日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(長編)死に損いのデッドレス〔2〕

 妙なことになったなと、デトは思った。
 しんと、夜闇の冷たさと月明かりがすぐ横の窓から差し込んでいる。
 ヴァンダム商会本店敷地内の一室、いつもの宛がわれる部屋のベッドの上で、彼はぼんや
りと仰向けになったまま中々寝付けぬ夜を過ごしていた。
 先日、自分が気まぐれで声を掛けた、お上りの少女・エリス。
 行方知れずなままの祖父を捜しに来たという彼女の話は、思いもかけぬ名を自身の記憶に
呼び起こすことになる。
 かつて失ったもの。それでもまだ生きていて欲しいと、少女は願った。
 だからだろうか……自分は柄にもなく、彼女の困った顔を放っておかないことを選んだ。
 まったく、らしくない。
 今更自分が「贖い」をしてみせた所で、一体何が戻ってくる?
 真実を伝えたところで、あの娘に一体何が生まれるというのだ?
 面倒──困惑。
 今まで掘り固めてきた溝を、まるで不意に埋められたかのような気分。床に就いてみてか
ら小一時間、そんなもやもやとした心地が胸奥をしつこく撫で回している。
(何でこんなことになっちまったのかなぁ……)
 月明かりの覚束ない灯りの中、そっと片手を真っ直ぐに伸ばしてみる。
 いっそのこと、今からでも情けなんぞ掛けずにここから追い出してしまおうか。
 この街の悪意にやられる奴はごまんといる。でもそういう経験を経て、この街の住人は良
くも悪くも強かになっていくのだと思っていた。それが当たり前だと思っていた。

『デトさんは──きっとホントはいい人です』

 先日、あの娘がスリどもと一戦交えた自分にそう言い切った。満面の笑みで言っていた。
 普段なら馬鹿だの甘っちょろいだのと一笑に付していたろうに、彼女にはその罵声を浴び
せる気が起こらなかった。
 多分……あまりにも真っ直ぐだったからだ。
 眩しいなと思った。とうの昔に自分が棄てたものを、あの娘は大事に持っている。疑問を
抱くよりもきっと無意識の内に誇りにしている。
 自分だって、本当はああ在れればと思っていたのだろう。
 だが伝染する悪意(げんじつ)の中で、日和らざるを得ないこの世の中にあって、その志
は往々にして大きな枷になる。
 喰えぬ誇りよりも、腹を膨らせる利を──。
 それに頷けぬ者は弾かれ、場合によっては惨めに死ぬことになる。それが、現実だ。
(……エリス・ハウラン、か)
 伸ばした掌をぎゅっと握り、心の中であの娘が名乗った姓名を呟いてみた。
 彼女は、まだ若い。きっとこの先あの子も少なからぬ悪意と出会うことだろう。自分を可
変させ、現実と折り合わなければならない時が訪れるだろう。
 それが五年後になるか、十年後になるか、自分には分からない。
 だがそんな頃、そんな未来、この世界は今よりも良くなっているのだろうか──?
「……。らしくねぇな」
 そうして自問自答しながらデトはフッと自身を、その思考の詮無さに哂った。
 今更、良くなって欲しいなどと願っている自分がいる。あの娘のために、あの娘が絶望し
ないような未来であって欲しいと想起している自分がいる。
 馬鹿馬鹿しい。
 でも──これはきっと、長らくしまい込んでいた感情だと思った。
 ポスンと、伸ばしていた腕をベッドの上に下ろした。気のせいか差し込む月明かりが少し
眩しいくらいに感じられる。デトはもう片方の手を持ち上げて庇を作り、そっと夜闇の中で
目を顰めた。
 面倒なことになった。
 だがこれも、縁という奴なのだろう。
 どちらにせよあの子の故郷まで行って帰ってくれば全て終わる。ゆったりと旅程を組んで
おけば、戻ってくる頃にはスラム街での一件もほとぼりが冷めているだろう。
 彼女──エリスはヒューが宛がってくれた別室にいる。もう夜も遅いから今頃はぐっすり
と眠っているだろう。あのチコとかいう仔狐と寄り添い合っているかもしれない。
(……なんてことはねぇさ。いつも通り、巧くやればいい)
 それだけのことだ。
 そっと目を瞑り、デトはそう自分に言い聞かせた。
 絶望させないようにとか、そんな気遣いは二の次でいい。二の次で……いい。
(いつも通り、巧く──)
 夜は、深く静かに只々更けていく。
 そんなデトの手に、磨き直されたと思しきロケットが一つ、月明かりに淡く照らされ、提
げられたまま。


 Phase-2.輝石の大地

 エリスの故郷は「ハンクルス」という小村らしい。
 事前に広域の地図を開いてみると、その小規模さはより可視的になったような気がした。
 そこは地理的にはエル・レイリーより遥か北──北東の山間、トーア同盟領とエクナート
聖教国との国境付近にある。
 出発地点は西大陸南域、レイリア共和国。
 目指すハンクルスには大陸を東西に、聖教国・同盟領両国を隔て逆放物線を描くトーア連
峰、その麓沿いを走る幹街道を行くのが次善策であるだろう。
 とはいえ……それでも距離は相応なものだ。半ば大陸を突っ切る形になるので、一日二日
程度のお出かけとは訳が違う。
『随分と長い距離を来たんだなあ。よく路銀がもったもんだ』
『あ、それは何とか。実は村に輝術の仕える先生がいまして。途中の街まで“転移”させて
貰ったんです』
『ああ……。なるほど』
 この大地からは──“キセキ”が採れる。
 虹のように多彩で美しく、何より膨大なエネルギーを秘める不思議な鉱石。
 “輝石”と呼ばれるこの石は、古来より人々にとってなくてはならない資源であり、更に
祈りを込めることで様々な奇蹟──『輝術』を発揮する。
 しかしながら祈りが届く人間は限られており、その資質を磨いた技能者・輝術師は方々で
重宝されている。
 最善の手は、この《転移》の輝術を利用することだ。今回のように長距離を移動しなけれ
ばならないならば尚の事有用となる。
 だが……輝術とて万能ではない。
 この《転移》には条件がある。──術者が行った事ことのある場所、そこにしか飛べない
のだ。厳密に形容するなら、そうした“記憶ある場所”に門(ゲート)を繋げる術からだ。
『一応訊くが……お前、輝術使えるか?』
『使えませんよお。デトさんこそどうなんですか?』
『まぁ……使えることは使えるが。だがよ、俺はそのハンクルスって所には行ったことがな
いんだ。どのみち《転移》で一発なんてことはできねぇよ』
 故に次善策。
 村は知っているが術師ではないエリス、術の心得はあるが村を知らないデト。
