日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(資料)ユーヴァンス叙事詩録-A Worlds Guide-

※本稿は拙作「ユーヴァンス叙事詩録」の所謂設定資料集です。
 記載内容は本編の進捗に併せて随時加筆・修正をしてゆく予定です。
 尚その性質上、ネタバレ要素を含んでいます。閲覧の際はご注意下さい。
 (本文は追記内に記載しています↓)


■■概要-About-■■
:物語の舞台となるのは、広大無辺に拡がるマナの雲海(霊海)に無数の浮遊大陸が浮かぶ
 ファンタジー世界群。マナの大流──魔流(ストリーム)がセカイ中を巡っており、特に
 “世界樹(ユグドラシィル)”や東西南北の“四大支樹(ストリーム)”はセカイの人々
 にとってその中心と方角を見定める基点軸にもなっている。
 文明の基盤は太古に人々に開放された『魔導』と帝国時代に大成をみせた『機巧技術』。
 この二つの人的・物的なテクノロジーが互いに補完し合う両輪となり、今日の人々の営み
 を支えている。
 太古より多くの種族らが交わり、そして争いの歴史を繰り返してきたが、今日は地上界・
 天上界・地底それぞれに世界政府的元締が作られており、散発的な諍いこそあれど、一応
 乱世は終息しているとの態を採っている。
 しかし一方でセカイの発展に邁進する“開拓派”とそんな風潮を快く思わない、古き良き
 伝統・秩序を重んじる“保守派”との対立が激しさが増す等、セカイは今も尚少なからぬ
 争いの火種を抱えており、実際は薄氷の上の平和と繁栄を享受している状態だと言える。
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<Renovin's Chronicle>本編的物語
第Ⅰ部『梟響の街(アウルベルツ)』編(Tale1~12)
:ジーク・レノヴィンは故郷を出奔して以降、とある街で冒険者クランの一員として毎日を
 忙しくも気ままに過ごしていた。
 そんなある日、弟アルスが街の魔導学司校(アカデミー)への入学を果たし、ジークは兄
 として、クラン宿舎内の自室を彼の下宿先として提供・共用することになる。
 だが二人はまだこの時知る由もなかった。
 自分達兄弟とその仲間達に忍び寄らんとする影を。何よりその身に隠された秘密を──。
          ↓ 
第Ⅱ部『皇国(トナン)再燃』編(Tale13~25)
:故郷への帰省と、それに合わせたような結社“楽園(エデン)の眼”達からの襲撃。
 自分達兄弟に隠された秘密を母より聞かされ、面々は一路、その因縁の地・トナン皇国へ
 足を踏み入れることを決意する。
 そこで待っていたのは、長きに渡る内乱故の疲弊と、母を目の仇にする現女皇アズサ。
 そしてアズサ皇の背後にちらつくかの“結社”の不穏な影。
 二十年もの歳月を経た今、過去の辛酸達が再び軋み始める──。
          ↓
第Ⅲ部『鋼の希求心(ストロング・シーカー)』編(Tale26~39)
:第二の故郷を蝕む災いは、去った。
 しかし“結社”は依然各地で暗躍し、ジークも“取り戻すべきもの”を見つけていた。
 兄は僅かな仲間と共に“結社”を追うべくクランを出奔、広きセカイを渡り歩く。
 弟は仲間達と共にアウルベルツに帰還し「留学」という形で学院生活を再開する。
 しかし既にセカイは兄弟を“一般人”とは見てくれず、二転三転と事件が起きて──。
          ↓
第Ⅳ部『三界の統治構(ガバナンス)』編(Tale40~53)
:失せていく意識の中、使徒クロムから告げられた弟の、仲間達に迫る危機。
 深手を負ったジークは己の無力さを悔やみながらも、皆を救うべく再び動き出す。
 顕界(ミドガルド)最大の都市・大都バベルロート。
 その中枢で開かれる王貴統務院総会(サミット)。
 彼ら世界の要人達を狙う“結社”の巨大な影。
 今、反撃が始まる──。
          ↓
第Ⅴ部『育まれし日々(グロウ・ヒストリア)』編(Tale54~68)
:大都(バベルロート)を、世界中を巻き込んだ大事件から暫く。
 ジーク達は少なからぬものを得、少なからぬものを失い、梟響の街(アウルベルツ)への
 帰還を果たした。仲間との再会、尚も蠢く世界情勢、思わぬ報せに来訪者。それでも運命
 はレノヴィン兄弟に関わる者達を激しく掻き乱す。
 ──来るべき戦いに備えよ。
 これは彼らが“結社”との戦いを始めて二年の歳月が経つまでに至る、物語。
          ↓
第Ⅵ部『古記なる旅路(リプレイ・ザ・レコード)(前)』編(Tale69~83)
:リオによる二年間の修行とその集大成を終えたの翌日。
 ジーク達クラン・ブルートバードの面々はいよいよ対結社特務軍への編入を迎える。
 しかし二年の月日で変わったもの、変わってゆくもの。彼らの道程はやはり平穏無事には
 進まない。少なからぬ困難を乗り越え、力を蓄え、ジーク達は志士十二聖ゆかりの聖浄器
 を集める旅に臨む事になる。
 南北に別れ、一行はそれでも歩み続ける。
 未だ謎多き“結社”の目的とその背後に潜む者達、暗示され始める世界の真実。
 いつか来るであろう“結社”との決戦に備える為に。何より「知る」為に。
          ↓
第Ⅶ部『古記なる旅路(リプレイ・ザ・レコード)(後)』編(Tale84~99)
:ヴァルドーとアトス、四大国の半分を巻き込んだクーデター事件は未遂に終わった。
 多くの偶然と必然。僅かばかりの得たもの、一方で失ったもの。しかし世界は人々は前に
 進む以外の選択肢を持てず、ジーク達も聖浄器回収の旅を再開することになる。
 舞台は天上層と地底層──古界(パンゲア)と魔界(パンデモニム)へ。
 最早埋まることのない溝と、立て続く過去からの攻撃を前に、彼らの行き着く先とは。

<A Worlds Guide>設定資料集
 本稿。この物語の世界観・用語などの設定資料各種を纏めている。
 『概要』『歴史』『世界』『種族』『用語』『魔導』『勢力』『人物』等の項目に大別。
 本編各種の展開次第で、随時加筆・修正が行われる予定。


■■歴史-History-■■
①創世期(約???年前)
:セカイの始まりとその伸張。神代の世。
     ↓
②古種族台頭(約一万年前)
:神々からの独立。魔導の興り。
     ↓
③魔導開放運動(約八千年前)
:“大盟約(コード)”制定。
 特権的術者らに独占されていた魔導が人々にも扱えるようになる。
 しかし術者達は眞法族(ウィザード)ないし古仰族(ドゥルイド)と為り、袂を分かつ。
     ↓
④神竜王朝(約七千年前)
:魔導開放後のセカイの混乱を治めるべく竜族(ドラグネス)を中心に成立。
 混乱の終息は勿論、セカイの公用語制定、各地に“導きの塔”を建立するなどの善政。
 しかし“最強の古種族”たる彼らを恐れた人々が故に国政が成り立たなくなり、消滅。
     ↓
⑤暗黒戦乱時代(約四千五百年前)
:神竜王朝の“解散”によって陥った混乱期。
 長い長い乱世、群雄割拠の時代。
     ↓
⑥ゴルガニア帝国(約千八百年前)
:長き乱世を武力統一した史上空前の大帝国。
 『機巧技術』の力を背景に次々と勢力を拡大、セカイの開拓にも大いに力を入れる。
 しかしその強権的な政治はやがて人々の不満を爆発させることに。
     ↓
⑦解放戦争(約一千年前)
:別名「ゴルガニア大戦」とも。打倒帝国を掲げる解放軍と帝国軍との全面戦争。
 “志士十二聖(ししじゅうにせい)”らの活躍により、遂に帝国は滅亡。
 しかし帝国(てき)を倒したからといってすぐさまセカイに平和が戻る事はなく……。
     ↓
⑧現在(新聖歴九八五年/Renovin's Chronicle開始時年)
:大戦後の紆余曲折(けんりょくあらそい)の末、地上・天上・地底界に世界政府が誕生。
 ようやく平和な時代がやって来た? 文明の繁栄を享受し始めるセカイの人々。
 しかし開拓派と保守派の対立など、争いの火種は依然、燻り続けている。



■■世界-Worlds-■■
:現在人々が主に暮らしていたり、認識されている世界は全部九つ。
 更に各世界はセカイのその興り故に上下(あくまで観念的なものだが)に階層状となって
 おり、順に【始原層】【天上層】【地上層】【地底層】【深淵層】と大別される。
 同じセカイ層の世界同士は比較的行き来しやすいが、層が違うと“次元”を越える必要が
 あるため、その移動手段は高度な転移魔導や“次元艇”などごく一部に限られる。 
 ストリーム──特に“世界樹”と四大支樹”と呼ばれるものは各セカイを縦断的に貫いて
 おり、生けとし生ける者を育むこと以上に、セカイを繋ぐ「楔」としての役割も持つ。


【始原層】=霊界
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霊界(エデン)
:主要九世界の一つにして、その頂点(マナ濃度=非常に濃い)
 神々すら安易に立ち入ることを許されていない「聖域」。
 全ての生命が息吹く始まりの世界であり、豊潤なマナを抱いた精霊達の楽園。
 その中枢・精霊園(ユグドラシア)には「精霊達の王が棲む」と言われているが……?

【天上層】=神界、古界、仙界
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神界(アスガルド)
:主要九世界の一つであり、天上層世界一つ(マナ濃度=濃い)
 「神格」を得た者達が主に暮らしている。
 しかし彼ら神々の多くは“信仰”を失い自らが消滅してしまうことを恐れ、直接ヒトらと
 交わるケースは滅多に無い。外界への門戸もまた厳しく制限され、交流は少ない。
 中心地は「神都パルティノー」

古界(パンゲア)
:主要九世界の一つであり、天上層世界の一つ(マナ濃度=やや濃い)
 セカイの歴史上早期に発生した“古種族”と括られる種族の者達が多く暮らす。
 外界との交流こそあるが、その住民構成が故に「保守」的な考えの者も少なくなく、濫り
 な開発や経済の波には抵抗感の強い者が多いようだ。
 中心地は「古都ケルン・アーク」

 白咆の街(グラーダ=マハル)
 :北方を横断する大山系・竜王峰山間に居を構える堅牢な城塞都市。竜族の雄・ディノグ
  ラード公爵家が治めている。その立地故に寒さは厳しいが“生ける伝説”たる大公への
  信頼と安心感は根強く、人々は長くゆったりとした時間を過ごしている。

仙界(レムリア)
:主要九世界の一つであり、天上層世界の一つ(マナ濃度=濃い)
 濃いマナに適応し進化した種族である仙人(ダナン)や動植物──聖獣たちの世界という
 のが、外界の人々からの一般的な認識。
 魔を忌み嫌う思想故、人々からは聖人として崇められることが少なくないが、当のダナン
 達自身の多くは内向的(厭世的)であり、あまりセカイの発展には関心がない。
 中心地は「サレンサ大窟」

【地上層】=顕界
============
顕界(ミドガルド)
:主要九世界の一つにして、その中間層(マナ濃度=並)
 単に「地上」と呼ばれることも多い。今日最も多くの種族と国々が入り混じる、活気に満
 ちた世界。それ故に内外から多くの人々を惹き付けている。
 人族(ヒューネス)を中心にセカイの開拓が推し進められているが、一方で保守勢力など
 からは“セカイを掻き乱すものだ”として根強い反発を受け続けている。
 中心地は「大都バベルロート」

 大都バベルロート
 :中央北部、世界樹(ユグドラシィル)近隣域内に位置する顕界最大の都市。地上層にお
  ける世界政府「王貴統務院」本部所在地であり、三層の城壁が同心円状に広がり、その
  中に詰め込まれたような街並みが広がる。現在も発展中であり、最外周──第四隔壁の
  建設が進んでいる。

 風都エギルフィア
 :中央南部、世界樹(ユグドラシィル)近隣域内に位置する都市。
  顕界で最も世界樹に近い街であり、一年を通し集束する魔流(ストリーム)の風が吹き
  付ける。広場を中心に整然と整理された石畳の景観。領主は衛門族(ガディア)の首長
  でもある、ミカルディオ・マ・モルモレッド。

 梟響の街(アウルベルツ)
 :北方内陸南東部、アトス連邦朝領内に位置する都市。冒険者クラン・ブルートバードの
  本拠地等も置かれている。周囲はなだらかな丘陵と雑木林、複数の街道が交差し、地方
  ではありながら中々栄えている。物語が進むにつれて世界中にその名が知られるように
  なった。魔導師育成学校・魔導学司校(アカデミー)が街の一角にある。
  領主は若き伯爵ルシアン・V(ヴェルドット)・アウルベル。

 陽穏の村(サンフェルノ)
 :北方内陸東部、アトス連邦朝領内に位置する山間の村。レノヴィン兄弟の生まれ故郷。
  周囲を山野に囲まれ、やや寒さが身に染みるが長閑な山村である。
  レノヴィン兄弟の出自が公になり、新生トナン皇国が始動してからはマニア垂涎の観光
  名所と化しつつある……が、喧騒となるのを慮ったアトス政府が駐留武官を置くように
  なったり、隠居の竜族クラウスが目を光らせているため、現在の所は大きな問題は起き
  ていない様子。

 打金の街(エイルヴァロ)
 :北方内陸部南西部、アトス連邦朝領内に位置する都市。レノヴィン盟友陣の筆頭的存在、
  エイルフィード伯セドが領主を務める。古くから手工業が盛んで、毎日のように職人達
  がその腕を振るっている。この街にも魔導学司校(アカデミー)がある。

 清峰の町(エバンス)
 :梟響の街(アウルベルツ)より更に南西に下った先に位置する田舎町。
  ルイスとフィデロの故郷であり、周囲を幾つかのなだらかな山と、町全体を斜めに横切
  って合流する山の湧き水由来の清流が自慢。夏祭りの際には流し雛も催される。
  大都消失事件の後、心身ともに疲弊したアルスの静養先に選ばれた。

 王都クリスヴェイル
 :北方内陸北部、北の盟主・アトス連邦朝の首都。山脈と湖畔に挟まれた土地に位置して
  おり、白亜の街並みが冷たさを秘めた清潔感を備える。
  都の名は、かつて建国に力添えした“忠騎士レイア”の姓に肖ったもの。

 聖都クロスティア
 :クリシェンヌ教団が総本山を置く街。北方南部内陸部に位置し、街の北に広がる山岳部
  には黄の支樹(エギル・ストリーム)が天地を貫く。
  世界屈指の古き美しい景観で有名であり、且つ“聖女”クリシェンヌゆかりの史跡など
  観光地としても人気の場所。都政も教団と傘下の神官騎士団らが担う。

 散光の村(ランミュース)
 :北方南部内陸の小村。クロスティアとはちょうど山岳部を挟んだ位置関係。
  これといった産業もなく、多くが貧しい暮らしを余儀なくされているが……?

