日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)創作の未来とリアルと云う威力

なんと、今回で雑記が通算100本目なのですよ\(^o^)/多過ぎる

当庵を立ち上げてからおよそ一年半になりますか。まがりにも塵も積もれば何とやらと云う
のでしょうか、随分ともさもさ書いて描いて考えてをやってきたものだなぁと。
先日より長らく開店休業?状態だった「落書帳」カテゴリにもコンテンツ(文字通り落書き)
を投下し始めました。
いわゆるイラストレーターさん方に比べれば貧相な画力ですが、当庵にも活字だけではない
コンテンツも加えたいなあという前々からの思いが成就した訳です。
とはいえ、自分の本領は物書きだと(スキャンした自身の絵を見てそのレベルにorzとなり
改めて)思いますので、こちらも既存の短歌や書評などと同様、気ままゆるゆるとしたサブ
コンテンツになるかと…φ(・_・)

年の瀬は着実に迫ってきています。外もすっかり寒くなりました。
師走というだけあってこの時期は(も?)気忙しく駆け抜けていってしまうのでしょうね。
過ぎ去る時間が惜しいと感じるのは、自分がまだまだ事を成せていない人間だからなのか、
或いはただ歳を重ねている証であるのか……。
それでも……繰り返すことで積み上げられているものは、雑記を始めこれまでの物書きなど
きっとある筈で。そう信じてみないと揺れっ放しで。

『自分が成長しているのか、たとえ実感がわかず不安になっても、振り向かない心が欲しい
 のです。どうせ常に成長しているのです、情けない顔で振り向くその一瞬以外は』

先日、ツイッタ上で見かけたこの言葉。
そうだね──本当に「成長」かは分からないけど、少なくとも「変化」はし続けている。
自分も貴方も、セカイも……きっと。


100回目の節目という事もありますが、今回は少し「創作」に関して真面目なお話を綴ろう
と思います。

先日、ツイキャス(ツイッターの垢で開設できるウェブラジオのようなもの)を放送して
いる旨のツイートを見かけ、何気なくそのフォロワーさんのキャスへとお邪魔しました。
そこではフォロワーさん(以下Aさんとしましょう。僕と同じ物書きです)とご友人らしい
Bさん(一般書担当の編集者さん)が酒を呑みながら今日びの創作について語る──という
様子が流れていたのです。
勿論、酒と肴を前にした四方山話もありましたが、僕が印象的だったのはお二人が語ってお
られた今日びの創作についての……ある種の「憂い」のようなものでしょうか。
Aさんはご自身の作品に寄せられる感想の中で“主人公とヒロインがイチャイチャする場面
がもっと早く出てきた方がいい”という弁に頭を悩ませていました。

要するに、作品としての自身の頷く質と、読者からのニーズとのせめぎ合いな訳です。
当庵に目を通してくれている方は多かれ少なかれ創作人さんかと思われますが、ここで一応
補足的に僕なりの言葉で付け加えておきましょう。
基本的に、創作というのは「自己顕示欲」とは切り離せません。
創作物が受けるというのは、その欲が昇華され、更に受け手の何かしらの需要に応えられた
からこそのものだと言えます。
しかし……Aさんもこの時それとなく漏らしていたように、かといって“ただエロい要素を
くっ付けておけばいい”ものではない、そう思ってしまう──根っこで自分の拘りの側に心
の比重が傾いてしまう──のが創り手のジレンマな訳でして。
端っから《娯楽》を創ろうというのならもっと違うのかもしれませんが、創り手というのは
何のかんので“我がまま”な人間なのです。特に僕を始め創作が≪思索≫と結びついている
タイプの創り手であればあるほど、今日の安直な(敢えてこの表現を使います)愉悦ありき
のニーズには、まるで自身の思考の質量を否定されるが如き抵抗感を覚えるのですよね……。

尤も、これもまた自分なりに折り合いをつけるだけの点かなあと、僕は考えています。
“我がまま”である、創り手受けての根っこを呑み込んだ上で、では自分はどんな立ち位置
で創作に関わっていくのか──。
あくまで生業とすることを目指すなら、できる限り受けてのニーズに合うものらを「合成」
する創作を自分の中でモノにしていくことになるでしょう。それとも(現在の僕のように)
“受けるかどうかなんて博打みたいなもの”だとか“自分が先ず楽しめなきゃ苦痛”だと
あくまで根っこは自分側に置くのか。そういった按配をどうつけていくのか。
(……イマイチ商業的創作に乗っかれない理由の一つが、多分そこにあるのですけども)
だからこれまで僕は「思うものを描きたい創り手」対「売れる商品を求める出版社」という
二項対立を少なからずイメージしがちだったのでしょう。