 エリス曰く、往路にと送って貰った途中の街まで行けば、件の術師センセイが迎えに来て
くれるのだそうだ。だがそもそも、その街すらエル・レイリーからは随分と遠い。
 結局二人(と一匹)は数日を掛け、乗合馬車を乗り継ぎながらゆるゆると北上する他なか
ったのである。

「……馬車、来ねぇな」
「……ですねえ」
「キュ? ウー~……」
 エル・レイリーを出発して数日。デトらは幹街道沿いにある乗合馬車の停留所にいた。
 頭上に昇る陽はゆっくりと天頂を目指し、じわりと汗ばむ陽気を届けてくる。
 申し訳程度の木の囲い屋と椅子。徒歩で通り過ぎてゆく旅人らの姿を眺めながら、三人は
ぼんやりと次の乗り換え便が来るのを待っていた。
(やっぱ、街から離れると途端にこざっぱりするな。のどかと言えば聞こえはいいが……)
 別に徒歩でもいいとは思っていた。実際、路銀の節約のために既に何度かそうした道程を
挟んでもいる。
 しかし、とデトは思う。
 自分はともかく、この少女の体力がどれほどもつだろうか。
 本人は隠しているつもりらしいが、つい先日レイリア国境を抜けた時、彼女は密かに大き
く息をついていた。安堵か? いや違う。あれは──緊張の糸がプツと切れたものだ。
 考えてみれば無理もない。
 お上りに対する悪意の洗礼──旅荷の窃盗被害に大切な預かり物の紛失、何よりも目的で
あった祖父(イアン)死亡の事実。
 年頃の少女が一度に受け止めるには、色々なことがあり過ぎた。自分にとってはこの程度
なら茶飯事なのだが……内心で「しまった」と思ったものだ。
 だから、せめて道中くらいはゆったりと行こうか考えている。一旦ハンクルスに着けば、
また何かと忙しなくなるだろうから。本人は折に触れて焦っていたようだが、自身が倒れて
は元も子もない。
 幸い、今いるトーア同盟領は別名「豊穣のトーア」と呼ばれるほどの肥沃な緑の大地だ。
多少時間を掛けても、そののどかさの中で癒されればいい。
 それに──こんな幹街道のど真ん中で荒事を起こす輩はそういるものではない。
 護衛目的(しごとめん)からみても、このルートは間違いなく無難なチョイスなのだ。
「……」
 ちらと横目を遣ってみれば、エリスがうとうとと舟を漕いでいた。
 この陽気、いや先日までの疲れがキているのだろう。
 揺らぎ傾いていっては、カクンと振り戻る小柄な身体。その肩で、チコは器用にバランス
を取りながらちょこんといつもの定位置をキープしている。
 何気なく、その当人(当狐?)と目が合った。控えめに「キュ?」と小首を傾げてこちら
を見つめ返してくる。
 フッとデトは小さく笑っていた。
 やっぱり、こいつらを絶望させたくはない……。
 ちょいと伸ばしてみた指先。その先っぽが、ゆっくりとチコと転寝のエリスの横顔へと近
付いていき──。
「……ふあ?」
 びくりと止まった。
 漕いでいた舟が止まったらしく、エリスは口元によだれが垂れたままぼーっとこちらを見
つめ返している。
 そっと指を引っ込めたデトと寝惚け眼なエリス。二人の顔をチコが交互に見返してくる。
「……寝ててもいいんだぞ。疲れてんだろ」
「ら、らいひょうふ……れふ」
「うん、大丈夫じゃないな。そう気張るな、先はまだ長いんだ」
「……」
 ごしごしと、エリスが寝惚け眼を擦った。
 続いてぐぐっと伸びを一つ。デトが言っても、彼女には彼女なりのキープすべき状態なる
ものがあるらしい。
「何だか、前よりも優しくなってますよね。デトさん」
「そうか? 気のせいだろ」
「気のせいじゃないですよお。エル・レイリーにいた時はもっと私のこと面倒臭がっていま
したもん」
「……そりゃあ今は依頼人だからな。成り行きとはいえ、そういうギブアンドテイクくらい
は俺だって守るさ」
「ふぅん……?」
 頬を両掌で支えながら、エリスはわざとらしく半眼を作ってみせた。チコもそんな飼い主
の首根っこを器用に渡ってさり気なくもう一方の肩に移動し、すんすんと周囲に広がる緑の
香りを嗅いでいる。
 ──やっぱ、どうにもこいつは扱い難い。
 半眼を向けられたデトはそっと視線を逸らし、眉間に皺を寄せて肩越しに様子を窺いなが
ら何とか話題を変えようと試みる。
「つーか、お前が輝術を使えればもっと簡単に帰れたんだぜ? 何で“輝獣”をペットにま
でしてる癖して使えねぇんだよ」
 ビクリと、今度はエリスが肩を震わせる番だった。
 だが、それは文句を言われた憤りではない。
「……気付いてたんですか」
「ああ。やっぱそうなんだな?」
 小さく言葉少なげな首肯。震わせたのは、驚きと畏れが故だった。
「チコは、昔近くの森で山菜採りをしている時に見つけたんです。最初は──輝石でした。
こんな所でも採れるんだって、凄く綺麗だなあって、それでそのままこっそり家まで持って
帰ちゃったんです。そうしたら、次の日の朝……」
「孵化してた、と」
「……はい」
 恐る恐る。そんな彼女の心を感じ取っているのか、そのチコがぺろぺろと慰めるように頬
を舐めてくる。エリスは小さく苦笑しながら、この仔狐──型の“輝獣”の喉元をもふもふ
してあげた。
「そんなに怖がるなって。別に咎めはしねぇよ。そもそも人に害を成す“忌獣”じゃないん
だし、お前にだって懐いてるんだ。そこにわざわざを剣を差し込むような野暮はしねぇよ」
「……ありがとう、ございます」
 エリスは笑顔を返すよう努めたようだが、その気色にはまだ硬さがあった。
 どうやら思っていた以上に、この飼い主とペットは深い絆で繋がっているようだ。話題を
逸らす為とはいえ、あまり良い矛先ではなかったかもしれない。デトは内心少し後悔した。
「んー……。にしたって聞けば聞くほど妙だなぁ、お前は。輝獣は輝石を核にして発生する
生命体だ。大元は同じなんだぜ? そいつと意思疎通してペットにまでしちまってるなら、
輝石の声を聞く──術師の素質はお前にだって間違いなくある筈なんだが」
「そう、言われましても。使えないものは使えないですし……」
 文句だと思ったら何だか褒められた、らしい。
 エリスは呟きながらもごしごしと両手を擦っていた。照れているのか頬もほんのり赤い。
 その間にチコが再び首越しに移動し、今度はデトをすんすんと嗅ごうとしている。
「ま、いいけどよ。今から《転移》の為にお前に輝術を教えてる暇がありゃあ、その時間で
普通に向こうに着けるだろ。センセイってのもいるらしいし、気が向いたら教えて貰え」
 お前のことを話してんだぞ……?