 皇都トナン
 :東方諸国の一つ、女傑族(アマゾネス)の国・トナン皇国の首都。
  北を湖に、三方を砦付きの城壁で取り囲んだ構図。南北に連なる大通りが華やかな一方、
  東西の奥まった地区、都の郊外には急激な経済成長に取り残された人々が身を寄せ合う
  スラム街も存在しているようだ。

 ガノシュ寺院
 :トナン皇国南部の山間部に在る石窟寺院群。かつては信仰者も寝泊りする修行の場であ
  ったようだが、現在は寂れて訪れる人間も稀である。

 廃村リカウ
 :トナン皇国にある小さな村だった場所。過疎化でなのか魔獣や賊の被害でなのか、今と
  なっては何故誰もいなくなったのかは知る術はない。

 水都フォンレーテ
 :東方中央部、東の盟主・レスズ都市連合の本部が在る街。無数の水路で区分けされた、
  顕界最大の一大交易都市。他の東方都市国家と同様、議会自治制。
  立地ゆえに古くから近隣諸侯に狙われ続けてきたが、冒険者らを統括する「七星連合」
  の本部を同じくこの街に招致する事に成功してからはそうした侵略の心配もなくなった。

 輝凪の街(フォンティム)
 :東方北部に位置するレスズ都市連合加盟の都市の一つ。
  レノヴィン盟友陣の一人、フォンティン侯サウルが領主を務める港街。
  街の西岸から南岸にかけて港湾地区が広がり、交易品が市中を流通する。内陸は多層に
  渡ってぐるぐると渦巻くように街が形成されており、領主の執政館もそんな高台の一角
  に構えられている。

 灯継の町(ヴルクス)
 :東方西部に位置するそこそこ大きな宿場町。郊外には“嘆きの端”の一つがあり、一帯
  の住民達の少なからずはそこから来る風評被害に眉を顰めている模様。

 サムトリアン・クーフ
 :南方北部内陸、南の盟主・サムトリア共和国の首都。南方諸国の例に漏れず、郊外一帯
  に豊かな緑と河川を持っており、大都市ながらゆったりとした時間が流れる。
  木造と煉瓦造りの家屋が景観の多くを占める。街のやや最奥に大統領府が在る。

 導都ウィルホルム
 :南方北部に位置する学術都市。魔導の最高学府「魔導学司(アカデミア)」の本拠。
  世界中から多くの魔導師・学者が集まって形成されているため、サムトリア領内に位置
  してはいるが、実質の自治区である。アカデミア本部を中心とした同心円の構造。

 翠風の町(セレナス)
 :サムトリア共和国の北西端に位置するのどかな町。マルセイユ侯爵領。場所自体は辺鄙
  だが、かの“賢者”隠居の地として知る人ぞ知る場所でもある。その子孫である領主の
  屋敷地下には、彼が生前残した大量の文献を収めた大書庫が広がっている。

 王都グランヴァール
 :西方中央北東部、西の盟主・ヴァルドー王国の首都。顕界屈指の軍事大国という性格も
  あり、その全景は複数の多角形をした城壁を持ち、住宅・商業・貴族屋敷・官庁などが
  びしりと区画化された堅牢な計画都市。城壁の最内奥には王城が聳え立っている。

 鋼都ロレイラン
 :西方中央内陸部、ヴァルドー王国第二の都市で、機巧技術の聖地の誉れ高い街。
  かつては旧ゴルガニア帝国の機人(キジン)兵生産プラントが広がっていたため、周辺
  各国の人々に疎まれていたが、数百年に及ぶ技師達の奮闘が実を結び、魔導と並ぶほど
  人々の生活に密着した技術に昇華されたことで再び繁栄を取り戻した。
  大通りは勿論、街中に技師達の工房がある。都市としての景観を形容するなら、表っ面
  だけは整えられてもその本質は猥雑、の一言。赤の支樹(イグ・ストリーム)に程近い。

 フォーザリア鉱山
 :西方中央北部、ヴァルドー王国屈指の鉱山地帯であり、現在も採掘作業が続く同国及び
  世界の機巧技術を支える中核地の一つ。他の鉱山街と同じくその産業に大きく依存した
  経済構造・性格になっているが、一方で反開拓派にとっては格好の口撃対象。

 ギルニロック
 :ヴァルドー王国西奥の霊海上に浮かぶ統務院直轄領の一種、重犯罪者収監特別区・通称
  『監獄島』の一つ。外見は石垣と苔に覆われた要塞にも似ている。
  大都消失事件のあとクロム以下“結社”の構成員らが多数収監されていたが、彼に会い
  にやって来たジーク達とこれを抹殺せんと侵入した「使徒」達の戦いの舞台となった。

【地底層】=魔界、器界、幻界
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魔界(パンデモニム)
:主要九世界の一つにして、地底層世界の一つ(マナ濃度=やや濃い)
 「魔族」と総称される四つの種族を中心とした人々が暮らす、薄暗めな空の世界。
 地底層世界の中では最も賑わっており、しばしば物見遊山に地上へ出掛けてゆく人々もい
 れば、逆に地底へやって来る人々もいる。気ままな性質な者が多いと言われる。
 中心地は「魔都ラグナオーツ」

 魔都ラグナオーツ
 :中央北部、そびえ立つ岩肌を削り出すようにして形成された魔界(パンデモニム)最大
  の都市。幾つもの坂(斜面)が街中に走り、それら街並みを見下ろすようにした高台に
  地底闘技場(コロセウム)が建っている。年に一度開催されるこの闘技大会は九界でも
  屈指のレベルの高さを誇り、毎年多くの観客が詰め掛ける一大イベント。

器界(マルクトゥム)
:主要九世界の一つにして、地底層世界の一つ(マナ濃度=やや薄い)
 地底随一の大鉱脈世界であり、その豊富な鉱資源を求めて開拓者が後を絶たない。
 しかし主要な鉱脈は先住種族である宿現族(イマジン)の各門閥(ファミリー)が牛耳っ
 ている状態。それ故か、気性の荒い者達が自然と集まり、ドンパチは日常茶飯事。
 中心地は「器都マルクトシティ」

幻界(アストラゥム)
:主要九世界の一つにして、地底層世界の一つ(マナ濃度=やや濃い)
 年中妖しい靄に包まれており、夢と現の境目が曖昧になっているという精神世界。
 それ故に幻夢族(キュヴァス)などの霊性の強い者らが好んで暮らしている。
 魂の世界・あの世──冥界(アビス)に近いためだという説が有力だが、定かではない。
 中心地は「幻都ティア・ノーグ」

【深淵層】=冥界
============
冥界(アビス)
:主要九世界の一つにして、その奥底に当たる世界(マナ濃度=薄い)
 所謂「あの世」であり、死者の魂は各地のストリームに乗って此処まで流れ着き、生前の
 罪業への裁きや償いなどを経ながら次の生──再びストリームに乗って霊界(エデン)に
 戻る時を待つ(中には長々と此処に留まってしまう魂もいるが)。
 『死神』と呼ばれるエージェント達によって管理・運営されている。
 中心地は「魂魄楼」

【分岐層】=異界
============
異界(アンノウン)
:上記主要九世界ではない、それ以外の世界群の総称(マナ濃度=不明)
 世界樹(ユグドラシィル)から枝分かれしていった無数の「異世界」達。
 ただその全貌は複雑多彩過ぎて把握し切れず、何より九世界の人々は基本的に自らこれら
 へ足を踏み入れることは殆どない(行けたとしても帰れない可能性が高い)。
 しかし一方で、古くからこの異界側から迷い込んでしまう人々──異界人(ヴィジター)
 の存在はしばしば確認されている。

※セカイの暦
:このセカイの日時の名称や割り振りは次の通り。
 暦にも十二聖の名が冠されている(当時の世界政府が彼らにあやかった為) 
 ==========================
 一月→石榴節  七月 →紅珠節
 二月→紫晶節  八月 →瑪瑙節
 三月→藍珠節  九月 →青珠節
 四月→金剛節  十月 →白晶節
 五月→緑珠節  十一月→黄珠節
 六月→月長節  十二月→瑠璃節
 --------------------------------------------------------------------
 第一曜日→聖女の休日  第七曜日 →狩人の日
 第二曜日→英雄の日   第八曜日 →侠者の日
 第三曜日→騎士の日   第九曜日 →剣士の日
 第四曜日→戦士の日   第十曜日 →旅人の日
 第五曜日→勇者の日   第十一曜日→隠者の日
 第六曜日→賢者の日   第十二曜日→導者の継日
 ---------------------------------------------------------------------
 大刻(ディクロ)→「時」に相当。略して「刻(ディ)」とも
 小刻(スィクロ)→「分」に相当。略して「小(スィ)」とも
 細刻(セークロ)→「秒」に相当。略して「細(セー)」とも
 【例】十二(大)刻・三十小(刻)・〇細(刻)=12時30分00秒
 ============================================
 上記の通り一週間は12日サイクル。一ヶ月は基本的に五週間。
 (但し、紫晶・金剛・月長・青珠・黄珠節の時のみ四週間)
 日付の表記はこんな感じ⇒『○○節 第×週 △△の日』

※セカイの尺貫法
 1往(リロ)≒1m/1荷(ウェム)≒1g/1範(ニーベ)≒1㎡/1容(サーべ)≒1㎥
 基本的に人々はこうした統一単位に桁数を重ねて数量を数えている。

※セカイの通貨
:今日セカイで主に流通しているのは
 「人貨(ガルド)」「天貨(セイニー)」「地貨(ミィル)」の三種類。
 ガルド(.Gald) は主に地上世界で流通しているセカイの基軸通貨。灰色の円形。
 セイニー(.Sany)は主に天上世界で流通している。白い四角形。
 ミィル(.Mill) は主に地底世界で流通している。黒い楕円形。
 その日時々の互いの為替レート(もちゃんと制度として存在している)にもよるが、
 大よそ1セイニー=1.2ガルド、1ミィル=0.8ガルド前後。



■■種族-Races-■■
セカイには多くの種族の人々が入り混じって暮らしている。
勿論その性質は千差万別で、時には争い時には手を取り合うことを繰り返してきた。
それでもセカイの開拓が進み、ヒトもモノも交流が盛んになる中で、少なからず個人的なる
融和を果たす者もいる。中には恋に落ち、種族の壁を越えて結ばれる者達もいる。
尚、この異種族間での婚姻の場合、生まれてくる子供は両親どちらかの種族として──その
血を濃く受けて生まれてくることになる。
種族や国・地域で差はあるものの、長年の統計調査でおおよそ六割は母方の種族を受け継ぐ
らしいことが分かっている。
===================================================================
人族(ヒューネス)
:今日セカイ中に広く進出している種族。
 種族としての身体能力はそう突出して高い訳ではないが、持ち前の創意工夫と適応能力が
 それらを強力に補っている。未だ謎の多いセカイの開拓にも積極的な者が少なくないが、
 保守派勢力などからは“徒にセカイを掻き乱す者だ”との反発も受けている。

竜族(ドラグネス)
:その名の通り「竜」に属する者達の総称。別名“最強の古種族”。
 本来は強大な力を秘めているが、普段はヒトの姿をとりその力を封印して暮らしている。
 この際、体表面の何処かに埋まるように覗く宝石状の器官「竜石」が特徴的。また全種族
 中屈指の長寿さも誇る(おおよそ一千年前後)。
 過去・現在・未来。長い時間の流れの中、今日もまた静かにセカイを見守る。
 あまりセカイに関わろうとしないのは、どうやら彼らの過去に原因があるようだが……?

巨人族(トロル)
:見上げるほどの巨躯が特徴的な古種族の一つ。
 天の竜族、地の巨人族とも言われ、その秘めたる力や長寿的な意味でも双璧を成す。
 その巨大な見てくれから怖がられることも多く、実際にいざ戦士として戦うと一騎当千な
 実力を遺憾なく発揮するが、その本質は英霊を敬い、義に篤い心優しき巨人達である。

鬼族(オーグ)
:主に地底層を拠点に暮らす「魔族」と総称される種族の一つ。
 着流しや和服を好み、額や頭に何本かの角を持っているのが特徴。
 彼らの角は周囲のエネルギーを体内に取り込む作用を備えているため、彼らは非常に高い
 持久力を発揮することができる。
 性質は良くも悪くも豪快。酒と娯楽が何よりも好きな自由人。
 そんな面もあり、他人の営みに干渉することも、されることも嫌う傾向にあるようだ。

妖魔族(ディモート)
:主に地底層を拠点に暮らす「魔族」と総称される種族の一つ。
 黒衣やローブに身を包み、粛然たる闇を好む地底の貴族。
 俗に言う「吸血鬼」と言われる存在(実際は「鬼」ではないが)であり、自身のマナを元
 に作り出した使い魔、ないし自身の牙を以って他のエネルギーを啜り喰らう能力を持つ。
 一見して不気味で、実際かなり感性があさっての方向にむいているが故に付き合うのは骨
 が折れるが、一方でその「拘り」は時に高い芸術的才能に化けることもしばしば。

幻夢族(キュヴァス)
:主に地底層を拠点に暮らす「魔族」と総称される種族の一つ。
 夢と現を行き来し、ヒトの夢と精を喰う所謂「夢魔」と呼ばれる者達。
 精神に入り込み干渉するという他の種族にはない能力を持つ反面、その特性が故に肉体的
 な強靭さは皆無。存在自体も霊性(=精神と魂)に寄り掛かっている部分が強い為、干渉
 すること自体がいざ強い抵抗に晒されると己の存在四散に関わってしまうリスクもある。

宿現族(イマジン) 
:主に地底層を拠点に暮らす「魔族」と総称される種族の一つ。
 所謂「付喪神」と称される類の存在で、器物に自我が宿りし者の末裔。或いは新規の者。
 キュヴァスとは真逆で、物性(=肉体と精神)に強く寄り掛かっている存在。ある程度は
 霊性の側から自己修復する(治癒する)が、器(からだ)が壊れ過ぎると死んでしまう。
 魔族系四種族の中では一番の新参勢力。故に力ある者が率先して同胞を纏め、今の勢力に
 まで成長させた。故に彼らの多くは属する門閥(ファミリー)を非常に大切にしている。

幽冥種(ホロゥ)
:死したる者達の総称。要するに「幽霊」である(なので特定の種族とは限らない)
 基本的に魂だけになった存在であり、その表層的自我・記憶である精神は時間の経過と共
 に徐々に消失してゆく運命。回避するには冥界(アビス)全域に張られた防護結界の中に
 身を寄せる、或いは仮初の身体に己が魂を移す他ない。
 “(肉体的には)死んでいるが、(精神的には)生きている”という不安定な状態で発生
 する存在であるため──特に「死」の直後は──瘴気に中てられやすい。
 そんな彼ら迷える魂を導き、場合によっては成仏(=マナに還す)ことを使命としている
 のが、同じく幽冥種出身のエージェント『死神』達である。

再躯種(キンシー)
:仮初の器(にくたい)に魂を移した者達の総称。
 所謂「ゾンビ」と括れるが、用意された肉体が生のものか、或いは冥界の元締「魂魄楼」
 によって開発された“仮装魂魄”であるかで、その扱いは多少異なる。
 前者は霊性・物性の知識や技術のある者なら(肝心の魂があればだが)生み出せてしまう
 本物のアンデットに対し、後者は基本的に「死神」や冥界の住人達が外界へ出る際に纏う
 仮の肉体というニュアンスが強い。
 また倫理的問題もあり、その生成には魂魄楼が厳重に監視や認可の手続きを執っている。

蛇尾族(ラミアス)
:ヒトと爬虫類が混在する亜人系種族。蛇のような尾や身体に点在する鱗が特徴。
 身体能力──特に瞬発力に優れており、その尾も存分に利用した強襲、ヒット&アウェイ
 な戦法を得意とする。
 また砂漠など、過酷な環境を中心とし長らく暮らしてきたこともあって、その性質は概し
 て攻撃的で執念深い。ひとたび種族や一族の「仇」と見なされれば、執拗な追撃を受けて
 しまうことになるだろう。しなやかさの中に刃を隠し持つ、そんな種族。

魚人族(セーレン)
:ヒトと魚類が混在する亜人系種族。水棲生物の鰭のようなな形状の耳、腕が特徴的。
 「魚人」と総称される水棲系種族の中心的存在。所謂「半魚人」や「人魚」に相当する。
 それ故に水中での活動能力は他の種族の追随を許さない。ただ肺呼吸もえら呼吸も備えて
 いるので、基本的に水辺を好んで暮らすが、地上での活動も充分に可能である。
 海中に自分達の王と諸侯──王国を抱え、一方で“世界最強の海軍”も形成している。

貝人族(シェルリア)
:ヒトと貝類が混在する亜人系種族。頭や背中に負った大きな貝状の器官が特徴的。
 「魚人」と総称される水棲系種族の一角。その一番の特徴である彼らの貝は、彼ら生誕と
 共に在り、一緒に成長、彼らの強力な盾となり、水を汲み上げ放射できる矛ともなる。
 全体的に小柄な体躯をしており、戦いはあまり得意ではないが、その分学問に力を入れて
 いるため魚人らの小さなブレーンとして活躍することも少なくない。

