日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(企画)週刊三題「水底語(ミナソコガタリ)」

──これから毎週、小説を書こうぜ?

毎週一回、ツイッタの「診断メーカー」で出たお題で小説を書いてみるという
自己鍛錬、 それがこの『週刊三題』であります。
さてさて。紡がれる文章は良分か悪文か、或いは怪文か?
とある物書きの拙文晒し、此処に在り。

【今週のお題:海、橋、先例】


 この惑星(ほし)が“水の惑星”と呼ばれて誇らしげだったのは、どれくらい昔の話だっ
たのだろう。
 少なくとも今日びそんな事を言おうものなら、自虐の台詞以外の何物でもない筈だ。
 人類は、海に怯えながら暮らしている。
 理由は色々あるが、一番の要因は頻発する大水であるだろう。
 自分達が生まれる前から、この星は着実に加速度的に、世界規模で熱帯化が進んでいた。
 ゲリラ豪雨、というのはご先祖さま達が作り出した言葉だそうだ。
 始めの内はうだるほどの暑さと快晴であっても油断できない。ふと気付けば空はみるみる
内にどす黒く曇り、慌てて逃げ出す頃にはまるで空襲でも受けているかのような豪雨に見舞
われる。空からも海からも、大水が不定期に──しかしそう間髪を入れる訳もなく襲ってく
るのである。
 まだ、ご先祖さま達の時代は、それでも猛威を振るう水と闘おうとしていたようだ。
 大水が振り注ぎ沿岸に押し寄せても、彼らは何度も人力や機械で排水を繰り返し、時には
地下に巨大な貯水・排水施設を造ったりして闘ったらしい。
 だが……追いつけなかった。歴史は物語っている。
 ヒトが抵抗して堅固な防壁を造ろうとすればするほど──いや、それ以前にそういった建
造スピードを上回り、年々大水はその威力もスパンも大きく短くしていった。
 ──結果。やがて人々は諦めるようになった。
 具体的に言うと、海と闘うことをやめて“棄て”始めたのだ。
 どうせ大水に呑まれるなら、わざわざ建て直すのは詮無い。そんな方針に変わってゆき、
大水に呑まれる街が出る度にその街は文字通り無くなった。再建することもなく海底に置き
去りにして──移住を繰り返す。
 今や潮位は年々上がっていく時代。
 じりじりと迫ってくる脅威の水量を前に、そうした諦観は最早確固たるものだと思える。
 何より、人々も大きく二つに分かれてしまった。
 残された土地に拘り、細々と貧しい生活を送る持たざる者達。
 或いは大地を諦め、海上に“浮島都市(トリトン)”群を造って移住した持てる者達。
 水の惑星──。
 それは今や、自嘲と諦観の響きと為っている。

『おーい、アームをくれ。瓦礫が固まり過ぎて進めそうにない』
 仲間が潜水服越しに船上へ無線を送っているのを横目に、ミユキは全身を包む浮遊感に己
を委ねて視界一杯の廃墟を眺めていた。
 こぽっと、酸素ボンベから吐息の泡が静かに昇っていく。
 ここは海の中。かつて大水で沈んだ街(かこ)が置き去りにされたままの場所。
 ミユキ達は潜士(ダイバー)という業者だ。
 その主な仕事は──ざっくりと言ってしまうなら、海の土建屋。或いは回収業者か。
 大水が地上を浸食し始めて百年近く。かつて人類は鉱脈などから金属の材料を採取してい
たが、地上がどんどん少なくなっていくことは即ちそうしたカネになる土地も奪われていく
のに等しい。
 故に、彼らの業者が生まれた。棄てられたとはいえ、かつての街は少なからぬ資材の塊で
もあるのだ。ダイバー達は手作業(と作業アームなどの機材)でそれらを掘り起こし、地上
に引き揚げて売り捌く。時にはその活動特性から、巨大な送電ケーブルの敷設など公共事業
の下請けに関わることもあるが、ごくごくたまの大仕事というのが常だった。
『オッケー、そのままひっぺ返してくれー』
『皆下がっておけよ。掘り起こしは上の操作が終わってからだ』
 海上の船団から作業アームが降りてきた。併設されたカメラ越しに、船上の仲間がアーム
を操作して自分達の行く手を遮る瓦礫──かつて街だった一部を剥がし、別のスペースに仮
積みしていく。
 その作業が終わり、続けてくれとの無線が返って来ると仲間の何人かがその瓦礫の傍へと
泳いでいき、掘り起こしを始めていた。
