日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(企画)週刊三題「青年と竜」

──これから毎週、小説を書こうぜ?

毎週一回、ツイッタの「診断メーカー」で出たお題で小説を書いてみるという
自己鍛錬、 それがこの『週刊三題』であります。
さてさて。紡がれる文章は良分か悪文か、或いは怪文か?
とある物書きの拙文晒し、此処に在り。

【今週のお題:竜、殺戮、増える】


 “竜の血肉は、万病に効く薬となる”

 そんな言い伝えが人々の間に浸透したのは、一体いつの頃からだったろうか。
 少なくともここ数年という短さではないことは確かだ。ある人は曾祖母が若い頃には既に
あったと言い、またある人は古代の文献にも記述があると主張する。
 ともかく、事実として人々にとり竜とは確かな存在だった。
 俗に「竜狩り」などと呼ばれる。数百から、時に千人単位の戦士達が徒党を組み、隠れ棲
む竜を狩るのである。
 勿論、相手は常人を遥かに超えた存在だ。毎度多くの犠牲者を伴う。
 それでも討伐に成功すれば大量の血肉が手に入り、病に苦しむ多くに人々に光をもたらす
ことになる。
 更に付け加えるなら、人々の「何処そこに竜が棲んでいる」という噂、目撃情報、それら
から起因する恐怖心を振り払う役割も兼ねている。竜を殺すことは、人の安寧でもある。
 ……そうして、人は徐々に長い時間を掛けて、その版図を広げてきたのだ。

 ある辺境で流行り病が起こった。
 それ自体は珍しくはないのだろう。住む土地を広げていけば、即ち未知との接触は増える
のであり、それまで人々が経験しなかった病もまたその猛威の一つとして顔を覗かせる。
 青年はそんな村に生まれ育った。
 村の老人らの話では遡ること七代前のご先祖達が切り拓いた土地だったそうだが、今やこ
の地も青年たち若い世代にとっては遠い出来事、優先する日常そのものになっている。
 だから、流行り病が起こった時、正直青年は最初現実味というものを嗅ぎ取れなかったと
言っていい。
 彼は村の猟師の一人だった。また暇を埋めるように村の自警団にも参加していた。
 腕っ節にはそこそこ自信がある。だが病という目に見えぬ脅威には、全くの無力だった。
『すまないが、もう自分達の力量では……』
 近隣の医者達は尽力した。
 しかし所詮は地方のそれである。大都市に比べれば設備は心許なく、専門的な情報が届く
のも時間差を伴う。もう彼らが動き出した頃には、病の規模は彼らの働きがこなせる限度を
超えてしまっていたのである。
 精々、彼らにできたのは薬を打ち患者の病状を遅らせることくらい。
 根本的な治療には、どのみち街の優れた技術を持ってくる他なかった。
 最初、身近に倒れたのは、青年の自警団仲間だった。
 それからプライベートでの友人、家族、隣人、そして……付き合って一年と経っていない
恋人までもがそれを続いた。
 絶望が村を覆っていた。
 何時いつには隣村でまた、何時いつには別の近隣で倒れた者が出た──真偽を確かめるよ
りも早く不穏な噂は皆の間を駆け抜けた。牧歌的な空気が、鉛のように重くなっていく。
 ……そして村の有志が、街へ助けを呼びにいくことになった前後だった。
 青年は、その出奔に同行すると言った。そして──竜を殺してくると言った。
 勿論村人達は彼を必死に止めた。
 確かに竜の血肉で作った万能薬なら病を滅せられる。だが、その為に将来のある村の者を
死地に遣るなど、すぐには頷けない。
 それでも青年は断固として首を横に振った。
 こんな田舎の為に、都の連中が本当に人を出してくれるのか?
 そんな不確実さを頼るのなら、自分で竜の万能薬を手に入れた方がよっぽど確かだと。
 何日も彼を説得する日々が続いた。
 それでも青年は村人達の言葉を聞き入れることはなく、早速荷造りを始めていた。
 村の皆の為を思ってのこと。
 それ以上に……恋人や家族、失いたくない人々の為に。
『──やっぱり、諦めてはくれねぇんだな』
 出発の前日、すっかり寂しくなった酒場で、青年はある壮年男性と晩酌を交わした。
 仕事の合間に(実益も兼ねて)所属している自警団の団長だった。元は余所からの流れ者
だったが、やたら腕っ節が立つことから村人らの信頼を得、現在は青年らのよき師匠・兄貴
分をやってくれている。
 突然家にやって来て飲もうと誘ってきたと思ったら、やっぱりか。青年は小さく頷く。
 団長は暫し黙って水割りを呷っていた。
 もしかして、苛立たれてしまっているのかもしれないと思った。だが青年は敢えて問われ
た質問以外には答えず、おそらく残り数えるほどしか飲めないこの一時に浸ることにする。
『……確かに竜狩りの分け前があれば、ここいらの病を消せるかもしれねぇ』
 カランと、氷がグラスをなぞる音がする。
 団長は酔いが回っているのもあるのか、いつも以上に厳つい表情(かお)で言う。
『だがな、竜(あれ)は呪われてる。何とかお前らが倒すことができて、生き残ったって、
犠牲は避けられないんだぞ』
 青年は黙っていた。ぐいっと残りを飲み干すと、彼の言葉に顔を向けさえもせず眉根を深
く寄せている。
『…………。止めだけは、刺すな』
 やがて団長(おんし)が長い沈黙を挟んでから言った。
 しかし青年は、何も言わず席を立つと一人酒場から出て行った。