軟人族(ジェリー・レイス)
:ヒトと軟体類が混在する亜人系種族。
 肩や腰などから延びる多数の触手、ゼリー状の保護膜を纏う身体などが特徴的。
 「魚人」と称される水棲系種族の一角であり、その斬り込み役的存在。持ち前の触手で敵
 を打って絡め取り、多少のダメージは保護膜が軽減してくれる。
 そんな長らくの同胞らの中でのポジションから、魚人達の中では一番攻撃的と言える。
 ただ一方でムラのある性格でもあり、平時はのんべりと海を漂っているような一面も。

獣人族(ビースト・レイス)
:ヒトと獣が混在する亜人系種族。
 獣の耳や尾、或いは面構えが特徴的。亜人種の中でも最もポピュラーと言ってよく、その
 種類も犬や猫系、重量系、草食系など多岐に渡る。
 概して高い身体能力を持っており、部族単位で大地を駆け回る日々を送ったり、冒険者と
 して各地で活躍したりしている。
 戦士としての潜在能力は非常に高い反面、術者適正はからっきしな場合が多い。

鳥翼族(ウィング・レイス)
:ヒトと鳥類が混在する亜人系種族。背中の翼と羽毛のような耳が特徴的。
 竜族ほどではないものの、翼を持つが故に飛行能力を持ち、機動力に優れる。
 また亜人種の中にあって一番の理知的な者達であり、持ち前の飛行能力で地理の壁を越え
 つつ、長い歴史の中で多くの人々と交わり、知識・見聞を深めてきた。
 特に彼ら出身の「聖女」への信仰は、今や種族や世界の垣根をも越えている。
 
女傑族(アマゾネス)
:一見すると人族とあまり違わないが、深い黒髪と瞳が特徴的。別名「トナン人」とも。
 古くより武芸に優れた民であり、良質の傭兵として重宝されている。
 その武勇や民族国家「トナン皇国」の伝統を大切にしている、義に篤い人々。
 またその大半が女性で占められている女系種族でもあり、彼ら──いや彼女らのこうした
 傭兵などの出稼ぎは伴侶探しも兼ねているとかいないとか。

蛮牙族(ヴァリアー)
:赤髪と褐色の肌が特徴的な種族。昔ながらの狩猟採集生活を営む。
 動物──時には魔獣すら乗りこなしてまうことから長らく「蛮族」と別称されてきたが、
 当人ら自身はあくまで古くからの先人達のノウハウを受け継いできただけ。
 また今日は彼らもセカイの文明化に触れ、街で暮らし出す者も少なからず出てきている。

影士族(シーカー)
:謎多き覆面の少数民族。所謂「忍びの民」である。
 古くは弱小の存在故に周辺の国々や種族の争いに度々巻き込まれ、何度も滅亡の危機に瀕
 した。そのため生き残りを掛けて只管に“諜報技術”を磨き続けてきた。
 それ故今はその情報力で立ち回り、滅びの危機は脱しているものの、今でも良質の密偵と
 して重宝されている。しかし警戒心は根強く、彼らの隠れ里を見つけるのは指南の業。
 だが、あくまでその術は「自分達が生き延びる」ために磨いてきたもの。
 何処までも立ち回りはビジネスライク。皆でただ一つの勢力に与することは決してない。

伴霊族(ルソナ)
:生まれながらに“持ち霊”を宿して生まれるという、一風変わった特性を持つ種族。
 故に魔法戦士としての素質が高く、古の英雄の一人「忠騎士」を輩出した者達ということ
 もあって、持ち霊付きたる者としての教育水準・意識は高い。その容姿も概して涼しげで
 あり、美男美女が多いともっぱらの噂。
 ただ当人らは、自分達が「器用貧乏」だとのコンプレックスも抱えているようで……。

巧人族(ドワーフ)
:ずんぐりむっくりな体躯に、代々卓越した細工技術を伝えてきた職人集団的種族。
 鉱山などの原材料が豊富な場所に地下都市を形成し、様々な品々を作ることで生業を立て
 ている。それ故、鉱物への感応力が高い鉱人族とは共生関係にある。
 その細工技術は非常に優れたものがあり、今日もセカイ中の人々に愛用されている。
 ただ彼らは“職人”であることに拘りと誇りがある所為か、商売という態での振る舞いは
 お世辞にも得意とはいえないようだ。

鉱人族(ミネル・レイス)
:ヒトと鉱物が混在する亜人系種族。浅黒い肌と、自在な硬質化能力が特徴。
 鉱物に親和性の高い種族であり「石を食べる」という習性がある。それ故、質の良い鉱石
 を提供してくれる巧人族とは共生関係にある。
 身体を自由に鉱石のように硬化させるその能力で、防御から攻撃までを幅広くこなすこと
 ができ、戦闘能力も比較的高い(なのでドワーフの護衛をしていることもある)。
 寡黙で愛想は良いとは言えないが、根っこは義を重んじる強く優しい山の民である。

機人(キジン)
:かのゴルガニア帝国が機巧技術を大成させた前後、その主要な戦力として生み出すことに
 成功した機械生命体。見るからに「ロボット」な者からヒトに似た姿の者まで様々。
 帝国の滅亡と共に彼らもまた朽ちゆく運命かと思われたが、彼らはまったくの“人形”と
 いう訳ではなかった。創造主(帝国)の命令があったとはいえ、彼らは戦後の復興を率先
 して手伝い──しばしばヒトの手では危ないような場所・場面を代行し──、やがて人々
 からの赦しを得てセカイの一員として認知されるまでになった。
 特に機巧技術の盛んな顕界(ミドガルド)西方を中心に、今日も彼らはヒトを殺すのでは
 なく、共に歩むことのできる日々に喜びを感じている。

星眼族(ジプシィ)
:額に第三の眼を持ち、占いを生業とする不思議な魅力を持った種族。
 その額の眼で未来や相談者の心の中を見据え、迷える者らを救済している。
 元々は魔導開放で大きく争った術者達の、争いを厭って遁世した者達の末裔だとも言われ
 ているが、定かではない(本人達も多くを語ろうとしないこともあって)。
 今日もストリームの導きの下、世界の命運を見守る。

芸師族(ピエロト)
:奇抜な衣装に身を包み、人々を笑わせる大道芸人的種族。
 そのパフォーマー的な部分ばかりが目立つ──時にそれしか見ていない人々に小馬鹿にも
 される──が、一方で彼らの平素がどんなものなのかを知る者は少ない。
 一説には道化を演じて市井に紛れつつ、強かに各地の情報屋として暗躍しているとかいな
 いとか。実際、個々に話をしてみればかなりの事情通であることが窺える。

小人族(チロル)
:名の通り小柄な身体が可愛らしい土と緑の農耕種族。
 大人でも、他の種族に比べて六割ほどの身長しかない。
 そのなりから見下されがちだが、自然と対話し自然と共に生きる彼らが作り出す農作物は
 絶品。舌の肥えた美食家は彼らが育てたものしか食べないと豪語するほど。
 しかし当の彼らは実にのん気でマイペース。自分達の才覚にはてんで自覚がない。
 今日も陽気にケラケラと笑い合いながら、ゆるゆると晴耕雨読の日々を送る。

奉人族(サヴァノ)
:弁が立ち商才に秀で、古くより人々の間に仲立ちして経済を回してきた種族。
 小人族ほどではないもののやや小柄。耳も若干尖がっている。
 他人の喜ぶ顔が何よりも好きで、サービス精神旺盛。その所為で肝心の商売が赤字になる
 なんてことも珍しくない……のだが当人らはあまり気にしていない。
 商いを通じて皆を元気に。そんな根っからのアキンドなる者達。

蟲人族(インセクト・レイス)
:ヒトと昆虫類が混在する亜人系種族。六本ある腕と目の下に点在する粒状器官が特徴的。
 亜人系種族の例に漏れず身体能力は高く、各地に部族を形成はしているものの、彼らの場
 合はあくまで「生きるためのツール」として割り切っている向きが強い。
 いざという時の戦いも六本腕という利点を活かした手数の多さを採り、部族として寄り集
 まっていても、普段の生活はプライベート中心であくまで共通の集合場所のような認識。
 遠目からには実にクールでスマート、そしてノスタルジック。
 しかしいざ深く交じっていこうとすると、存外肩透かしを食らうかもしれない。

蛛人族(スパイダル)
:ヒトと蜘蛛類が混在する亜人系種族。腕は四本だが握力が強くまた鋭い牙も持っている。
 蟲人族とは類似点の多い種だが、一番の違いはより強い独立独歩さと攻撃性だろう。
 縄張り意識が強く、同胞同士は勿論、足を踏み入れた旅人すらもその吐き出す糸や豪腕、
 鋭い牙の標的になってしまうこともしばしば。
 ただ気性は荒いが、気に入られれば子分扱いもされる。結局、我が強いのは同じだが。

蛙人族(トードニア)
:ヒトと両生類が混在する亜人系種族。
 蛙のような横長な顔、ずんぐりむっくりな体つきが特徴的。
 亜人系種族にあっても気性は基本的に穏やかであり、とりわけ薬の扱いに長けているため
 良質の医師として重宝される存在。代々その医術を伝えている家柄も多々ある。
 そんな薬を多用するという生業から、その原材料である各種粘液を生成してくれる溶人族
 とは長らく共生関係にある。

溶人族(メロウ)
:全身から様々な液体(粘液)を分泌する特性を持つ、液体系?亜人種族。
 身体能力もそう高い訳ではなく、性格もマイペースで気紛れなため個での生存能力には疑
 問符が注がれがちだが、蛙人族という共生関係の種族との連携で上手く立ち回っている。
 分泌・生成できる粘液の内容は家系や個々人によって異なるようで、単純にぬるぬるする
 だけだったり、その粘性で衝撃を緩和したり、絡め取って身動きを封じて逃げる。或いは
 可燃性が故に相手に浴びせてから火種を放り投げる等々、活用方法は色々あるようだ。

華樹族(エント)
:ヒトと植物が混在する亜人系種族。草木や果樹を連想させる器官・衣装が特徴的。
 別名「森の住人」とも呼ばれ、自然の豊かさの象徴的存在。歌や踊りが好きで得意であり
 しばしば訪れる旅人らを愉しませている(或いはその芸を生業としている)。
 ただそんな温厚で優しい性格の彼らも、主要な住処である森を荒らす輩には寛容であると
 は限らない。

菌茸族(ヂャーム・レイス)
:ヒトと菌類が混在する亜人系種族。ボサボサな髪や風体、身体中に生える茸が特徴。
 性格は、とにかく只管にマイペース。菌類系亜人ということもあり、その見てくれは勿論
 住処も多少陰っているような暗がりを好むなど、他の人々からは「不潔」「変わり者」と
 映ることが珍しくない(しかしそれでも彼ら当人は気にしない。ある意味図太い)。
 しかし、彼らから生える茸は、実はかなり美味なんだとか。

妖精族(エルフ)
:色白の肌と尖り耳、そして数百年単位の長寿な古種族の一つ。
 別名「森の守護者」とも呼ばれ、狩猟採集で培った弓などの武芸と、自然に敬意を払いな
 がら生きてきたが故の術者として素質を巧みに使い分ける。
 一般的に“保守的”で“排他的”な種族とされており、実際にセカイの開拓路線に対して
 強硬な反対を表明、抵抗している代表的な種族の一つでもある。
 しかし、古き良き伝統・秩序を重んじそれを守る“守護者”であろうとするが故に、彼ら
 自身の閉鎖性・排他性が高まってしまうという批判もまた在る。

気人族(エアロ・レイス)
:大気と同化するという特殊な能力を持つ種族。空気系?亜人。
 普段は大気と同化し、気ままに空を舞っているが、その分セカイのストリームの変化には
 人一倍敏感。それ故かストリームの観測・研究を己が使命としている衛門族と、その眷属
 として長きに渡って共に歩んできた。
 今日も魔流(ストリーム)という名の、セカイの風と共に在り続ける。

衛門族(ガディア)
:古の時代よりストリームを観測・研究し、その出入り口を護ってきた「守人の民」。
 現在は各地の“導きの塔”の内部に結界の街を形成し、ひっそりを暮らしている姿を確認
 することができる。ただ濫りに同塔の転移装置を使われるのは今や本意ではない様子。
 一説には異界より迷い込んできた者達の末裔とも言われるが、定かではない。
 眷属的な共生種族である気人族と共に、今日もセカイの虚ろいを見定め続けている。

古仰族(ドゥルイド)
:古の時代より魔導を操ってきた術者的古種族。彼らはその内の、魔導開放に反対した者達
 の末裔である。故に長らく、元は同胞である眞法族とは溝が刻まれたままになっている。
 全身をすっぽり覆う黒衣やマスク、黒み掛かった銀髪が特徴的。
 “大盟約(コード)”以前の、家門毎に伝わる個別の術式(古式詠唱)を用いる。
 魔導開放から幾千年。すっかり実利転用されてしまった今日の魔導の在り様に酷く嘆きを
 重ねつつも「それみたことか」との思いもある。
 今日もまた、古よりの術法を頑なに守り続ける日々を送る。

眞法族(ウィザード)
:古の時代より魔導を操ってきた術者的古種族。彼らはその内の、魔導開放に推進した者達
 の末裔である。故に長らく、元は同胞である古仰族とは溝が刻まれたままになっている。
 魔法使いらしいローブや帽子姿、白み掛かった銀髪が特徴的。
 “大盟約(コード)”以後の、一般化された(今日広く普及している)魔導を用いる。
 魔導開放から幾千年。すっかり実利転用されてしまった今日の魔導の在り様には、真理へ
 の到達・その探求を是とする思想から否定的だが、かつてはその開放に力を注いだ勢力の
 末裔であるが故に、多くの者達が苦々しい思いを抱いている。
 今日もまた、魔導を通じた真理探究の日々を送る。

被造人(オートマタ)
:魔導の力によって生み出された存在。自動人形とも(これの機巧技術版が機人と言える)
 動植物がモチーフだったり、ヒトと外見上の違いがない者までその姿形は様々。
 多くの場合、創造者やその近親者の従者として使役されている。
 個体にもよるが基本的に食事を摂らずとも、清潔で充分なマナさえ供給されていれば活動
 を維持することでき、ある程度の自己修復能力も備えている。
 「奴隷のように使われていいのか!」ともっと人権をと啓蒙されることも少なからずある
 のだが、どうにも造られた存在としてその主に仕える・奉仕することを喜びとしている者
 が大半のようである。

精霊族(スピリット)
:マナの雲海より生まれ出で、人々の呼び掛け(呪文)に応じ、奇蹟という名の様々な現象
 と届ける御遣い達。故に彼ら自身が魔導だ、とも言われる。
 生命それ自体にもっとも近しいとされる、霊性の強い存在であり、基本的に魔導を修めて
 いる──厳密にはマナを“視る”ことができる──者でなければその存在を知覚すること
 すらできない(なのでセカイ中には素人には見えないだけで、精霊達で溢れている)。
 中には、長く存在したが故により強い力と自我を手に入れ、自ら顕現した上で人々と交流
 をしている者も一部ではあるが存在する。

神格種(ヘヴンズ)
:祀られ信仰され「神格」を得た存在。所謂「神様」であり、基本的には不老不死。
 セカイの創世の頃から存在しているとされる古種族以上の古参者達だが、その力も存在も
 “信仰”の多寡・有無で決してしまうという制約を抱えている為、いざそれらを失ってし
 まうことは最悪の場合自身の消滅をも意味する(故に必ずしも全知全能とも言えない)
 振るう力はまさしく「神通力」だが、多くの場合己への信仰を損なうような出過ぎた干渉
 は好まず、避けている(後ろ向き)な部分が多々ある。

天使(エンゼル)
:神々の眷属たる者らの総称。見た目はヒトと変わらないが、高濃度のマナの翼を持つ。
 篤い信仰が故にその祭神に己の過去・現在・未来の全てを捧げ、彼らの忠実な臣下として
 働くことを誓った者達。神は人一人分の信仰を一気に得られ、天使化した者も「神」には
 なれないが同じように不老不死の身となれる。
 但し、天使としての力を使い過ぎると己の自我(精神)も消費されてしまうというリスク
 がある。その為、長らく天使として戦い続けた者は……名実と共に「抜け殻」と化す。

