日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)美談と物語と幻想と

気付いたら十月になってました<(^o^)> 今年もあと三ヶ月を切ったとは……。

雑記では暫くぶりになります。こんにちは、長月です。
どうやら今年は台風の当たり?年みたいですね。次から次へと忙しなくやって来ては豪雨と
時を巻き戻すかのような暑さを繰り返しプレゼントしてくれやがってきます(:3 _ )=

先日、連載(ユー録)の四十三章をUPしました。今回で累計130文字を突破です。
そして次回更新分──来月には第Ⅳ部(前・中・後編の内の)前編が終了し、月末には三題
が累計100本の大台に達する予定。何気に節目の瞬間(とき)が近付いていますφ(・_・;)
今月に入ってからというもの、三題ばかりの更新だったのはそういう(ユー録執筆に掛かっ
ていたが)故です。はい。

……何だか、過去暫くのことを思い出してみても、創ってる自分しかいない今日この頃。
まぁそれはそれで楽しいのですが、また一つ歳をとったというのにあんまり成長している気
がしないのというのが何とも(´=ω=`)


“○○が死んだ”
それは現実世界でも物語世界でも存在する一コマであり、時にそれが遺された人々を狂わせ
或いは眠っていた感情に火を点ける契機になったりもする。
だけど……それらを「利用」して憚らないなんてさまを、僕はどうにも好きにはなれない。

先日、踏切で倒れていた高齢者を助け、とある中年の女性が電車に跳ねられ死亡したという
ニュースがありました。
偶々その翌日、僕はリビングで彼女の通夜を報じるニュース映像が流れているのを目にした
のですが、その参列者の中に“官房長官や知事がいる”のを見た瞬間、僕は思わず眉を顰め
たのでした。

……首相名義の感謝状? 勇気ある行為を心から称える?
(僕がひねくれ者なのも多分にあるのでしょうが)何もお偉いさん方が出てくることはない
でしょう? 普通、世間様の「常識」から考えればむしろ跳ねた運転手や会社の人間、助か
った男性(の家族)などが謝罪・御礼にくるのが筋でしょうに。
(メディアが群がる手前、後日に……という形なのかもしれませんが)

違和感を感じながら僕は用を足し、部屋に戻りました。
戻り際、そして後日自分で関連報道を調べ、やはり。
女性の両親は「彼女は偉かった」と「誇りにして一生懸命頑張って生きていきたい」とそこ
ではコメントされていました。
……やっぱり、おかしい。この胸糞悪い感じ。
このご両親を責めている訳では決してないのです。娘の命を賭した勇気は確かに“美徳”で
あり、コメントの文面も全くの嘘ではないのでしょう。
だけど、それでも僕は──苛々しました。
彼らの「周囲」にです。
誰かを庇ってでも、事故に巻き込まれても、或いは誰かに殺されても、家族の死で悲しんで
いるには変わらない筈なのです。だから僕にはまるで、もっと心のままに哀しみたい、その
当たり前の感情すらも、彼らは周囲の“美談”化の圧力によって押し潰されてしまっている
のではないか? そう思ってならなかったのですよね……。

武士道精神、という奴でしょうか。
まぁ古今東西類するものはありますが、どうにもこの国の人間というのは死を──たとえ死
ぬ訳ではなくとも、身を削ってみせることを──美化し過ぎているように思うのです。
生物学的に言ってしまえば「如何」死のうがそれは死体です。たんぱく質諸々の塊です。
宗教的に言えばそれは終わりでもあり、同時に始まりでもある(輪廻転生があるとすれば)
なのに、どうにもそこにやたらめったら意味を付けたがる何と“外野”の多いことやら。
繰り返しますが、ある特定の死に様を美徳とするにも、限度があると思うのですよ。

主の為に。
大切な人の為に。
或いは見も知らぬ、されど今危機にある誰かの為に。

確かにそれは美しいのかもしれません。野生の世界でも親が子を守るため身を呈して天敵と
戦う……なんて映像もしばしば人々の涙腺を刺激します。
ですが、それらはあくまで「本能的」「直感的」「個人的」なものだからこそ純粋であり、
他者の感情を揺さぶるのであって、そういう“自己犠牲精神を強いられている”が故にその
行動を取る(取らされている)のであれば──ぶっちゃけ最早醜くすらないでしょうか? 
その精神に、何より取り巻き達に『偽者臭』がするというか……。

しばしば、誰かが死ぬとメディアや著名人はうそぶきます。要は「演出」します。
○○は生前、こんなに立派だった。こんな所もあったけれど、いい奴だった。
……売名行為ですよ。死人のまわしをかっぱらった。
それでも、ひたすら同じようなことが繰り返される。所謂「お涙頂戴」演出がそうした状況
における対外戦略へと成り果てている。
……死って、何なんでしょうね?
色々な側面から言ってみることはできると思います。医療が発達して死それ自体が大多数の
生者から隔離されるようになったからとか、個人主義が蔓延しているから今だからこそそう
した「はぐれ」っぷりが(正直、手前勝手な)カタルシスになるとか、或いはもう「感動」
すら、今は商品価値を作り出すいち要素に過ぎなくなっているとか。