 基本的にこの商売は博打である。どこに再利用可能な──実際には溶かして作り直すとい
う方式だが──資材が混ざっているかなど分からない。
『んじゃ、俺達は本丸に行くとしますか』
『おう』『うまいこと資材が残ってるといいがなあ……』
 その間にミユキを含めた他のダイバー達は退かされた瓦礫の先へと泳いでいった。
 街が、一つ沈んでいる。
 基本的に一回の発掘作業(サルベージ)に対し、アタックするのは一区画というのが業界
の通例だ。いくら歳月を重ねているとはいえ呑まれた街は限りがあるし、何よりもボンベの
活動限界というものがある。本当はもっと深い場所にも沈んだ街があるのだろうが……。
 だからなのか、ダイバーに対する眼には二通りがある。
 一つは自分達のために体を張ってくれる、労いと仲間意識の眼。
 もう一つは、わざわざ“棄てられた”中に潜り続ける自分達を腫れ物扱いする眼だ。
 故に後者──多くが浮島都市(トリトン)の住人である──から、自分達は“モグリ”と
いう蔑称で呼ばれることも少なくない。
 水底に潜り、棄てた街(かこ)に拘って新しい時代(トリトン)に与しない変わり者──
そんなニュアンスがあるのだろうと思う。
 だが、ミユキはかねてからそんな論理を理解出来ないでいた。
(過去を、僕らはそう簡単に“棄て”られるものなんだろうか……)
 ゆるゆると両脚をバタつかせて、仲間と共に水没した街の中をゆく。
 確かに大水に呑まれ、街としての機能は死んでしまったが、こうして今も残滓は残り続け
ている。そこから掘り起こされるのは何も無機的な資材だけではない。写真や生活用品など
といった、確かにかつて此処で多くの人々が生きた証もまた残っている……。
(ん……?)
 そうして仲間達の資材探しを遠目にしていた時だった。
 ミユキはふと、骨組みばかりになった一件の家にノートが数冊遺っているのを見つけた。
 一応硝子の容器に収まっているが、それでも少なからず損傷は進んでいるようだ。表紙を
見てみるに、Diary──日記とシンプルな刺繍文字が書かれている。
 やはり、ここにも命はあったんだ。
『おーい皆、そろそろ上がってくれー。一旦集めた分を選別したい』
 するとミユキ達ダイバー全員に、船からの無線が届いた。それを聞いて仲間達も、回収し
た資材候補を入りのカーゴを巻き上げ用のチェーンに装着させたり、思い思いに一息をつい
て浮上し始めている。
(……今日は、こんなものか)
 見れば自身のボンベも残り少ない。
 ミユキは片腕に硝子ケースを抱えたまま、ゆっくりと浮上していった。


 浮島都市群を《トリトン》と銘打つように、自分達地上に残った人間達の集落にも一応、
対比される呼び名がある。
 高台街。通称《ニアース》──地上の傍という意味合いらしい。
 行ったことは、資材の取引交渉の一団に加わった過去数度しかないが、トリトンが潔癖と
形容できるならこちらは猥雑とでも言うべきだろうか。
 とにかく、色んなあばら家がごちゃまんと建っている。
 元より限られた地上であり、加えて高潮対策に集落自体が高く高く盛った土地の上に形成
されていることもある。いざ大水が来ても、少しでも受け流せるように、高台同士をいくつ
かのブロックに分けてその眼下を排水ルートにしている──離れ小島的な構造になっている
のも窮屈さの一因だ。
 ミユキは、引き揚げ作業から寝床に帰って私服に着替え直すと、そんなおしくら饅頭的な
街並みとそれらを結ぶ橋をいくつか通り過ぎてとある小さな店に足を運んだ。扉を開けると
聞き慣れたカウベルの音が鳴り、カウンターの奥で何やら作業していた大柄な男がひょっこ
りと顔を出してくる。
「やあ、儲かってるか。シジマ」
「おおミユキか。ぼちぼち……と言いたいが、あまり芳しくないのが本音だな。まぁそれは
うちに限ったことじゃないんだが」
 カウンター越しにコツンと互いの拳を合わせて挨拶を。
 ミユキは、この馴染みの修繕屋(リペラー)の厳つい顔に「そうか」と短く神妙な面持ち
を返す。自分達のような生産者よりも、彼ら仲買関係の者がずっと貧しさを知っている。
 店内には、中から掘り起こされた品々が修復され、ガラスケースの中に陳列されている。
 これが彼のようなリペラーの仕事だ。ある意味ダイバー達の得意先の一つと言ってもいい
かもしれない。
