日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)理性と情動の双制御卓(ダブルコンソール)

残暑が厳しいざんしょ(゚д((☆ミ⊃(゚д゚ )
いや、本当に暑いですよね……;先週は殆どヤラれてました。お久しぶりの長月です。

既になろうさんの活動報告(8/23付)では言及しましたが、今月から自身の更新速度を少々
落とすことに致しました。
元より病身──体調面からのキャパシティは勿論、読者さんや何よりも自分自身がその時点
で納得のできるクオリティを維持できる、それだけの思考力・感性が、現状のペースのまま
ではいつしか折れてしまう、途絶えてしまうと(いう危機感が以前より少なからずあった)
今回のダウンで以って再確認した──踏ん切りを付けたからとでも言いましょうか。
ですので、今後は長編に関しては『月一回更新』を基本とし、そこに空いたゆとりを適度に
利用することで単発・新作を含めた柔軟な創作活動ができればなぁと考えています。
(まぁ三題は物書き練習として継続していますし、創作欲も消えた訳ではないのですが)

ただでさえ亀足な(小説関係の)更新に拍車が掛かってしまうかとは思いますが、今後とも
気長にお付き合い・交流頂ければ、拙作らで以って貴方の愉しみや糧が創り出せれば、 作者
としてもこれ幸いでありますm(_ _;)m<申し訳ない……

あ。連載の執筆は、随時カラダと相談しながら続けています(現在二十九章)
ツイッタ(小日記?)で進捗状況なども呟いているので、併せて確認して頂ければと。


──自分という人間は、どう足掻いてもフィジカルに強くは為れそうにない。
だからこそ、思考力・感性という頭脳労働なフィールドに自分は己のアイデンティティ──
というのは言い過ぎかもしれませんが──を見出している。節がある。
なのに暑さや日々の雑事故に思考力が削がれ遮断されてしまうのは、否定され続けるのは、
この手のタイプの人間にはある意味最上級の苦痛のような気がします。
僕が夏を苦手としているのも、少なからぬ割合で「思考力=自分の意義を奪われる」という
図式を、気候が無理やりにでも再現してくるからなのだと思います。

特に昨今、僕の中でのその「思考」とは即ち「価値観の共存をどうすべきか?」という問い
と不可分であるように思います。
拙作ユー録でも、第Ⅱ部では一国を二分する新旧──革新(開拓)派と保守派の対立を軸に
描いたつもりです。物語は(ノンフィクション系でない限り)夢想のセカイではあります。
でもやはり僕は……それらセカイに触れた時、身勝手な願いかもしれませんが、手に取って
くれた彼らに今僕らが生きているこのセカイについて何かしら想って欲しい。それは娯楽志
向というよりも思索志向という僕自身の性質からしても否めない所な訳で……。
だけど、近頃僕は思ってなりません。
だけど、どうにも無力さを覚えます。
圧倒的なリアル──国同士の紛争・個人や組織同士の諍いが絶えないこのセカイの胸糞悪い
エネルギーの総量に、僕は僕らは何も変えられないんじゃないか? 言葉程度で治まる次元
を超えているのではないか? そう何度も後ろ向きな疑心が途絶えることはなくて……。
以前の雑記でも、僕は『共生するのではなく、共棲する方向の方が無難かもしれない』と
いった旨の思考を捏ね回しています。
厭になっている、と言えばそうなのかもしれません。
だけど、いくら理想論的“みんな仲良く”を望んでも、現実を見渡してみると国レベル勢力
レベル個人レベル──そのどの段階においても、如何に今の時世、人々というのは自身の
「価値観」を譲らないか……。
(間違いなくその“死守”ぶりが拘泥が、事態を拗れさせているとしても)
一昔前の僕ならば、それを「理性的でない」と一蹴していたと思います。
実際、今でもできる事なら理知的で在ることを世の人々に徹底させてやりたいくらいです。
しかしです。きっとそれは、考え抜くほどに“いけないこと”なんでしょうね。
『○○は△△だから正しい』そういった方程式を論ずる者はよく使います。
でもそれは、必ずしも“当事者にとっての正しさ”じゃない。もっと言えば“彼の者が望ん
でいる正しさ”じゃない。
快楽主義的──そんな批判はあるでしょうし、僕も基本はそういった眼です。
だけど争うことの本質は、その奥の奥というのは、結局の所『俺の価値観じゃなきゃヤダ』
なのだと思うのです。どこまでも“自分勝手”なのだと思うのです。
そこに“理性”の出番は少ない。或いは無い。ただ自分が侵される──他者からの侵奪に対
するアレルギー反応のようなものなのかなぁ?と、近頃は自身の考えを軌道修正しつつある
ように思います。
要するに『Aもある、Bもある、Cもある』それを許すということ。
だけどただ“理性的”な自制で以って“寛容”であることは、多分これから何百年掛かって
も人間にはできないのかもしれないと考え始めています。
それは、表看板はそのままに“だって不要じゃない”で“干渉しない”というスタンス。
どれだけ誰かの相容れない価値観にイラッと来ても、そこで相手を「倒す」という選択肢を
(最大限に最優先に)採らないというアプローチなのです。