 片眉をそっと上げ、小さく苦笑して言いながら、デトは今度こそこの仔狐の柔らかな体毛
を指先でもふもふする。
「……。デトさん」
 エリスがふと神妙な面持ちになったのは、そんな時だった。
「デトさんは、あの“死に損い(デッドレス)”なんですよね? 術師殺しの……」
「……ああ。そっくりさんでもいない限り、それは俺だ」
 チコをもふもふする指先をそっと除け、デトは隙のない横目で彼女を見返していた。
 先程までの穏やかなお兄さん、という印象はあっという間に消え去り、代わりに覆われる
のは剣先のように鋭い警戒の眼だ。
 エリスは、その静かな豹変を哀しく思った。またこの表情(かお)だと思った。
「私も、噂で聞いたことはあります。神出鬼没、輝術に関わる人達の下に現れてはその研究
を滅茶苦茶にして去っていく不死身の男、大型の賞金首……」
 そう。それがデトこと“死に損い(デッドレス)”に関する世間一般の、公が発表してい
る認識だった。
 だが……改めて呟くエリスは「違う」と思った。
 何が違うのか、すぐはっきりと言葉にできなかったけれど、それでも──。
「です、けど」
 目を合わせられなかった。
 俯き加減になって、心なし青褪めている両手をもぞもぞと組みながら、ごちる。
「私にはデトさんがそんな悪い人には思えません。初めて会った時も困っている私に声を掛
けてくれました。何よりおばあちゃんから預かったロケットが捨てられた時、私の代わりに
怒ってくれました」
「……。上っ面だけで他人を観るもんじゃねぇよ。そうやって騙されたばっかりだろうが」
 デトもまた、エリスと目を合わせずに前方の街道を眺めていた。
 声量は向かいの旅人らには聞こえていない。ゆるゆると、緑と整備された茶褐色の路に往
来が散在している。
 エリスは、そんな彼の突き放すような返答にふるふると小さく首を振った。
「デトさんが噂通りの極悪人だとしたら、私にここまでしてくれている理由がありません。
会長さんがいたからといっても、あの場で突っ撥ねることだってできたのに」
「……」
「私は、デトさんを信じたいです」
 たっぷり、胸奥を整理しながらゆっくりと紡いだ言葉。
 エリスは一度息を呑んでからそう言った。おずっと、それまで俯いていた視線をデトに向
けて、彼女はチコを肩に乗せたまま問う。
「教えて下さい。デトさんは一体何者なんですか? どうしてお尋ね者になるようなことを
してきたんですか? おじいちゃんの……何を知っているんですか?」
 長く、デトは黙っていた。
 視線は合わさずに、じっと遠く山々の稜線を見つめている。
「……向こうに着いたら話すって言ったろ。お前も薄々気付いてる筈だ。そう気軽に話せる
もんじゃねぇんだ。しんどいし、二度手間になるぞ」
「構いません。私は何も知らない──デトさんのこと、何も知りません。皆に伝える前に、
私はちゃんと受け止めなくっちゃいけないと思うんです」
 真剣な眼差し。やがてそんな彼女の表情(かお)を、デトはちらを横目に見遣った。
 見せる横顔は眼は、変わらず哀しい鋭さを帯びている。
「…………。後悔するぞ」
 再びたっぷりと沈黙を置いて、やがてデトは静かに語り始めた。


 元々、俺だって普通の人間だったんだ。
 いや……お前にとっての普通、とはまたちょっと違うか。街にたむろして、身の丈以上の
欲や虚勢で自分を塗り固めてたチンピラの一人だった。
 でもまぁ、その頃は何だかんだといって楽しかったよ。俺も含めてバカばっかりだったけ
ど、気の置けない仲間達があちこちにいて、喧嘩したり何かにつけて飲み会したり……周り
からはクズ呼ばわりされてたとはいえ、あれはあれで“幸せ”だったのかもしれないな。
 ──だけど、そんな「普通」は突然奪われた。
 その日もいつものように、仲間達と別れてねぐらに戻る途中だった。
 そうしたらどうだ。急に路地の陰からローブの連中が出てきたかと思ったら、寄って集っ
て俺に襲い掛かってきやがったんだ。
 勿論抵抗したよ。でも、相手は輝術師だった。あの頃の俺に……勝ち目はなかった。
『準備は整ったか?』
『はい、配置完了しました。いつでも発動可能です』
『ならば、早速始めよう。いつ嗅ぎ付けられるか分からん』
 それから、どれくらいの時間が経ったか分からない。
 目を覚ました時には、俺は何処ぞの地下室──みたいな場所に連れ込まれていた。
『お、おい……。お前ら何をする気だ?』
『此処は一体何処なの? 貴方達は誰なの……?』
『くそっ! 離せっ、ここから出しやがれ!』
 俺だけじゃない。
 多分、あちこちから拉致されてきたんだろうな。そこには俺以外にもごちゃまんと人が集
められていた。
 見てみりゃあ、あの時のローブの連中が遠めに立って何か話してる。
 足元には薄暗い床一面にでっかい模様──六芒星(ヘキサグラム)が描かれてた。俺達は
その図形の真ん中に集められて……手足を枷で縛られてたんだ。
 万単位はいたかな。とにかく、どいつもこいつも半分くらい発狂して怒鳴ったり泣き喚い
てたりで冷静どころじゃない。俺はただ、そんな中に訳も分からず放り込まれたまま、今ま
で経験したことのない悪寒で全身が震えていた。
 きっと、これが“狂ってること”だってのは認識していたんだろうな。
 ローブの連中も遠目にだが、焦っている感じがした。早く事を済ませないといけないって
いうか。それに……どいつも俺達に目を合わそうとしないし、声を極力意識に入れないでい
るような感じだった。
『……始めるぞ。全ては、人類永遠の夢の為だ』
 連中は文様の外周を囲むように並んで、リーダーらしいオッサンが言った。
 一斉に取り出したのは杖で、術玉──輝石を術者向けに加工したアレだ──がくっ付いて
たから、やっぱり奴らは輝術師だったと思って間違いない。
 だけど……そこまでだった。
『──がっッ!?』
 連中が何かしら術を使い始めた瞬間だった。
 俺の、俺達の身体が、いきなり見えない何かに引き千切られるような、そんな馬鹿になら
ないレベルの痛みを訴え始めたんだ。
 地獄絵図ってのは、ああいうのを云うんだろうな……。
 白目を剥き出しにして、喉元を掻き毟って、次々に人が倒れていった。俺も同じ目に遭っ
てた訳だからここ辺りの記憶は正直曖昧なままなんだけど……間違いなく連中は俺達に何か
を施し始めたと考えていい。
 ……怪我は、なかったと思う。
 でも、そんな放っておけば治るようなもんじゃなかった。
 これは結果論、後々の俺自身が確認したことだが──奴らはもっと外道なことをやろうと
していたんだ。
 なあ、エリス。人間はどうして死ぬと思う?