『でも読者の質は下がってると思う』

故に、僕は正直驚きました。
対談をしている中で、売り手の側であるBさんがそんな事をバッサリと言い切ったのです。
仕事の場ではない、友人との呑みの席ではあるとはいえ、彼らもまた今日びの創作に対する
受け手──世間一般については思うところがあるということなのでしょう。
(これは拝聴していた僕の解釈ですが)曰く、エロスを求める先が変わってきている。一昔
はAVやらエロ本だったものが、それではヌけなくなってラノベという媒体に移っている。
しかしそればかりで市場が席巻されてしまうと、文学性での物語創出は先細る……と。
──僕だけではなかった。
安易な≪娯楽≫ばかりを物語に求めている現在の潮流への違和感は、業界の前線にいる方に
もあるのだと。

とはいえ、どれだけ文学性云々を追及しても、売れなければ出版社自身も潰れてしまう。
何より……どれだけ僕らが嘆こうが、現実に少なからぬ人々にそういったニーズは無くて。
自論ですが、そういった「慰み物」志向を、僕ら作り手が無理やり変えてしまうことはすべ
きではないと考えます。
読書とは自発的であるからこそ知になるのです。誰かに強制されたまま読んだ所で、大抵の
場合は自分の中にそうした物語セカイは染み込んで来ないと思うのですよね。
(皆さんも、夏休みの読書感想文に苦戦した思い出はありませんか? ああいうことです)
それに、以前にも言及している言葉ですが、創作人はあくまで「示すだけ」の筈です。
こういうセカイを創った。こういう価値観の者達がいる。
ではそういったセカイを眼をどう受け止めてのちに活かすのか(殺すのか)?
それは他ならぬ受け手の方──個々の判断・自己責任です。
読書(行動)と同様に、思想に導くことまでを“創り手の使命”と定義してしまえば……僕
はその先に、言葉が暴力的なものへと堕ちる未来を想起してしまうのです。

少なくとも、表現することにおいて力を入れるべきは、そんなベクトルじゃない。
むしろ創作セカイを描き出す、その状態において受け手の内面をはたと衝くことができよう
な……そんな創り手で在れれば。……流石にそれは、理想論過ぎるでしょうか。
そしてもう一方で、やはりなのかなと思います。
人々が物語を手に取ることに時間・労力を費やさなく(せなくなった)のも、その一因には
『馬鹿野郎! それよりも金儲けだ!』というリアルの圧力、社会の空気があるからなのか
もしれないと。それだけ人々が疲弊しているからではないかと。
当たり前といえば当たり前ですが、読書自体は個々の人生(の大半を占める生計に)おいて
必須ではありません。どだいサブ的な“余暇”があるからこそ成立する営みです。
どれだけ「知識が深まる」「人間性が豊かになる」等と宣伝しても──きっと多くの人々は
こうしたレベルからの希求は正直な所(上記の通り)期待薄ですし、これだけ娯楽が溢れて
いる今日においては、より一層本という選択肢自体、厚みを失ってしまっているのではない
だろうか……? そうついつい目を顰めてしまうのですよね(ひね過ぎやもですが)。

……何だかまた「嫌儲」思想になってますね(これは重症だ)。
ともあれ、実際問題として創作──物語を“強制”することは僕らには出来ないでしょう。
創り手は可能な限り魅力的なセカイ達を創る他なく。
売り手は可能な限り魅力的に発信せんとする他なく。
どうにも“いやらしい”とは思えども、それが現実で。
創作で食うのであれば、尚の事「客」を(公では)下に見るべきではなくて。
結局僕らは、芸術性と大衆性の間をふらふらするしかないような……。

それでも──やっぱり僕は思います。そして願います。
物語とは、クソったれな現実から逃げる為だけのものじゃない。
そいつらと向き合って闘って、或いは呑み込んで、自分をセカイを豊かにする為のものだ。
偉そうな物言いですが、そう信じたいのです。

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  1. 2012/12/07(金) 18:00:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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