 水底から掘り起こせるのは、何も資材だけではない。誰とも知らないかつての生者らが遺
した雑品もまた少なくないのである。
 たまに金持ちのコレクターが自己満足で買っていくことはあるが、基本的にそうした部類
の品はこうして彼らによって磨き直され、再び自分達二アースの住人が使い回す。
 ミユキ自身、本音を言えば資材を掘り起こして云々というよりも、こういった再利用のさ
れ方のほうが好きであったりする。
 ……尤もそれ故に、ダイバー仲間からはカネに頓着しない変な奴、という評を貰っていた
りもするのだが。
「まぁ愚痴っても仕方ねぇわな。お前が来たってことは、また何か雑貨を?」
「ああ……。雑貨というにはちょっと遠いんだが……」
 ぼんやりと脳裏に思考が過ぎる。だが次の瞬間シジマに言われて、ミユキは肩に引っ掛け
ていた鞄から例の物を取り出す。
「……これは。日記、みたいだな」
「ああ。サルベージ中に見つけたんだが……解読できるか?」
「俺を誰だと思ってる? シジュクー・ニアース随一のリペラー、シジマ様だぜ?」
 言ってシジマはにんまりと笑ってみせた。
 ミユキは苦笑しながらケースごと日記を渡した。ちなみに随一というのは彼の自称だが、
一々皮肉を返しても面倒なので黙っておくことにする。
 早速シジマは拡大鏡を持ち出して、ボロボロになった日記の紙面を見ていた。
 ミユキが覗き込んでくるのでちらりと一瞥、拡大鏡ごと作業スペースのこちらに移してき
ながら彼は言う。
「こいつは……ただの日記、じゃなさそうだぜ」
「ただの? どういう意味だ?」
「破れて字が分からない所もあるが、こりゃあ全部水害の記録になってる。多分この手記の
書き手が見聞きしたあちこちの水害を書き留めてたんだろう」
「……」
 ミユキは息が詰まる思いになった。
 生きていた。その証はやはりあったのだ。なのに自分達はそんな街(かこ)を棄ててのう
のうと生き延びている……。
「だがなぁ。妙なんだよ」
「え?」
 しかし、一方のシジマは別な思考で眉を顰めていた。
 疑問符と共に顔を上げるミユキに、彼は拡大鏡から顔を離して告げる。
「この手記には“未来の水害”まで書かれてるんだ。俺の記憶が確かなら、あそこが沈んだ
のは三十年ほど前だ。だが……日付はそれよりももっと先の水害まで書いてある」
 今度は、また別の意味で、驚愕で息が詰まる。
 どういう事だろう? ただの日記ではないというのか、それとも書き手の創作なのか。
「……じゃ、じゃあその先の水害というのは、何時──」
 そしてミユキが聞こうとした時だった。
 にわかに、外が騒がしくなった。人々の重なる怒声が聞こえてくる。
「……。何かあったのかな」
「さてな。いざこざは茶飯事だが」
 思考が想像中断され、現実が騒がしく声を上げている。
 シジマが言いながら「見に行くか?」と眼を寄越してきて、ミユキは小さく頷く。

 街の一角ではやはり一悶着が起きていた。
 シジマが言ったように、猥雑を基本性質とする各地のニアースでの雑多なトラブルは茶飯
事である。だが……今回のそれは、少々毛色が違っていたと言えるだろう。
「なんでだよ! これで十八週連続だぞ! 俺達を見捨てる気か!?」
 二人が駆けつけた先には、既に人だかりができていた。
 ざわざわと住人達が──少なからず睨むような眼を送っている中、口論をしている当事者
はダイバー達とスーツ姿の男達だった。トリトンから資材買取に来た役人たちである。
 ミユキが眉間に皺を寄せながら見遣っている中、シジマは周りの住人達から何があったの
かを訊く。その話を総合すると、どうやらまた買取レートが落ちたのだそうだ。
「……欲深い連中だな」
「買い取ってやってるだけでもありがたく思って欲しいのだがな?」
「けっ! やっぱトリトンの連中はそうやって他人を見下すのが仕事ってことかよ!」
「お前らの浮島だって、俺達が必死こいて集めた資材で作ってんだろ? ありがたく思えっ
て言葉、そっくり返すぜ」
「それに海中に這わせてる送電ケーブルだって、俺達のご先祖が造って代々メンテしてきた
んだって事忘れてんだろ? つけ上がるのもいい加減にしろよ……!」
「ケーブルを使っているのはお互いだろう? 私達は安く確実に業務を遂行できる相手に発
注しているだけだ」
「モグリ風情が偉そうに……」
