日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)蓋をしないという人間観

勝ったッ!第Ⅲ部完!

……いや、全然勝ってませんでしたけどね。負け戦でエンドマークでしたがf(=▽=;)
季節はすっかり初夏の様相を呈してきました。暑さと粉塵で鼻腔が──自分のほぼ唯一の縁
である思考力が苛められがち( >д<)、;'.・ こんばんは、長月です。

先日、ユー録の三十九章をUPしました。
そして以前より言及していた通り、今回で第Ⅲ部『鋼の希求心(ストロング・シーカー)』編
が完結する運びとなりました。
例の如くもっさりと堅苦しい物語ですが、日々何処からともなく手に取ってくださる皆様に
は重ね重ね御礼申し上げたく……m(_ _)m
(この雑記執筆現在で累計PVが62000強、累計ユニークが6000人超となっています)
また、なろうさんの活報でも追加した事になりますが、これにて暫くは続編のプロット作成
作業がメインになります。ですので、おそらく来月一杯+αはユー録の更新はないと思って
おいてください。

ぼんやりとですが構想はあるので、問題は如何にルート上にファクター達を打ち込んでいけ
るかになるのでしょうね……。前部・前々部からの教訓も活かし、可能な限り腰を据えて練
られればなぁと思っていますφ(・_・;)


もし本編を読まれた方がいれば、改めて謝辞を。今回は拙作の毛色も併せての雑感です。

正直言ってしまうと、長く同じ物語世界を描いているとその時々の思考色がどうしても影響
してしまうものだなぁと原稿を見返しながら思っている所なのですよね。
第Ⅰ部、第Ⅱ部ともに強敵との戦いをクライマックスに経験したとはいえ、エンドマークそれ
自体は比較的穏やかな(前向きな)ものだったように思います。
なのに……今回、第Ⅲ部に関してはそうではない。
続き(第Ⅳ部)の展開を回収する為の描出とはいえ、結局絶望的状況のまま終わっています。

過去の雑記でも度々口にしていることなのですが、ここ暫く僕自身、その好みがどうにも
サディステックな方向に振れている感が否めないのですよね……。
勿論全く「大団円」を書かない訳ではないのですが、自身で己の胸中を覗いて見ると、それ
だけでは物足りないという感慨が強いのです。
“小奇麗”な人間達よりも“醜悪であっても人間らしい”人間達を書くことに楽しみ・関心
を強く抱いている自分がいるのを自覚するのです。
「捻くれた性分」がまた首をもたげてきたのかな……?
そんなことを不安というか自戒的に鑑みる。けれどもそれでいいやという自嘲もある……。

さて話題はガラッと──と言っても本稿では関連付けているつもりなのですが──変わって、
昨今の政治的なお話。
既にご存知の方も多いかと思いますが、今国会において児童ポルノ規正法案の改正案が提出
されるようです(来週?)。
特に大きな変化は『単純所持に対する罰則』と『漫画に類するものへの適用拡大』です。
……もうね、アホかと。
確かに児童ポルノは現実に被害に遭う女性(女子?)がいて、そもそもそんな彼女達を救済
しよう、食い物にした奴を取り締まろうという観点が切欠だったのですが、今やこの規制は
「当人」達を置き去りにした、一種の“信仰”と化してしまっています。過去何度も各国で
引き合いに出され、パワーゲームの種にされてきています。
不肖この元法学徒が、先ず以ってざっと懸念される問題をここに記していこうと思います。

①「単純所持」罰則化の正統性
・罰すべきは児童ポルノを作った犯人であって、末端の人間ではない。
(市民の多くを性犯罪者に仕立て上げる一方で、肝心な筈の加害者取り締まり強化が無い)
・法律として罰則化されることによる冤罪生成のリスクが高い。
(例えば、Aが嫌いなBの端末にエロ画像を忍ばせる→「Bが所持してます!」と通報→
 逮捕・実刑が仮に科されなくても社会的に抹殺できるコンボの完成。参考:痴漢冤罪
 事実こうした手口で個人・企業などを脅迫する事例は各国でみられています)
・そもそも「単純所持」の定義が曖昧であり、難しいという運用面の問題。
(既に規制に踏み込んだ諸外国でも規定内容はバラバラであり、統一的見解は無い)

