・`) せめて三題は絶えぬよう己に課し
続けていますが、果たしてそれらを含めちゃんと他人に耐えうるものとなっているのか……。
贅沢な悩みではあるのかもしれませんが、こういう状態は辛いもので。
書けないこともですが、それ以上に(個人的に)クるのは「感性のアンテナが中々反応して
くれない」状態になりがちであること、なのですよねえ……。此処での雑記はそうして思考
にふと刺激をもたらしたものを書き綴る場という側面が大きいのですが、それも一頃に比べ
ると鈍ったなぁと感じ出して久しく……。

──そもそもに、自分の言葉が物語が、本当に必要とされているのかしら?f(=_=;)
実際にアクセスがあり、拙作をブクマしてくださっている方々もいるのだからそんな心配は
彼らに失礼じゃないか──とは冷静に思いつつも、だからといって自信満々ではいられない。
口を開けば堅物で説教じみていて、利他(エンタメ)よりも利己的で衒学的で。そんな自分
の言の葉は、はたしてどれだけ意味を持てるのだろう?なんてことを。

まぁ好みってのは人それぞれで、何を見出すか別の誰か何かへ往くかは皆個々の判断で。
結局この手の問いというのは、そういう感じでぐるんと一周、堂々巡りしてばかりなんです
けどもね……_(:3 」∠)_


と、そうやっていつもは思考の断片はとりとめもなく四散し、僕に少なからぬもどかしさを
残しながら時間ばかりを取り上げていきます。
ですがそんなある種の無限ループに一つ楔を打ち込んでみようとするならば、ふと思うこと
があるのです。
それは『人それぞれ』という言葉。その現在における用法を見回してみた際に思うこと。
Aだ、Bだ、いやCだ──良くも悪くも意見が割れて話が長くなる、そんな時に誰が命じた
訳でもないのに「まぁ人それぞれだからね」といったフレーズが話をすぱっと断ち切ってし
まう終わらせてしまう。……さも“免罪符”のようなそんな使われ方に対し、ぼやっと僕が
抱いていることに気付いたこの違和感というか、妙な寂しさというか。

何というか、ふいにされてしまうような印象があるのですよね。
君はAだと言って、僕はBだと言う、いやいや誰それはCだDだと言う──そうして色んな
視点・価値観が集まっているという(僕からすれば)僥倖を、まるで「人それぞれだから」
は横からへらへらと笑いながら叩き落し、ぶちまけてなかったことにする……時にそんな無
粋というかネガティブな意識でもって使われることが、ままあるような気がするのです。

……ただまぁ、そんな用法が増えてきた心理も分からなくはない。推測はできます。
ニヒリズムも多少混ざっているのでしょうが、おそらくは一種の処世術として使われるよう
になったのでしょうね。
往々にして日本人は「議論」が下手な民族です。
一番の原因は論理的思考のレベルと、発言者と発言内容を切り離せない(これが担保されな
ければ後々の人間関係に響き、膝を突き合わせて話などできない)ことにあると考えますが、
俗な『人それぞれ』はそれ以前の段階からの“衝突”を“否定”するような用法です。
“違う価値観がぶつかれば諍いになるだけだ。
 なら始めからそういう「不毛な話」は止めておこうや──”言うなればそんな感じの。

要するに「閉じて」いるのですよね。「開いて」いるのではなく。
外面では笑みを取り繕って穏やかを演出しようとしているけれど、その実は突出した、今を
乱す新風を許さない──そんな態度の一つではないのかなと僕は思うのです。
……分からなくはありません。自分だってそういう時分はあった(ある)ので。
平穏無事、いやただでさえ疲弊する一方の日々をなるたけ波立てずやり過ごしていくには如
何すればいいのか? パッと思いつきかつローコストで実行できるのはまさにこれなのです。
「閉じる」こと。必要以外に首を突っ込まないこと。
ただでさえ現代の価値観は多様化・複雑になっているのですから、いち個人がそこに殴り込
みにいっても得るものよりも手ひどい反発──火の粉(リスク)を受けるのが関の山。実際
ネット上では公人私人を問わず「炎上」することが珍しくなくなりました。