仙人(ダナン)
:高濃度のマナに適応し、進化した種族。
 一見するとヒトと大差ないが、高揚すると両瞳が金色に染まるのが特徴。また高い不死性
 の身体も持っている。魔人が後天的であるのに対し、彼らは基本的に先天的な種である。
(一応“仙核”という高純度マナの塊を身体に埋め込むことで一般人も後天的に仙人化する
 ことはできるが、その全員が力に耐えられる訳ではなく、大半はそのまま死んでしまう)
 生まれながらの不老不死、濃いマナにも耐えられる神秘性から人々に聖人として畏敬の念
 を向けられることも少なくないが、当の彼らは厭世的で、正直迷惑がっている。

幻獣人(ユエル)
:聖獣の力を宿した仙人の亜種。基本的には“仙核”を埋められ仙人化した者が至る姿。
 基本的な特徴は仙人と同じ(そもそも亜種)だが、個人によって程度差はあれど、聖獣に
 変身する能力を持っているのが一番の違いである。
 それ故幸いにも仙人らに迎えられた(許された)彼らの多くは、その護衛役を務めている
 ケースが多いようだ。

魔人(メア)
:汚染されたマナ「瘴気」に当てられて尚、生き延びた者達の総称。
 魔獣化現象の亜種、その生き証人達。一見するとヒトと大差ないが、高揚すると両瞳が血
 色の赤に染まるのが特徴。また魔獣同様に高い不死性の身体を持っている。
 彼らもまた魔獣の一種という分類であるが故、人々からは魔獣と同じく忌避される存在。
 場合によっては魔人だというだけで迫害の的になることに加え、ほぼ不死身が故に人々と
 は生きる時間が違い過ぎる等といった理由も重なって、彼らの大半は世間から距離を置き
 ひっそりと暮らしていることが多いようだ(公に活動していたりする例外もあるが)。

魔獣人(キメラ)
:魔人の中でも、より魔獣の側に強く在る──魔獣の力を強く宿している者を指す。
 基本的な特徴は魔人と同じ(そもそも亜種)だが、個人によって程度差はあれど、魔獣に
 変身する能力を持っているのが一番の違いである。
 故に魔人たちの中でも並外れた戦闘能力を発揮できるが、その一方で魔獣の性質をより濃
 く宿すがゆえに、一層強く“狂気”に苛まれるリスクも負っている。

異界人(ヴィジター)
:異界(アンノウン)から迷い込んできた人々の総称。
 一見するとヒトと大差ない場合が多いが、いざ話してみると此方の言葉が通じず、もしや
 と勘付かれるといったパターンが多数報告されている。
 どういった経緯でこちら側に紛れ込むのかは(その当人も含めて)不明。
 運が良ければ元の世界に帰れるかもしれないが、多くの場合、一旦迷い込んでしまった後
 は言葉や習慣を学び、こちらの住人として余生を過ごすことになる。



■■用語-Key Words-■■
霊海
:生命を育む根源的エネルギー・マナの雲海。セカイ全体の空を隈なく覆い、流れ満たす。
 本来マナは魔導の素人には知覚することはできないのだが、霊海のそれは非常に高い濃度
 であるため、素人にも“乳白色の靄”として視認できる。
(メカニズムとしては、生命が多い場所→マナの消費が多い→濃度が薄くなる→見えない。
 これが霊海だと基本的に生命がうろついている訳ではないので、常時高い濃度となる)
 尚、霊海──空に生身を投げることは“自殺”行為である。
(物理的に“落ちた”先の大地に激突して死ぬか、霊海のマナに揉まれて“原初に還る”)

世界樹(ユグドラシィル)
:マナの大流・魔流(ストリーム)の内、その中枢となっている巨大なストリームの通称。
 セカイの中心にそびえ、各世界層を縦断している「世界の楔」であり、人々が世界の地理
 を把握する際の基点となっている。マナの輝きは鮮やかな金色。
 故に長らくその近辺の大陸群は、各国が領有を巡って争い続けてきた。
 現在は各世界層の世界政府が掌握し、都を置いている為、現在はこの手の争いは解消済。

四大支樹(ストリーム)
:ユグドラシィルに次ぐ規模の巨大な四つのストリームであり、それぞれ真東西南北に位置
 している。故に人々が方角を見定める基点ともなっている。
 北には「風」の力を強く宿す“黄の支樹(エギル・ストリーム)”。
 南には「地」の力を強く宿す“緑の支樹(テラ・ストリーム)”。
 西には「火」の力を強く宿す“赤の支樹(イグ・ストリーム)”。
 東には「水」の力を強く宿す“青の支樹(アキュ・ストリーム)”がそれぞれ存在する。
 ちなみに、この名称の色の通りこれらは実際に其々その色の輝きを帯びている。

瘴気
:マナが生命ある者に取り込まれ、消費・排気されて劣化してゆく中で悪性変異を起こし、
 本来の効用とは逆に生を蝕む毒と化したマナ。汚染された状態のマナ。
 多くの場合、マナ全体の総量の中で中和されてゆっくりと汚染が取り除かれる(また元の
 マナに戻ってゆく)のだが、往々にしてそんな自然の自浄作用が追いつかず、こうして命
 を蝕むどす黒い靄として人々の脅威となる。
 魔導の乱用(=精霊を働かせ過ぎる=マナの浪費)や、セカイ開拓に伴う環境破壊が原因
 と言われているが現状抜本的な解決策はなく、人工的に浄化を促進するくらいしかない。
 (瘴気自体を消すことができない。仮に可能になってもそれはマナの消滅と同義である)

魔獣
:瘴気に中てられた末に怪物化した者達の総称。
 本来なら死する所を生き延びたが故か、非常に高い不死性を持っており、並の方法だけで
 は殺すこともできない。人々に忌むべき害獣とされ、古くより討伐の対象となってきた。
 主に冒険者(特に傭兵畑の)や軍隊ら専門家の武力を以って駆除されている。
 ──尚、瘴気に中てられるのは人間も当然、含まれる。
 故に「もしかしたら元は人間だった者を殺しているかもしれない」という倫理的な批判も
 存在するが、多くの場合は現実的な脅威であることを理由に黙殺されがち。
 また、魔獣の姿にならずに瘴気に中てられ生き残ったヒトを、特に『魔人』と呼ぶ。

魔導
:このセカイの文明を支える基盤技術の片翼。その起源は機巧技術よりも古い。
 精霊達と呪文(ルーン)という共通語で交渉し、自身のマナを捧げて彼らの奇蹟(現象)
 を借り受ける術。古くは特権的な術者階級らによって独占されていた技術だが、魔導開放
 運動の末に広く人々に伝わり、今日のセカイを支える基盤となった。
 その性質上“精霊に力を借りる”という人的な性格が強く、たとえ知識を十二分に蓄えて
 いても術者個々人によってその発動の如何は大きく差がついてしまう特徴を持つ。
 この道の専門家は『魔導師』と呼ばれ、世の中の多くの場面で活躍している。

導力(どうりょく)
:魔導師の力量を測るものとしてよく用いられている指標。単位はMC。
 その身一つでどれだけのマナを御することができるか、そのキャパシティを示す。
 一般人は平均100MC前後。一方で鍛錬を積み導力を大きく鍛え上げていることが前提
 である魔導師に関しては1000MCを超えれば一人前、とされている。
 しかしこれらはあくまで「容量」でしかなく、肝心の精霊達との交渉が上手くできなけれ
 ば意味がない為、必ずしも導力が高い=優秀な魔導師とは言えない。
(とはいえ、高度な魔導を行使するには相応量のマナ制御が必須なため充分条件ではある)

先天属性
:魔導は大きく分けて十四の系統に分類される。即ち、
 「焔」「蒼」「鳴」「流」「墳」「天」「魄」「銕」
 「聖」「冥」「意」「虚」「刻」「界」の十四種類の属性である。
 魔導の系統は勿論、更にセカイに生れ落ちた者は全てこれらの何れかの力に属しており、
 ひいては扱える(得意な)魔導の系統を決定付ける大きな要素となる。
 また各属性間には互いの効力を補強し合う“親和関係”や、互いの効力を相殺してしまう
 “相反関係”といった関係法則が解明されている。
 これらの性質を充分に理解し、実践に組み込んでゆくことでより効果的に魔導が扱える。
 <親和関係>
 【火門】=「焔」属性+「銕」属性、【水門】=「蒼」属性+「流」属性
 【地門】=「墳」属性+「魄」属性、【風門】=「鳴」属性+「天」属性
 【光門】=「聖」属性+「意」属性、【闇門】=「冥」属性+「虚」属性
 【空門】=「刻」属性+「界」属性(※但しこの二属性は同門でありながら“相反関係”)
 <相反関係>
 「焔」属性⇔「蒼」属性、「鳴」属性⇔「流」属性、「墳」属性⇔「天」属性、
 「魄」属性⇔「銕」属性、「聖」属性⇔「冥」属性、「意」属性⇔「虚」属性、
 「刻」属性⇔「界」属性
 尚、これらを図式化した“門属図”は、魔導関連の入門書では必ずといっていいほど掲載
 されている事項の一つでもある。

持ち霊
:精霊達の内、特定の術者と専属契約を結んだ精霊のこと。
 日頃から寄り添うパートナーであるが故に、詠唱を短縮しても術を行使できる利点などが
 あるが、何よりそうして持ち霊を連れていること自体、精霊を惹き付け認められた証拠に
 等しいため「持ち霊付き」であることは、魔導師にとって大きなステータスである。
 一方で、術者自身がその持ち霊の得手不得手に(彼の者が強力な精霊であればあるほど)
 影響されてしまうといったデメリットもある。

精霊伝令
:魔導を使い手がしばしば用いる連絡手段。要するに精霊に伝言を頼むこと。
 なので、こちらが彼らを知覚できていても、連絡先の相手が魔導の使えない素人だと意味
 を成さない。導話というツールの発明によって活躍する場面は減ってきているが、今でも
 魔導師同士のやり取りや緊急用連絡手段として使われる。

障壁
:魔導の使い手がよく用いる簡易防御術。対象地点周辺のマナの流れに干渉し、その密度を
 操作することで一時的な防御壁を形成することができる。
 魔導による攻撃は勿論、刀剣や銃弾などの物理的な攻撃もある程度防ぐことができる為、
 直接的な戦闘能力に乏しい魔導師にとっては実戦において必須の技能と言える。
 ただ個人では張れる強度には限界があるため、多くの場合、複数人の術者が“重ね掛け”
 をして強度や範囲を高めるといった使い方がされる。

錬氣法(マナ・コート)
:戦闘に特化したマナの制御法。単に「錬氣」と呼ぶ事も多い。発祥はトナン皇国。
 体内のマナを能動的に配分することで、平素より高い身体能力(攻守速)を発揮すること
 ができるようになる。
 とりわけ、並のダメージでは倒せない魔獣に有効な術(もう一つは魔導による術攻撃)で
 あることから、冒険者達にとって必須技能の一つとされている。
 大きく『気装(けそう)』と『色装(しきそう)』に分けられ、特に色装は相応の素質と
 力に溺れぬ資格を見極めた上で伝えられてきた秘伝であり、猛者とそれ以外を分ける巨大
 な壁ともなっている。
 ------------------------
 気装(けそう)
 :量的なマナの制御法。量配変化ともいう。
  大きく、体内のマナ=オーラを掌握・配分する『錬氣』、意識的にマナを捉えて体内に
  取り込む『集氣』、眼に集中して可視化する『見氣』、逆に体内に閉じ込めて気配を断っ
  たり消耗を抑える『断氣』の四種類に分かれる。
  一般に“錬氣”と単に呼ばれるのはこの気装を指し、習得する者も最初はこちらを集中
  的に学ぶ事になる。基本から応用にまで幅広く求められる技術。

 色装(しきそう)
 :質的なマナの制御法。
  形質変化ともいい、此方を修めた者は俗に「色持ち」とも呼ばれる(隠語)
  使い手に共通である気装とは違い、個々人の魂の性質に依拠するためその発現する能力
  は全く異なる。よって、この自身のオーラに備わった特性を如何に戦術に組み込むか、
  相手の能力との相性はどうかが色装使い同士の戦いでは重要となる。
  また理論上、系統の類似こそあれ、波長まで同一の他者は存在しない。仮にそのような
  人間がいれば、それは過去存在した誰かと同じ魂の持ち主──生まれ変わりである。
  大きく『強化型』『付与型』『変化型』『現出型』『操作型』『超覚型』のいずれかに
  属しており、先人達の蓄積により、その能力の“銘”が割り当てられる。

大盟約(コード)
:魔導開放運動の末、新たに制定され精霊達との交渉のガイドラインとなった魔導法典。
 これの成立によって魔導はそれ以前の特権階級らの“門外不出の個別”な呪文から、広く
 人々が使える“定型化された”呪文へと移行した。
 今日、セカイ中で行使されている魔導の大多数がこの“大盟約”を下に執られている。
 ちなみに、この大盟約成立以前の独自な呪文による詠唱を特に『古式詠唱』と呼ぶ。

魔導具
:魔導の発動を補助するツールの総称。大掛かりな装置から装飾品タイプまで様々。
 その性質上、魔導師は「詠唱中は無防備」という大きな弱点を抱えていたが、事前に必要
 な呪文(この場合「術式」と呼ぶ)を媒体品に特殊な文字として刻んでおくことにより、
 マナを注ぎ込みさえすれば術を発動できる……という仕組み。
 この発明により、魔導研究は大きく進歩することになった。
 また、戦闘用に特化させた『戦術魔導具』を狭義に魔導具と呼ぶことも少なくない。
 しかし便利さの反面で
 「術の柔軟性に欠ける(呪文を予め刻んでいるため、単品の状態では対応し切れない)」
 「暴走・暴発の危険がある(発動媒体がモノのため、粗悪品だと出力に耐え切れない)」
 といったデメリットも存在する。←高品質の物を複数所持する、くらいの対策しかない

聖浄器(せいじょうき)
:魔獣を滅する目的に特化し作られた魔導具の総称。
 その多くは魔導開放運動の折、将来人々の魔導との関わりの中で魔獣の脅威が増すだろう
 という懸念から作られた古代遺物(アーティファクト)でもある。
 強力な瘴気浄化作用を持っており、魔獣・魔人に対して高い効力を発揮するが、使い手に
 多大な消耗を強いる諸刃の剣。解放戦争の折にも解放軍・帝国軍双方が発掘・利用した。
 そうした歴史的な経緯もあってか、その一部は各国の正統な権力の証──『王器』として
 祀られている。

機巧技術
:このセカイの文明を支える基盤技術の片翼。その起源はゴルガニア帝国成立の前後。
 それまでの魔導一辺倒なセカイを変革すべく、機械という物的要素によって作り上げられ
 た技術体系。その成果は銃火器・飛行艇・鉄道・鋼車・導話など様々に及ぶ。
 (ゴルガニア帝国は今でこそ“悪”とされているが、セカイ開拓の基盤を作った訳で)
 この技術を修めた専門家は『機巧技師』と呼ばれ、魔導師同様に重宝されている。
 近年では互いの技術交流が盛んであり、両者の特性を活かした新たな技術・発明が続々と
 生まれている。

飛行艇
:機巧技術が生み出した成果の一つ。文字通り空──霊海を渡る為の乗り物。
 生産国や運用目的などによって違いはあるものの、総じてずんぐりむっくりで多数のプロ
 ペラが付いた外見をしている。マナを大量に取り込み排気しつつ、動力に変えて進む。
 それまで各大陸同士を渡る術を多く持たなかった人々にとって非常に大きな発明であり、
 以降セカイの交流と開拓が大きく前進することになる。
 ただやはり一般人に所有できるような代物ではなく、所有者はその殆どが運行会社や国、
 相応の資金力のある名士らで占められている。

鉄道・鋼車(こうしゃ)
:前者は、そのまま鉄道(但し電気ではなく油などの燃料で走る)。
 まだまだインフラが整備されていない場所も少なくないが、既に主要な都市同士はこれら
 鉄道網で結ばれている。飛行艇に比べると運賃も手頃で庶民もしばしば使う。
 (ただそれよりも未だ「乗合馬車」の方が安いので、先ずは馬車というのが一般的)
 後者は、我々にとっての自動車に相当する。
 イメージとしてはT型フォードのようなフォルム。元は帝国時代に軍用車両として開発さ
 れたものだが、現在は主に王侯貴族の移動手段となっている。庶民には未だ高い買い物。