 ……はは。まぁそうだな、いきなり訊かれても困るか。
 ざっくり言えば、肉体も精神も成長する限界があるのさ。生命力の残数っていうか……。
とにかくそいつを使い切ってしまえば、あとは人間、老いにまっしぐらになる。
 でも、奴らはそれを何とか食い止めたかったらしい。
 不老不死って奴だ。あの時、人類永遠の夢とかほざいてたのも、その証拠だ。
 連中の理論は──単純だ。だがそこに至るまでの階段が狂ってた。
 “人間一人の残数に限りがあるなら、外から補充すればいい”
 奴らは……一人の人間の中に大人数を、その生命力を詰め込むことで実質的な不老不死を
得ようとしたんだ。
 だから、俺達が拉致された。その“材料”のために。
 何で俺だったのか、俺達だったのか、今でも分かんねえ。もしかしたら無作為に選んでた
のかもしれない。
 俺達は抜き取られたんだ。身体も精神も、全部。奴らの狂った研究のためだけに。
 でもな……結果から言えば、奴らの目論みは失敗した。大よその部分では成功だったが。
 ……。
 あいつら自身も、材料になっちまったんだよ。
 気付いた時、全てが終わった時、俺の周りには……人っ子一人いなくなってた。
 でも確かに気配はあった。──他ならぬ、俺自身の中に。
 ……ああ、そうさ。何故かなんて分かんねえ。
 だけど、間違いなく俺は「器」に為っていた。
 拉致された面々と拉致した連中、合わせて三万飛んで二十六人分の生命(いのち)を、俺
はあの瞬間から自分の中に宿す──化け物に為った。
 “死に損い(デッドレス)”の、誕生さ。

「──……」
 淡々と、時に自嘲し(わらい)ながらデトが語っている。
 エリスは、それ以上返答を用意することができなかった。
「それから暫くの間、俺はもがき苦しんだ。何せ俺の中には三万人以上の人間が蠢いている
んだからな。どいつもこいつも『ここから出せ』『何故お前なんだ』と恨み節をぶつけ続け
てくる。……不老不死なんて、欲しくなかった」
 囲い屋の軒下、その陰に表情を隠す彼の横顔を、只々チコと共に見遣るしかない。
「でも、どれだけ自分を傷付けてみても、俺は死ねない。傷やら何やらは俺の中の皆が半分
自動的に身代りに──補修の材料になって消耗されていく。俺は何度もそうして“消えて”
しまう皆を自分の中に視てきた」
 そこで、エリスはハッと合点がいった。
 出会いたての頃、あそこまで大食漢だった理由。
 それは多分──食欲以上に“生命(じぶん)を補給していた”からではないだろうか。
 失う姿をみて、むしろそうさせまいと己の不死に拍車を掛けてしまう……。
「……だから、俺は対話することにした。三万人、或いは飯を食って迎え入れる新しい面子
と一人一人、何を想っているのかを語り合うことにした。時間だけは無駄にあったからな。
性別・年齢・出身・家族の有無。色んな奴がいた。──イアン・アラカルドもその一人だ」
「……ッ!? おじいちゃん、が……?」
「ああ。あいつは俺と同じ、あの一件でローブ野郎達に拉致られた一人だった。……だから
お前に訊かれた時“あいつは死んだ”って答えた。俺もだが、もう“普通の人間”には戻れ
ないからな。あいつも、孫が元気でいてくれるならそれで満足だって……言ってる」
 エリスは自身の頬に涙が伝うのを、やや遅れて感じ取った。
 祖父は、生きている。だけど人間としてはもう死んでいたのだ。
 そっとデトが自身の胸を擦って呟いている。自分には視えるべくもないが、彼の中には今
も尚、三万以上の生命が自我が息づいているのだと。
 ごしごしっと、涙を袖で拭う。
 彼が積極的に語りたらがない理由がよく分かった。
 彼の外見年齢と祖父を知っているという言葉との矛盾も、不老不死であれば説明がつく。
 面倒さではない。──これは、優しさだ。
 彼は自身を“化け物”と称するが、そんな事はない。
「……分かりません。デトさんはこんなに優しいのに……なのに、何で世の中の人は貴方を
大罪人だと……」
「……。それとこれとは別さ。術師殺しは、紛れもない事実だよ」
 だがデトは、むしろ真っ直ぐに感涙するエリスに、内心戸惑うようにごちる。
「もう一つ、俺達がやってきたことがある。……復讐さ。皆と対話する中で俺達をこんな姿
にした黒幕を探し出したい、復讐したいって声は根強かった。だから……捜したよ。個別の
対話を続けながら、一方で連中への報復感情って点で俺達は一致団結していた。一度あの現
場に戻って痕跡を拾い上げて、足取りを掴んだ。奴らは非合法な研究も厭わない術師どもの
グループだった」
「……」
「とはいっても、結局の所は緩い繋がりの集まりだったんだ。俺達をこんなにした張本人達
は優先的に“消費”して跡形もなくなっていたし、だったらせめて連中と手を組んでいた奴
らがいないかと捜した。……血眼だった」
 デトはぎゅっと掌で顔を覆い、表情を隠していた。
 無意識の内に、憎悪の気色をこの歳若い少女に見せたくないと思ったのかもしれない。
「殺したよ。証拠を見つけては乗り込んで、殺しに殺した。どれだけ命乞いをされたって聞
く耳は持たなかった。俺が、俺の中の皆が口々に『殺せ!!』と叫んでいた。……でもな、
そうやって自分の感情をぶつけた所で、何も変わりはしなかったんだよ。ただ死体が増える
だけだ。……虚しいだけだった」
 その横顔。語る彼は、あまりにも哀しく傷ついたように思えて。
『他人(ひと)に自分の感情を押し付けるなんて……虚しいだけだ』
 初めて出会った時、自分の事情を必死に話した時、彼が呟いたあの時の横顔と同じだと、
エリスは脳裏に記憶を蘇らせながら思った。
「……それからは、少し変わった。復讐っていうよりは防止って態だ。もう二度と、あんな
狂った研究が進まないように、俺達はあちこちを飛び回ってる。西に禁制の研究所があると
聞けば潰しに行き、東に輝術兵器の開発が進んでいると聞けば資料ごと火の海にした」
 だからこそ、なのだろう。
 彼が大罪人“死に損い(デッドレス)”として狙われるようになったのは、むしろ復讐を
果たした後の彼なり──彼らなりの使命感が故だったのだ。