 竜狩りを行う戦士達の集まりを殺竜団という。
 彼らは大都市を中心に拠点を構え、規模はまちまちだが万能薬を求める人々に応える実働
部隊として活動していた。
 都に上った青年は他の村の有志らを別れ、その中の一つの門を叩いた。数ある殺竜団の中
でも、竜狩りに積極的──即ち目的を少しでも早く果たしうる組織を選んだのである。
「──実戦経験はどれくらいだい?」
「故郷で自警団員をやっていました。本業は猟師なので、狩りには適任と自負しています」
 死に急ぎ、と村の者達には揶揄されるのだろうか。
 だが殺竜団(このてのあつまり)に志願する者というのは、概して欲深い。
 一番多いのは竜の万能薬を手に入れることで大金を得ようと考える、一攫千金型の者だ。
次いで青年のように必要に駆られて戦うことを選んだ私情の者、そこからぐっと数を減らせ
ば竜を倒すこと、それ自体の功名を正義を求める者と続く。
 とはいえ、竜を殺すのは一筋縄ではいかない。先ずもってその武装が特殊である。
 竜狩り達が駆使するのは、左右に分かれたボンベと金属の鞘を持つ背負い式の装備だ。
 左のボンベには対竜用に調合された強力な麻酔薬が詰めてあり、鞘にはそのボンベの底蓋
からチューブで繋がれた可変式の麻酔銃が収められている。
 先ずは巨大な竜の肉体、その比較的柔らかい部分を狙って一斉にこれらを撃ち込み、その
動きを止めるのだ。
 次いで右のボンベの燃料とチューブ繋がった、これまた対竜専用の長剣が用いられる。
 刀身単体が非常に硬く作られているのは勿論の事、握り手の部分のレバーを引くとボンベ
から燃料を燃やしたエネルギーが伝わり、その刃を高速で振動させて威力を大幅に高める。
 あとは動きの鈍くなった竜の首筋によじ登り、皆で一斉に鱗を剥ぎ、敵が力尽きるまで突
き続けるのである。
「──準備はいいかな? ではあの的を狙ってみてくれ」
 最善の作戦は無い。あるのは犠牲者が出ることを仕方なしとした、人海戦術である。
 故にどの殺竜団でも、仕事の度に人員が補充されることが多い。青年は運よく少なからぬ
彼らがそんな募集をしている頃合に都へやって来れたらしい。
 面接の後、青年は早速実技を観られることになった。
 先ずはボウガンを用いた射撃術のチェック。先の左部装備の扱いを想定したものである。
 だが猟師たる青年には正直物足りぬものだった。普段から山野を駆け回る獣を撃ってきた
彼にとって、限られた壁面をスライドするだけの的など動いていないに等しかったからだ。
「これは中々……。よし、ではそこの剣を取ってくれ。一本勝負の模擬戦だ」
 選考に立ち会った団員らが少なからず驚いていた。
 それでもできるだけ私情は表に出さず、彼らは木刀を青年に渡すとそう言った。
 如何にも、というような屈強な団員が同じく木刀を持って正面に立った。彼が剣術実技の
相手役らしい。
 にたっと哂っているのがありありと窺えた。
 確かに自分は猟師で、剣より弓の方が扱い慣れてはいるが──。
「始めッ!」
 覚悟というものが違う。少なくとも、青年は何があっても万能薬をもたらす覚悟だった。
 合図と共に相手が大上段に木刀を振り下ろしてくる。それを青年は軽々と避けると、その
背後へと二度地面を蹴って回った。
 遅い……。何より甘い……。
 竜を狩る(ほんばん)時はこんなものではない筈だ。竜は強大で、自分達が何百何千と束
になって掛かりようやく一体を仕留められるかどうかなのだ。
 それを、この男はまるで舐めた気で模擬戦をやっているように見えた。
 所詮こいつも金儲けの為、なのか……。
 青年の激情が、静かに爆ぜる。
「──ガぁッ!?」
 刹那、青年の鋭過ぎる一撃が相手の後ろ首に叩き込まれていた。
 体格は二回り以上も違うのに、その巨体がぐわんと白目を剥いて揺れる。
 ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな──竜だと、思え。
 一撃が入った。しかし何度も青年は木刀を振り続けていた。
 こんなものじゃ死なない。
 こんな威力じゃ傷にならない。
 こんなお遊びじゃ、父を母を妹を、恋人を助けられない──。
「ま、待て! もういい! 止めろッ! 一本入った、お前の勝ちだっ!」
 やがて、立会い人の団員達が必死になって青年を止めていた。
 羽交い絞めにされた身体、全身に激しく飛び散った黒ずんだ赤色、血塗れでうつ伏せに倒
れて、激しく痙攣している相手役……。
「まったく……。お前、どうかしてるぞ」
「……では、不合格ですか」
「えっ。あー」
 一応まだ非団員(よそもの)の手前、心なし迂遠に説教する見届け人の一人。
 だが青年は静かに、生気のない眼で血に汚れた頬を拭って問うと、彼らは再び互いを見合
わせて戸惑いをみせた。
 責任者だろうか。駆けつけてきた壮年戦士がやって来て、場の光景に驚きながらも彼らの
報告に耳を傾けている。
 暫し彼らがあーだこーだと話し込むのが聞こえていた。ぼうっと、血の臭いと生温かい死
の感触が全身の感覚を弄っている。
「……合格だ。それだけ躊躇無く戦えるのなら、戦力としては期待できる」
 朗報の筈だった。しかしこちらに戻ってきた団員達の声色は、明らかに厭を含んだもので
あるように思う。
 “戦力”としては期待できても、“仲間”であるかどうかは別──。
「……。ありがとうございます」
 それでも青年は、淡々と小さく頭を下げたのだった。