私的なケーススタディで恐縮ですが、先日僕は家人と喧嘩(?)をしてしまいました。
テレビのバラエティ番組に齧り付いている妹と、その電波箱からの喧伝を厭う僕。
定時ニュースくらいしかテレビを見ない僕に彼女は「面白みが無い」と言い、僕が知識教養
にもならない他人の雑談に時間を割くのが勿体無いと返すと「器が小さい」と罵られ……。
流石に僕も、カチンと来た訳です。
「器が小さいのはどっちだ? これだけテレビに依存する事の弊害を説いているのに!」
だけど、これまでも折につけて齧り付くのは宜しくないぞと言ってきたにも関わらず、彼女
はまるで聞く耳を持ちませんでした。更に己の視界窄狭を棚に上げて罵ってきたのです。

……さて。賢明な貴方なら、もうどういう論旨になるかは分かるかもしれませんね。
“甲斐が無い”んですよ。
どれだけ此方が“正しい”ことを語っても、相手にとって望む“正しさ”でなければ受け入
れては貰えない。仮にこちらの言い分に頷いてくれたとしても十中八九それらは「論破」で
あり、彼らの「納得」には中々なり得ない。往々にして相手への「憎悪」を育むだけな結果
を招いてしまう。
言葉の無力さ、理性は感情を御せない、何より馬が合わない相手とは……やっぱり合わない。
嗚呼、こんなに身近な処にあったのか──。
分かって貰えない苛立ちや不満で一人、自室で悶々としていた僕に次の瞬間過ぎったのは、
そんな暗い光を放つ感慨でした。
“説得”は、しない方がいい。少なくともそれが貴方に課された職責でもない限り。
物書きだってそうです。
○○だと相手に強制するのではなく、○○があるよと示す──ただそれだけ。
それ以上勝手に踏み込むことはすべきじゃない。そこでこちらが顔を顰める価値観に彼の者
が与するとしても、それを「攻撃」する“正しさ”なんて無い。あっちゃいけない。
一色だけに塗り替えなくていいんだ。たくさんの色があっていい。
だけどそれは単に許容する心「だけ」じゃなくて、ある意味でもっと淡白に割り切って互い
のボーダーラインを超えないという約束事を守る(ルールに則る)。そういう発想。
故に、理想論的な希求とは少なからず性質が違ってくるのかなと思うのです。
(希求する厳格さの違いとか、ヒトに対して想定する“温度”とか。共生というユートピア
よりも、共棲というプラグマティックを考えているのはこれらが故)

今日、僕らはあまりにも感情を煽られ過ぎている気がします。正直、これは「衆愚」です。
喫緊の例を持ち出せば、領土問題などに伴うナショナリズム(を選挙戦略に利用される等)
といったものでしょうか。
冷静になれと言っても、一度動き出した情動は中々止まってくれません。一度防波堤を超え
たエネルギーは距離を置きたがる者も含めて只々周辺を掻き回すばかりです。
理想を棄てる……という訳ではありません。
正しさとは何か? それを知りたいから僕はものを考えるようになったし、創作活動をして
いると言っていいと思います。
だからこそ、僕はただ唱え、彼らの気勢に蹂躙されるばかりではなく、彼らに一度でいいか
らストンと入り込む言の葉を紡ぎたいのです。そんな物語セカイを創りたいのです。

防波堤(りせい)をガチガチに硬く高くしても、情動のエネルギーはきっといつかそれらを
超えていってしまうでしょう。だったら自他が互いにその力を捌けるようにした方がずっと
建設的だと思うのです。
理想論的な「善き倫理」が個人の中に設える制御卓(コンソール)だとすれば、巷の価値観
の殲滅戦を許さない──境界線を超えさせない仕組みは、社会などの外枠からのコンソール
でありましょう。
だからきっと、物語を書いて伝えたいことはその両方の眼でアプローチするべきなのかもし
れないなぁと僕は考えるようになっています。“夢”だけでなく“現実”の臭いがするよう
なセカイを描きたいなぁと思うのです。

……尤も、そういう欲望自体、結局は「相手を説き伏せたい」衝動なのでしょうけどね。

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  1. 2012/08/27(月) 00:00:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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