 街道を過ぎる風が、デトの髪を服をそよそよと靡かせている。
 エリスは思った。やはり彼は……世間が言うほどの“悪人”ではない。
「止めろよ、そんな眼。今更同情されたってお前が爪弾きにされるだけだぜ? 殺しはどう
繕ったって殺しだ。そこに大義名分(きれいごと)を挟むつもりはねぇよ」
「うっ……」
 だがそんな内心を、デトはしっかり見透かしていたようだ。
 そっと掌を顔から下ろし、横目で諌めるようにそんな言葉を紡いでくる。
 エリスは苦笑しながら、されど言い返す言葉も持てず、ただ押し黙るしかない。
「……。ごめんなさい」
「だから、同情は──」
「そうじゃないです」
 だから、エリスは別の想いを伝えることにした。
「ありがとうございます、話してくれて。おじいちゃんは、デトさんの中にいるんですね」
 下手に寄り添うことを望まれないのなら、せめて感謝の言葉を。
 もう顔を見ることのできない祖父の、思いを伝えてくれた感謝の言葉を。
「い、いや……。お前はむしろ遺族だろ? 恨み節の一つや二つ、ぶつけたって罰は──」
「恨みなんてしません。デトさんは私を助けてくれています。おじいちゃんや皆さんとちゃ
んと向き合って、生きてくれています。それだけで私は嬉しいんです。それに……私はデト
さんを、信じたいですから」
 ついっと、デトがわざとらしく視線を背けていた。
 多分だけど。エリスは思っていた。
 この人は──憎まれることが普通になってしまっている。それが当たり前なんだと、仕方
ないことなんだと思ってしまっている。
 でも違う。そう言いたかった。
 言葉は今も上手くまとめられないけど……もう、いいんだよって、思う。
「……全く、お前はとんでもないお人好しだよ」
 皮肉っぽく。だけどきっとそれは照れ隠しでもあって。
 デトがぽつりと呟くその言葉に、エリスはくすりと微笑(わら)って傍に在る。
「──デトさ~ん!」「デトの旦那ぁ~!」
 すると、はたと耳に届いてきたのは、遠巻きからの呼び声と駆け足の音。
「この声は……」
 二人(と一匹)が街道の向こうを振り返り、見覚えのある一団の姿を認めたのは、ちょう
どそんな時のことだった。


 デト達の下へ駆け寄ってくる一団は、大きく二つに分かれていた。
 一人は、淡黒の礼服の上に旅装を羽織った紳士──ロッチ。
 残りは、彼とは対照的に一見ボロく、しかし動き易く周囲の景色に溶け込むような薄茶や
黒のマントを被った集団。その数十人程度。
「おう。ロッチ、サブ、お前らか」
 しかし対するデトの反応は随分と気安いものだった。
 ロッチさんはともかく、残りの面々には見覚えがない……。
 エリスとチコはただ、隣でそうデトが立ち上がり彼らを迎えるのを、ぼやっと疑問符を浮
かべつつ見遣るしかない。
「一体どうしたよ? 遠出っつっても要はガキの送りだぞ。そんなにわらわら来てどーすん
だよ。ヒューの指示か?」
「はい。会長のご判断です」
「あのですね、旦那。どうやらそう悠長にはいられなくなってるみたいなんですよ」
「あ? それってどういう──」
 ロッチ達から返ってきた言葉に、デトが小さく片眉を上げていた。
 皆の身長差という見た目も影響したのかもしれない。どうにも急に疎外された心地になっ
てしまい、ついエリスはずいっとデトの前へ身を捻じ込ませる。
「あの、デトさん。この人達は誰なんですか? こっちのおじさん──ロッチさん、でした
っけ、は見覚えがあるんですけど……その……」
「ん? ああ。そういや本店(むこう)じゃロッチにしか会ってないっけ。安心しろ。見た
目はチンピラみたいなもんだが、れっきとした商会の人間だよ」
「さらりと言いますね……。っと、君がエリスちゃんだね? 初めまして。オレはサヴル・
ティトー。仲間内からサブって呼ばれてる。今は大旦那──ヒューゼ会長に雇われて密偵隊
の隊長をしてるモンさ。こいつらはその部下達だよ」
「みって、いたい……?」
「密偵な。敵の縄張りに忍び込んで色んなことを調べたり、逆にデマなんかを流すのが仕事
の連中の事さ。要するにスパイだな」
 デトに補足を入れて貰って、エリスはようやく彼ら──サヴルを始めとした密偵隊への怖
れを解いたようだ。纏う格好・雰囲気はスラム街で剣呑とする人々に似ていたが、ニカッと
微笑んでくるこの青年は「大丈夫だ」と直感が告げていた。
「それで? その悠長じゃいられないってのはどういうことだよ?」
「あ、はい。実はですね……」
 スパイ──裏工作の人。
 一方でエリスの頭の中ではそんなネガティブなイメージ記憶が再生されていたが、デトは
そうした彼女の横顔をちらと見下ろすだけで、彼らが語ろうとしていた話に続きを促そうと
神妙な面持ちをみせている。
「旦那がスラムで一悶着を起こした少し後から、軍隊の動きが忙しなくなったんです。で、
気になって調べてみたら、エクナートとガイウォンがそれそれデトさん討伐の準備を始めた
ときたもんで……」
「なにっ!? よりにもよって、あの二国か……」
「共和国(ほんごく)政府には会長が手を回していますが、流石に外国までは届かず……こ
のままではデトさんとエリスさんが討伐軍とぶつかってしまうと。それで、会長のご判断で
私どもが急遽この事を伝える為に、助力の為にやって来たという次第です」
「……そっか」
 ガシガシと、デトは渋面を作って髪を掻き回していた。
 西の文教大国・エクナート聖教国。
 東の軍事大国・ガイウォン帝国。
 そして南の交易大国・レイリア共和国。
 よりにもよって今日の世界三大強国が同じタイミングで、この少女を送り届けようとして
いる最中に、自分の帰還を嗅ぎつけた。
 一国でさえ真正面から相手をするには分が悪過ぎるのに、三国同時に。
 共和国(レイリア)はヒューゼら商会が抑えてくれているとはいえ、いつまでも歯止めが
効く筈がない。……何より彼は得難き友だ。その友情を重んじてくれるが故に、彼らを窮地
に立たせてしまうのは、内心決して本意ではないのだから。
(スラムの一件が俺の予想以上に響いてるのか……?)
