日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)閉じてしまう性(さが)だから

七月になりましたね。此方はここ暫く梅雨空の下で冷やっこいです。
でもいざこの夏への中継ぎ期間が明ければ、大っ嫌いな思考力を削ぐ暑さが牙を剥く日々が
来るんだろうなぁ……_(:3 」∠)_ こんにちは、長月です。

先日言及した通り、拙作「ユーヴァンス叙事詩録」の続編執筆に手を付け始めました。
テキスト自体は割合コンスタントに書いていると思うのですが、小説とそれ以外ではやはり
勝手というか感覚みたいなものが違いますね。暫くは勘を取り戻しつつ、創作のエンジンを
温め直してゆくことになりそうですφ(・_・;)

色々と、創作も思索も脳裏に過ぎっては悶々とし、正直消化不良気味ではあります。
だけど自分にできる事は、時間もチカラも決して無限ではない訳で……。あまり考え過ぎて
カラダを自滅させない為にも、今自分ができることを地道にコツコツ、何より自身がその過
程と成長を愉しんでいけたらなぁと思っている次第。

第Ⅲ部『鋼の希求心(ストロング・シーカー)』編──いざ、状況開始φ(`・ω・´)


こうしてわざわざ文字に起こしたというのは、他でもありません。
ずっと以前より(ツイッタ等で)折りにつけ漏らしていたことなのですが、こう一つの作品
セカイを続けていると、僕はどうにも“不安”を愉しさと同時に同様に抱いてしまってなら
ないのですよね……。
要するに、怖いのだと僕自身は思っています。
「もっともっと創りたい」「別の物語セカイを創れないものか」云々。
創作中毒と一言で纏めてしまえばそれまでですが、僕は創り上げた達成感にそう長々と浸れ
ない性分であるようで。
なまじ“人生の経験値”が他者に比べて不足しているのだという自覚・焦りも相まってなの
でしょうか。どうも創作という(現状)趣味の営みにさえも、自分の成長を願っている向き
があるようなのです。
だからこそ質は勿論のこと、数をこなすことに拘泥してしまう。数量の方がパッと眺める時
に積み上げたものを視認しやすいからという性質もあるのでしょう。

──早々、何か一つのセカイを創造するなんてできたもんじゃないよ(苦笑)
──看板作(ユー録)のセカイがこうして形になったんだ。それだけでも幸せだろ?

そんな衝動が襲って来る度に僕はこんな言葉を自分に向けて宥めているのですが、如何せん
根っこは深いらしく、一旦陥ってしまうと中々そのループから抜け出せないこともしばしば
な状況が長らく続いています。

怖いのです。取り越し苦労なのやもしれませんが、僕はその事に馳せる度に恐ろしくなる。
“新たなセカイを創造できない”──言い換えれば既存のセカイに拠り掛かり続けること。
もしかしなくてもそれは“創作人にとっての緩慢な死”に等しいのではあるまいか……?
プロアマに限らず、とある作品が代表作・出世作になり、レーベル化する。
しかし時が経つにつれ、それらのセカイに拘泥する原作者は勿論、そのセカイに遊ぶ者達に
よって腐食してゆくさまを(過去、そして現在進行形に)僕は見てきているつもりです。
「そこまでお前は至らねぇってのw」「皮算用も酷いなw」と自嘲してみたりもしますが、
しかしてそんな未来を、末路を自分の創り出したセカイが辿るのならば、一介の創作者とし
て僕は──拙作(こども)達を手に取ってくれた読者さん達のためにも──せめてまだ多く
の、原初の頃のユーザーにとって“美しい”ままでエンドマークを付けさせてあげたい。
それは作者の親心(エゴ)だという意見もあるでしょう。或いは実際に売れてるんだから文
句を垂れるんじゃないと。
だけど僕個人は、別に「利益」の為に創っているんじゃない……。
何処かにあると夢想する、だけど何処かでリアルと繋がっているそのセカイを、せめて夢想
の側においては穢さないでおいてあげたいと思うのです。
あくまで創造のセカイは「箱庭」だと僕は思っています。
あくまで創造のセカイは人々のリアルを支える糧、一助になるべき存在だと思っています。
だからエンドマークという形を以って“保存”することは、その後の人々にとって「資料」
の一つになるやもしれないと。
押し付けるのではなく、ただそこに在る。そんな「閉じていない、開いたセカイ」を創れる
ことが、僕の創作人としての理想なのかもしれません。