 その日からどんな時間の過ごし方をしていたのか、もう思い出せない。
 あったのは加速度的に磨耗していく明るさと、表明する気すら失せた苛立ちだった。
 やがて加盟した殺竜団に仕事が入ってきた。──勿論、竜狩りである。
 経験者も少なからずいただろう。それでも任務を受けてから準備を整えるまでの間、団員
らの表情は総じて浮かなかった。
 例外があるとすれば、皮算用的にほくそ笑んでいる新参連中か、静かに壊れているらしい
自分くらいだろうなと青年は思った。
 現場は、都から北の郊外に在るとある森林地帯だった。
 一見すれば木漏れ日が静かに注ぐ、穏やかな深緑。
 だがそれは表向き、上っ面のものでしかないと一行は知ることになる。事前に集めた情報
を元に奥へ奥へと分け入っていくにつれ、周囲はどんどん鬱蒼とし、漂う空気も陰鬱な不気
味さが大勢を占めるようになった。
 成る程。化け物が棲むにはあつらい向きじゃないか──。
 場を和ませようとしたとある団員の呟きも、呑まれるように虚しかった。
(……いたぞ)
 行軍すること三日目。標的は蔦絡む巨木が立ち並ぶ洞(うろ)に巣を作っていた。
 曇り空色のような色彩をした老竜だった。下顎にはたわわに白い髭が垂れ下がっており、
それだけで人間数百人分はあろう顔面には至る所に深い皺が刻まれている。全身をほぼ隈な
く覆う鱗は同じく曇天の色。見ればぼんやりと身体全体には不可思議な文様が奔っている。
 この依頼を団として受けた理由の一つが、ここにある。
 老いた竜だからだ。即ち血気盛んな若い竜よりも動きは緩慢で、狩る側には都合が良い。
では肝心の血肉はどうだとなるのだが、基本的に奴らは人間的な寿命という尺度で見ても理
解できる存在ではない。万能薬を量産するのには申し分ない筈だ。
(総員、配置につけ。十班から十五班は左翼、十六班から二十班は右翼、一班以下本隊は私
が直接適宜指示をする)
 団長──面接と実技試験の時にみた壮年戦士の合図で、団員達が一斉に行動を開始した。
 その総数、ざっと六百人。
 青年は内第五班に振り分けられ、じっとこの転寝する老竜を睨み続けていた。
『……』
 老竜がこちらに気付き、目を覚ました。
 どれだけ自分達が忍び足で散開していたとはいえ、数が数だ。流石に音は重なるか。
 むくりと巨体が身を起こして洞から出てきた。それだけで空気が振るえ、上空の鳥達が忙
しなく鳴きながら飛び逃げ始めている。
「──総員、射出開始!」
 先手必勝と言わんばかりに、竜狩りの火蓋が切って落とされた。合図と共に一同は背負っ
た装置の左側から可変式の長銃を取り出すと、一斉にその引き金を引いた。
 つい先刻まで静まり返っていた森に、けたたましい銃声達が吼えていった。
 狙うのは、先ず両の翼。飛んでしまわれれば成す術がないし、逃げられてしまえばその時
点で任務失敗となるからだ。
「違うよく狙え! 骨格や皮は効果が薄いぞ、肉のある部分に撃ち込むんだ!」
 数打ちゃ当たるを地で行く弾幕だった。
 団長が時折出す指示を受けながら、青年を含めた団員らは特性の麻酔が込められた弾丸を
両翼に撃ち続ける。
 しかし老竜が動きを鈍らせる様子はなかった。
 一同の射撃精度がまちまちで、有効部位に当たっていないこともある。だが人数で押すと
いう基本作戦が早くも暗雲を帯びているのは拙い。
「くそっ、何かしぶとくねぇか!?」
「そりゃあれだけデカいんだし、そう簡単には……」
「お前新入りか。だけどな、こっちだって特製の麻酔(ヤク)使ってんだよ」
 そうして皆が嫌な予感を抱き始めた中で、それは起こった。
 それまで身悶えしながら弾幕に耐えていた老竜が、ぶるっと上半身を起こして場を尾で薙
ぎ払ってきたのだ。
 短い悲鳴が何人分も重なって消えた。逃げ切れなかった戦士達が、最初に犠牲になった。
「抵抗が始まったぞ! もっと散開しろ! 照準はお互い合わせるように、距離はもっと取
って撃ち込め!」
 濛々と土埃が上がる中を団長以下一同が駆けた。
 巨体ゆえリーチはどう足掻いても老竜に分がある。それでも自分達はギリギリの間合いを
