日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)ウィアー・ハザードワールド

今年もあと僅かになりましたね_(:3 」∠)_
これが今年最後の当庵更新になるかと思います。こんにちは、長月です。

世間様も今日明日辺りがおおよその仕事納めになるのでしょうか。
はたと気付けば年の瀬の残り時間がラストスパートをかけたかのような早さ、煩わしくも詮
無き忙しなさ。毎年の事であるとはいえ、歳月の変わり目ぐらいゆっくりと待ち構える位の
泰然さを持っていたいものなのですが……。

個人的には、当庵を開設して二年目。なろうさんへの投稿を始めて一年半。
日々の生計やら健康は相変わらずヘタれてますが、創作関係だけなら(全体的に如何ほどの
ものかはともかく)それなりにステップを踏むことができた一年だと思っています。
メイン連載(ユー録)は計三十三章・約104万5千字の積み重ねをみせ、
四月から始めた自己鍛錬(週刊三題)も今の所頓挫することなく45本を数え、
デッドレスを始め、中編や断片的な創作意欲も、折に触れて沸々悶々と生まれ……φ(・_・;)
欲を言ってよいのなら、もっとキャパが高ければもっと色々なものを創れたのかもしれない
とか、口下手を免罪符にせずもっと色んな人達と交流すべきだったかなあ、とか。
……創作と歩むようになって、自分も随分業深い者になったものです(苦笑)

さて、例の如くサブカル畑的にはこの年末はコミケでもありますね。
自分は地理的にも体力的にもあまり遠隔地には赴けませんが、年末年始は電子の海に浮かぶ
創造の園らを眺めながら、同好の士の方々とほっこり過ごしたいなあと思っています(=ω=)


ただ……今回のコミケには不安材料が影を落としています。
ご存知の方もいるでしょうが、所謂『黒バス事件』の影響です。
ざっくりと説明しますと「黒子のバスケ」という人気の漫画作品、その原作者・関係者に対
して何者かが執拗な脅迫行為を繰り返しているのですよね。それは東京だけでも50ヶ所にも
のぼり、中には実際に危険物(致死量の硫化水素。解封されずに通報されたので被害者は出
ませんでしたが……)まで放置されたこともあって、コミケだけでなく前後の同人イベント
において同作品での出展ができなくなってしまっている(安全の為に自粛要請が出ている)
状態なのです。
悔しいことに未だ犯人は捕まっていませんが、方々での断片的な情報をみるに、どうも犯人
は何かしらの理由で作者・藤巻氏に(実際は勝手な妄想である可能性とも指摘されている)
恨みを抱いているようで……。藤巻氏も身に覚えがないと話していますし、どちらにせよこの
迷惑千万な犯人が捕まらないことにははっきりしたことは分からないのだろうと思います。

ですが、この(現在進行形の)一件が及ぼしたダメージは深刻だと言えましょう。
一つは脅迫に屈した(ざるを得ないとはいえ)という先例を残したことで、今後“俺の気に
入らない作品は脅せば潰せる”という悪意を抱く輩が出易くなってしまうという汚点。
もう一つはこの弱みにつけ込み、今回禁止された黒バスの出展が発見されてしまえばコミケ
が恒例の会場(東京国際展示場:ビッグサイト)自体から追い出されてしまうという危機。
(皆がしっかりとお触れを守れば問題ない筈ですが、お世辞にも全てのサブカル民のマナー
が良好とはいえない以上、不安は拭えない状況な訳です)
少なくとも僕は「黒バスがやられただけ」という楽観はしていません。
それは一つ目の懸念の通り故であり、言い方さえ変えればどの作品グループにも悪意の牙が
向けられることを示しているからです。
理想的なのはこんな事が起こらないこと、仮に起こりそうになったとしても法の下で犯罪が
防がれ摘発され裁かれること……なのですが、中にはこの一連の事件を「陰謀」だと見る眼
も──悪意ある一部の者を口実に、コミケというサブカル界の一大イベントそのものを権力
が葬ろうと(規制しようと)しているのではないか?──あったりで……。
何よりも僕は、それら周囲の環境によって、また一つサブカル界が萎縮させられるであろう
ことが歯痒いのです。

これまで何度も、僕は自由と寛容の世界を望んできました。この雑記でも何度となく引き合
いに出してきたつもりです。
だけど……どう見ても、逆立ちしてみても、現実の世界はむしろそういう気色とは逆方面に
進んでいるように思えてなりません。

“スタイリッシュ”を標榜し人々のセカイを一つに統一せんとするかのような商業、その中
で侵食されていくネット民──リアルから距離を置いた人間すらも飲み込む重苦しい御旗。
本来、庶民の安寧を保障する任を負う政治が延々イデオロギー闘争ばかりに明け暮れ、更に
人々から主権者としての関心と責務を放棄させる悪循環。
何よりも……他者の我を許さず、怨憎をエネルギーにぎらぎらと攻撃することで現実の辛苦
を慰めている、この国の世界の黒く歪んだ憎しみの連鎖。