 そう思いかけて、デトは密かに首を横に振った。
 確証はない。大方騒ぎを聞き及んだ誰か──賞金稼ぎ辺りが、役人にリークした。そんな
切欠だろう。それに口に出してしまえば、無闇にエリスを刺激してしまう。
「事情は分かった。……ゆったり馬車の旅ってのはお預けになりそうだな」
 ふぅと大きくため息を一つついた後、デトは面々を見渡した。
 小さく頷くロッチ、ええとげんなり険しい顔のサヴルら密偵隊、話の端々から不穏な行く
先を感じて取り、きゅっと胸元を掻き抱くエリス。
 街道はまだ全体としてはのんびりと穏やかだった。
 だがそれも、実際に聖教国(エクナート)や帝国(ガイウォン)の軍隊が乗り込んでくれ
ば一変してしまうだろう。
「仰る通り、このまま幹街道を行くのは得策ではないでしょうね。サヴル達の調べでは、既
にエクナート・ガイウォン両国がデトさん討伐を梃子にトーアの諸候らに協力を呼び掛けて
いるようですので」
「協力、ねぇ……。脅しの間違いだろ」
「実質そうでしょうね。もし拒めば庇い立てしているとして一緒くたに攻撃材料に──それ
を梃子に同盟領への影響拡大も視野に入れてるって所でしょうか」
「……どっちが罪人だか分かったもんじゃねぇな。相変わらず」
 ロッチやサヴルらの話を聞きながら、デトはまた一つため息をついた。
 身から出た──随分昔の──錆とはいえ、いい加減諦めて欲しいものなのだが。
 振り返り椅子の上に置いていた鞄の中を探る。そこから周辺の地図を取り出すと、デトは
皆が覗き込んでくる中、さてどうしたもんかと一層渋い表情になる。
「幹街道が使えないとなると、迂回するしかねぇか。東側か? それとも西側か? 人気の
少なさで言えば西側のトーア連峰だが……」
「でも、山向かいはエクナートの領内になっちゃいますよ?」
「かといって、今から東ルートから迂回しようとしても時間が掛かります。何処から上陸し
てくるか分かりませんが、あちらからはガイウォン軍が迫ってくる訳ですからね」
「帝国軍と鉢合わせってのは最悪のパターンだろ。それならまだ、連峰の賊どもの中を潜っ
ていった方がマシってもんだ」
 暫し、デト達は地図と睨みあいっこをしながら今後のルート選択を話し合っていた。
 迂回は必要。しかし時間を掛け過ぎれば、エクナートやガイウォンの包囲網に捕まる危険
性が高まる。選択肢はいくつかあったが、大まかな指針が決まるのにそう迷いはなかった。
「──では決まりですね。出発前にこちらで迂回ルートをいくつか絞っておきました。後は
サヴル達の情報収集、状況変化をみながら進んでいくことにしましょう」
「ああ、そうだな。……ってロッチ、お前もこのまま来るのか?」
「勿論です。いざという時、公の交渉が出来る者が要ると──そう、会長から指示を受けて
おりますので」
 もう一枚、ロッチが複数のルートを色ペンで描いた地図を渡してきながら言う。
 そんな彼に、普段は本店で接客ばかりの商人な彼に、デトは驚いたように訊ねるが、
「ご心配なく。自分の身を守るくらいは、できますよ」
 当の本人は背負った長布の中から鞘に収まった細剣(レイピア)を取り出してみせると、
そう折り目正しくも不敵に微笑(わら)っていた。

 迂回ルートを往く前に、デト達は一度近くの集落に立ち寄った。
 目的は二つ。情報収集と入山準備である。
 幹街道に比べ大幅に人気が少なくなるとはいえ、相手は国境を跨いででもこちらを捜そう
としている。正直八卦ではあるが、地元民ならば近隣の山々が抱く小さな変化にも気付いて
いるかもしれない。
 もし討伐軍と出くわしてしまえば、原則は逃走を第一に据えることになる。
 その可能性も踏まえて、こちらの機動力は少しでも底上げしておきたい。村の雑貨屋では
少々心許ないが、余分な旅荷は売却し、代わりに食料や宿張(テント)を揃えた。
「ほう……あんたら連峰(やま)を通るんかい」
「お節介だけんども、山を舐めない方がいいでよ?」
「それに、ここ何日か山の賊どもが移動してるらしいんよー。今は物騒だあよ?」
 確証ではなかったが、情報収集の方も相応の収穫をみた。
 旅荷の調整をロッチらに任せていたデトとエリス、サヴルは、ふと雑談を交わすことにな
った村人達からそんな話を耳にしたのである。
「……どうして移動してるんスか?」
「さてねぇ。ああいう連中が何を考えているかなんて私達には……。詳しいことなら猟師を
やっている人の方が」
「ああ、そういや聞いたことあったな。何か、軍隊らしい奴らが歩いてたって。ビビッて逃
げてるんじゃねぇかな?」
 三人は思わず顔を見合わせていた。
 “敵”の有力な動静かもしれない。しかしここで焦って村人らを刺激しないよう、この手
のプロであるサヴルを代表に、デト達はもう少し断片を引き寄せようと試みる。
「本当ッスか? それ、どの辺りでしょう? オレ達も軍隊と鉢合わせになるのはごめんで
すから……」
 さっと地図を広げてみて、サヴルは訊ねた。
 追われていることは一切言及せず、あくまで一介の用心が頭をもたげた旅人を装う。
「んー。聞いた話だと……この辺かなあ」
「ぬ? 儂はこっちと聞いたが……」
「……ふむ。ってことは、この辺りをずずっと進んでた、と」
 話をやんわり時系列でまとめるようにもっていき、ついっと地図上──トーア連峰のいち
地域を線状になぞる。覗き込んでいるデトとエリスを、サヴルはちらと肩越しに見遣ってア
イコンタクトを送ってくる。
(どうやらエクナート側からこっち、連峰を突っ切ってくるルートみたいですね)
(ああ……。多分エクナートの討伐軍だろう)
 これで少し、見えない敵が少し見えた。まだ安心というには程遠かったが。
「──ありがとうございました。皆さんお元気で」
「あんたらもなー」「道中気をつけてなー」
「無茶すんでねーぞ。山ん中にも整備道はあっから、そこを伝っていくとええ」
 しかしながら、サヴルはあまり収集に深入りをすることはしなかった。
 曰く、同じ人間に何度も話を聞いていると後々アシがついてしまう可能性が高くなるから
だそうだ。
 調整を終えたロッチらと合流し、村で一泊した後、デト達は朝一番に山へ入っていった。

 同じ“トーア”の名を持つものの、同盟領の平地と連峰の山々とでは大きく異なる。
 一方は緑豊かで穏やかな豊穣の土地だが、もう一方は草木こそ茂るが固い岩盤が随所に我
が物顔で鎮座する領域。自然の硬軟さがその境目周辺で見事に分かれている。
「凄いです……。どんどん高くなっていきます」
「足、踏み外すなよ? 俺はともかく、落ちたらほぼ確実に死ぬぞ」
 デト達は、ぐわぐわと波打つ緑と岩の地面を歩いていた。ここでも気配を殺して行動する
のに長けたサヴルら密偵衆は良き先導役となっていた。
 鬱蒼とした眼下の森、登れば登るだけ空へ近付く峰の土台。
 エリスが物珍しくそしておっかなびっくりで辺りを見渡しているのを、デトは付かず離れ