見つけ、そこから相手が動けなくなるのを待ち続けるしかない。
 老いていれば何とか……そんな楽観視は吹き飛んでいた。上半身をぐっと起こし、老竜は
濁りつつある双眸で見下ろしながら歩を進めようとする。
 団員達は逃げながら撃った。一見して折角の麻酔弾もあまり効いていないようにみえる。
 それでも経験者達には、一方でこれが好機であることが分かっていた。
 総じて竜の鱗は平時の体表面に集中している。即ち普段地面に平行な四肢の裏や腹は比較
的攻撃が通り易い。
「撃て! 撃て撃てー!」
「第三班から五班、正面に回れ! 腹や掌の肉に麻酔(ヤク)をぶち込め!」
 その知識で、彼らは後退しつつある面々に指示を飛ばした。彼らも言葉よりも目の前、迫
ってくる鱗の薄い腹を見て悟り、半ば絶叫しながら引き金をひき続ける。
「……」
 青年も、指示を受けてそれに倣っていた。確かにあんなゴツゴツした翼から攻めるよりは
こちらからの方が効果的だ。
 しかし……自分が新参だからか、老竜が一行に鈍っていないように見えるのは、気のせい
だろうか。
「だ、団長! 麻酔(ヤク)、効いてなくないですか!?」
「そんな筈はないと思うんだが……。いや、まさか……」
 そうしていると、隊長格らがそう話し合いつつ戦っているやり取りが耳に入ってきた。
 老竜が左前足を振るう。また同胞達が十数人、逃げ遅れて吹き飛ばされる。
 団長は一瞬声色を弱めたものの、すぐにはたと何かを思い出したように呟き出す。
「……耐性持ちか」
 その一言に、経験者を中心とした団員らが明らかに表情(かお)を凍りつかせていた。
 耐性。自分たち竜狩りが使う麻酔に対する、である。
 落ち着いていればすぐにその可能性は見出せた。老いた竜──そこまで生き延び今に至っ
ているということは、多少意図的に戦いを避けていたとしても、今まで受けた麻酔弾への抵
抗力が備わっていると考えられる。
 故に時として、基本戦術の前半であるこの左部武装が効き難いというケースがある……。
「補給班に伝令! 左部用ボンベの控えを追加配布!」
「はいっ!」
 団長の一声で、団員の一人が猛ダッシュで戦線の外へと駆け出していった。いざという時
の支援部門の仲間達へ、その力を発揮せよと伝えに行く為である。
「この竜はおそらく麻酔弾に耐性がある! 各自薬量を確認せよ! 無くなりそうな者がい
れば一旦下がって補給するんだ!」
 その通達は、即ちこの戦いが長期戦になることを意味していた。
 経験者組には、ギッと気を引き締める顰めっ面と内心の焦りがあった。
 新参者組には、間違いなく良くない意味での動揺があった。
「ひっ……」
「は、話が違──」
 そうして後者の幾許かが背を向け始めたのがいけなかったのだろうか。
 巨体の眼下からその変化を読み取った老竜が、また新たな一手を──大きく口を開けて息
を吸い始めたのである。
「拙い……! 総員、左右に退避ッ!!」
 団長が逸早く察して叫んだが、間に合わなかった。
 次の瞬間、老竜が吐き出したのは、酷く真っ白なガス。
 煙かと思った。だがそれらが直線上に通り過ぎていったその跡、草木を薙ぎ倒しチリチリ
と燃えているのをみて、一同──特に新参者達はそれが竜の吐息(ブレス)だと知る。
「……消えた」
「マジかよ……」
 ブレス攻撃から逃げ遅れた戦士達は、その骨すら残さず消えていた。
 消されたのだ。一瞬にして灰になって散ってゆく程の熱撃で。
「くっ……」
 団長が、経験者組が唇を噛んだ。
 この標的(ターゲット)は、間違いだったのか。
(──あれじゃあまだ弱るも何もないな)
 青年は老竜の左眼、その死角になる位置に避難してこの一撃の一部始終を見ていた。
 いや、避難という表現は違うか。彼は自分自身の意思で、同班の面々から距離を置いてこ
ちらに回り込んでいたのだから。
(早く、麻酔を効かせないと……)
 彼は眉を顰めながら考えた。その間も老竜は暴れっぷりを増し、次々と脚を尾を叩き付け
数十単位の犠牲者を出している。
 翼の肉でも駄目だった。どてっ腹も存外に強い。
 何処だ? 何処ならより効果的に奴の動きを止められる……?
(……あ)