写姿器・映像機(ディスプレイ単体の場合は「映像器」と表記)
:前者は、我々のいう所のストロボカメラに相当する。マナを照射して像を記録するもの。
 後者は、我々のいう所のテレビカメラに相当する。ストリームに遠視の魔導で映った光景
 を転送する仕組み。共にまだ庶民には敷居が高い品々。マスコミが主に所持している。

導話(どうわ)
:機巧技術と魔導のコラボレーションの代表例。我々にとっての電話に相当する。
 本体や内部の部品は機械だが、回線は周辺のストリームを利用している。暗号化された声
 をストリームに乗せ、相手先へと送るという仕組み。帝国が武力統一を終える頃には既に
 実用化が始まっていたとされる。最近は庶民にも手が届くようになった。

導信網(マギネット)
:導話をより進化させたこのセカイの最新鋭の情報技術。ストリームに音だけでなく映像も
 乗せて離れた場所同士でやり取りする。
 利用には専用の“端末”が必要だが、まだまだ一般人には高い買い物。
 多くは財友館や公官庁、大きな酒場などに設置されている。また近年では携行型のタイプ
 も登場している(スマフォやらタブレットみたいな感じ。が……より一層に高級品)

導きの塔
:神竜王朝時代、各地に建立された石造りの塔。
 大陸間を思うがままに渡る術を持たない人々を見て、当時の竜王が発動した事業。
 内部にはセカイ各地を結ぶ空間転移の装置が設置され、人や物資を運ぶ役割を果たした。
 (また各地に建立する=大型公共事業という側面──雇用創出という意味合いもあった)
 こうした空間転移の他、地域の祭礼場としても活用されていたらしい。
 しかし当の神竜王朝の終焉、何よりも帝国時代に飛行艇が発明されたことでその存在意義
 は大きく失われてしまい、今では歴史を伝える遺跡となっている場所が大半。
 それでも昨今は、その歴史的価値を見直そうという動きもあったりする。

共通言語(コモン・センテス)
:神竜王朝時代、竜王の勅命の下、セカイが広がってゆく人々の為に創り出された公用語。
 年代が年代なだけに「古典」の域ではあるが、今日も尚、最もセカイ中の人々に使われて
 いる公用語の一つである(イメージとしてはアルファベット系を記号化した感じ)。

志士十二聖(ししじゅうにせい)
:ゴルガニア帝国末期、解放戦争(ゴルガニア大戦)の折、解放軍の中核となって帝国打倒
 に貢献した十二人の英雄達。
 『英雄ハルヴェート』『忠騎士レイア』『大戦士ベオグ』『聖女クリシェンヌ』
 『勇者ヨーハン』『賢者リュノー』『弓姫アゼル』『巨侠デュバル』『剣帝シキ』
 『千面イグリット』『闇卿エブラハム』『精霊王ユヴァン』の十二人。
 今日に至るまで「セカイを平和に導き今日の礎を作った」として祭り上げられているが、
 十二聖の長・ハルヴェートは戦後の混乱が続く中、世界が統一されるのを見れずに病死、
 弓姫アゼルは人族らに協力した事を責められ、後にエルフの長老達から追放処分を受け、
 精霊王ユヴァンに至っては“皇帝オディウスと刺し違えて死亡”という最期だったなど、
 必ずしも世で語られる英雄譚ほど、実際は“奇麗”なものではなかったようだ。

七十三号論文事件
:およそ二百年前、魔導学司発行の公式論文集「アカデミアレポーツ」にてライルフェルド
 博士が発表した『瘴気の存在理由と魔流(ストリーム)循環に関する研究報告』こと通称
 “七十三号論文”を発端に巻き起こった一連の騒動・事件の総称。
 (ちょうどこの論文が、その時のレポーツ内で73番目に記載されていたことに拠る)
 それまで宗教的解釈でしか説明できなかった魔獣や瘴気の存在理由を、膨大な調査データ
 と積み上げ練られた論理的思考を以って解き明かした。
 だがしかし、その要旨が“魔獣とはセカイにとって必要悪”である──彼らが瘴気を体内
 に抱え込む事で、マナ総体における瘴気の濃度が薄まり、結果その自浄作用を下支えして
 いる──といったものであり、長らく「魔獣は忌むべき存在」として信仰のレベルで当然
 だと思っていたセカイの人々に大きな衝撃を与え、その猛烈な反発を招いてしまう。
 ライルフェルド博士は研究の同士らと共に各地に赴いて説明会を開き、何とか迷信に囚わ
 れた人々の理解を求めて奔走していたが、そんな最中に論文に反発する一人の青年暴漢に
 よる自爆テロに遭って帰らぬ人となってしまう。
 だが皮肉にも、このテロ事件と博士の死を切欠に人々は(保身と恐れから)徐々に興奮を
 治めてゆくことに──アカデミア史上最悪の不祥事となった。
 後世、多くの研究者がこの論文を再検証して確かであると何度も発表しているが、今も尚
 この事実を受けれない信仰勢力も少なからず残存している。
 故にこの一連の事件は“真理の敗北”と呼ばれており、魔導師は勿論、多くの学識者らが
 博士の死を悼んだ。

三柱円架(さんちゅうえんか)
:“聖女”を信仰する「クリシェンヌ教」のシンボルマーク。穴抜き丸の下に下弦の曲線、
 その上に上部で重なるように斜めに三本の直線が走るデザイン。その起源には諸説あるが
 世界樹(ユグドラシィル)とヒトを表したものだという説が有力。
 同教神父が着る法衣の装飾は勿論、一般にも墓標のデザインとして広く用いられている。

爵位
:武功や商才などで功績を重ね“名士たる者”として認められた者に与えられる称号。
  即ち貴族の証であり、これを与えられた者とその一家は様々な特権を享受することが
  許されている(『子爵』<『男爵』<『伯爵』<『侯爵』<『公爵』≦『皇爵』)
  但し不祥事の頻発など、名士たる者に相応しくないと判断された場合には最悪その剥奪、
  家財没収といった処分が下されることもある。
  尚、与奪実務は各国政府が行っているが、その決定権は各層の世界政府が掌握している。

成人の儀
:このセカイでは『人族換算で十五歳を迎えると成人』とみなされる。
 その際に既に成人した者を見届け人とし、形式的にも大人の仲間入りを果たす。
 我々のいう「元服」に相当するもの。厳密には信仰宗派によって儀礼形式が違ってくるの
 だが、特にこれといって拘らない場合は“成人する当人と見届け人の血判書類を作る”事
 で済ませる場合が多い。



■■魔導-Spells-■■
<焔魔導>
火や熱を司る。一撃の火力が高い反面、消耗は大きめ。使い勝手も良好。
魔法陣のイメージカラーは赤。属性の持つ言の葉は「情熱」
------------------------------------------------------
 炎熱の弾(ファイアボール)
 :掌に炎を集めて火球とし、敵にぶつける。焔魔導の基本術式。

 烈火の矢(フレアアロー)
 :掌に炎を集め、矢状に形成して放つ攻撃系術式。
  的の広さを犠牲にしているが、その分貫通力が向上している。
 
 弾けし灼火(スパイラルフレア)
 :敵対象の頭上から巨大な火球を出現させ、弾けた火の弾を雨霰と降らせる。
  作中ではサフレの持つ魔導具の一つとして登場。

 爆炎の鞭(ブレイズウィップ)
 :掌に集めた炎を鞭状に構築し、敵に向かって振るう。中級の攻撃系術式。
  射出される形の魔導が多い中、得物のように“持つ”タイプの魔導。

 喰尽の灼蛇(ファルディオン・ヒーム)
 :中空に多数の火球を生成し、それらを蛇のように一斉に射出する。
  一直線ではなくうねりながら飛ぶので軌道も読み難い。上級の攻撃系術式。

 噴出する群火(イラプション)
 :指定した範囲の地熱を刺激し、局所的な噴火現象を起こす上級の攻撃系術式。
  数に勝る相手を一網打尽にする場合になどに有効だが、飛び散る炎弾の一つ一つまで
  は制御できずムラが出来てしまうのが弱点。

 炎熱の獄(ファイアウォール)
 :対象地点円形の外郭をぐるりと炎の壁で囲む。捕縛用・逃走防止用の術式。

<蒼魔導>
氷や冷気を司る。相手の動きを阻み、広範囲をカバーする。
魔法陣のイメージカラーは青。属性の持つ言の葉は「冷静」
------------------------------------------------------
 冷氷の刃(アイスニードル)
 :掌に冷気を集め、氷の棘刃にして放つ。蒼魔導の基本術式。

 冷氷の風渦(アイストーム)
 :冷気の突風を放って直線上の敵を攻撃、凍り付かせる。中級の攻撃系術式。

 冷氷の擲槍(アイスジャベリン)
 :巨大な角錐状の氷塊を放って軌道上の敵を薙ぎ払う。中級の攻撃系術式。

 冷氷の剣雨(フリーズランサー)
 :敵の頭上に魔法陣を展開し、そこから無数の氷の切っ先を降らす上級の攻撃系術式。

 凍却法(フリーズアウト)
 :対象地点に強力な冷気を吹き付けて凍り付かせる中級の補助系術式。
  作用自体は単純だが、使用者の力量次第でため池を丸々凍て付かせる事も可能。

<鳴魔導>
雷や磁力を司る。特性は焔魔導に似ているが、こちらの方が個々の癖が強い。
魔法陣のイメージカラーは黄色。属性の持つ言の葉は「信念」
---------------------------------------------------------
 雷撃の落(ライトニング)
 :敵対象の頭上から電撃を落として攻撃する。鳴魔導の基本術式。

 迸る雷波(スパークウェイブ)
 :掌から一直線に走る電撃を放って攻撃する。中級の攻撃系術式。
  作中ではサフレが持つ魔導具の一つとして登場。

 雷剣の閃(サンダーブレイド)
 :掌から雷の長剣を形成して敵に斬り付ける。中級の攻撃系術式。
  射出される形の魔導が多い中、得物のように“持つ”タイプの魔導。

<流魔導>
水などの液体を司る。攻撃力はやや劣るものの、付与効果を持つものも多い。
魔法陣のイメージカラーは水色。属性の持つ言の葉は「柔軟」
--------------------------------------------------------
 流水の撃(ウォーターシュート)
 :掌に周囲の水分を集め、勢いある水撃として放つ。流魔導の基本術式。

 水泡の護衣(バブルコーティング)
 :対象の周囲を水泡の膜で覆い、敵からの攻撃をクッションの要領で防御する。
  また逆に攻撃を放つ敵に掛け、その一撃を内部で相殺したりもできる。

 水脈の癒(ヒールライト)
 :清らかな水と魔力で対象の傷を治す。また多少ながら消毒効果もある。

 水脈の中癒(プラルヒール)
 :溢れる清らかな水と魔力で対象の傷を治し、消毒もこなす。中級の治癒系術式。

<墳魔導>
土や砂を司る。魄魔導と共に場に影響されやすいが、攻守のバランスが優秀。
魔法陣のイメージカラーは黒。属性の持つ言の葉は「堅実」
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 石礫の弾(ストーンバレット)
 :足元の土や石を寄せ集めて礫とし、敵にぶつける。墳魔導の基本術式。

 這寄の岩槍(アースグレイブ)
 :一直線に地面を這い、足元から敵を貫く岩槍達。中級の攻撃系術式。
  作中ではサフレが持つ魔導具の一つとして登場。

 岩砲の台(ロックカノン)
 :地面から岩石の砲台を形成し、同じく岩石の砲弾を発射する中級の攻撃系術式。
  破壊力は十二分で、戦では持ち運びの要らぬ攻城砲としても使われる。

 噛撃する大地(グランドバイト)
 :対象の両側から巨大な岩を迫り出させ、挟み込むようにして押し潰す。
  単純だが、それ故に一撃必殺も狙える中級の攻撃系術式。

 咆哮の地礫(グランドロアー)
 :広い範囲の地面をその内部エネルギーで以って爆ぜさせ、その場に立つ
  敵を一挙に巻き込む。中級の攻撃系術式。

 震撃の荒土(アースクエイク)
 :局所的な地震を起こしてその場にいる敵全てを巻き込む。上級の攻撃系術式。

 過重の領(グラヴィフィールド)
 :指定範囲内を強烈な重力場で覆い、中にいる敵を押し潰す上級の攻撃系術式。
  また効力はある程度の高さにも及ぶので、空中の敵を引き摺り下ろすにも有効。

 石鱗の怪蛇(ファヴニール)
 :岩のような鱗を持つ大蛇を呼び出し、使役する。
  作中ではサフレが持つ魔導具の一つとして登場。一時期ジークが借りていた。

 忌数の塊兵団(サーティン・クレイドール)
 :十三体の土人形(クレイゴーレム)を呼び出し、使役する。
  作中では“結社”の信徒が持つ魔導具として登場。その切札として使用した。

 硬石の盾(ストーンウォール)
 :足元から岩の盾を出現させる。初級の防御系術式。防壁として多様される。

 絡の泥流(マッドブロウ)
 :広い範囲の地面を泥濘(ぬかるみ)に変え、足を取らせると共に固まらせて
  動きを封じる。中級の補助系術式。

 大地の加護(ガイアディフェンド)
 :効果対象に大地の加護を与え、一度だけ受けるダメージ等を無効化する。

 地脈の癒(キュアライト)
 :大地のエネルギーを治癒力に変換して対象の傷を治す。初級の治癒系術式。

<天魔導>
風などの気流を司る。一撃の火力には劣るが、全系統中最大級の射程を誇る。
魔法陣のイメージカラーは白。属性の持つ言の葉は「自由」
------------------------------------------------------
 風紡の刃(ウィンドスラッシュ)
 :掌に風を集め、敵を切り刻む刃として放つ。天魔導の基本術式。

 風紡の矢(ウィンドダート)
 :掌に風を集め、矢のように射出する攻撃系術式。的は狭いが突破力がある。

 重の風弾(エアブレット)
 :周囲の風を圧縮した大球を射出する。中級の攻撃系術式。

 重の風砲(エアブラスト)
 :掌に渦巻く気流を集め、一気に射出する。中級の攻撃系術式。

 羽毟の風(リッパーウィンド)
 :猛烈な勢いで飛び出す幾つもの風の刃。空飛ぶ相手に特に有効な攻撃系術式。

 伏さす風威(ダウンバースト)
 :上空から大質量の風を叩き付けて広範囲の敵を押し潰す。上級の攻撃系術式。

 風霊の剃刃(エギルシェイバー)
 :凝縮した巨大な風の刃を放ち、敵を纏めて粉々にする。上級の攻撃系術式。

 威神の旋風(エアリアル)
 :空の色をした巨大な竜巻でその場全ての敵を薙ぎ払う。上級の攻撃系術式。

 風紡の靴(ウィンドウォーカー)
 :対象の両足に風を纏わせ、空中飛行を可能にさせる補助系術式。

 風司霊招来(サモン・ザ・シルフ)
 :膨大な風刃の渦とも現れる無数の風の精らを使役する。上級の召喚系術式。
  “属司霊召喚”と呼ばれる大技の一つ。威力絶大な分、消耗も大きい。

<魄魔導>
植物などを司る。墳魔導と共に場に影響されやすいが、攻守のバランスが優秀。
魔法陣のイメージカラーは緑。属性の持つ言の葉は「友愛」
------------------------------------------------------ 
 撓の樹手(ジュロム)
 :周囲の植物に魔力を与え、触手として行使する。魄魔導の基本術式。

 群生の樹手(ファル・ジュロム)
 :周囲の植物達に魔力を与え、多数の触手として行使する初級の攻撃系術式。

 怪樹の種弾(シードバレット)
 :地中から巨大な花を呼び出し、高速で種の弾を放つ初級の攻撃系術式。
  発動までにやや時間が掛かるが、連射性能の高い固定砲台として使える。