……そりゃあ、自分だって思うことはある。ない訳ないさ。
だけどそれを一々表に出してたら収拾がつかねぇんだよ。皆押し殺して生きてんだよ。そう
しなきゃ立ち回れないのが世間様なんだよ。それで一体誰が幸せになるってんだよ……。

これらもまた怨嗟なのだろう──そう考えしまうのはいけないことなのでしょうか?
対話の腰を折り、ノーゲームに持ち込んでいくこともできるこの言葉、使い方。
勿論、多様を喜びそこへ己が胸襟を開いていこうとする意図での使い方もできなくはないの
ですが、如何せん自分の周りを見渡す限りそうした心意気はレアケースのように感じます。

どちらが悪い、とは中々一概には言えません。
『人それぞれ』と切り捨て、他人の迷惑を顧みず我を張る人間も。
『人それぞれ』と割り切り、火の粉を被らぬよう我を隠す人間も。
そもそも誰もがどちらにもなり得るし、兼ねうる筈なのです。どれだけ思うところを抑え込
んだ所でそれらが消滅する訳ではないし、だからこそ疼いて僕らを苦しめる。時には憎悪の
原料に──俺はこんなに苦労してんだ。だからてめぇのそれは許さねぇ!と──すらなる。
だから前者もその意味では「閉じて」いる点に変わりはないと思うのです。
爆発させたか(まだ)させていないか。その点だけが違い、この言葉を“免罪符”にしている
点ではきっとその根っこの部分は同じで、似通っている──。

“相手を裁くな”とは宗教や臨床心理の分野ではよく用いられる云いです。
先述のように、価値観の押し付けが争いの元になるというのも勿論の事、前者だと裁きは神
がするものであり、後者ではこちらが「断定」するのではなく相手の鬱憤を「聞く」という
のが何より大事だからというのが根底にあると聞きます。
……なるほど。一理ある。
しかしそう思いはすれども、この胸奥にはどうにもやり切れなさの類が残ってしまう。
おそらく、一丁前に憂いているのでしょうね。
『人それぞれ』と言いながら、他人を省みず自身の言動を正当化する輩。
『人それぞれ』と言いながら、他人が方々に価値観を撒き散らすことを遠回しに嫌う輩。
言い換えるのなら“悪目立ちする個人主義”とでもいうのか。
アクティブであれノンアクティブであれ「自分」以外の個人が意識に及んでくるのを拒否する
かのような態度。本来の意味するところであろう筈の、対等な個(自)と個(他)を許せずに
誤用された「個人」の概念。
そんな(僕からすれば)間違った解釈が罷り通っていても、その無法ぶりが結果として言葉
への信頼を失墜させ自ずと封殺し合うことに繋がっても、この憂いもまた『人それぞれだから』
で嘲笑(わら)われてしまうのだろうなぁと思う……さも袋小路で悪循環な様相を。

何を思うか、行動するかは人それぞれ。それは確かにそうだけど。
だけど、そこにだって最低限以上の仁義(善きルール)はあって然るべきじゃないのか? 
そこを守り、お互いを許したり距離を取り直したりして、適度に自分を「開いて」いけるの
ではないのか? それを逸脱し、現状のマジョリティになっているきらいがあるから、僕ら
はお上からも自分達でも、言葉の力というものを殺さんとしているのではないのか……?

だからこそ──自身にも簡単にしがらみは生まれるし、こうしている今も誰かを傷付けてい
るのかもしれないけれど──僕は筆を執るのかもしれない。

ヒトをセカイを己が願望のままおいそれと均すべきではないし、均すこともできないのだと
常に戒めて、受け入れ何度も諦めかけて。
だけども、それでも僕は……。

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  1. 2013/10/16(水) 20:30:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

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