ずの距離感で往き、促している。
 一行が採ったルートは、連峰を斜めに縦断するものだった。
 エクナート軍との鉢合わせは避けたい。しかし遠回りすればその分包囲網は確実に迫り、
肝心のエリスにも疲労が溜まることだろう。
 故に、デトの下した判断は向こうのルートを先の情報から概算し、山中の南北で入れ違う
ような位置取りをして突破するというものだった。
 村人の話していた整備道は確かに最短ではあるが、行き着く先はエクナート・トーア両国
の国境門である。到底、自分達がそんな「順路」を行く訳にはいかなかった。
「──む?」
 だが、いわゆる“計算”とは常に誤差を伴うものでもある。
 山中に分け入りどれほどの時間が経った頃だろうか。
 草木が生い茂る山道の只中、一行の前にはたと武器を手にした一団が次々と物陰から姿を
現してきたのだ。
「……サブ。お前ら下がってろ」
 反射的に身構え、短剣を抜いたサヴルらの背に、デトはそう声を掛けた。
 少し躊躇いつつも、バラけて後退する彼ら。その立ち位置が後方のエリスやロッチを護る
ような円陣となるのを確認しながら、デトは腰に下げた長剣を揺らしつつ一団の方へと進み
出、対峙する。
「死に損い(デッドレス)だな?」
 開口一番、一団がそう訊ねてきた。務めて睨み加減の表情は変えず、デトはいくつかの思
考を整理する。
 少なくとも賊ではない。金品目的ならいきなり抜剣はしない──あわよくば脅しさえすれ
ばいい。何より彼らは確認するように自分の仇名を呼んできた。
(傭兵か、或いは賞金稼ぎか……だな)
 最悪のケースはエクナート軍に先手を打たれていた場合だ。
 しかしながら、彼らは軽装の防具を纏っているが、軍属という感じはしない。軍隊ならば
斥候役くらい人材もいようし、自分の力量を多かれ少なかれ知っている筈の同軍がむざむざ
“捨て駒”を放ってくるのは不自然だ。仮に功名に目が眩んで先走った何処ぞの部隊だとし
ても、たかが五十人程度の雑兵で自分を押えられるとでも思っているのか。
 故に後者だろう、ややあってデトはそう仮定しておくことにした。
 剣が槍が斧が、銃が構えられる。背後でエリスが怯えている気配がする。
 一歩、二歩、三歩。腰の柄に手を添えつつ、
「──」
 弧を描くように、一閃。
 同時、先手と思って放たれていた銃弾の全てが、その軌跡上で真っ二つにされていた。
 スローモーションのセカイ。ぐわっと見開かれる面々の表情(かお)。それでも──デト
の攻撃は止まらない。
 次の瞬間、振り抜きざまの左肩を先頭に、デトは強く地面を蹴っていた。
 ダンッと踏み抜かれ、土埃が舞う。
 気が付けば前衛の一人。そのすぐ懐にデトと水平に引かれた剣が迫っている。
「がっ……!?」
 反応し、得物を振り下ろすことは叶わなかった。
 彼が知覚して迎撃する、そのコンマ数秒の間にデトは素早く袈裟懸けに一閃。更に加えて
回し蹴りを放ち、血潮を撒き散らす彼を蹴り飛ばしていた。
 驚いたのは残りの前衛──とその後方の面々である。
 急に消えたと思えば、あっという間に一人やられた。と思ったらその重傷人がぐわんと自
分達の視界を塞ぐように吹き飛ばされてくる。
 故に、隙が生まれていた。
 視界の阻害と反射的な思考の寸断。──それらを、デトは巧妙に利用する。
 隙を突き、デトは再び地面と平行に駆ける。
 最初の犠牲者を隠れ蓑に、彼らの側方へと回り、
「ぎゃっ!?」「がぁッ!?」「ぐぉッ!?」
 そのまま背後を駆け抜けながら強烈な横薙ぎ。
 意図せぬまま一列になっていたら彼らの横っ腹を、デトの長剣は建材に切り込みを入れる
がよろしくザックリと薙ぎ貫いていった。
 腸(はらわた)、肺、心臓。あらゆる彼らの内臓が突然の蹂躙を受けて千切れ、大量の赤
を吐き出す。
「く、このっ……!」
 あっという間に六人。
 ここでようやく賞金稼ぎ達も近くに身体が追いついてきた。
 歯をぎしりと噛み、斧戦士が大上段からの一撃を振り下ろそうとする。
「……遅え」
 だが渾身の一撃である筈のそれは、デトの一ミリにも触れることはできなかった。
 代わりに地面に叩き付けられた斧を見下ろしながら、半身を捻って跳んだデトの眼が彼を
捉えている。
 ガシリッと。中空で下半身に勢いをつけたデトは、そのまま両脚でこの男の頭を挟むと、
更に回転を加えた。
 大柄な筈の斧戦士の身体がいとも容易く持ち上がる。
 目を見開く──彼の意識は、しかしながらそこで二度と戻ってくることはなかった。
 デトの余りあるパワーの下で首はあらぬ方向に捻られ、回転──デトの斜めバック宙の末
に男の身体は顔面から地面に叩き付けられていた。
 岩肌も混じる筈の地面が、クレーターのように陥没する。
 白目を剥き、口から大量の血を吐き流した男をまるで踏み台にして、デトはぐぐっと着地
の低体勢のまま残る兵力を睨む。
『ひっ──!』
 少なからぬ面々が、怯え後退っていた。
 強過ぎる……。
 だがそんな声にならない叫びも虚しいように、次の瞬間デトは再び足元の男ごと地面を蹴
って飛び出してゆく。
「…………」
 怯えとはまた違うが、仲間達もまた言葉を失っていた。
 特にデトの力を見慣れていないエリスには刺激が強過ぎたらしい。密偵隊の面々が「だ、
大丈夫?」と声を掛け、そっと肩を擦ったりいっそ掌で目隠しをしようとするが、当の彼女
はチコと共に殆ど釘付けに近い格好で呆然としている。
「……す、凄い強いんですね……デトさん」
「ああ……。間違いなく商会の傭兵全員集めてきても止めらんないだろうなあ。ホント、あ
の人が味方でいてくれてよかったよ……」
 たっぷりと間を置いてエリスが呟き、サヴルも強く──苦笑を禁じえず同意していた。
 会長さんは大切な友人だと言っていたが、あんなに強い人がついていてくれれば何と心強
いだろう。
「……全くもって。相変わらず化け物じみた人だ……」
 だからエリスは、そうフッとごちたロッチに小さな──判然としない疑問符を帯びた眼を
遣っただけで。
(? あれ……?)
 そして、その違和感はすぐにやってきた。
 一見するとスタートダッシュと同じく、次々と賊(?)を倒しているデト。実際、彼は今
まさに残り数人を捉えようとしている。
 だけど。
 何故彼は、あの時のように“一撃で終わらせる”ことなく戦っているのだろう──?
(舐めやがって……)
 また一人、踏み込まれた懐に剣撃を叩き込まれて倒れる。
 そんな積み上がる脱落者には目もくれず、デトはしかめっ面で進んでいた。
 残り五人。顔に傷跡のあるリーダー格と思しき剣士と、槍二人・斧二人。エリス達に飛び
火しないよう、射手や輝術師は既に優先して全滅させてある。
(全く……。もうとっくに切り捨てたモンだと思ってたのにな……)
(まさかデトさん……。自分の中のおじいちゃんを消さない為に……?)