 大樹の腕(ガイアブランチ)
 :周囲の植物を寄せ集め、一本の頑丈な鞭を形成し攻撃する中級術式。
  攻撃にも防御にも耐えうるアルスの得意呪文の一つ。

 剛伸の樹手(ギノラジア・ジュロム)
 :螺旋しながら標的に向かって襲い掛かる巨大な樹木の触手を放つ。
  それ自体の重量に、回転して打ち込まれる破壊力を加えた上級の攻撃系術式。

 星球の棘手(ギドラジア・ジュロム)
 :棘付きの巨大な植物球──植物性モーニングスターを地中から放つ。
  重量のある一撃で敵を叩き粉砕する、上級の攻撃系術式。

 吸精の蔓(ドレインヴァイン)
 :取り付いた相手の魔力(マナ)を吸い取る性質を持つ植物の種を放つ。
  それ自体の攻撃力は皆無だが、敵の力を削ぎ取る事に特化した補助系術式。

 樹司霊招来(サモン・ザ・ドリアード)
 :無数の仮面のような顔を持つ巨木を呼び出し、使役する。上級の召喚系術式。
  “属司霊召喚”と呼ばれる大技の一つ。威力絶大な分、消耗も大きい。

<銕魔導>
金属などを司る。焔魔導以上の高火力高消耗。攻撃は最大の防御を地でいく。
魔法陣のイメージカラーは銀。属性の持つ言の葉は「野心」
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 散弾の鉄錐(ファル・ヴァロン)
 :周囲の鉱石成分を集め、複数の弾丸状に形成して放つ。

 烈撃の鉄錐(ディオヴァロン)
 :周囲の鉱石成分を集め、大きな弾丸に形成して放つ。中級の攻撃系術式。

 巨柱の鉄錐(ラジアス・ヴァロン)
 :鉱石成分のを集めた巨大な角錐を放つ。上級の攻撃系術式。

<聖魔導>
光や神性を司る。攻撃力には劣るが、回復・補助に特化した性質を多く備える。
魔法陣のイメージカラーは金。属性の持つ言の葉は「慈愛」
------------------------------------------------------
 光明の散撃(ファル・シャイン)
 :眩い多数の光球をぶつけて攻撃する。初級の攻撃系術式。威力はそう高くない。

 天印の光(ディヴァイン)
 :巨大な光の塊を射出し、弾けた光の弾で追い討ちを掛ける。中級の攻撃系術式。

 光条の雨(レイ)
 :対象敵の頭上から無数の光の雨を降らせて攻撃する。中級の攻撃系術式。 

 日輪の浄渦(アジローレ)
 :螺旋状の質量ある光を頭上から叩き付ける。中級の攻撃系術式。

 審判の光雨(ジャッジメント)
 :鋭利な光の刃を雨霰と降らせて攻撃する。上級の攻撃系術式。

 聖浄の鳥籠(セイクリッドフィールド)
 :編み込まれた光の籠を形成する。結果系術式の一つ。
  内部の魔性を弱体化させる効果があり、しばしば魔獣討伐時に用いられる。

 征天使(ジャスティス)
 :三対の翼を持った、剣と盾、西洋鎧に身を包んだ巨大な天使を召喚する。
  作中ではレナの持つ魔導具の一つとして登場する。

 愛天使(ラヴィリエル)
 :三対の翼を持った、金色の豪奢な杖を携えた巨大なローブ姿の天使を召喚する。
  杖は刃を持つ輝く鎖に変わり、突き刺した相手の“ダメージを抜き取る”効果がある。
  作中ではレナの持つ魔導具の一つとして登場する。

 戒めの光鎖(パニッシュメント)
 :掌から複数の光線を放ち、対象をリング状に為って縛る捕縛用の術式。

 磔刑の光鎖(ゴルダ・パニッシャ)
 :無数の光の鎖を放ち、対象を次々に刃先で貫いてその身動きを封じる上級術式。
  その性質上、攻撃能力も充分過ぎるくらい高いが、分類上は捕縛──補助系。

 折光の衣(ミラージュコート)
 :対象者の周囲を魔力で覆い、光の屈折を防いで他人から見えなくする中級術式。
  主に潜入や逃走など補助用に使われるが、しっかり見氣を使われれば見破られる。

 快癒の祈り(ファラム・ウィッシュ)
 :対象の怪我を治療し、ダメージを解消する。中級の治癒系術式。
  回復・補助に特化している聖魔導の看板魔導、その一つ。

 精神の枝葉(サプライメント)
 :自身のマナを増幅させつつ相手に分け与える治癒系術式の一つ。
  相手に分け与えるマナの量は術者自身がある程度調節できる。

 浄化の祈り(ピュリファイ)
 :純度を高めた聖気を注いで汚染された対象を除染する。中級の治癒系術式。
  主に瘴気に中てられた者に対する初期~中期治療として使用される。

<冥魔導>
闇や魔性を司る。敵に痛手を与える作用に特化しているが、癖が非常に強い。
魔法陣のイメージカラーは紫。属性の持つ言の葉は「利己」
------------------------------------------------------
 黒闇の叫渦(ミィルトーム)
 :周囲を闇に閉ざし飲み込む、漆黒の嵐を呼び起こす。中級の攻撃系術式。

 悪魔の擲槍(デモンズジャベリン)
 :血色の彩られた槍状の闇を射出する。中級の攻撃系術式。

 悪魔の顕手(デモンズグラップ)
 :鋭い爪を持った巨大な腕状の闇を呼び出す中級の攻撃系術式。
  発動中は、術者の腕の動きと連動する特徴がある。

 終わらせる禍剣(ラグナレク)
 :対象の足元から巨大な闇色の剣を呼び出して刺し貫く上級の攻撃系術式。
  高い破壊力と外見を持つが、一方でモーションが大きく厳密な有効範囲は限られる。

 陰影の眷属(シャドウサヴァント)
 :影や暗闇などから多数の真っ黒な使い魔らを召喚する術式。制御にはコツが必要。

 魔崇の偶像(バフォメット)
 :山羊頭の悪魔を召喚し、使役する。中級の召喚系術式。
  作中では“結社”の信徒が自身の切り札として発動した魔導具として登場。

 無明の闇沼(ブラックホール)
 :全てをその中に呑む込む暗黒の泥濘を作り出す。
  敵自体を呑み込むことは勿論、攻撃すらも呑み込んで身を守ることもできる不気味だが
  攻守に優れた上級術式。作中ではアルスのとある策に深く関与することになる。

 身代の刻印(サクリファス)
 :予め印を打ち込んだ第三者にダメージを肩代わりさせる中級の補助系術式。まさに呪い。
  多寡を問わずダメージを受けた時点で身代わりは成立する。作中では“結社”の信徒が
  魔導具にて使用済みだったと思われる。

<意魔導>
魂や有を司る。攻撃力は最低ランクだが、その操作性に関しては抜群に高い。
魔法陣のイメージカラーは橙色。属性の持つ言の葉は「信頼」
--------------------------------------------------------
 繰の意糸(ウィンヴル)
 :指先からマナの糸を伸ばして操る。意魔導の基本術式。
  攻撃力は皆無に等しいが、作中ではその操作性の高さで開錠をしてみせた。

 群成す意糸(ファル・ウィンヴル)
 :両手の五指からマナの意図を伸ばして操る。中級術式。
  攻撃力はやはり皆無に等しいが、束にして敵を捉えたり、重たい障害物を
  持ち上げる・投げ付けるといった応用次第で色々なことが可能。
  作中ではアルスが「中和結界(オペレーション)」時に多用している。

 三つ繋の環(トリニティフォース)
 :複数の魔導を同時に制御することが出来るようになる。本来の、補助系術式として発動
  した際は、三つの光球が現れて術者の詠唱と制御をサポートしてくれる。
  作中では魔導具を嵌め込める三つの窪みがついた、篭手型の魔導具として登場。サフレ
  が旅の中で入手し、彼の戦い方に大きな変化を与えた。


<虚魔導>
幻や無を司る。相手の撹乱したり、弱体化させる等の効果に特化している。
魔法陣のイメージカラーは灰色。属性の持つ言の葉は「懐疑」
--------------------------------------------------------
 螺旋の拒砲(ギノラジア・ラーヴァ)
 :巨大な、捻り切りながら空間を弾け飛ばすエネルギー球を撃ち込む。
  上級の攻撃系術式。

 這寄の虚声(フェイオン)
 :無色透明な人魂達を放つ。初級の補助系術式。
  この人魂に身体を通り抜けられた者は、暫く活動能力を著しく削がれる。

 偽装の怪霧(イミテイション)
 :魔力ある特殊な霧を吹き掛け、対象のダミー体を量産する。中級の補助系術式。
  一見すると本物と見分けが付かないが、落ち着いてマナの流れを見極めさえすれば
  真贋を判断することは可能であるようだ。

<刻魔導>
時間を司る。魔導の中でも特に扱いが難しい空門の片割れ。
魔法陣のイメージカラーは紺色。属性の持つ言の葉は「秩序」
--------------------------------------------------------
 時の把紋(クロノク)
 :効果対象の「時」を掌握する波動を放つ。刻魔導の基本術式。
  波動自体に攻撃力はないが、対象が相手からの攻撃だとそれを「逆再生」
  してそのまま相手にぶつけ返すといったカウンター的な応用が可能。

 逆巻の把紋(リワイン・クロノク)
 :効果対象範囲の時間を巻き戻す。上級の補助系術式。
  一度に巻き戻す事のできる時間の長さは術者の力量に大きく依存する。

 時の車輪(クロックアップ)
 :暫くの間、自身の「時」を速くする。
  所謂高速移動の術式だが、多用すればするほど身体への負担は大きくなる。

 時の大輪(クロックライズ)
 :暫くの間、自身の「時」を大幅に速くする。時の車輪の上位互換。
  所謂高速移動の術式だが、より一回毎の身体への負担は大きくなっている。


 調刻霊装(アクセリオ)
 :自身の「時」を任意に加速させる自己強化の術。
  “二重速(トワイスクロック)”なら二倍速というように、段階がある模様。
  作中ではリカルドが使用しているようだが……?

 時司の領(クロノスフィールド)
 :特殊な力場を張り、その内部の時間を止めたり変化させたりする。
  単に「異相結界」と呼ばれる事も多い。但し制御が難しく術者の負担も大きいようだ。

<界魔導>
空間を司る。魔導の中でも特に扱いが難しい空門の片割れ。
魔法陣のイメージカラーは藍色。属性の持つ言の葉は「厭世」
--------------------------------------------------------
 抹消の空(イライザフィールド)
 :対象とした空間にいる全ての者をその空間ごと削ぎ取る。上級の攻撃系術式。

 夢想の領(イマジンフィールド)
 :周囲から切り離された異空間を発生させる。その内装は術者により様々。
  単に「空間結界」と呼ばれる事も多い、界魔導の代表格。

 転座の法(リプレイス)
 :自身と指定した対象の位置を入れ替える転移術の一種。緊急回避や敵の意表を
  突く事などに主に使われる。
  作中では被造人(オートマタ)・キャメルが自身の兜に魔導具として装着していた。

 天地創造
 :大都消失事件の際、使徒リュウゼンが使った広域空間制御の魔導具。術式名不詳。
  頭と両腕の三本の輪っかを同じく文様びっしりの鎖が繋ぐ。異相結界と空間結界を同時
  に形成・維持することが出来る。



■■勢力-Forces-■■
王貴統務院(おうきとうむいん)
:地上層世界の世界政府。通称『統務院』。本部所在地は「大都バベルロート」
 各国の代表らが一堂に会し、多国間に及ぶ問題諸々について会議が設けられている。
 主に四つの機構+αの部会で構成されており、各国名士(王侯貴族)の“爵位”与奪決定
 権や優先的捜査権など、時に一国のそれを上回る強い権限を備えている。
 しかし、実際は各国の利害対立の二次会会場と化している。また汚職も後を絶たない。
 ┌正義の冠(クラウンズ)⇒上院。各国政府代表らで構成される。
 ├正義の秤(ヴァランサ)⇒下院。各地から選挙された“統務院議員”らで構成される。
 ├正義の盾(イージス)⇒統務院直属軍。主に警護系の任務を担当している。
 └正義の剣(カリバー)⇒統務院直属軍。主に懲罰系の任務を担当している。

神託御座(オラクル)
:天上層世界の世界政府的機構。開催地は「神都パルティノー」
 神々や仙人が中心となって集まり、セカイの事象に関して見解を摺り合わせる場。
 セカイの信仰の徒にとって、此処で示された内容はまさに“神のお告げ”であるのだが、
 一方で下手な干渉で“信仰”を失いたくない神々が主催しているが故に、往々にして無難
 な神託(見解)に落ち着いてしまうことも少なくない。

万魔連合(グリモワール)
:地底層世界の世界政府的機構。開催地は「魔都ラグナオーツ」
 「魔族」を中心に、地底セカイ各地の門閥(ファミリー)が一堂に会して諸々の懸案を話
 し合う。ただ地底セカイの住人は大抵が所属するファミリーの意向を重んじ動くために、
 この会議自体が既に形骸化しているといった批判も少なからずある。

六大陣営
:顕界(ミドガルド)における今日の主要な国家勢力の総称。
 小競り合いはあれどこれら互いのパワーバランスで、地上層世界は繁栄の路をひた走る。
 ┌アトス連邦朝   ⇒北方の盟主。長い歴史と賢政を誇る古豪。
 │               現国主は、老練の「ハウゼン王」
 ├ヴァルドー王国  ⇒西方の盟主。開拓派の筆頭格にして軍事大国。
 │               現国主は、血気盛んな「ファルケン王」
 ├サムトリア共和国 ⇒南方の盟主。豊饒の大地と究理の国。
 │              現代表は、若き女性首長「ロゼ大統領」
 ├レスズ都市連合  ⇒東方の盟主。独立独歩な諸侯らの連合体。
 │                    現議長は、都市連合きっての富豪「ウォルター侯」
 ├クリシェンヌ教皇領⇒「教団」とその傘下の諸侯らから成る勢力。
 │              総領主は教団関係なので、勿論「教皇エイテル」
 └リストン保守同盟 ⇒開拓派に対抗すべく設立された超党派の保守派勢力。
                盟主は「Mr.リストン」←代々この名を襲名する仕組み
                (同盟の性質上、本名を出すと政敵らに狙われる故)

魔導学司(アカデミア)
:今日のセカイにおける魔導の最高学府。本部所在地は「導都ウィルホルム」
 多数の研究室(ラボ)と部門、そしてそれらの代表者や理事達などで構成される
 意思決定機関“賢老会議”などから構成される。
 眞法族(ウィザード)を中心に日々、様々な魔導の研究が行われている。
 その一方、各地で魔導学司校(アカデミー)を運営したり、半年に一回のペースで魔導師
 公式免許(ライセンス)の試験を実施したりと、後進の育成にも力を入れている。
 尚、組織としての傾向は(ウィザードが中心ということもあり)魔導の実利転用よりも、
 究理鍛錬を好む。

七星連合(レギオン)
:セカイ中に支局(ギルド)を構える冒険者共同体。本部所在地は「水都フォンレーテ」
 団体(クラン)から個人まで、多くの冒険者の加盟で以って民間最大の武の勢力としての
 地位を確立している。資金的な意味で、全陸財友会とは蜜月関係。
 元々は魔獣の脅威から人々を守る為に設立された傭兵仲介組織だったが、現在はそれ以外
 の雑多な依頼(俗に「便利屋」と云う)の仲介も積極的に行っている。
(瘴気浄化の技術が進み、魔獣が以前より人里に出て来難くなった→仕事が減る→ではそれ
 以外の仕事も仲介しよう……という戦略なのだが、従来の「傭兵畑」と日銭稼ぎや冒険を
 愉しむ「便利屋畑」というように、同じ冒険者同士でも派閥が出来始めている面がある)
 組織名の由来は、“七星(しちせい)”と呼ばれる有力冒険者(傭兵)らを組織の顔役に
 据え、大乱の際にはその指揮大権を与えているため。
 現在(新聖歴九八五年時)のメンバーは、
 『仏のバークス』『青龍公セイオン』『剣聖リオ』『獅子王グラムベル』
 『海皇シャルロット』『万装のセロ』『黒姫ロミリア』の七名。