──期せずして(或いはそう僕自身が思考の方向性を持っていっているだけか)、今世間を
見渡してみると、どうにも人々同士が「閉じたセカイ」で生きているさまを垣間見ることが
多くなったなぁと思うのですよね……。
政治家の“ごり押し”や巨大企業の“組織内論理”或いは種々の“喧伝”をする者達。
ネットをご覧になっている方はご存知かと思いますが、先日より首相官邸前で大規模なデモ
が連続して実行されています。
最初は反原発・脱原発(僕の眼からすれば“嫌”原発とも取れますが)だったものが、ふと
気付くとレバ刺し禁止に反対する業界団体、ひいては全然関係のない政治団体も(主催者の
諌めも知ってか知らずや)雑じったりと混沌なる様相を呈しているようです。
……まぁ、その大合唱を受けている筈の首長自身が「何か騒いでるね」程度の認識で、税金
の値上げにばかり目線を向けているようでは正直効力は薄いと思いますが(嘆息)

ネット上でも自分のTLでもこの一連のデモに関しての言及をしている方は少なくなく、中に
は「これが現代のアクションだよね」と好意的向きがある方もいますが、多くの場合むしろ
デモ自体に対する“嫌気”の類──どうせ変わらないよ的な、或いは鬱陶しいという不快感
による冷めた眼がみられるようです。
(とあるフォロワーさん曰く「そもそもデモは威示行為なのだから、周りの迷惑を考えない
と駄目」「周りの反感の矛先が敵対側に向くように仕向けないと成功しない」とも)

ただ僕個人は、あまりそこまで“冷めた眼”で“攻撃”しようとは思いません。
理由はどうであれ、彼らがそこまで行動するに至ったバイタリティと情熱「だけ」は否定し
たくないなぁと思うからです。
でも、かといって彼らデモ側に与する気になれないのは……やはり彼らの叫びに“信仰”を
みてしまっているからなのではないかと考えます。つまり「主張」ばかりで相手と折り合お
うという気など更々無いかのような、ぶつかってとにかく叩き潰すんだ!というような荒っ
ぽい情動に、僕が与しない人間だからだと。
個人的にはもう、どちらが“正しい”のかは案外どうでもよくて。
いつまでもいつまでもその一点ばかりで“喧嘩”ばかりしてどうするんだよという思いで。
『○○だから△△を止めろ(或いはしろ)!』
これらは一面では筋が通っているのかもしれません。
しかしどうにも、昨今の彼ら喧伝者の根幹(前提)にあるのはそうした主張の正しさありき
の“信仰”ではないかと思えてならないのです。帰納法的ではなく演繹法的ばかりの、彼ら
の擁く“信仰”を正当化する為の理屈武装でしかないのでは?という深い怪訝が故にです。
少なくとも単に「相手が憎い」やら「正義は我にあり!」だけでは諍い以上のものは生まれ
ないと僕は考えます。それがどうにも理解できていない──“信仰”の情動でその認識が二
の次になっているらしい──さまが、どうにも悔しくて。流石にげんなりしてしまって。
そして同時にそんな彼らの叫びを冷ややかな眼で哂う外野の者らの姿にも同じく哀しくて。

