日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)太い幹より豊かな枝葉、一本よりも二本三本

車の窓がやたら汚れていた。濡れ雑巾で拭いてみると真っ黒になった。
もしかして:黄砂&PM2.5 <(^o^)>

あれよという間に新年度を迎えてしまいました。
まぁ自分に関してはそういう実感は薄く、ただ「嗚呼また一年が巡るのか……」と少々気鬱
にすらなる年波の業。実際、自分も月末から先日まで体調が悪かったですし_(:3 ⌒゙)_
(春先など、季節の変わり目に体調を壊す人は毎年それなりにいるとは聞きますけれど)

例の如く難産でしたが、今月一発目の三題も何とか上げられました。
そして今月に入った事でこの自己鍛錬企画『週刊三題』も、遂に始めてから一周年を迎える
ことができましたヽ(・ω・)ノ
物書き仲間さんたちからはそれだけ続いてるのが驚きだ、と言われたものですが、はてさて
(自分で課してきたとはいえ)ノルマ達成に追われて肝心の文章力はどうなったものやら?
とこの当人は相変わらず懐疑的なまま。同じく述べられたことですが、どうにも書く文章が
情緒的になってるなぁと思う今日この頃で(論理的に語ろうとして情緒に押し負けてる?)
勿論、論理的思考が常に正しいという訳でもないのでしょうが、昨今の世間様をみているに
如何せん「感覚的」であることを誇れないのですよねぇ……(´=ω=)φ

三題も、ユー録も、或いは今後新しく書くであろう物語(文章)達も。
そこに自分が込めていくであろう感情──思いは、はたしてどれだけ“許される”言の葉と
見なされるのでしょうか? どれだけ誠を高潔さを以って息づけるのでしょうか?
……まぁ別に認められなくてもいいや、なんていう気楽さなり無責任さ?なりは精神衛生上
からもある程度必要なのでしょうけども。


皆さんは「クールジャパン」と云う言葉を聞いたことはあるでしょうか?
辞書的に原義をひいてみると『日本独自の文化が海外で評価を受けている現象、またはその
日本文化を指す言葉(知恵蔵2013)』だそうです。
具体例としては漫画アニメ、街のファッション、ひいては料理や伝統工芸、家電などもこれ
に含まれています。現在はこの現象群を日本の新たな活力剤にしようと、政府が推進すると
いう動きさえあったりします。

……ですが、今回ここで言及したいのは、だから日本文化万歳!という趣旨ではなく。
むしろ逆なんですよね。僕個人としては“文化に権力が割り込むとろくなことにならない”
と考えているので、お上や財界の「金の生る木」にされてしまうのは正直言って癪なのです。

事の発端は、先日報道されたこのクールジャパン関連の事柄でした。
4/3に開かれたクールジャパン推進会議で、民間メンバーの一人として参加していた秋元康氏
がクリエイターらに「無報酬」での協力を呼び掛けた、という発言です。
曰く「日本中の優秀なクリエーターに一肌脱いで貰うべきだ」
……最初、この記事をざっと読んでみて、呆れました。言及時の状況がポスターやキャッチ
コピー作りに関してのものだとはいえ、憤りを通り越して。
そもそもクールジャパン事業はイコール文化輸出な訳で、今年度は500億円もの予算計上が
予定されており、氏の発言はクールジャパン推進の趣旨とは真反対である訳です。
(現場の創作者達に利益がなければ、一体何の為の推進なのだ?と)
そして案の定、僕が報道を知ってほどなく、創作界隈のあちこちからこの発言に対する批判
が噴出することになりました。

「自分の懐にしまう気満々じゃねぇか」
「搾り取ることしか考えてない」
「創作(クリエイター)を完全に見下してる発言」
「先ず末端の現場にもちゃんと利益が回る仕組みを作れよ」等々。

概ね僕自身もそんな意見です。尤も、無報酬を強いることに憤るというよりは創作人を単に
金づる(予定)としかみていないかのような視線に反感が(のに加え、AKB商法やら何やら
といった秋元氏(の強欲さ)憎しというのも)あるのでしょう。アマチュアもアマチュア、
ネットの片隅でもそもそ活動している自分ですら久しぶりにイラッと来たくらいですから、
プロとして活動する創作人の方々の反感・冷笑は尚更だと思います。