 そうだ、眼だ。さっきから見上げた先に付いているじゃないか。
 竜も人も両目には沢山の神経が血管が走っている。ならそこにぶち込めれば、ダイレクト
に麻酔の効果があるのではないか。
「よし……」
 団員らの悲鳴が銃声がこだまする中で、青年はゆっくりと照準を老竜の眼へと合わせた。
 こちらの位置と相手の進行方向は逆、上手く死角を作り続けている。
 後はこちらを向きさえしなければ……。
「──」
 感覚を研ぎ澄ました、ある意味団員(たにん)の犠牲を踏み台にしお構いなしに、青年の
射撃が真っ直ぐに老竜の眼へと吸い込まれていった。
 刹那、激痛に巨体が天を剥いて吼える。遠過ぎて見え難いが、出血したのが分かった。
「おい誰だ? あの一発は」
「あ、か、彼です! あそこ! あの時の加減知らず!」
 団長以下上級メンバーが、ようやく青年の行動と存在に気付いていた。
 指差されたのは決して褒められたものではないような。だけども事実老竜には今までには
ない確かなダメージがみられており、片目を不自由にされたことで反撃の精度自体も大きく
ダウンし始めている。
「……。総員、竜の眼を狙え! 血管が神経が集中している。麻酔も効き易い筈だ!」
 それでも団長は老竜の様子と束の間の思考の後、そう団員達に指示を飛ばした。
 先程よりも狙い難いったらありゃしない。それでも一同は指示に従って今度は両側から眼
に向かって麻酔弾の弾幕を形成する。
 中々直撃はしなかった。結局時間は掛かっていたのかもしれない。
 しかし、数を打てば当たるのである。やがて残す右眼にも団員の一人の放った弾が直撃を
果たし、遂に老竜はぐらりとその巨体を崩して痙攣し始めたのだ。
「や、やった!」
「麻酔(ヤク)が効いたぞ!」
「喜ぶのはまだ早いぞ、これからが本番だ! 総員……張り付けぇーッ!!」
 応ッ!! 団長の一言に、面々が鬨の声を重ねた。
 するとそれまで握っていた銃身の上側を、彼らは前後くるりと回して可変させる。
 これがもう竜に肉薄する為の準備。ワイヤー射出機構である。
 面々は底蓋から延びた紐を腕に通して、銃を手放さないようにしっかりと握った。そして
銃口を向けるはこの老竜の岩肌のような鱗、体表面。そこへと彼らは一斉に、多方向に分か
れたフック付きのワイヤーを撃ち放ったのである。
「よしっ……」
 フックの刃先は、次々と老竜の鱗に引っ掛かっていった。
 ぐいっと引っ張って外れないことを確認し、彼らはワイヤー銃を両手で握り締める。回転
させたのとは別パーツの銃身下部分。そこに取り付けられた巻取り用のレバーを引くと、彼
らの身体はワイヤーが戻っていく慣性を利用してぐんと宙を舞う。
 言うなれば、ワイヤー降下の逆バージョンである。
 青年を含む団員達は、次々と老竜の背中に着地を果たすと、数度これを繰り返し皆同じ場
所を目指してゴツゴツした鱗の足場を駆けていく。
 首だ。竜を仕留める、その最も確実であろう首筋に取り付く為である。
「総員……抜剣っ!」
 先導する団長が再び合図を飛ばした。それとほぼ同時に一同も、右部装備からチューブに
繋がれた長剣を抜き放つ。ワイヤー銃は放ったままで、左部装備の鞘に収めておく。
 一人が首筋の鱗一枚を担当するくらいの人海戦術。
 掛かれ! その声で彼らは握り手のレバーを思い切り握った。右ボンベから供給される燃
料燃焼のエネルギー。それが硬質の刀身を高速で震わせ、触れるものを剥ぎ千切る刃へと変
える。
 先ずその切っ先を鱗と肌の間に、半ば無理やりに差し込んだ。
 甲高い振動の金属音が響き、暫し老竜の身体と闘う。
 やがて打ち勝つ者が現れ始めた。それを皮切りに、団員達と差し込んだその振動剣は次々
と老竜の首筋、その鱗を梃子の要領で剥がすことに成功してゆく。
『……ッ! ……ッ!!』
 身体全体からすれば微々たるものではある。
 しかし数百人掛りでそれをされたのなら、竜の巨体とて全く痛みがない訳ではない。
 老竜は悲鳴のように吼えながら、尚も抵抗した。ぐわんぐわんと全身を左右に揺るがせ、
撃ち付けたフックで何とか体勢を維持している団員らを振り落とそうとする。