「何をぉッ!?」
「てめぇ、もういっぺん言ってみろ!!」
 一言で形容するなら、一触即発だった。トリトンとニアース、互いの主張はまるで噛み合
う気配はなく、只々相手に嫌味をぶつけ合うだけだった。
 それでも、今この場がニアースということもあって威勢に関してはまだこちらに分がある
ようには見える。
「止めるんだ。ここで取引が潰れたら僕達が皆、食うに困るんだぞ?」
 しかし、今にも殴り掛かりそうな仲間らを、次の瞬間ミユキは割って入って止めていた。
 彼らの言うことは事実だ。自分達が資材を掘り起こしてくることで、各地のトリトン建造
効率が上がっているのは事実だ。
 だが……それを言質に辛うじて維持している取引上の信用を壊して、誰も得はしない。
「だ、だけどよお……!」
「ミユキお前、トリトンの連中の肩を持つ気か!?」
「誰もそんなこと言っていないだろ。何でそうトリトンだニアースだって分けたがるんだ」
「ふむ。まぁそれはともかく、いち商売人としては感心しねぇな。感情に任せて大口の取引
先を潰してどうするよ? お前ら、仮にそうなって皆に責任取れるのか?」
「……っ」
「シジマ、お前まで……」
 商人の一人としてシジマも加勢してくれ、ダイバー仲間達は悔しそうに顔を歪めていた。
 感情的な勢いに全てを任せることは看過できない。どれだけ大声を出そうとも、自分達が
持たざる者であることには変わりはないのだ。むしろ皆々の状況を危うくするのであれば、
そこは抑えるべきだとミユキは思う。
 何より──こうしてAかBかで人間で語られることに、強い違和感があった。
 それまでざわついていた場が、徐々に波を引いていった。
 その間に、役人達は静かに嘲笑するようにして踵を返して去ってゆく。鬱憤をぶつける相
手が退場したことで、住人達はこれ以上騒ぎ立てる術を持てなくなっていた。
「……ミユキ、やっぱお前は“おかしい”よ。人が良過ぎるっていうかさ……」
 ダイバー仲間からの言葉に、ミユキは答えなかった。唇をきゅっと横に結んで背を向け、
自ら人だかりの中から出てゆく。その後を、のしのしとシジマも追ってきた。
「何で……こんなことになるんだろうな」
「区別差別は人間様の十八番だろ。今も昔も大して変わりゃあしねぇよ。……それより」
 ぽつりと、人だかりから充分に距離を取って呟いたミユキに、シジマは自嘲めいて応えて
からフッと神妙な顔つきになる。
「ここ暫くの相場の下がりようは異常だぜ。商売の基本で考えれば資材の需要自体が減って
きているからってのがセオリーなんだが……」
「だが?」
「少なくとも俺の眼じゃあここまで下がるほど需要が落ち込む要因が見当たらねぇんだよ。
もしかしたら、もっと別の理由なのかもしれん」
「別の……。例えばそれってどんなものがあるんだ?」
「……。例えば向こうの金の使い道が変わってきてる、とかな」


 夢をみた。
 やけにリアルだったけれど、これは夢だと思った。思いたいという弱い自分がいた。
 見慣れない街だった。自分の感覚からすると「古い」という印象だった。少なくとも自分
の知るニアースではないらしい。
 自分は、気が付けばそんな街を遠く空の上から見下ろしていた。
 ここからだと小さいが、たくさんの人々が行き交っているのが見える。現在では──それ
だけの人数を収容できる土地自体がなく──かなり珍しい人口の密集に思える。
(……こんなぎゅうぎゅうな状態で大水が来たら、悲惨なことになるぞ)
 するとどうだろう。
 まるでそんな自分の思考をトレースしたかのように、突如として眼下の街に無数の津波が
押し寄せ始めたのである。
 街には、何て無茶をすると思うほど、多数の水路が走っていた。
 そこから海を逆流して溢れてきた大水が荒れ狂い、次々に建物を人々を呑み込んでいく。
 悪夢だった。今までダイバーとして、この水害の時代に生きる一人として、何度も大水に
呑まれた街を見てきたが、はて夢なのにこんなに生々しいものなのか。
 いや──違う。重ねているのだと、ややあって気付いた。
 自分もまた、亡くした一人だ。
 まだ子供の頃、自分は肉親と故郷の両方を大水によって奪われたから。
 最初こそは恨んだ。何故こんな運命を世界は自分に自分達に課すのかと。