全陸財友会(ぜんりくざいゆうかい)
:セカイ中に支部と会員を持つ商人共同体。略称は『財友会』。
 本部所在地は「水都フォンレーテ」。レギオン本部の同都招聘に成功したことで、長らく
 交易の一大拠点であったこの街を守って貰っている。故に両者は互いに蜜月関係。
 各地に設けられた支部は『財友館』と呼ばれており、金庫業や投資事務、端末スペースの
 一般開放など、商業・社会インフラの場としても使われている。
 このように商業の円滑な活動の推進を目的としており、元々は“善き商い”をモットーと
 する奉人族(サヴァノ)が中心となって運営されていた。
 しかし、近年はレスズ都市連合の諸侯などの(拝金主義的な)新興勢力が業界にも理事会
 内部にも侵食を強めており、サヴァノ達は警戒感・危機感を濃くしている。

クリシェンヌ教団
:今日、セカイ最大の信者数を誇る『クリシェンヌ教』の母体組織。
 総本山は「聖都クロスティア」。志士十二聖の一人“聖女クリシェンヌ”を神々の御遣い
 として、彼女の残した教えを信仰する。
 政治的には中立を標榜しているが、なまじその信者数が故の、時に主張される教義上から
 の価値観は今やセカイが無視できないものとなっている。
 また生前の“聖女”の遺志として、古代遺物(アーティファクト)の回収・保護にも力を
 入れており、各神兵団とは別に教皇直属の専門機関──“史の騎士団”まで存在する。

機巧師協会(マスターズ)
:顕界西方を中心として活動する機巧技師らの元締。本部所在地は「鋼都ロレイラン」
 各種機巧技術の研究・開発とその供与庶務を統括している。
 (飛行艇や鉄道、導信網(マギネット)、映像機や写姿器…etc)
 特に「飛行艇」の運行管理──形式上は統務院からの委任ではあるが──にも深く関わっ
 ているなど、アカデミア同様、セカイの文明基盤の最高機関として強い影響力を持つ。

開拓者同盟(フロンティア)
:セカイの開拓者らによる互助共同体。本部所在地は「大都バベルロート」
 主に実際に開拓に出向いている開拓者らと、そんな彼らに資金・人材両面での援助をして
 いるパトロン達から成る(民間から公的機関からを問わず。豪商やら果ては一国まで)
 しかしこうした開拓実務者らの集まりということもあって、世の保守派──特に“結社”
 からは「セカイを掻き乱す者らの筆頭」として目の仇にされ強い反感を買っており、しば
 しば開拓の現場においてもトラブルに見舞われている。

結社“楽園(エデン)の眼”
:『セカイを在るべき姿に戻す』ことをその大命とし、各地で暗躍する謎多き組織。
 開拓派への各方面での執拗な妨害──テロ活動や混血否定(純血主義)、魔獣崇拝思想と
 いった性格から、一般的には“保守過激派のテロ組織”という認識で概ね一致している。
 にも関わらず、この“結社”が現状、今日のセカイに不満を持つ者達の受け皿となってし
 まっている状態であり、更に各政財界にも食指が伸ばされているらしいことから、各国は
 対応に頭を悩ませている。
 詳細は不明だが“教主”と呼ばれる指導者と幹部級たる“使徒”を中心とし、信徒・信者
 といったようにある程度組織の中でも序列が形成されているようである。
 黒ずくめに鉤爪の手甲を装備した、量産型の戦闘用オートマタがその雑兵。



■■人物-Characters-■■ 注)Tale63以降は二年が経過しています。
<01>冒険者クラン“ブルートバード”
ジーク・レノヴィン 【女傑族♂/19→21歳(人族換算)/先天属性:焔】
:Renovin's Chronicleの主人公その1。レノヴィン兄弟の兄。
 アトス連邦朝北東部にある街・梟響の街(アウルベルツ)で冒険者をしながら暮らす。
 二刀流の剣士で、母から託された六振りを使う。
 黒髪・黒瞳。ばさついた髪を尻尾のように後ろで括り、腰まである長めの上着を着用。
 愛想が悪くぶっきらぼうだが、根っこは“自分を擲って”でも目の前の誰かを助けようと
 する義に篤い青年である(往々にしてそうした部分が彼をピンチに陥らせるのだが)
 決して頭の回転は悪くないのだが、勉強の類は苦手(そうした方面は弟に任せっ放し)
 折につけ冷静を装おうとするが、弟やクランの女性陣に甘いなど実は情に絆されやすい。
 -----------------------
 《爆(はぜ)》の色装/強化型
 :自身のオーラを何倍にも増幅させる事のできる性質。
  これにより凄まじいパワーを引き出せるが、消耗が激しく、何より当人の導力を簡単
  に通り越してしまうためかなりピーキーな能力だとも言える。
 -----------------------
 護皇六華(ごこうりっか)
 :ジークが得物としている六振り一組という少々珍しい刀。単に「六華」と呼ぶ事も。
  三本の太刀と三本の脇差から成り、成人して故郷を出る際、母から授けられた。
  当初本人は「ちょっと重いくらいの剣」ぐらいにしか思っていなかったが……?
  六本の真名はそれぞれ『紅梅』『蒼桜』『黒藤』及び『白菊』『緑柳』『金菫』。
  のちにこれらは、固有の特性をそれぞれに持つ魔導具──しかも聖浄器だと判明する。
  ・紅梅(べにうめ)⇒紅い輝きを発する太刀。特性は「増幅する斬撃」ジークの右剣。
  ・蒼桜(あおざくら)⇒蒼い輝きを発する太刀。特性は「飛ぶ斬撃」ジークの左剣。
  ・黒藤(くろふじ)⇒黒い輝きを発する剛剣。特性は「使い魔(鎧武者)の召喚」
  ・白菊(しらぎく)⇒白い輝きを発する短刀。特性は「反魔導(アンチスペル)」
  ・緑柳(りょくやなぎ)⇒緑の輝きを発する短刀。特性は「防御結界の形成」
  ・金菫(きんずみれ)⇒金の輝きを発する短刀。特性は「不殺の刃(治癒能力の剣)」
  二年の修行の末、これらの“本体”の力を借りる事が出来るようになった。
  (但し心身を彼・彼女らに侵食されていくため、長時間の使用は危険)

 接続(コネクト)
 :ジークが使徒達との接触と苦戦・敗退を経験し、考え付いた新戦法。手近なストリーム
  を自分の身体に挿し込み、一時的ながら膨大な量のマナを抱え込むというもの。
  故に通常では実現できなかった身体能力、攻・守・速の超強化が可能となったが、その
  本質は“ドーピング”に等しい技であり連発は最悪ジーク自身の生命にも関わる。
  (リュカ曰く「蓋を閉めた瓶の中で火を燃やし続けるようなもの」)
  二年の修行の末、自分で発動する事が出来るようになった他、導力自体も上昇して技へ
  の耐久力も向上している。

アルス・レノヴィン 【人族♂/16→18歳(人族換算)/先天属性:魄】
:Renovin's Chronicleの主人公その2。レノヴィン兄弟の弟。
 アウルベルツの魔導学司校(アカデミー)に合格を果たし、故郷サンフェルノ村から兄を
 頼って上京してきた魔導師の卵。特に地門の魔導を得意とする。
 ふんわりとした、紺掛かった黒髪にローブ姿。小柄で可愛らしい顔立ちをしている。
 (ただ本人はそんな容姿に若干コンプレックスに感じている。漢らしい方がいいらしい)
 兄のような武芸こそないが、それを補って余りある頭脳の持ち主。努力型の秀才。
 弱冠16歳にして既に「持ち霊付き」であり、入学試験で主席の成績を収めるなど当初から
 周囲を驚かせるが、当の本人の性格は至って温厚で心優しく、過ぎるほどに謙虚。
 魔導師を目指しているのも“皆を助けたい。守りたい”という理由から。
 しかしそんな優しさが、時に戦いにおいて足を引っ張る「甘さ」に繋がってしまう事も。
 -------------------------
 《花》の色装/超覚型
 :自身の魔導領域を大きく拡大させる事のできる性質。
  アルスはこれを効果範囲を広げる「範囲強化(ラージ)」と、その為のキャパシティを
  発動する魔導自体を増やすのに費やす「連撃強化(プラス)」とに分けて用いている。
 -------------------------
 中和結界(オペレーション)
 :アカデミーに通う中でアルスが修めることになる、彼の主要戦法。
  ①重ね掛けした障壁で対象を閉じ込め、
  ②彼の者に流れ込むストリームを魔導的に遮断し、
  ③代わりに内部へ清潔なマナを一気に流し込むことで、
  瘴気の濃度を下げ(中和し)結果、魔獣の力を大幅に削ぐことができるというもの。
  名の由来は、マナで出来た糸で編み上げた手術刀(メス)や鉗子を用いることから。
  現在は魔導の勉強を重ねつつ、実践訓練を繰り返している真っ最中。相手が魔獣でない
  場合などは手術刀(メス)それ自体を武器として使う事もある。

 強化(コーティング)
 :魔導修行の中でアルスとエトナが編み出した補強技。樹木の精霊たるエトナが地中から
  呼び出した植物でマナの手術(オペ)具など、対象を皮膜で包む事によりその攻守性能
  を強化するというもの。火力特化の敵には依然及ばないが、植物性ゆえに高い再生力と
  柔軟性を併せ持つ。

 隣人たち(スピリッツ)
 :二年の修行の末、完成させたアルスの使い魔。大・中・小の多数の小人達から成る。
  大サイズは耐久力を生かした盾役、中サイズは武器を用いた白兵戦、小サイズは機動力
  を生かした斬り込み役(妨害役)といった役割分担の下で動いている。
  『自分一人では何も出来ないけど、皆と一緒なら何だって出来る』
  その構想は友人達との夏休み中に得た経験が元になっている。

エトゥルリーナ  【精霊族♀/22歳(外見年齢)/先天属性:魄】
:アルスの持ち霊。彼を始め仲間達からは「エトナ」の愛称で呼ばれている。
 淡い緑の光を纏う、踊り子風なやや露出の多い衣装を纏ったお姉ちゃんな姿。 
 元々はサンフェルノ近くの森に棲んでいた樹木の精霊。
 アルスがまだ自身の魔導の才能を自覚していない頃、棲み処で独りぼっちであった彼女を
 子供達の遊びの場に引き入れたのが最初の出会い。
 その後レノヴィン兄弟やサンフェルノの皆との交流の末、アルスと契約を結び、持ち霊と
 なった。出会った当初は神秘的な佇まいだったが、人々と交わる中で本来の明るく気さく
 な姿を取り戻す(最近は少々余計な事を言い過ぎるきらいがあるが)
 日々成長してゆくアルスや仲間達を、相棒としてお姉さんとして今日も見守っている。

イセルナ・カートン  【伴霊族♀/33→35歳(人族換算)/先天属性:蒼】
:ジークが所属する冒険者クラン・ブルートバードの団長。 通称『蒼鳥』のイセルナ。
 サーベルによる剣技や蒼属性の魔導など扱う。緩いポニーテール、涼しげな容姿の美人。
 生まれながらに持ち霊を宿す種族・伴霊族(ルソナ)の出身。元々は孤児だったが、成人
 し暫くしてから施設を出てこの業界に入った。
 フリーランス(無所属)時代にダン達と出会い、このクランを立ち上げる。
 故に団員らを“家族”と云い、何よりも大切にしている。沈着冷静な皆のリーダー。
 --------------------------
 《冬》の色装/変化型
 :相手の力を奪う特殊な雪を降らせる事のできる性質。いわば遅効性の毒ゆえ、一騎打ち
  よりも集団戦であるほど有効。また雪のエネルギーを一点集束し、直接凍える攻撃力に
  変える事もできる。イセルナ本人は「何だかずるい」とあまり気に入っていない。

ブルート  【精霊族♂/年齢不明/先天属性:蒼】
:イセルナの持ち霊。青い冷気を纏った梟型の精霊。クランの名も彼から取られている。
 相棒と同じく冷静で知的だが、やや堅物。普段は顕現を消すかイセルナの肩に乗った状態
 でクランの面々を見守っている。クランのご意見番的な存在。
 イセルナと彼がマナ単位で合体した“飛翔態”は青い冷気の翼と衣を纏い、周り全てを凍
 て付かせる強力な戦闘形態である。

ダン・マーフィ  【猫獣族♂/38→40歳(人族換算)/先天属性:焔】
:ブルートバードの副団長を務める猫系獣人の男性。通称『紅猫(あかねこ)』のダン。
 荒っぽいが面倒見の良い兄貴肌。得物である大型戦斧と投擲用の手斧を使い分けて戦う。
 自身のマナを熱エネルギーに変えるといった技もあって、初めてイセルナ出会った際には
 その炎熱で彼女と互角の戦いを繰り広げた。ちなみにバツイチの子持ちである。
 荒々しさと経験豊富が故の落ち着いた判断力を併せ持った優秀な戦士であり、仲間達から
 の信頼も厚いが、一方でジークの無鉄砲さに手こずったり、年頃の愛娘との距離感を取り
 あぐねていたり(娘にはてんで甘い子煩悩)と地味に苦労人な一面も。
 --------------------------------
 《炎》の色装/変化型
 :自身のオーラを炎に換える事のできる性質。典型的な変化型。
  炎を纏うことで多彩な攻防一体の能力を発揮できる。
  ダンは昔から“何となく”で使えていたらしい(自覚無しの高戦闘センスタイプ)

ホウ・リンファ  【女傑族♀/37→39歳(人族換算)/先天属性:墳】
:ブルートバードの創立メンバーの一人。放浪の女剣士。肩辺りに伸びた黒髪を揺らす、凛
 とした性格の女性。親しい者達からは「リン」や「リンさん」の愛称で呼ばれている。
 ダンと共にクランの斬り込み部門を任されている。武芸に秀でたアマゾネスの例に漏れず
 巧みな太刀捌きで敵を倒す剣の名手。
 実は元・トナン皇国の近衛隊士。二十年前のクーデターの折には当時の皇夫妻の命の下、
 その愛娘である皇女を逃がすことに尽力した者の一人。今でもその忠節は揺るぎない。
 そしてそんな仲間達の一人こそが、レノヴィン兄弟の父であった為、放浪の末に腰を落
 ち着けたこのクランにジークが流れてきた時は、内心とても驚いていた。 
 内戦の後は、再出仕してきた友人・イヨと共にアルスの侍従役を任されることに。
 --------------------------------
 《真(まこと)》の色装/超覚型
 :あらゆる偽りやまやかしを見破り、求める最善解を見つけ出せる性質。
  (例えば幾つも飛んでくる敵の攻撃から、回避・反撃できる最小限の位置を把握する)
  攻撃能力は皆無だが、リンファ自身の剣技が相まって回避困難の一撃を実現する。

シフォン・ユーティリア  【妖精族♂/24→26歳(人族換算)/先天属性:魄】
:ブルートバードの創立メンバーの一人。古界(パンゲア)出身の青年で弓の達人。
 保守的排他的と言われるエルフ達には珍しく、もっと人々と交わるべきだと考える開明派
 な意見の持ち主。しかしそうした思想が故に保守派の面々の罠に嵌められ、故郷を追われ
 てしまった過去を持つ。
 その後、憧れていた地上界に降りたものの、開拓によって自然が壊される姿を目の当たり
 にして心身が疲弊していたが、そうした放浪の最中にイセルナ達と出会い、立ち直った。
 ストリームの流れにマナの矢を乗せ、百発百中の弓撃を放つ、遊撃部門のリーダー。
 特にジークとは気が合い、先輩後輩の枠を越えて良き友としての付き合いを続けている。
 実はレノヴィン兄弟の父・コーダスのかつての仲間の一人、ハルトの甥っ子。
 --------------------------------
 《虹》の色装/操作型
 :自身のオーラで霧を生み出し、中に巻き込んだ敵を自身の幻影達で惑わす性質。
  幻影だが、強烈なリアリティが故に恐怖すれば意識してしまえば、たとえ幻でも攻撃を
  受ければ相手は傷を負い、死ぬ事さえある。いわゆる幻術の類。
  シフォン自身はこの魂の性質を“見えるのに決して届かないさま”──夢に破れる者と
  解釈している。