 慄く残党らを見遣りながらデトは自嘲(わら)う。もしやと気付いてエリスは胸が締め付
けられる想いに駆られる。
 ──この旅では、せめてあの娘に“化け物”を見せないでやりたい。
 自分の中には多数の生命(いのち)がある。三万、或いはもっと多くの魂が蠢いている。
 死に損い(デッドレス)としての力を存分に振るえば、この程度一瞬で滅せられた。
 だがそうすればするほど、彼らは“消費”される。文字通り、消えてゆくことになる。
 どのみち生命の残数として消えてゆく自分達だ。一々そんな情を掛けていてはこっちがも
たない。そう割り切っていた……筈なのに。
(これもエリス(あいつ)の所為かねぇ……)
 もう一度密かに自嘲(わら)う。腰が引けた残党らの攻撃を払い、リーダー格へと迫る。
 余所にリークされないよう始末する。せめて、それだけは──。
「……ッ。もう限界だ! ヤるぞ!」
 そんな時だった。
 それまでやられる一方だった賞金稼ぎ達、そのリーダー格が堪らず叫んでいた。
 するとどうだろう。まるでそれを合図とするかのように、新たに戦士達が次々にわいてき
たのである。
 ──それも全員が全員、エリス達が避難していた辺りの物陰から。
「チッ……!」
 伏兵だった。
 個々の戦闘能力は大したことはないが、妙に隠蔽技能があるらしい……。
「動くな! 連れの娘達の命がないぞ!」
 駆け出そうとしたデトを、残党らと伏兵の一部が一斉に得物を向けて囲い、脅してきた。
 デトの動きが止まる。なるほど……エリスの件もこいつらはある程度調べている──或い
は誰か別の、こいつらをけしかけた黒幕に入れ知恵をされたか。
「デ、デトさん!」
「エリスちゃん下がって! な、何とかオレらで……」
 その間もサヴルらはエリスを庇って得物を構え、じりじりと迫ってくる新手たちと対峙し
ていた。
 デトは唇を噛む。サブ達の戦闘能力はそう高い方ではないのだ。加えて今はロッチという
素人──当人は細剣(レイピア)を抜いて同じく構えているが──もいる。彼らだけで捌か
せるには不安要素が拭えなかった。
「くっ……」
 自身に得物が向けられている。いや、それは何とかなる。それよりエリス達だ。
「ふぇ……っ」
 あの娘が震えている。じりじりと後退っている。
 何をしている、すぐに力を──。
「ッ!?」
 次の瞬間だった。
 じりじりっと、何度か後退っているエリスが突然、大きく体勢を崩したのだ。
 視界に映ったのは……踏み外した彼女の足元、ボロッと崩れ落ちる土。茂る草木で彼女は
その限界線を見誤っていたのだ。
「エリスっ!」
「エリスちゃん!」
 デトもサヴル達も、そして賞金稼ぎらも目を丸くした。青褪めた顔になった。
 手を伸ばそうとしても届かない。ただ「デトさ──」と紡ぎかけた直後、悲鳴を伴って落
下していくエリスのチコの叫び声が響くだけ。
「エリスーッ!!」
 デトは叫んでいた。
 しかし少女は、ただ重力法則によって刹那、姿が見えなくなる。

「──よし、ここで休憩とする。軽い食事なら許可するぞ!」
 “死に損い(デッドレス)”がトーア同盟領内を移動しているとの情報がもたらされたの
は、ほんの数日前のことだ。
 何処の誰からの提供かは知らない。ただこうして国軍が動いているということは、相応の
証拠が伴っているのだろう。
 リノン・パーシュは、司令官の指示で思い思いに散っていく兵らに交じって周囲を散策し
てみることにした。
 緩く束ねられた深い紺色の長髪が揺れ、白地のマントが胸元のピンで留められて静かには
ためいている。トーア連峰の山々。この稜線を何度超えれば国外に出るのだろうか。
(……急き過ぎよね。いくら何でも)
 本来なら、聖教国の精鋭部隊を掻き集めてくるのが筋だ。
 なのに軍上層部はそれよりも早く出陣することに拘っていたように思う。
 理由は、先日それとなく探らせに遣った部下から明かされた。
 帝国(ガイウォン)である。どうやら今回の情報提供者は自分達だけではなく、他の国に
も同じように話を持ち掛けたらしい。
 舐められているなと思った。或いは──それほどデッドレスに強い恨みを持つ者か。
 だがリノンはそんな思考を一旦脇に置く。そっと髪をかき上げ、山が抱く風──山川草木
の声に耳を澄ませる。
(死に損い(デッドレス)……。忌術殺し、不死身の男……)
 表向きは世界的大罪人の討伐だ。しかしそれは単なる方便だとリノンは知っている。
 いや、自分だけではない。今回の遠征に加わった輝術師の殆どが薄々気付いている筈だ。
確かに腕が立ち手を焼く相手には違いないが、各国がここまで躍起になって──我先にその
身柄を捕らえようとするのには、裏がある。
「……本当、嘘ばっかり」
 誰も周りにいないことを確かめてから、リノンは深くため息をついた。
 虚飾の世界。大地から採れる“キセキ”を消費することで、いや消費することでしか繁栄
というものを作り出せなかったこの世界。
 知らないことは「罪」なのだろうか。少なくとも全くの無罪とは思えない。だが……そう
した無知を作り出し、維持してきているのは他ならぬ自分達──。
「……」
 リノンはぎゅっと握る手に力を込めていた。
 そうだ。ただ“潰す”のではない。もっと世界を“啓く”為だ。そう言い聞かせる。
「──あだっ!」
「ッ!?」
 そんな時だった。はたと向こうの林の方から人の声がした。
 敵襲か? リノンは眉根を顰め、そっとマントの下、ローブの懐から杖を取り出す。先端
に取り付けられているのは深い青色の術玉。きらりと光を反射して静かに輝くそれを握り締
めて、彼女はゆっくりと声のした方向へと近付いてみる。
「うぅぅ……し、死ぬかと思った~……。下にいっぱい木が生えてて助かったよぉ。チコ、
大丈夫~?」
「キュッ! クゥ~?」
「あはは、そうだね……。あちこち擦り剥いちゃったよ……」
 物陰に隠れながら接近していくと、そこには一人の少女がいた。
 年格好は十六・七といった所か。ちょろっとお下げにした淡い金髪のセミロング、空色の
チュニックにスカートとニーソックス。少なくとも他の軍属や賊には見えない。何処からか
落っこちてきたのか、身体のあちこちに葉っぱや折れた枝がくっつき、瑞々しい柔肌に傷が
いくつも走って赤く滲んでいるのが見て取れる。
(……あれは、輝獣?)
 だがリノンはそれ以上に小さく驚いていた。
 今あの少女が話している仔狐は、輝獣ではないのか? 
 自分も輝術師だ。術石と同じ起源を持つ存在か否かくらいは感覚を集中させてやれば自ず
と知れる。
(このまま見逃すのは、賢明じゃないわね……)
 逡巡したが、リノンはコクと自身を促すように決断した。
 即敵軍とは言えないだろう。だが輝術師として、いち人間として、あんな傷だらけの女の
子を放置したままというのは気が引けた。
「っ……!?」
 ガサリと、リノンが彼女に近付いてゆき、エリスが弾かれたように怯えた様子をみせた。
 何か怖い目にでも遭ったのだろうか。飼い主(?)の感情を察してか、勇敢にも仔狐は双
方の間に割って入り、フーッと威嚇の体勢を取っている。
「……大丈夫よ。そんなに怖がらないで」
 だから、そして不思議と、リノンは自分の頬が緩むのを自覚していた。フッと優しく微笑
みを寄越し、彼女達にそっと手を差し伸べる。
「怪我してるじゃない。大丈夫? 私輝術師なの。よければ手当てしてあげるけど……」
「……」
 暫く、少女は黙ってこちらを見上げていた。
 もう一度微笑んでおき、返答を待つ。
「……じゃ、じゃあ、お……お願いします」
 怪我は当人自身が一番分かっている。やがて少女はどもりながらも頷いた。その応答に、
仔狐の方も踵を返してぴょんと彼女の肩の上に戻っていく。
「オッケー、じゃあ行きましょうか。すぐそこにキャンプがあるから」
 優しく少女の手を取って、地べたなままの彼女を起き上がらせた。
 お姉さんのように穏やかな笑み。
 リノンはゆたりと身を返すと、ふわっとそのマントを揺らしたのだった。

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  1. 2012/11/30(金) 18:00:00|
  2. 死に損いのデッドレス
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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