……何なのだろう。
前回の雑記でも引用・言及した内容ではありますが、今年もまた、ヒトは変わらないなと。
どれだけ言葉を尽くしてもどれだけ願ってみても、理想論は喫緊の怨憎の黒色に塗り潰され
るばかりで、或いは理想を語ること自体が往々にして周囲への眼を失い、迷惑な我に為って
しまっているというか……。
想像力が、足りていない。そう僕は思ってしまいます。“良識”とでも云うのでしょうか。
○○をすれば××が起こる、だから△△──という数歩先のことがまるで見えていないかの
ような言動があちこちで見られる一年だったように思うのです。先に述べた「黒バス事件」
の犯人も(仮に巷説の通り動機が私怨に取り付かれたものだとすれば)少なからずそうした
人としての想像力が欠けているように感じられます。
だけど──同じく惜しむらくは、一方でそうした誰かの“失敗”にまで人々が最早寛容では
なくなってしまっていることであって……。
僕も聖人君子ではないのですが、多くの場合そういった失態者に対し人は「バカ」と言って
哂うことしかしていません(或いは彼の者に己の怨憎を重ね、寄って集って叩き潰すか)。
確かに罪を犯せば償うべきです。
でも同じく、その非が何たるかを教え伝えることを怠り続ければ、憎悪で以って益々互いが
断絶するばかりだとも思うのです。
「共存」や「共棲」を現実のフィールド上で諦めてしまい、ひたすら“排除”を繰り返した
として、その先に現れるセカイははたして豊かたりえるのだろうか……?
そう、寒気を伴う不安ばかりが過ぎってしまいます。

……甲斐が無いというか、何というか。
思うに、人々の怨憎の根底には自身の満たされなさがあるのだと考えています。
経済的に社会的に、精神的に。
満たされず、或いは魂が頷く着地点に辿り着けず──セカイを憎む。他人を憎む。
それ自体は「悪」だとは言わないけれど、きっと「悪」に変わりうるものだと、そう思う。
なのに……僕は何もできないでいる。何もできないでただ創作セカイに遊んできた。
リアルが忙しいのに、辛苦ばかりであるのに、ニセモノのセカイに浸る余裕なんてない──
ましてや仮に慰みとして手に取っても、そこで「説教」を喰らえば苛立つことは無理もない
話であって──。
だから、物語じゃあヒトは救われないんじゃないかって、思ってしまう。
他人を変えることが元々の目的ではないにしても、根本的に“僕が”必要とされていないの
なら、一体どうして自分は創作界(ここ)にいるのだろう……?
誰かを変えることが高慢だと窘められ、ただ慰み「だけ」に価値があるとするなら、あまり
にも薄っぺらく、甲斐が無い……。

一言で表すなら『虚無感』なのだろうなと思うのです。
誰かを変えることは(相対主義が言わせるに)悪いことで、しかし個々人が変わらなくては
どんどん世界が悪くなるのも目に見えている。
ご近所で組織で民族で国で、互いが我を張り合いテーブルの下で足を蹴り合っていながら表
向き笑顔を繕い、大丈夫だよと言い張っている。
だけど「それは違うよ」と口にした人間を、目敏く見つけては皆でボコボコに打ちのめす。
それこそ各々の怨憎のエネルギーをここで発散すべきだと言わんばかりに。
他人を変えようとすることは悪いこと。それは高慢な欲望であるという戒め的なもので。
でも、ただ彼らが善く変わってくれるのを一切の曇りもなく「信じる」こともまた難しい。
だから……虚無感。
どうしても折に触れて、創っていること──その意味がはたと揺らいでしまう。
所詮「示すだけ」では人間は変わらない、変われない……?
そんな失望が、折につけてはねっとりと胸奥を撫でてゆくのです。

だけど……やっぱり僕は願います。自由と寛容と、何より善き倫理に満ちるセカイを。
潔癖(しろさ)に愉悦しようが醜悪(くろさ)に沈もうが個人の勝手──自由だろ?という
言い方もできなくはないけれど、ならばこっちも勝手を発揮したいなと思うのです。
外にも内にも醜悪なるものは間違いなく在って、その澱みに苦しんだり、時には受け入れた
錯覚の中で哂っている人がいる。
……そんな人達を少しでも助け出したい。言の葉でそんな彼らを引き上げられるのならば、
是非とも。偽善(相手の為ではなく自分の為)と哂われたって、やらない善よりはまだ。

ただ、憎悪にのたうつ誰かをを見たくない──手前勝手な動機ではあるのでしょう。
でも来年は巳年。
憎しみで“身喰らう蛇”になるよりは、少しでも“脱皮”し成長して欲しいのです。
そしてそんな積み重ねはきっと、世の憎悪のとぐろを断ちうる一歩でもあると思うから。
僕自身も含めて、そんな願いを次年こそ。

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  1. 2012/12/28(金) 00:30:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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