日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)侵・境界(ボーダー)性症候群

お盆です。サブカル畑的には夏コミですね。
先祖供養の方もコミケ組の方もお疲れ様です。こんにちは、長月です。
本来、時節的には前者──墓参りなどをすべき日和とされているのでしょうが、生憎自分は
結局行かずじまいになりそうです(一応実家の仏壇には手を合わせておきましたが)。

しかしまぁ、この時期は色んな事象が駆け足で過ぎ去ってゆく数日間だと思います。
晩夏から秋口へという季節の移り変わりは勿論のこと、人々の動きもまた同様に。
今年を例にするならば、猛暑の和らぐ(ように見える)ここ暫く。夏コミとそれを中心とし
たサブカル界隈の賑わい。オリンピックの閉幕や、まるでこの頃合を待っていたかのように
駆け足で進められる政治の重要法案(ACTAとか消費増税とか)の採決など(=_=#)
個人的なことも含めれば、先日連載(ユー録)の二十八章をUPした事でしょうか。

──そしてはたと気付けば、昨日(8/12)はなろうさんで同作の連載を始めて丁度一周年。
しかも30000PV・3000人超えという節目も同時に迎えることが出来ました。
拙作は硬い・長い・臭いの三拍子が揃っているにも関わらず……嗚呼、ありがたや(-人-)
既にツイッタや活報でも記していますが、創作活動の拠点であるこのブログにおいても改め
て感謝御礼申し上げますm(_ _)m

願わくば、今後とも拙作たちが貴方の愉しみや思索の糧、その一助となりますように──。


連載から……早一年。
気付けばあっという間に駆け抜けていった365日でしたね。
元々の世界観は厨二病時代(?)からあったとはいえ、本格的に長編をウェブ上にUPして、
加えて連載として続けるなど初めての事でしたから正直不安はありました。
それでも──ファンタジーという分野が故の食い付き易さもありましょうが──連載開始か
ら一年後の今、これだけの誰かが拙作を手に取ってくれる。物語セカイを通じて何かをみた
のかなぁと思うと凄くワクワクして、嬉しくって。
「こっそりと頓挫凍結させる(エターなる)のを阻止する」目的もありますが、やはり創ら
れたものは可能な限りネット(そと)に出すべきなんだなぁと思います。
数値の上でアクセスを稼ぐ……というのではなく(それを含めてもあくまで副次的に)。
互いに色んな“セカイ”を渡り歩ける、その豊かさの一端に為れるって素敵だよねって。

僕は一時──いや折につけしばしば“この物語セカイ「だけ」でいいのだろうか?”という
不安というか、飢餓感のようなものを抱えることがあります。
ポジティブに捉えれば「もっと創りたい」という意欲の裏返しなのかもしれませんが、かと
いってそれを安易に実行し過ぎれば、今度はそれまで紡いできた物語達が相対的に“軽く”
なってしまうような気もして……。
時々、分からなくなります。足が止まってしまいます。
夢想の中であっても、現実(リアル)においても。
僕らは「自分のセカイ」を何処まで開拓するべきなのか。何を目処に他者との境界線を引け
ばいいのか。自分を“開く”ことも大事ですが、一方で適度に“閉じた”面も持つ──互い
に侵奪しないテリトリーみたいな部分も(理想としては控えめに)持っておくべき・持って
いるのではないかと思うのですよね……。

時節的にコミケを一例に挙げましょう。
既にご存知の方もいると思いますが、ツイッタ上でこんな内容の呟きが散見されています。
曰く『コミケ帰りに剥き出しの薄い本を提げて帰るな』云々。
(一応「?」になっている方の為に説明しておきますが、コミケ=コミックマーケットとは
日本最大規模の同人誌即売会です。「薄い本」というのは同人誌の別名ですね。そして全部
ではないのですが、概して現在の同人誌の少なからずは(二次創作的な)エロ本である場合
が多いのです)
要するに、彼らの主張というのは、
“同人誌(エロ本)を露出させてうろつくなどけしからん”という旨であると思われます。
他にも、曰く『普段エロ本を買う時はこそこそ隠れてやっている筈なのに、何故コミケの時
だけ剥き出しにするのか』『自分達が周りに迷惑を掛けているという自覚が足りない』等。
……最初に言及しておきますが、僕はヲタクの側です(ハードなエロスは苦手ですが)。
しかしかといって彼ら“一般人”の批判に「何糞!」と脊髄反射的に反感を示す……という
のも、個人的には与できません。スマートじゃないですし、不毛ですし。
これは学生時代の、サブカルコミュの顧問の先生の弁ですが『サブカルは所詮サブカル』だ
と思うのです。今日どれだけ市民権──人々に認知されている趣味嗜好分野であろうとも、
これらが人々にとって“異端文化”とされる限り、僕らサブカル畑の人間はやはり一般人様
に配慮しながら楽しむべきだと──ざっくり言えば「嗜み」を持とうぜ?って話で……。