「うぉっ!?」「こいつ、まだ……!」
「ぐっ……。踏ん張れ、踏ん張るんだ! 振り落とされれば死ぬぞ! こっちが欠ければ欠
けるほど私達は不利になる!」
 麻酔は、ようやく効いた筈だった。なのに老竜はまだ、抵抗する力を残している。
 自身も必死にワイヤー銃を握り締めながら、団長が皆に叫んだ。
 それは分かっている。この高さから振り落とされてしまったら無傷では済まない。という
より地面に叩き付けられてジ・エンドとさえなりかねない。
 左の鞘を、背負った装備の肩ベルトを握り、一同は耐えた。
 それでもここでもまた、全員が耐え抜いた訳ではなく、内二割ほどが運悪く老竜の揺さぶ
りに負け、ぐんと外側に放り出されたのちその巨体という名の壁に叩き付けられる。或いは
途中でワイヤーが千切れたりフックが外れてしまったりして、地面に落下、そのまま鮮血と
共に潰れた肉塊に為ったりした。
「くそっ……!」
「動ける奴は急いで殺れ! 長引けばそれだけ脱落する奴が増える!」
 今度は団員達の雄叫びが場を揺るがした。
 再び振動剣で鱗を剥ぎ、老竜の直の肌を露わにする。
 そして……皆々が一声に剣を握り直し、その肉壁へと刃を突き刺す。
『──ッ!?』
 今までにない以上の咆哮が、鬱蒼とした森を震わせた。
 断末魔の叫びと聞き間違うかのような大音量だった。
 深々と突き刺した肉体の下あちこちから、赤黒い血が噴き出してくる。それでも団員達は
攻撃の手を緩めることをせず、また繰り返し抵抗して自分達を振り落とそうとする老竜に組
み付きながら、何度も何度も振動剣を振り下ろし、突き刺し、振動する刃で以って抉る。
(これが……竜の血……)
 青年もそんな無慈悲な刺突を繰り返す一人だった。
 可哀想、とは感じなかった。感じる余裕などなかった。
 血だ。竜の血だ。
 これさえあれば万能薬が作れる。これさえ持ち帰れば……彼女達を救える。
 力いっぱい突き刺して、一気に抜いて、噴き出す血を浴びながらも、また振り下ろして。
 その間も散発的に、団員達が脱落していく悲鳴(ものおと)がした。
 し、しまった──!
 まだ大金を手に入れて、ないのに──。
 たっ、助けて──。
 悲鳴が人の声だとそれぞれの最期の言葉だと、認識の上では分かる。
 だが青年には酷く“遠い”声に思えた。一突きまた一突きとするごとに、意識はどんどん
狭まっていき、只々この竜を殺すことそれだけに全感覚が研ぎ澄まされていく。
 突き刺す。突き刺す。突き刺す。突き刺す。突いて突いて突いて、突き殺す──!
 青年の表情(かお)は、まさに鬼気迫るそれに為っていた。
 化け物? 知ったことか。命の危険? 覚悟の上だ。
 全ては彼女達を救う為。その為に自分は都までやって来た。この日を待ち侘びた。
 血が欲しい。貴様の血が、皆を助ける──。
「畜生っ! 何で死なねぇんだよ!」
「口動かしてる暇があればもっと突け、深く突け! どうせここまで来たら耐久戦だ!」
 皆総じて噴き出した返り血を浴びながら、どうして倒れない老竜に苛立っていた。
 振り落とされてしまった仲間達の分、不利になってきているのか?
 それともこの老竜自身が、自分達の執念以上に生に執着しているのか……?
「……ッ」
 何度目かの、まるで体内の血肉が沸騰するような感覚に襲われた。
 四方八方から聞こえてくる叫びに、青年は怒りに似た激情でまた一発と刃を突き立てる。
 死ね、死ね、死ね、死ね、死ねッ!
 貴様が死ねば、皆を救える。暴れるな、抗うな。さっさと俺達に捧げろ──!
(? あれは……)
 そんな最中だった。もう何度突き立てていたか分からない、ぐちゃぐちゃに壊された老竜
の肌肉、その奥の方にちらと太い管のようなものが見えたのだ。
 あちこちで団員らの突き立てる振動剣が、赤黒い噴水を絶えさせなくしている。
 それでも……このままでは自分達がもたない。もっともっと、この化け物を生かす綱を断
ち切らねばならない。
(一か八か……)
 剣を一旦抜いて、青年は角度を斜めに持ち直して全身に力を込めた。
 狙うは抉り続けた肉から見える、太い管──おそらくはこの竜の大きな脈の一つ。

