日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)二つ巡りの時節に添えて

本日を以って、当頁『日暮創庵』は開設二周年を迎えました\(^o^)/
加えて先日、なろうさんにおけるユー録が累計60000PV(及び5600ユニーク)超えという節目
も相まってこれは益々気分がいい──。数字が目的ではないにせよ、こうして手に取ってくだ
さっている方々がいると思うだけで嬉しくなります。こんにちは、長月です。

何というか……あっという間ですねぇ。実に時の流れとは淡々としている……。
最初は療養の折、気晴らしに「好きなことをする」ということで再開してみたこの創作活動。
それが気付いてみればすっかり創作>生計なんて状態になり、すっかり自身の精神衛生にとり
なくてはならないものと為りましたφ(=_=;)
これまでの成果を見渡してみれば、
・単発短編18本
・週一鍛錬短編(週刊三題)65本
・長編7作(ユー録を含む)
・雑記118本
・企画参加品7本
・他落書きや短歌、読書感想、読了&遊戯履歴 等々
数量それ自体においてはかなりもっさりとした積み重なり。
勿論数があれば良い訳ではなく──むしろ盛り過ぎる故に、手に取らずに通り過ぎていった
方も少なからずおられるのだろうなぁと思いつつ。

書いても描いても考えても、満たされるのは束の間で、はたとまた創りたくなる業深さ。
お世辞にも他人に資する作り手とは言えぬ身ですが、これから先もゆるりと気長に生温かい
眼でお付き合いくだされば是幸いでありますm(_ _)m


正直に言って、僕にはエンターティナー精神というものが欠けているのだろうなと思います。
それは元々の協調性不足に起因するのか、単に作風・思考回路の問題なのか、或いは創作と
いう営みなりこれまでの自身の歩みが僕を“利己的”にせしめているのか……。
これまでの雑記でも、僕は僕なりの思いや考えをその都度述べてきたつもりです。

一つに、人間というのはどだい自分勝手(利己)の生き物であるという眼。
一つに、人間を最も突き動かしうるのは怨憎と保身であるという眼。
一つに、だからこそ僕らは棲み分けないといけないし、その領分を尊重すべきという眼。

憎悪の連鎖。それは今の世の中を見る一つのキーワード──。
そんな考えになるほどと頷き、もっと対話したいなと語る方もいました。
逆にそんな眼で他人を見ている者に人間は描けないと憤る方もいました。
それでいいと思うのです。
問うているのはどちらが正しいかではなく、そうやって一つの事柄に関して色んな考え──
のバックグラウンドたる「経験」が「感情」が横たわっていることを認めることにあるので
はないかと僕は考えるのです。
学生時代、さる社会学のゼミに属していた僕は当時の恩師のフィールドワークに付き添って
とある島を訪れたことがあります。そんな中で彼に語られた言葉は、今でも一つ大きな印象
を以って記憶に留まっています。
『他人の話を聞く時はね、どちらから聞くかをよーく考えてからにしなさい』
流石に細部までははっきりしていないけれど、大よその内容はこんな感じ。
たとえ学者であっても、AとBのどちらかに話を聞いたと知られればもう一方の(対立する)
側からの心証変化(悪化)は避けられない──。当たり前と言えば当たり前の話でこそあれ、
当時の僕はそのしみじみとした語り口に胸奥が握られる心地がしたものです。
……しかしその一方で、恩師の政治に対する志向は(今も昔も)僕にとってはあまり賛同で
きないものでした。同じ人間から受ける感慨であっても、その切り口を変えてみればまるで
違う姿が見えてくるのです。

全方位的な悪はなく、同時に全方位的な善もなく。
何かを救うことは即ち、何かを救わないこともあるなんて云いがあったりもします。
だから……僕は一概に○○は正しいんだ、△△は最高だ、といった「奇麗さ」を何処かで避
けようとしているのかもしれません。しかしながら、まだ歳若い頃はむしろ逆でした。この
醜い世界を論理的思考で以って打ち破ってやるなどというある種の復讐的願望で以って学問
の門を叩いたものです。
だけども、今現在という段階での結果論からして、それは挫け潰えました。何より僕は単に
「真理」を得る以上のものを経験したのかもしれません。
それは多分“正しさを求めることほど正しくないことはない”という感慨。
論理的であれ感情的であれ、彼らの言いには何かしら背景があり、その優劣を決めているの
もまた一面的な価値観に過ぎないこと。
……時折、年下の創作人さんに『醜悪を許せるようになれ』とアドバイスする事があります。
それは世の醜悪を物語に落とし込む「だけ」では、結局の所「どうだ醜いだろう?」とドヤ
顔をするのみで書き手自身の“浅さ”を暴露しているだけ──という点もありますが、それ
以上にきっと、創造とは人間の進むべき先とは、ただ否を憎み是を信奉する内には到達でき
ないものなのだと僕自身が感じているからなのでしょう。