 だけど、ダイバーとして海と向き合う中でいつしか思うようになった。自分達は……そう
いった犠牲(かこ)の上に生きている。ならば、生きる──憎しみに囚われるずに彼らの分
まで生きることが、他ならぬ彼らへの供養になるのではないかと。
 それが……生き残った一人としての贖いではないかと。
『──ナ、ゼ……ッタ?』
「ッ!?」
 だから次の瞬間、ごうごうとせり上がって来る水面に浮かぶ無数の亡骸が、
『何故、私達ヲ見捨テタァァァッ!!』
 くわっと、一斉に血塗れで腐り落ちたその顔を向けて怨嗟を叫んだ時も、その思考だけは
頭の中に縫い付けられたように張り付いていて──。

「──っ、ぁッ!」
 弾かれるようにして、ミユキは寝床から飛び起きていた。
 布を何枚か重ねただけの古びた安物ベッド。他の大きな荷物は机や箪笥程度の最低限度の
家具くらいしかなく、ただでさえ殺風景で狭い部屋がもの侘しい。他の人間と違う所がある
とすれば、洗い桶を下に敷いて干してある潜水時のウェットスーツくらいか。
 肩で激しく息をつく。額からは気持ち悪い汗が流れている。……正真正銘の悪夢である。
「……」
 大きくため息をついて、ミユキはゆっくりと身を返してベッド横の棚に手を伸ばした。
 そこにあったのは、先日サルベージ中に見つけてきたあの日記だった。
 あれから一度はシジマらリペラーに売ったのだが、使用済みのノートを好き好んで買う人
間はながらいないだろうとの結論に至った。
 何より書いてある内容が内容だけに、買い手も精々酔狂なコレクターだろうという。それ
を聞いて、結局シジマ経由で再び返して貰ったのである。
 個人的な思いだが、度重なる水害への嘆きを込めたこの“記憶”をただのコレクター的な
顕示欲・自己満足に使われるというのは、正直いい気がしなかったということも実は理由の
一つにあったりする。
「ミユキ、起きてるかっ!?」
 そんな時だった。はたと忙しなく、部屋のドアを叩く音と仲間達の声が聞こえてきた。
 部屋も真っ暗だし、外も音から察するに激しい雨だ。きっと海も荒れている。
 こんな時間に急な仕事が入ったとも思えない──。それでもミユキはベッドから身体を起
こしてドアのかんぬきを抜くと、見るからに血相を変えたダイバー仲間達と顔を合わせる。
「どうしたんだ? こんな時間に……」
「た、大変なんだよ!」
「外の音が聞こえてないのか? 大水だよ!」
「チョダのニアースが呑まれたんだ。今、周りのダイバー連中で救出活動に向かってる」

 報せを聞き、ミユキも急いで支度を済ませるとダイバー仲間達と合流した。順次出航して
ゆく船に乗り込んで大水が押し寄せたニアースまで急行する。
 しかし──その結果は散々だったと言ってよかった。
 元より荒れた海であるのを承知で向かったということもある。それでも大水に呑まれ、崩
壊してゆく同胞らの街を人々をもっと救えたのではないか? そんな疑問が長くミユキ達を
捕らえて離さなかった。
 遠く、かつて喪った者達の姿が、何度も脳裏を掠めては霧散していった。
『…………』
 それからも、短いスパンで大水は続いた。
 チョダのニアースを呑み込んだだけでは飽き足らず、海は数日に渡りふとして荒れ狂い静
まりまた荒れるを繰り返した。
 シジュクーのニアースに戻ったダイバーや街の住人達は、皆一様に沈痛な面持ちで席に着
いたまま、どうしても寡黙にならざるを得なかった。さして広くもない集会場はあっという
間に重苦しい空気で充たされていた。
「一昨日はドガワも呑まれた」
「今までも連続して荒れることはあったが、こう立て続けに呑まれるのを目の当たりにする
と流石にクるものがあるな……」
「救出できた連中はどうしてる?」
「街医者が手分けして看てるがどいつも早々立ち直れそうにないとよ。怪我以上にショック
の方がでかいんだとさ」
「無理もねぇな。助けたこっちがこんななんだ、相当グロッキーだろうぜ」
「……あまり呑気なことを言えたもんじゃねぇだろ。これからどうするんだ? ただでさえ
パイは多くねぇんだぞ。あいつらも全部こっちで面倒を見れるのか?」
 実際に救出活動に関わったダイバー達を中心に、集会の出席者達がしんと押し黙った。
 言いたくはなかった。だが現実問題、限られてくるばかりの土地でどれだけニアースの住
人達をフォローできるのだろう?