“…………。止めだけは、刺すな”

 村の自警団長があの夜言ってきた、警句のような言葉が過ぎった。
 だが青年は殆ど逡巡すらしなかった。脳裏に過ぎっただけで、身体は既に竜を殺す、ただ
その目的だけに特化していたから。
「──ッ!」
 両手に握った上で、振り下ろした。斜めの角度を保ったまま、確実に太い管を捉える。
 今度こそ、正真正銘の断末魔だった。
 老竜の首筋から、これまでとは比べ物にならないほど巨大な、赤黒い噴水が噴き出した。
 団長が、団員達が、それぞれに見上げていた。青年が尚も剣を突き立て、その飛沫に塗れ
るのも厭わず全体重を乗せ続けているのを、少なからず戦慄するように見遣っていた。
『──、……』
 どれだけ長い間だったろう。いや、もしかしたらものの数秒のことだったのか。
 老竜の悲鳴が尻すぼみになって止んだ。血涙を流す両目に力が失せ、その巨体が青年達を
背に乗せたままズンッと地面に崩れ落ちる。
「……や」「やった──!」
 暫しの余韻。そしてざわっと団員達が目を見開きながら叫び始めていた。

 鬱蒼としていた、ブレスとその巨体で大きく薙ぎ倒された森の奥。
 老竜が、遂に斃(たお)れた。


 多くの犠牲を払いながらも、竜狩りは何とか成功で以って幕を閉じた。
 結局生き残ったのは百二十人弱、当初のおよそ五分の一である。
 それでも彼らが討ち取り、竜の血肉を持ち帰ったという報はすぐに都の人々の知るところ
となった。彼らは大いに喜び、すぐに王国の専門部隊がその回収作業に赴いた。
 その後すぐに万能薬の生産が始まった。
 分け前の優先権は依頼主、次いで今回の殺竜団。割合的にこの二社で半々。そこから生き
残った団員達にそれぞれ配分が成される。
「──本当に、本当にありがとうございました」
 そして、その恩恵は青年の故郷にもしっかりと届けられた。
 万能薬をもたらしてくれた件の殺竜団の使者達に、村長や団長以下自警団の面々、薬の投
与により一命を取り留めることができた青年の父や妹、そして恋人ら生存者達が村の入口に
集まって皆で礼を述べている。
「いえ……。分け前を配分するのも、大事な仕事ですから」
「……あ、あの。それで彼は? まだ彼が帰って来ていないのですが……」
 病み上がりの恋人が、そうおどおどとした様子で訊ねていた。
 途端、使者達が一声に困ったように押し黙る。
 まさか。彼女達はサァッと青褪めた表情になっていた。
 父や妹はショックで放心状態になり、恋人は目を見開いたままその場に崩れ落ちた。
 ……あの馬鹿野郎。自警団長は悔しそうに呟いて唇を噛み、団員仲間だった村の青年達も
それぞれ言葉少なく彼に倣っている。
「謝っても、許してくれないんでしょうけど……」
「今回は……まだ一人で良かったんですよ」