②創作分野への適用拡大における弊害
・所謂エロ的な創作表現がダメとされるので、既存の日本の創作界に大ダメージとなる。
(そもそも日本のコンテンツが海外で人気を博している理由は、自分達の国では規制されて
 しまっている“過激”な描写を含んだ表現をたっぷり楽しめるから……というのがある)
・そもそも原義の児童ポルノは三次元(現実)の被害を救済するもので、二次元(創作)に
 までその規制が入る謂れがある事自体おかしい。表現の自由を侵害・萎縮させる畏れ大。
(実在人物をモデルに~等はともかくとしても)

③思想的リスクに関して
・改正派の主張(信仰)──児童に関する性的興奮を催すものを根絶すれば、性的虐待を減ら
 せると考えている、その科学的根拠の無さ。
(臭いものに蓋をするだけ。そもそも犯罪抑止効果の証明(統計)自体が否定されている)
・①②を併せて規制を拡大することで「害悪になるもの」を恣意的に封殺してしまえる状況、
 権力による表現規制のリスクが増大する(繰り返しますが、表現の自由が萎縮する畏れ)
・もっと功利的な背景を挙げるとすれば……所謂クールジャパン(笑)やTPPへの布石。
(諸海外と国内の規制レベルの差を解消し、コンテンツを輸出する上での障害を除く算段?)
  だからお上が文化に手を出すとろくな事にならないとあれほど……。

陰謀論、と言われればそれまでかもしれませんが、世の中は間違いなく“抗争”で動いている
のだと僕は思います。
自分がこうして列挙してみずとも、既に多くの有志が今回(までに至る)封殺の試みに対して
その問題点・論理的矛盾を指摘しています。……にも関わらず、あさってな規制を訴える勢力
はうんとは言いません。「子供を守りたくないのか!」と字面の小奇麗さを叫び続けます。

……多分、こういう盾に取った卑怯さ?みたいなものも影響しているのだと思います。
僕が書き手として“単に奇麗な”物語よりも、人の業なるものを見出す物語を好んでしまう
のは、きっと一面では人間を語れる筈もないと考えているからなのでしょう。ひたすら奇麗
に整えられた人間より、不恰好でも人間らしい人間を好むようになったからなのでしょう。
勿論大団円な、温かな物語にも少なからず需要はあり、それらで慰められる人々だっている
ことも事実です。
でもそれは──ただの「作り物の希望」程度であって構わない筈でもなくて。

温かな(王道な)物語を創る誰かがいれば、ダーティだったり気鬱な世界観の中で疑問を投
げ掛けられ、その過程で明日への糧を見出しうる物語を提供する誰かだっているのです。
いわば分業制です。
世の中を席巻している経済という枠組みだって、米は農家が作るし、パンはパン屋が捏ねて
焼き上げます。そうした品々を売る専門業者もいます。仲介する業者もいます。
創作だって、そんなものじゃないでしょうか。
花形なジャンルもあれば、マイナー・どマイナーなジャンルを創っている人達もいる。
確かに総量では互いに差異はあるのだろうけど、いざ無くなってしまえばそこに与していた
ユーザー達は困る訳ですよね? 気持ちを持っていく場を少なくとも一つ失う訳ですよね?
言いたいことを言えない閉塞感、という論理的問題以上に、自分の拠り立つ「好き」を否定
されることは辛いものです。それが社会からの烙印であれば、尚更に。
……表現の自由とは、ひょっとしなくても、そういった縁(よすが)を大切にすることでも
あるのではないでしょうか?

貴方の好きは、私の嫌い──。
貴方の嫌いは、私の好き──。
貴方の好きは、私の好き──。

『だって、不愉快だもの』

そんな一方的な情熱を、理屈で捏ね回して武装して、攻撃に移すこと。
その何とも不毛で愚かで……虚しいことか。

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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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