僕が思うに、特に二つの強いものがあります。
一つはこの商品価値──「感動」を作る為の着火剤としての死。
一つは『滅私奉公』を刷り込ませる体よいモデルケースとしての死。そう表現すれば咀嚼し
ていただけるでしょうか。
一時、携帯小説というものが流行りましたよね? これは自身聞き及んだイメージが大きい
というのもあるのですが、これらは本当によく「大切な人(大抵ヒロイン)がいきなり死ぬ
(であろう状況に陥る)」を屋台骨に添えたテンプレートでありました。
まぁ楽しみ方は人それぞれではあるのですが、僕は「この馬鹿野郎」と思ってますね。
そんなにホイホイ人間を殺すな──物語が軽く(薄っぺらに)なる。
たとえ虚構とはいえ、死とはここぞ、満を持してという所で組み込まれるからこそではない
のですか? 何というか、とりあえず死んどけば感動してくれるだろう、みたいな感じで死
なせるなんて“品性がなってない”。
そして「滅私奉公」としての死についても、言わずもがな。
以前より僕は体育会系のノリ──滅私奉公が当たり前という空気がもう、生理的に駄目だと
言ってもいいくらい大嫌いだという旨を語ってきたかと思います。
悪しきに連想し過ぎでしょうか?
『他者──ひいては全に奉じて死んだ(死んでもいいという)者は、素晴らしい』
まるでそんな規範圧力が今、冒頭の庇い立て死へ群がる外野どもに関して、僕は見えてなら
ないのです(こういう言い方をすると「非国民」になるんですかね?)
でも通じるものがあると僕は考えます。
スポ根──精神論──武士道とは死ぬことと見つけたり──死する、磨耗することが美しく
正しいものだと喝采を浴びるというこの世界。
嗚呼、何とも狂気の沙汰であることか。
そんな快感の為に、どれだけの人間(たにん)が磨り減らされてその生を嬲られているのか。
憎しみや絶望の火種と為り、撒き散らしているのか。
果たして連中は想像したことはあるのか? 解っているのか──? 

……一応言っておきますが、僕は左翼(反戦)という訳ではないです。
別に首相であろうがお偉いさんであろうが、個人がこういう自己犠牲を美しいと思う思考を
感性をしていたって、まぁ構わない。ただそれをナチュラルに社会の空気にしようとする、
その(自覚のない?ぶっちゃけお節介な?)試みが、僕は厭だというだけなのです。ずっと
此処などで述べてきている「自分達色に染め上げたい欲求」への忌避感に同義な訳です。

死は、云うほど美しいものではない。もっと多面的な筈だ。
ただそういう「物語」として「幻」として組み立てているからこそ、僕らにはそう見える。
飾り立ててようやく見るに耐えている。

それだけのことなんだから……。

スポンサーサイト
  1. 2013/10/09(水) 00:00:00|
  2. 【雑記帳】
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<(企画)週刊三題「相棒(とも)と」 | ホーム | (長編)ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle-Ⅳ〔43〕>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://higurasisouann.blog27.fc2.com/tb.php/367-8f3afc63
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

自己紹介

長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
します。

訪問者累計

最新記事

最新発言

検索窓

月別履歴

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

分類/索引

【案内板】 (2)
【小説:短編】 (20)
本の蟲 (1)
硝子野不動産店 (1)
夏の日の幻影 (1)
四番線の彼女 (1)
夢視の宿 (1)
線を曳く町 (1)
炬燵の神様 (1)
三者三盗噺 (1)
色眼鏡 (1)
奴らは攻城戦師 (1)
詰め替える (1)
同じ籠の狢 (1)
二十年後の遺言 (1)
轍の先 (1)
水に流せば (1)
真夜中の御二柱 (1)
いつか見た夢 (1)
神様達の初詣 (1)
白い花束 (1)
丸の代償 (1)
【小説:長編】 (150)
Amethyst League (6)
アンティーク・ノート (3)
ユウキのヒカリ (5)
NIGHT GUNNERS (5)
レディ・ルーン-Bonds of RU'MEL- (6)
ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle- (88)
死に損いのデッドレス (5)
Dear SORCERY (4)
サハラ・セレクタブル (28)
【企画処】 (344)
週刊三題 (334)
その他参加物 (10)
【資料庫】 (15)
【落書帳】 (6)
【詩歌帳】 (6)
【雑記帳】 (323)
【読書棚】 (30)
【遊戯倉】 (24)
path. (4)
decide: (3)
ユー録FW (16)

記事録

交友関係

このブログをリンクに追加する

(RSSリンク)

(QRコード)

QR

@long_month からのツイート