どうにも人々同士が「閉じたセカイ」で生きている、と僕は言いました。
片や日々の生計を維持することにのみ神経を尖らせた「内向きに閉じた」セカイ。
片や自分達の思いを“信仰”し、その“布教”に務める「外向きに閉じた」セカイ。
彼らは一見して全く別な行動をとっているように見えますが、その眼に映しているセカイは
同じく「閉じて」いるのではないかと僕は考えます。
要するに、自分の大事する価値観以外を知らない・認めない・理解しない姿なのです。
そしてそれは、何も政治的信条だけの問題に留まらないのではないでしょうか?
前半、僕自身の創作に関しての不安に言及したように、僕ら人はとかく安寧としたセカイを
作り出しそこに安住──拘泥したがります。そしてそれらが排他的・独善的に変わった時に
こそ、僕はそのセカイはいよいよ「閉じた」セカイに成り果てるのだと思うのです。

嗚呼、なるほど……だからか。だけど一方で僕は思ってしまいます。
これだけ言葉を紡いでも、論理的説明を重ねても彼らがうんと言ってくれないのは、そんな
セカイの中に閉じこもって出てこないから──届かない場所にいるからなのでは?と。
僕が思索バカということもあります。どだい興味関心が違い過ぎるだけだと言えばそれまで
なのかもしれません。
だけど家族や近しい人々、或いはもっと別の誰かに己が想いを吐露し投げ寄越してみても、
まるで取り付く島も無い(拒絶された)時、僕は確かに胸の奥が軋んで泣くのを感じます。
ネット上で特定の嗜好に拘泥する人々を「信者」と呼ぶことがままあります。
これまでの文脈からもお気づきだとは思いますが、この際の用法は基本的に“蔑称”です。
最早誰が使い始めたのか、今この時の僕と同じ思いや思考を巡らせた末に発した言の葉だっ
たのかは知る由もありませんが、おそらくこの切なさ・悔しさ達は少なからぬ人々が辿って
きた路なのかなと思う所なのですよね……。

だから改めて、僕はこのセカイを「閉じる」ことの虚しさ、愚かさを嘆いてなりません。
たとえその閉じたセカイの中に居座り、他のセカイ──異なる価値観の船団に対して無関心
と非干渉を取っていたとしても、やはり彼の者は後ろ向きに「非寛容」なのではないかと僕
は思うのです。
シャットアウトとでもいうべきなのでしょうか。自分もかつて(いや今も?)そうだったが
故に分かるのですが、既に用意された「解」に寄り掛かるのは精神的衛生の面からは面倒が
少なくて済みます──が、一度他のセカイから“攻撃”されてしまえばその安寧は容易く脅
かされ崩されてしまいます(だからもっと深く深くセカイに潜るという循環)。

かねてより、僕はもっと世の中が人々が「寛容」で在る、在れる世界が望ましいと言及して
きたと記憶しています。
何かしらのエンドマークを付けない、新しい風(かち)を取り込まないセカイは、必ず遠か
らぬ未来に腐って朽ち果てます。私的な集まりであれ公的な組織であれ、同じ真理の一つで
あると僕は考えています。
だから……もっとその「閉じた」セカイを「開き」ませんか?
勿論、全部丸々じゃなくていい。ただ少しだけ、折り合って寄り添って、互いの声に白紙の
心で耳を傾けて欲しいなって。
そうすれば、きっとあそこまで“力づく”に自分達の主張──“信仰”を“布教(喧伝)”
する必要もなくなってくるんじゃないかなって。

「閉じた」部分とは夢想のセカイ自体だけで──資料として存在する意味で──充分だと思
うのです。それらを時折「開けて」みて、僕ら現実(リアル)を生きるヒトは各々の心の中
にある世界を一緒に開閉しながら風を通せればいい。
人生是常にアップデート。どうせ朽ちるこの身ならば、せめて散るその時まで可能な限り己
の美学を磨き上げた上で終わりたいと思う──。
(勿論、貴方が僕のこうした想いを“信仰”だと断じ、“布教”されたくないというセカイ
をお持ちであるのなら、それはそれで構わない訳ですが)

必ずしも事象の何が“正しい”か、ではない。
貴方が一体何を“選ぶ”のか(敢えて逆説的に言うならば、何を“捨てる”のか)──。
その自由さを愉しめることこそが、寛容なる世界という(僕の)理想像を現実に引き込める
一手になると思うのです。

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  1. 2012/07/01(日) 00:30:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
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