ただ、現実に眉を顰める感性はあります。
わざわざヲタクをここぞとばかりに槍玉に挙げる必要性は、果たしてあるのかなぁ?と僕は
怪訝の眼を持ってしまうのです。
確かに実際、慎みのない輩が混じっているのは否定できません。
でも彼らはそこを梃子に、倫理的批判云々以前に批判ありき──「俺が不快だ」を正当化し
たいが為に上記のような理屈を持ち出している──ではないかと、つい自分は勘ぐってしま
うのですよね……。
“キャラクタを安易に性的対象にするのが気持ち悪い”という生理的拒否反応(でもそれは
単に慣れの問題なのですが)。即ち自身のその価値観というフィールド、セカイを理屈付け
した批判で以って拡張しようとする行為。……僕は、そこに何ともやり切れない、虚しさの
ようなものを感じてならないのです。

さて……。
迂遠な語り方になってしまいましたが、この雑記の本旨に戻ることにしましょう。
僕らは「自分のセカイ」を何処まで開拓するべきなのか?
何を目処に僕らは他者との境界線を引けばいいのか?
こういった“価値観の衝突”をみる度に、僕はそんな思索や嘆息を繰り返してしまいます。
個人的な理想としては、
・核として据えた価値セカイ+その周りを包む可変性のセカイという二重構造の自分。
・そんな己のフィールド(セカイ像)同士を、互いが不必要に干渉(侵略)しない大前提。
・あくまで互いが交わるのは、自身のセカイを日々再構築する、その刺激のため。
なので、今のままでいいやという人は距離を取っていればいいし、もっともっと高めるんだ
と意気込む人は積極的に他人のセカイを見て回る──そんな“自由”や“寛容”さで満ちる
世であって欲しいなぁと、僕は常日頃思っている訳で……。
故に、薄い本の露出を嫌いそれを「封じよう」とする一般人様も。そんな彼らに反発して何
かしらのアクションを起こすヲタク達も、僕は与することはできません。
だってそれらは“相手の境界線(ボーダーライン)を超えてまで自分の価値セカイを布教し
ようとする「侵略」行為”だから。
互いに要らぬ干渉を避ける為にあるのが「境界線」である筈なのに……。
そこを互いが軽々と(一時の感情的な勢いに任せて)越えてしまってはいけないと、越える
べきではないと、僕は考えます。
(国レベルでも何処其処は我々の領土だ!と言い合って喧嘩してるくらいですから……)

ただ、あまりこの「境界線」の維持に拘ってしまってもいけないんだろうなぁと、同時に僕
は思っています。
先日、物書き仲間さんとの語らいの中で、僕は自分という人間が存外『分かり合う為にぶつ
かるくらいなら、いっそ始めから“棲み分け”ておく方がいい』と考えるタイプだという事
を再認識させられたばかりで。
だけどそれは……妥協(表向きは和解しても腹の底では何かしら不満があること)を嫌い、
共存の道を自分から避けて通っているスタンスではなかろうかと。
即ち「どうせ争うんだ」と“共存”を半ば棄て、いっそ個々のテリトリを社会全体の中に収
められるように持っていこうと考える“共棲”の思想に近いのだろうと。

──嗚呼、閉じている。そう思いました。
言うまでもなく、全ての他者と分かり合えるなんてそれこそ絵空事ですが、だからといって
始めから対話すらしないことまでも「自由」とするのは……はてさて如何なものかと。
他人に自分のセカイを「侵略」されるのは厭だ。そんな真似はお互いすべきじゃない。
かといって(相容れないセカイとは)絶対に関わり合わないというのも、やっぱり“違う”
なぁと思うのですよね……。

自由であるというのは、やはり相応の善き倫理を伴ってこそ成しえるものだと思います。
僕も貴方も、今一度自身に問いかけてみてはどうでしょう?
「不快だ」その腹の底ありきで、誰かのセカイに“侵攻”してはいませんか?
「愚かな」自分の価値観を理解しない誰かを、勝手に“悪人”にしてはいませんか?

ヒトの境界線(ボーダーライン)には、是非とも熟慮と賢明さの程を……。

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  1. 2012/08/13(月) 11:30:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止します。

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