繰り返しますが、僕は文化なるものに権力が絡んでいくことには基本的に反対の立場です。
一つは、資本主義経済である今日である以上、権力=利益の配分機構が関わればほぼ間違い
なく文化(※この雑記においては特に、自身の畑であるサブカル的創作を主眼とします)は
彼らによって利権化され、「金の生る木」の一つとして食い潰されていくのだろうという危
惧や忌避感があるから。
二つは、文化表現とは時に権力や公に対して“反抗的”であり、そこに権力がカネを梃子に
入り込もうとしても失敗するだけだ──そもそも相性が真反対でありうる──と考えるから。
そして何よりも、根っこが“好き勝手に発生するものら”である文化に国や権力なるものが
関わることで、文化そのものが萎縮・封殺されはしないか? 何かしらのイデオロギー的な
意図で以って(宜しくない意味で)「統一」されかねないと疑って仕方ないからです。
(実際、同じ権力機構から何かにつけて表現規制の圧力がありますし……)

……と、これらはあくまで僕個人の懸念から来ていますが、他にも(ベクトルこそ違えど)
考えるべき問題はあるでしょう。氏の発した「無報酬」に通じる事柄です。
知っている方は知っていると思いますが、長らく創作を仕事にするというのは、ぶっちゃけ
儲かりません。アニメーターの収入が貧弱だといった話はその典型例です。
好きなことを仕事にしているの(は幸いなの)だから当たり前──? 何という怨嗟を込め
た屁理屈なことか。
これは既存の、多くの創作人さんが語っている言説なのですが、どうにも日本において一般
の人々は創作に対する労力を舐めて掛かっているように思うのです。
実際に創作活動をしている身だから痛いくらいに分かるのですが、小説にしろ絵にしろ他な
媒体にしろ、一つの作品として仕上げるのに作り手は決して少なくない心身のエネルギーを
費やしています。
でも、実際に手に取った受け手にとっては「一瞬」「一時」のものでしかないという事実が
あって……。だから“どうせパッパとできるんだろ?妄想さえ捏ねれば”みたいな誤解が生
まれてしまうのかなと考えてしまいます。加えてサブカルに関しては“必需品”ではない、
いくら昨今市民権を得るようになったといっても所詮はサブカル──マイノリティ的正義に
は為りえないから、尚のこと足元を見られるのでは?と……。

要するに、文化──創造行為が金銭と結びついてしか評価されえないという現在の社会にも
その一因があるのではないか?と考える次第で。
極端な例だと美術界のそれです。
パッと見、何これ?という絵画でも人によっては馬鹿馬鹿しいくらいの高値が付いたりする。
でも愛好家達(尤も作品自体をマネーゲームに使っている輩は論外ですが)にとってはそれ
で構わない。認めて貰えた、手に取って貰えた、喜んで貰えた──その眼差しを得た経験が
自信となってまた次の創作に向き合える……。
サブカルに戻れば、同人がそれに当たるのではないかと思うのです。儲けなどよりも好きだ
から描くし、それを喜んでくれる人達がいるからまた描こうと思える……。
僕自身も以前、ネット放送をしているプロの絵描きさんに「好きを仕事にして嫌になるかも
しれなくてもプロはいいものですか?」といった質問をしたことがありますが、そのお方は
殆ど考え込むことなく「同人でいいと思うよ」と答えたことが今でも印象的です。
アニメなら円盤(DVD等の事)を漫画なら単行本を買えば……という話もありますが、結局
は「お布施」みたいな感覚なのではないかなと僕は思っています。ファンだからいいと思う
から自分もこの創作に寄与しようしたい、といった。
(勿論、特典などに物欲を刺激されてという理由もありますし資本主義的にはむしろそちら
側の「意欲」を推すのでしょうけど)
またもや──もう当庵ではくどい程に繰り返す格好になりますが──やはりカネでなければ
報いでないといった仕組みはしんどく、今回のケースだけを見ても歯痒いなぁと思うのです。

もっと、価値観の表明に関して選択肢の多い仕組みができないものか──。
僕達は「好き」だからやってるんだ。気ままなんだ。放っておいてくれ──。

経済(これ)だけじゃないと駄目!みたいなものではなく、併行して非経済?的な価値観で
歩むフィールドもあっていいのになぁと、むしろそっちに行きたいなと、ついつい夢想して
しまいます(まぁ仮に実現しようとすれば「金づる」が減る事になる資本主義サイドは、何
が何でも骨抜きにしようとするのでしょうが……)

現実的に、お金と縁をバッサリ切るなんて中々できないことだけれど。
時に“反抗的”な文化芸術がそれらに呑まれるようになれば、間違いなく名折れな筈です。

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  1. 2013/04/04(木) 18:30:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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