 老竜を斃した一部始終には、実はまだ続きがある。
 青年がその巨体に止めを刺した次の瞬間、半開きになった口から無数の黒い靄──まるで
伸ばされた無数の手が空中へと舞い上り始めたのである。
「き、来た……!」
「の……“呪い”だ」
「総員、全速力で退避ーッ!!」
 今度は別な意味の叫び声と共に、一斉に斃した老竜から降下していった。
 巻き取ったワイヤーを回収するや否や、彼らは一目散に走り出した。それまでの勇猛さが
嘘のように逃げ始めた。
 老竜の身体に浮かんでいた不可思議な文様がゆっくりと消えていくのがみえた。
 そしてその文様はまるで伝播するように先の黒い手らに浮かび直り、漆黒の中に淡い曇天
色を添える。
「はぁっ、はぁっ……!」
 青年もまた皆と同じく避難の体勢に入っていた。同じくワイヤーで巨体から降り、まだ倒
れずに残っている巨木らの間を走り抜ける。
 だが──気のせいだろうか。
 自分より逃げ遅れている者もちらほらといるのに、あの無数の黒い手は皆、真っ直ぐに自
分の方へと向かって来ているように見えるのは。

“…………。止めだけは、刺すな”

 そういう事だったのか。青年はようやく自警団長が呟いた言葉の意味を理解した。
 相手が竜とはいえ我欲による殺生はよくない、という意味ではなかったのだ。
 竜(あれ)は呪われている。その眉唾な言葉が真実だと──おそらく彼も竜狩りの経験が
あって知っていたのだろう──そう言いたかったのだ。奴から恨みを買うぞ、そう警告して
いたのだ。
 しかし青年は不思議と後悔に苛まれることはなかった。ほんの束の間だった。
 生き残っただけでも幸運だったのだ。それに……。
 もう一度空を見上げる。……間違いない、あの黒い手(のろい)は自分を自分だと認識し
た上で追って来ている。
「ッ!? おい、お前!」
 青年は突然に方向転換して走っていた。同じく逃げていた団員が何人か、その行動に驚き
引き止める言葉を叫んでいる。
 それでも青年は駆けた。他の皆が逃げていく、その方向とはあさっての方角へと逃げる。
 ……嗚呼、やはり間違いない。呪いは、自分を狙っている。
 無数の黒い手は、まるでそれが当たり前だと言わんばかりに同じく方向転換し、ただ青年
だけを追い掛けてくる。
 すまない……俺はもう帰れそうにない……。
 逃げ抗うのもそう長くはなく、やがて追いつかれた彼は肩と両足を取られて背後から黒い
手らに身を貫かれて、続けざまに降り注ぐその黒に視界すら塗り潰されて──。

『──』
 幾つもの昼と、幾つもの夜が過ぎていった。
 その日青年ははたと遠くから聞こえる無数の足音に目を覚ました。
 ガチャガチャと鳴る金属音。
 またか……。彼は気鬱になりながらも、のそりとその身体を洞穴(ねぐら)から出した。
「……いたぞ」
「話通り、デカいな……」
 自分を囲んでいたのは、見覚えのある格好をした数百人単位の人間達だった。
 竜狩り。殺竜団。その独特の装備を纏った者達が緊張した面持ちで自分を見上げている。
(……死にたくないなら、さっさと出て行け)
 青年はドスの効いた声で言った。いや──低く吼えた。
 団員達が、心持ち仰け反っていた。
 無理もない。……もう青年は、青年(ひと)ではなかったのだから。
 今やその身は紅蓮のように赤く、ぼんやりと文様を宿す身体は巨大なトカゲのよう。
 背に生えた翼、その骨格からは燃え立つような熱が常に漏れ、自身を蒸気で包んでいる。
「──総員、射出開始!」
 殺竜団の面々が、眼下の人間達が、一斉に麻酔銃の装備を抜いていた。
 そんな彼らを、青年はぎろりとその双眸で睨む。

 彼は、火竜以外の何者でもなかった。
                                      (了)

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  1. 2013/05/26(日) 18:00:00|
  2. 週刊三題
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

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