卑怯だ傲慢だ、そういった批判はきっと受けうるのでしょうけど。
だから僕は、取り込まれないようにと自戒を続けています。
一つ、人間というのはどだい自分勝手(利己)な存在で、その根っこを理論武装なり上下関
係なりで丸め込もうとする。
一つ、故に論理とは概して感情を補完するツールであり、その攻防の中で割を食った人々は
少なからず“憎む”ことになる。経済的な格差然り、イデオロギー闘争然り、或いは個人間
の力関係といった細微な部分に至るまで。……そんな時、人は果たして「高潔さ」を「怨憎」
よりも優先させることができるのか? 僕には甚だしく疑問です。
一つ、だからこそ棲み分けるべきだと考える。怨憎が怨憎を呼ぶ悪循環を断ち切るにはそも
そも“違い過ぎる”他人同士が同じフィールドにいなければいい。互いの門戸を完全に閉ざ
すことはしなくても、問題にならない距離感が見出さればこれほど安寧の場所はなく……。

とあるフォロワーさんが以前、こんな呟きをしていた記憶があります。
『人々の生活を人間の叡智でコントロールできると思っている傲慢さが嫌だ』
多分だけど、僕のこの上手く言えない(癖にだらだらと文字ばかり重ねている)感覚はこう
いう旨の発言に似ている部分があるのではないかと。
要するに“非・人間主義”みたいなものなのだと思うのです。
人間はそんなに奇麗なものじゃないし、醜いことの方がたぶん多い──なのにやれ人間の素
晴らしさやら尊厳やら、そういうものを賛美して酔うさまが凄く厭で。
だから僕という人間は「楽しんでくれる他人に喜びを感じる(=エンターティナー)」より
も「その化けの皮を剥いでやる。それが僕の愉しみだ」という感触の方が強い──性悪者な
のだろうなと思うのです。
一時は(今も?)人なんてのは皆浅薄だ、自分が教化するんだ──なんて野望に駆られ学問
の門を叩いたものでした。だけど大きな落とし穴が既に在る。それは即ち、そんな野望を抱
いている「自分自身を人とカウントしていない」こと。
これを自惚れというのでしょうね。或いは、むしろ僕自身振り返ってみるに、それは他の誰
かと同じく他者に世界に抱いた“憎悪”であるというのに。こんな世界を用意した周囲全て
に対する復讐だと、故に自分もまた同じ人であるのだと、愚かにも充分に意識できずに。
……だからこそ、かつての(ぶっちゃければ厨二病?)自分と重ね、年下の若き創作人さん
から相談を受けると先ず醜悪を許せと言うようになったのでしょう。

冒頭の通り、やはりエンターティナーな精神ではないですね。
今も僕は──全面でそういう訳ではないにしても──ただ漫然と他人という人間達を享楽さ
せる「だけ」では満足できない。美醜の両方を突き付けたくてウズウズする。だけどもそこ
でドヤ顔をすることはまた“復讐”に舞い戻るだけだから、自分は投げ掛けておくだけで、
人々が如何受け取り反撃してこようが構わないと己に言い聞かせる──。
シリアスになりがち、パッと思いつく物語が往々にして悲劇系になりがちなのはそんな内面
が少なからず影響しているような気がします。勿論、全く救いのある物語を描かない訳では
ないのですが、所謂大団円よりも哀しみの中に一滴ばかりの可能性が見える、そんなエンド
マークを好んでいるなという自覚があります。

ニッチというか、間違いなく人を選ぶ思考・嗜好ばかりを選んでいるような……(苦笑)
だけども多分、自分はこれから先も似たような(思想の)物語を紡いでいくんだろうなぁと
思ってならないのもまた事実で。
勿論、また──かつてと今を結ぶ過程がそうであったように──変容していくのだろうとも
予想しています。もしかしたら今の僕もまた「誤り」で、一から己を組み直すかもしれない。

でも……きっとそれでいいのだと思う。
もし将来、僕という人間を根底からひっくり返す出会いがあるのなら、その時僕は積極的に
受け止めたい。セルフアップデートは日々繰り返され、一生かかっても「完成」すらしない。

どだい僕らは自分勝手(利己的)だ。好きなように創ればいいし、結局お互い様なこと。
どだい僕らは心が頷かないと病んでしまう。ならば弾ぜずただ紡ごう。
どだい僕らは違っていて、違っていて当たり前で。だから無理に「同じ」になる事はない。

貴方のセカイは何ですか? それは如何なるものですか?
もしよかったら、僕にも。
僕らが互いに、少しでも善き何かに変われるために。

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  1. 2013/04/28(日) 00:00:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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