日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)杭打つその手は何がために

今月も早三分の一が経過しようとしていますね。
こんにちは、まだ寝正月が尾を引いている長月です(´=ω=)

では早速、最初にご報告することが一つ。
なろうさんにおいて拙作連載(ユー録)が先刻、累計50000PVを達成しました。
現状月一程の更新にも関わらず、手に取って下さる皆さんのおかげで積み重ねた記憶がこう
してまた一つ節目を迎えることができました。既に活報やツイッタ(小日記)でも言及して
ありますが、創作拠点である当庵の場を借りて、改めて御礼申し上げますm(_ _)m
相変わらず遅筆鈍行・硬い長い臭いの三拍子が揃った拙文らではありますが、今後とも気長
に生温かくお付き合い頂ければと……。

とはいえ、現在──厳密には一昨日くらいから──の執筆状況はそのユー録ではなく、中編
の方(デッドレス)なんですよねぇf(=△=;) 当面は変わりばんこに一章一章を書いていく
つもりでいるので、はたして月二更新(両方を一回ずつ)できるかどうか……(汗

三題に取り組んでいる時間もありますし、今でも折々につけて他の創作に移り気になりがち
でもある故、これからも如何にクオリティの密度を維持・向上できるかも注意すべき所。
……もっと創るんだという気概というか、タフさがあればなぁと思うばかりですφ(=_=;)


そうして執筆のノり反りに四苦八苦している中、また違ったニュアンスでのタフさを考えて
しまう事件が起こってしまいました。
先日から報道でも大きく取り上げられているのでご存知の方も多いかと思いますが、大阪の
とある高校のバスケ部主将(17)が顧問からの体罰を苦に自殺した──というものです。

この報道を最初に見た時、正直僕は「まだこんな事が続いているのか」と思いました。
私怨が混じることを承知で語りますが、僕はいわゆる体育会系のノリというかその類の世界
が大嫌いです。
滅私奉公の精神、とでも云うのでしょうか。とにかく集団全体のパフォーマンスの為には個
を潰すことも厭わない、強要してくるその価値観。虫唾が走りますね。
幼い頃、僕は町内会のこども草野球に参加させられたことがあります。そして当時から運動
の類が苦手だった僕は監督(といっても経験者だというだけのオッサン)にボコボコにしご
かれました。実際ボールが直撃して怪我をしたこともあります。
……今更怨嗟をここで吐露したって何にもならないんでしょうが、あれが僕をスポーツ嫌い
にさせた(全部ではなくとも)一因であることに間違いないと今でも思っています。

大体、30~40発も殴る必要がありますか?
顧問当人は「発奮させるため」と弁明しているようですが、何故言葉でその意図を伝えなか
ったのでしょう。中には「愛があれば……」と語っている人もいますが、僕から言わせれば
物理的にしろ精神的にしろ、力に訴えて自分の主張を通そうなんて発想自体が野蛮です。
(まぁかといって“話せば分かる”というのも悔しいかな現実的ではありませんが……)
しばしば、集団が一つの目標に突き進む姿は美徳として報じられます。
テレビ番組などでも部活動にカメラが密着し、叱られつつも頑張って結果を残す(或いは残
せなくとも次こそ頑張ろうと励まし合う)というシナリオ運びでお茶の間の感動を誘う──
なんて手法は今日びごまんとあります。
……ですが、そんな「陶酔」なんてものは実の所“狭い”と思うのですよね。
確かに部活(というか集団に属して活動すること?)というものは、将来彼らが社会に出た
時の“予行演習”という側面を持っている、のかもしれません。
でも部活動にしろ会社にしろ、そこに個人の全人格を差し出す必要があるなんて理屈は本来
存在しない筈なのです(働くことだってあくまで金銭を得る「手段」な訳であって……)。
にも関わらず、未だにそうした誤った価値観がややもすれば強調され、美化される。
『とにかく耐えろ』と言われ、理不尽を浴び続け、しかしその末に潰れた──潰されてしま
えば『忍耐が足りない』だの『最近の奴は弱くなった』等と唾を吐かれる現実。
そんなさまを見る度に、折に付け落伍者の烙印を押されていると感じる度に、この国のメン
タリティは異常ではないか──? そう思ってしまう僕は異端なのでしょうか。

とはいえ、その実務上、教育というものは個人を「枠に嵌めること(敢えて悪意的に捉える
ならば洗脳すること)」とイコールとなる面があるのもまた事実です。
社会という全体構造物を回す歯車・社会人を造るための初期製造工場──学校。そういった
視点であの閉鎖世界を見れば、個一つを潰してでも全体を維持しようという志向が働くのは
無理からぬことなのかもしれない。
だけど……その枠(社会が要請する規格)に嵌り切れない人間なんてものは、今も昔も相応
に存在している訳です(むしろそういったイレギュラーこそが世界を面白くする筈で)。
僕なりの考えですが、枠なんてもっと大まかでいいと思うのですよね。
教養と倫理、スタンダードとされる「普通(プロトタイプ)」はしっかり教えるにしても、
後は子供たち個々人が考えればいい。
その通りに生きようと思えばそうすればいいし、その教えには従えないと思えば自分なりに
模索してゆけばいい(それが中々許容されぬ世の中だから苦しいんでしょうけど)。
部活動というフィールドも同じで、何も若い内から──世界全体から見ればそれこそ本当に
小さい──集団の中に凝り固まって“マゾ的陶酔”に明け暮れる絶対性なんて無いのです。
……無いのです(繰り返します)。

既に報道を受け、巷では「体罰だと?けしらかん!」と憤ってみせる意見と「体罰も時には
必要である(殴ってやらなきゃ分からんバカもいる)」的な意見が混在しているように見受
けられます。
ただこの手の噴出する主張に、僕はどちらにも与しません。
前者は義憤を装い“無関係”をアピールしている人間であろうし、後者は(推測ですが)自
身も同じように理不尽を受けて今に至っているが故、一元的に体罰を否定することに抵抗感
がある──自分だけが損をすることになるので癪──連中だと思うからです。
要するに、今までも僕が言及してきたように、これもまた怨憎なのだと思うのです。
個々人の具体的ないし抽象的な不平不満。そこから滾る悪しきエネルギーを他者にぶつける
ことで発散しようとしている愚行。何より……僕らこそがこうした社会の形成を許してきた
のだという連綿さに対する無自覚さ。

今回の一件だけに限らず、あらゆる不祥事において、僕らがただ当事者らの悪を攻撃すれば
万事解決するというのは幻想だと思うのです。
一は全で、全は一。一方的な被害者も、加害者も本当は存在しない。
なのに二項対立的な善悪構造に見えてしまうのはあくまで制度上(法的な)一先ずのケリを
付けているからであって、これら悲劇をただ怨憎のサンドバックにするのではなく、これは
彼らが命を擲ってまで僕らが思惟するチャンスを投げ付けてきたのだと受け取るべきなので
はないか……? そうでなければ、こうした命を賭した悲鳴すらもただの有象無象の私怨が
ために「誰かに杭を打つ」方便に堕ちるのではないのか……。

『“耐える”だけが精神力ではない』
『日本的民主主義は創造の芽を摘みやすい』

今は亡き心理学者・河合隼雄氏がその著書の中でしたためていたフレーズです。

憎しみは永らく、相互に残ることでしょう。
でもただ安らかに。直接の関係者でもない身ですが、哀悼の意を。

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  1. 2013/01/10(木) 19:00:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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