「……ここも、いつ呑まれるか分からねぇんだよな……」
 再び一人がごちて沈黙が降りる。
 重く重く、暗い影が一同の胸奥に差し込んでいく。
 ──その沈痛が憤怒に変わったのは、そんな中でのことだった。
『速報です! 先程浮島都市(トリトン)連合総会にて、火星移住プロジェクトの最終フェ
イズが可決されました! これにより、いよいよトリトン住民の実際的な移住が始動する事
になります』
 始めは少しでも場を解そうとしたのだろう。
 メンバーの一人が何気なくテレビを点けると、真っ先にホログラムの画面から現れたのは
そんな一報を伝えるアナウンサーの姿だったのだ。
 一同の目が点になる。沈痛ではなく驚愕のそれで、皆が息を呑む。
「何で……? 何で今になって、また……?」
 確かに、以前から他星へ人々を移すという話は何度となく持ち上がっていた。
 しかしその度に、自分達ニアースの住人は団結して抗議し、その計画を止めさせてきた。
トリトンの語るその内容は人類生存を御旗にした“間引き”に他ならなかったからだ。
 そんな不公平は認められない、多くを見捨てる政策は許さないと、粘り強く抗議を続けて
ようやく勝ち取った中止……の筈だったのに。
「……いや、むしろ今だからこそなんじゃないか? あいつら多分、こっそり計画は続けて
いたんだ。でもって、今回の大水で急かされたんだろう」
「このままじゃあトリトンも呑まれかねない……ってことか?」
「なるほどな。だとすりゃあここ暫く下がりっ放しの資材相場にも合点がいく。カネを回す
先が変わってたんだ。残ってる鉱脈は連中が独占してるし、宇宙に飛ぼうって代物を中古品
で賄おうって発想はねぇんだろう」
 呆然とする、その一人となっていたミユキの隣で、シジマが深く眉を顰めながら口を開い
ていた。
「それに……俺たちを見捨てる気なら、端から俺達を頼るなんて真似は奴らのプライドが許
さねぇだろうしな」
 ただでさえ厳つい顔。それがみるみる内に、秘めた憤りで険しいものに変わる。
「くそっ! トリトンの野郎ッ!」
「許さねぇ! またすぐにでも徒党を組んで……」
「で、でもどうするんだよ? 他のニアースはここん所の大水でクタクタなんだぜ? そん
な余裕があるのか……?」
 ざわめく面々。勇み立とうとする面々。大水(いへん)は全てを掻き乱していた。
 その間も、テレビのディスプレイはトリトンの遠景を移していた。
 シジマの推測を当て嵌めれば、今日の発表と併行して組立に着手したのだろうか、その浮
島からはそびえ立つように巨大な塔──シャトルの発射台が出現している。
「……ッ!?」
 突然ミユキがガタンッと椅子から立ち上がったのは、ちょうどそんな時だった。
 何だ? 面々がそう眼を向けてくる中、ミユキは驚愕で見開いた目のまま画面の中の巨塔
を睨み──そして弾かれたように集会場内の端末へと飛びつく。
「もしかして……。いや、でも……」
「ど、どうしたんだよ?」
「一体何を……」
「頼む、手伝ってくれ! 確かめたい事があるんだ! 此処一帯の海図と海流データ、あと
できる限り遡れるだけ遡った大水の発生場所のデータも!」
「え……? 何で……」「お、おう……」
 普段大人しい彼からは想像し難い、異常なまでの鬼気ともいえる様相だった。
 面々は戸惑いを隠せなかったが、それでも彼の気迫に押され、共にニアースが共同で溜め
込んでいる海のデータを引き出してやる。ミユキの手元、ホログラムなディスプレイに三種
類のデータが照合され、やがてそれらは一つの図面に成ってゆく。
「……やっぱり、そうなのか……」
 予感は核心に。想起しても望まなかったもの。
 ミユキはディスプレイに示されたそれらを見つめて、そう愕然とごちていた。何だ何だと
面々が怪訝の様子で、わらわらと彼の後ろから画面を覗き込もうとしてくる。
「なぁ、一体さっきから何を見てるんだよ?」
「…………。海に重たいものを浮かべようとしたらどうなると思う?」
「は? そりゃ沈むだろ。浮力が付くような加工でもしてない限り」
「そうだよ。……トリトンは、重くなり過ぎているんだ」
 言ってミユキが振り返る。その背後には、点々と赤く塗られたエリアが図面上に静かに表
示されている。
「僕は学者じゃないから、推測にはなる。だけど……こう考えると全部に説明がつくんだ。
いいか? シジマの言う通りトリトンが以前からこっそり移住計画を──その為に宇宙船や
ら何やらを造っていたとしたら。トリトンは、今急激に自重を増やしていることになる」
「ト、トリトンが沈むって言いたいのか?」
「でもあそこは海底に何本もアンカーを打ってるし、何より浮島じゃねぇか」
「うん。浮島なんだよ──所詮は」
 面々の多くが、大きく頭に疑問符を浮かべていた。
 そんな反応を、何より自身のはたと抱いたイメージを必死に言語化しようとしているよう
に見えた。ミユキは身振り手振りを交えながら、己を落ち着かせるように続ける。
「結論から言う。ここ暫くの大水の原因には、トリトンが少なからず噛んでる。浮島都市と
いっても、海全体からみれば結局は“ただの漂流物”なんだよ。もしその重量がかさんでい
けば……やがてその圧力は真下の海水、ひいては周囲に波及して拡がって──大波になる」
『──ッ!?』
 そこまで言われ、ようやく面々は彼の意思に気付いた。
 本人は推測だと前置きしていたが、一連の大水は天災ではなく……人災ではないのかと。
 語られたイメージはすぐに皆の頭の中で共有できた。真上から水面を押せば、その威力は
波紋となって周囲に円を描いていく。
「その証拠に……このデータだと、起きてる大水の約七割が各トリトンを中心にした同心円
上にある。これを偶然だとするには、無理があるんじゃないかと僕は思う」
「そ、そんなことが……」
「で……でもよう。お前でも気付けたなら、何で肝心のトリトンは何もせず知らせもせずな
ままなんだよ? 学者なら向こうにゃごまんといる筈だろ? 何で──」
「知ってたからこそ、じゃねぇのか?」
 ミユキの言葉を継いだのはシジマだった。
 彼もまた友人の語る仮説から自分なりの推理を広げていたのだろう、問い返そうとした仲
間の一人に被せる形で、彼は顰めた険しい表情を更に強めて言う。
「気付いてなかったってことはないだろうよ。でもだからこそ急いだんだ。始めはシャトル
じゃなかったかもしれねぇが、都市を大きくしていけばいずれ同じ事態にぶち当たる筈だろ
うからな。……その実、かなり焦ってたんじゃねぇかね」
 目を瞬き、皆の疑問は直感的確信へ。それは、つまり──。
「いつか自分達の街も呑まれるかもしれない……。折角ニアースを離れたのに同じことにな
るなら、絶望の一つ二つしたろうさ。だからこそ急いだ。俺達かつての古巣の訴えを無視し
てでも……他星(しんてんち)に賭けようとした」
 面々は黙り込んでいた。
 いつも自分達もを見下してくる奴らも、少なくとも技術的な知識のある者や上層部は、同
じ不安を抱えていた。
 では同情できるのか? そう問われると……否のままだ。そう簡単な理屈じゃない。面々
は各々に揺れるものを抑え込んで言い聞かせる。
 だって彼らは──“この星を棄てる”気なのだから。
『ッ!?』
 次の瞬間だった。
 冷や水を思いがけず浴びたように、しかし釈然ともしない怒りの余韻の中で、はたと街中
に大きなアラーム音が響き渡り始めたのだ。
「これって……水害警報?」
「くそっ! まだ前の一件だってろくに片付いてねぇんだぞ!」
「おい今度は何処なんだ!? 何処に大水が来る!?」
 にわかにドタバタとする面々。弾かれたように技師クラスのメンバー達が警報プログラム
のチェックに掛かる。
「……これは」
「ど、どうした?」「一体何処なんだ?」
 すると、彼らは今まで以上の顔面蒼白ぶりで凍り付いていた。
 ミユキから彼らへ。今度はそのディスプレイ──デジタル地図の前に皆が集まり、問う。
「……カスミゼキ。トリトンの、本丸だよ」


 海の猛りはヒトの区別などお構いなしということか。
 急いで船団を出航させたニアーズのダイバー達は、まるで世の終末を見るかのような光景
に呆然としていた。
 トリトンが──人の英知を結集させた筈の浮島都市が、崩壊してゆく。
 始めは全方位から飛び出し、やがて逆流する大波。続くのは都市の真下からせり上がって
くる海水。
 ミユキが気付き、推理した通りだった。
 今トリトンはまさに己の重さが作り出した大水(はんどう)をもろに受け、脆くも崩れ去
ろうとしている。美麗な建材で飾られた街並みも、新天地を目指して建てられようとしてい
た発射台も、全てが繰り返される大水に破壊されては呑まれてゆく。
「……あっけないもんだな」
 誰かが皆を代表するようにそう呟いた。
 既に実働のダイバー達は、金属製の命綱で船体と繋がった状態で海に入り、トリトンから
放り出された人々の救助を試みている。
『──助けに? トリトンの連中を?』
『何言ってんだよ? あいつらは散々──』
『トリトンの住人もニアースの住人も人間だ! あれだけ“見捨てられる”って徒党を組ん
でおいて、いざ“敵”が呑まれたら見捨てるってのか? そんなの……間違ってる!』
 始め、ニアースの面々は救助活動には消極的だった。敵を救いに大波に向かうなどと。
 だがそんな彼らをいつになく強い口調で説き伏せたのは、他ならぬミユキだった。
 トリトンだのニアースだの関係ない。
 大水に呑まれ死んでいく人々を自分達で作るのか──? そう訴えた彼に、やがて面々は
渋々と承諾し、こうして船団を出したのだ。
「……」
 ミユキもまた、いちダイバーとしてその活動に加わっていた。
 ぐっしょりと濡れた潜水着、冷たい海水に晒され激しく消耗する身体。今し方一人引き上
げたが……もう彼には意識はない。
 日が確実に沈み始めていた。遠くで今も崩壊を続けるトリトンは、まさに斜陽──夕陽を
背景に海の藻屑への道程を進んでいる。
「視界が悪くなってきたな……。おい、ライトを焚け! 今夜が山場だぞ!」
 一旦消耗した身体を休める為にミユキは船に上がったが、救出活動は陽が落ちても明かり
を点けて続行された。船団にはトリトンもニアースにも一緒くたになり、疲弊した人々の顔
がずらりと並ぶ。
「悪夢だ……。まさかトリトンが沈むなんて……」
「これから、どうすればいいんだ……」
 嘆きが船のあちこちから呟かれ、聞こえてくる。
 ミユキは胸が痛んだ。だが同時に、ある想いも一方で身体を満たしていくのが分かる。
「……多分、海は僕らにここで生きろと言っているんだと思う」
 ぽつと、ミユキの口からそんな言葉が衝いて出ていた。
 仲間達が頭に疑問符や怪訝の表情を浮かべている。当たり前といえば当たり前だが、助け
出されたトリトン住人らは不快な様子だった。
「多分、捨てちゃ駄目なんだと思う。繋げなくてもいい。でもずっと続いてきた命(もの)
を僕らが断ち切ろうとしたから……怒ったんじゃないかな」
「……迷信だ。これだからモグリは──」
「おいおい。助けて貰ってその言い草はねぇだろ」
「ま、あいつは元々ヘンテコだからな。あんまり気に留めなくてもいいんじゃねぇの?」
 それでもミユキは、誰にともなく呟いていた。途中で双方から白い眼で見られたり哂われ
たりしていたが、彼らがそう思うには実に“現代人”らしいとも思う。
 ちらと一瞥を遣ってから、ミユキは再び闇と人工の明かりに彩られる水面を眺めていた。
 ──もしかしたら、あの手記は創作以上に、予見(みて)いたのではないか。
 今も昔も繰り返される水害に苦しみ嘆く人々を見て、それでも尚書き手は不安に思ったの
ではないか。
 どうせ失うなら、始めから離れればいい──。
 そうしてそう遠くない未来、人々が“地に足”をつけなくなる日々が来るのではと。
 確かに迷信だ。生存を考えれば、トリトンの選択が100%間違っていたとも言えない。
 だが……あの夢、手記の記憶がただの夢想でなければ、いやもしかしなくてもきっと、こ
の水底に棄て置かれたのは街の残骸だけでなく、彼らの魂──無念も含まれているのではな
いのか。
 だとすれば、海が怒り狂うのであれば……征服も放棄もせず、ただきちんと向き合うこと
が彼らへの供養になるのではないだろうか。
(……まぁ確かに、僕は変わり者かもしれないけど……)
 思わず静かに苦笑する。
 取りようによっては不謹慎ともされかねない思考に、ミユキは自嘲する(わらう)。
 でも、巡っているのだと思うのだ。現に今、こうしてトリトンもニアースも一緒くたにな
って此処にいる。
 
 憎み引きずり込もうとするから、捨て(にげ)られる。
 捨て(にげ)ようとするから、憎まれ引きずり降ろされる。
 何処かで止めなければならないのだ。
 きっと……何処かで互いが“踏み止まる”ことをしなければならないのだ。
                                      (了)

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  1. 2012/11/14(水) 18:00:00|
  2. 週刊三題
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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