ハロルド・エルリッシュ  【人族♂/38→40歳(人族換算)/先天属性:聖】
:ブルートバードの創立メンバーの一人。黒の神父風礼装に身を包んだ、薄眼鏡の男性。
 元クリシェンヌ教団の神父で、教団を脱会して冒険者になったという少々変わった経歴の
 持ち主。教団にいた頃、捨て子だったレナを引き取り、以後自分の娘として育ててきた。
 その経歴もあって、クラン内では怪我人の治癒や瘴気の浄化などといったサポート部門の
 リーダーとして手腕を振るう。時には得意とする聖魔導で攻撃に加わることもある。
 また、クランの拠点(ホーム)内で『蒼染の鳥(ブルートバード)』という酒場も経営し
 ており、クランの副収入である他、事実上団員らの食堂となっている。
 知識も豊富でブルートと共にご意見番的な立ち位置にあるが、こちらは少々皮肉っぽい。
 長らく弟・ハロルドと対立していたが、聖都(クロスティア)でのレナを巡る一件を経て
 ようやく和解する事ができた。
 ---------------------------------
 《識》の色装/超覚型
 :相手のオーラを見るだけで、その波長を読み取る事ができる性質。
  それ自体では何の役にも立たないが、色装の銘・詳細についての知識が伴えば敵の能力
  を早い段階から把握し、対応する事が可能。ある意味(敵にとっては)最凶の能力。

ミア・マーフィ  【猫獣族♀/18→20歳(人族換算)/先天属性:鳴】
:ブルートバードの一員で、副団長ダンの娘。寡黙でクール、猫耳なボクっ娘。
 スレンダーな身体を活かした身軽さと、父親譲りの怪力を武器に徒手拳闘で戦う。
 必殺技は、拳に大量のマナを集め拳と共に一気に叩き込む「三猫(さんびょう)必殺」。
 あまり活発に喋らない為、父には何かと心配されているが、当の彼女は父が母と離婚する
 折に“寂しそうにしていたからお父さんについて行くと決めた”など、決して邪険にして
 いる訳でもなさそう。レナとは幼い頃から付き合いがある仲良し。クラン宿舎でも同室。
 性格などがあまり“女の子”っぽくないことを密かに気にしていたが、アルスと初めて出
 会った時、彼が自然と“女の子”扱いしてくれた事で彼に恋心を抱くようになる。
 学院に通うアルスにお弁当を作ってあげたりなど、こっそりアプローチしているが、何分
 お互いに勝手が分からない&唐変木なため、想いが実る日は遠いようである。
 ----------------------------------
 《盾》の色装/強化型
 :自身のオーラの外側に「反発」を、内側に「包容」を備える少し珍しい性質。
  これによりオーラで覆った自身や対象を強力に第三者の攻撃から守る“盾”を形成する
  事ができる。ミアは主にこれを拳に纏わせ、一撃の破壊力を増すのに使っている。

レナ・エルリッシュ  【鳥翼族♀/17→19歳(人族換算)/先天属性:聖】
:鳥系亜人種・鳥翼族(ウィング・レイス)の少女。白鳥系翼人。
 腰まで伸びたサラサラの金髪と背中の真っ白な翼、清楚可憐な佇まいや性格が印象的。
 元々は教会前に捨てられていた捨て子であり、当時まだ教団の神父だったハロルドに拾わ
 れて以後、その養女として育ってきた。ミアとは特に仲良しで、クラン宿舎でも同室。
 当初は何故養父(ちち)が教団を抜けて冒険者になったのか理解できず、ジークに対して
 も最初は「怖そうな人」という印象を持っていた。
 しかしやがてステラの一件で彼の根っこの優しさに気付き、恋頃を抱くようになる。
 敬虔なクリシェンヌ教徒であり、魔獣を屠ることに辛さを感じながらも人々に尽くそうと
 試行錯誤を繰り返す。養父(ちち)の傍で手伝いや仲間達の手当てをしている事が多い。
 召喚系の魔導具、鎧天使な『征天使(ジャスティス)』と怪我やダメージを吸い取り、引
 き受ける力を持つ『愛天使(ラヴィリエル)』を所有している。
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 《慈》の色装/操作型
 :自身のオーラを相手のオーラに同化させる事ができる性質。
  一見すると地味で攻撃力も皆無だが、言うなれば「マナ版の万能輸血能力」であるため
  回復魔導の使い手においてこれほど相性のいい能力はない。
  本人は知らないが、実はある過去の偉人と同じ色装なのだが……?

ステラ・マーシェル  【眞法族→魔人♀/16→18歳(人族換算)/先天属性:冥】
:ジーク達ブルートバードが数年前に、魔獣に滅ぼされたとある廃村で保護した少女。
 白系の銀髪を左右で結んで垂らし、黒いフード付きのローブを纏っている。
 故郷が魔獣に滅ぼされ瘴気が濃くなる中で生き残り、魔人(メア)化してしまった少女。
 見つかれば迫害の的になる所だったが、同じ年頃の弟がいるジークの懇願によってクラン
 に保護されることになる。その恩義と優しさに触れて以来、ジークを想い続けているが、
 親友となったレナと想い人を共有していると知って遠慮している節がある。
 長らく魔人であることを悟られるのが怖く、宛がわれた部屋に引き篭もっていたが、仲間
 達のピンチを知って一念発起、部屋を抜け出すことに成功した。以後は親友のレナ・ミア
 と共にクランの皆と日々を過ごしており、本来の悪戯っ子的な笑顔も取り戻しつつある。
 闇門の魔導を得意とし、また同じ魔獣化した者同士、魔獣とある程度意思疎通も取れる。
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 《月》の色装/現出型
 :巨大な人面型の衛星(月)を己の分身として召喚する事のできる性質。
  この「月」は周囲の魔力(マナ)を吸い取る能力を持ち、敵の力を大きく奪う他、自身
  に経由させて補給源とする事もできる。太陽─他より光を受けて輝くさまの心象。

サフレ・ウィルハート  【人族♂/18→20歳(人族換算)/先天属性:鳴】
:ある事件でジーク達と戦って和解、以後ブルートバードの一員となった流れの冒険者。
 何処か高貴な雰囲気と知的な言動を漂わせる金髪の青年。マルタという名のオートマタの
 少女を従者として連れている。
 実は名乗っているウィルハートは母方の姓であり、本姓はフォンテイン。
 その正体は東方諸侯の一つ、フォンテイン侯爵家の嫡子である。
 しかし父との仲違いの末に実家を出奔、フリーランスの冒険者として諸国見聞(放浪)の
 旅を続けていた。マルタは亡き母が自身の誕生日の祝いに授けてくれた“家族”であり、
 表面上こそあくまでドライに接しているが、根っこでは大切に思っている様子が窺える。
 主装である伸縮自在の手槍『一繋ぎの槍(パイルドランス)』を始め、スカーフ型の防御
 外布『楯なる外衣(リフレスカーフ)』、鳴属性の『迸る雷波(スパークウェイブ)』、
 焔属性の『弾けし灼火(スパイラルフレア)』、墳属性の『這寄の岩槍(アースグレイブ)』
 そして召喚系の『石鱗の怪蛇(ファヴニール)』等、多くの魔導具を所持し使いこなす。
 加えて『三つ繋の環(トリニティフォース)』を応用した、様々なタイプの槍技を開発中。
 またアルスの仲介もあり、険悪な親子仲は一応解消に向かっている。
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 《矛》の色装/付与型
 :自身のオーラに「刺突」を加える事のできる性質。貫く意志の心象。
  サフレの主装が槍である事から、その攻撃能力は大きく向上した。

マルタ  【被造人♀/17歳(外見年齢)/先天属性:意】
:サフレの従者として彼と行動を共にしている被造人(オートマタ)の少女。
 ふんわりとしたセミロングの桃色髪に、淡い紫を帯びた白のワンピース姿。
 一見して人間の少女と大差ないほど精巧で感情豊か──というより若干天然ボケ。
 メイド型の個体であり戦闘能力は皆無だが、特技である歌声とハープによる演奏は聴く者
 を安寧とさせる美しい音色。時には横笛の吹けるサフレと共に街角でセッションして路銀
 を稼いだりもしていたようだ。
 またこれら音色に魔力を込めて敵を眠らせたり、強制的に躍らせたりといった戦闘補助の
 力も発揮することができる(ハロルドの見立て曰く「古式詠唱の一種」とのこと)
 主(マスター)であるサフレの出奔に同行し、長らく共に旅をしていたが“結社”に人質
 として捕まり、サフレがジーク達と戦わされる原因となってしまう。
 救出され主共々和解した後はブルートバードの一員として厄介になり、助力するように。
 持ち前の人好きの良さで、ミア・レナ・ステラの三人娘や団員達ともすぐに打ち解けた。
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 《音》の色装/付与型
 :自身のオーラを音色に乗せて飛ばす事のできる性質。歌を得意とし、愛する者の心象。
  この能力により有効範囲は飛躍的に伸び、またオーラの広がりを絞る事で特定の相手に
  のみ影響させるといった芸当も可能になった。
 
グノーシュ・オランド  【蛮牙族♂/37→39歳(人族換算)/先天属性:鳴】
:かつて南方でダンと共にコンビを組んでいた冒険者。通称『狼軍』のグノーシュ。
 魔導師ではないが、雷獣型の精霊「ジヴォルフ」達を友──持ち霊としており、戦闘時に
 は彼らの力を存分に活かして戦う。得物は腰に下げた幅広剣。
 前妻から距離を置くようにダンが南方を去った後も、自身は長らく南方で活動を続けて
 おり、新団員募集の報を聞いた際は、自身が団長を務めるクラン「ジボルファング」ごと
 その傘下に下りに──かつての友の力になりに馳せ参じた。
 荒っぽい偉丈夫といった風体だが、ダンの元妻アリアのその後を伝えてくれるなど、仲間
 というものをとても大事にする好漢である。
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 《雷》の色装/変化型
 :自身のオーラを雷に換える事のできる性質。典型的な変化型。
  雷を纏う事で他者が接触不可な鎧となり、また体内に奔らせる事で機動力も向上する。
  持ち霊・ジヴォルフらが同じ雷の精霊のため、そちらとの応用とも相性が良い。

クレア・N(ニロップズ)・ユーティリア  【妖精族♀/17→19歳(人族換算)/先天属性:流】
:レノヴィンの盟友の一人、ハルト&サラ夫妻の娘。ちなみに五人姉妹(弟)の長女。
 皇国内乱の折、自らの立場故に直接動けなかった自分達を悔やみ、彼女自身の立候補も
 あって夫妻の名代としてブルートバートにやってくる。小柄で可愛らしく元気いっぱい。
 地上層に降りて来て早々方角を真反対に間違っていたりなど、結構そそっかしい。その
 際は同じく同団と合流すべく旅中だったグノーシュ一行と出会い、そのまま行動を共に
 している。
 得意とするのは付与術(エンチャント)と呼ばれる魔導形態の一つ。
 事前に中小規模な魔導を場に与え、仲間の魔導発動に有利な状況を作り出す補助戦術。
 (流魔導で相手を濡らし、鳴魔導──電撃の威力を高める、など)
 彼女の場合は、ルーンを記した紙付きの針(ピン)をその行使に使用している。
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 《彩》の色装/超覚型
 :辺り一体が帯びる属性を事細かに知る事が出来る性質。嘘偽りの通じぬ天真爛漫なる
  者の心象。これにより得意とする付与術(エンチャント)をより効果的に活用する事が
  出来るようになった。

オズ  【機人♂/年齢不詳/先天属性:--】
:ジーク達がヴァルドー辺境で偶然発掘したゴルガニア時代の機人(キジン)。
 正式名称は「汎用陸戦機兵・オズワルドRC70580」。オズという愛称は、長ったら
 しい(そしてもう戦争は終わったのだという思いから)ジークが名付けた。
 故に再起動をさせた(しまった)張本人でもあることから、以降ジークをマスターと認識
 している。当初は解放戦争がとうの昔に終わった事に動揺していたが、徐々に人々の交流
 の中で今を生きようと考えるようになったようだ。
 気は優しくて力持ち。身体の至る箇所に搭載された火器やチェーンアームを武器に戦う。
 大都消失事件の後、正式にブルートバードの一員となった。

レジーナ・ルフグラン  【人族♀/28→30歳(人族換算)/先天属性:鳴】
:機巧技術の聖地・鋼都ロレイランの片隅で小さな機巧会社「ルフグラン・カンパニー」を
 営む若き女性社長。エリウッドの相棒であり、技師としての腕は一流。
 実は“飛行艇の父”と呼ばれた技師であり冒険家トビー・ルフグランの末裔。
 しかしそんな家系に生まれながらも、時代の潮流──浪漫よりも目先の実益重視な業界に
 そっぽを向いてきたため、家と会社はすっかり落ちぶれてしまっている。
 それでも明るさを忘れることなく『どんな世界の果てにも飛んでゆける夢の船』で世界を
 冒険するという幼い頃からの夢を今も抱き続けていた。ジーク達の二年の修行期間の間に
 その結実である飛行艇「ルフグラン号」を造船。空路と転移網で一行をサポートする。

エリウッド・L(ローレンス)・ハルトマン  【人族♂/27→29歳(人族換算)/先天属性:冥】
:機巧会社「ルフグラン・カンパニー」の副社長。レジーナの相棒であり参謀。
 技師としての経歴は浅いが、営業から経理まで多くの事務をこなせるため、彼女や社員達
 からは全幅の信頼を得ている。物腰穏やかな喋り方をするが、その実かなり計算高い。
 実は元ヴァルドー軍人。かつて空軍にて“空帝”と呼ばれた戦闘艇のエースパイロット。
 当時の記憶が呼び起こされるのか、操縦桿を握ると性格が変わる。
 レジーナと共に飛行艇「ルフグラン号」を駆り、ジーク達の旅をサポートする。

クロムエル・オルダイト  【鉱人族→魔人♂/48→50歳(人族換算)/先天属性:墳】
:通称「クロム」。他ならぬ元“結社”の幹部エージェント・使徒の一人。
 大都消失事件の最中、幾つもの縁と悩みの中で組織を抜ける決意をし、ジーク達が大都を
 解放する大きな切欠となる。
 その後は『監獄島』の一つギルニロックに収監されていたが、ジーク達と面会することを
 強く要請し、紆余曲折を経て正式にブルートバードの仲間となった。元“結社”の構成員
 がゆえ、その内情に詳しい重要な人物。
 魔人(メア)故に当初は街の人々からも快くない“歓迎”を受けていたが、二年の修行を
 経て大分その辺りの荒れ模様も落ち着いてきたようである。
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 《鋼》の色装
 :自身のオーラに「質量」を加える事のできる性質。
  これによりオーラを込めれば込めるほど堅牢な身体となり、同時に攻撃力にも転じる。
  但しその分質量が増えるため、動きが鈍くなってしまうのが弱点。


<02>梟響の街(アウルベルツ)の人々
シンシア・エイルフィード  【人族♀/18→20歳(人族換算)/先天属性:銕】
:アウルベルツの魔導学司校(アカデミー)の新入生で、エイルフィード伯爵家令嬢。
 活動用に手直しされたドレスに淡い金髪のロングヘア。とかく強気で負けず嫌いな性格。
 実は過去二度、アカデミーの受験に失敗しており、三度目の正直でようやく地元から離れ
 たアウルベルツで合格を果たすも、その“主席”をアルスに奪われたことに憤り、出会い
 頭に勝負を挑んでくるくらいに負けず嫌い(しかし一度目は引き分け、二度目は敗北)
 しかしそんな“家名の誇りや名誉の為”に魔導師を目指していた自分と違い、只々純粋に
 皆を守りたい・役に立ちたいと願うアルスの姿に徐々に惹かれゆく。
 演習場(アリーナ)での決着の折にそんな恋心の芽生えを自覚し始めるが、その性格が故
 に中々素直になれないでいる。要するにツンデレである。
 鍛錬の末、カルヴィンとの精霊融合・戦姫態(ヴァルキリーモード)を会得した。

カルヴァーキス  【精霊族♂/50歳(外見年齢)/先天属性:銕】
:シンシアの持ち霊。シンシアを始め親しい者達からは「カルヴィン」の愛称で呼ばれる。
 隆々とした身体に鎧を纏った、人馬の姿。自ら「鉄と戦の精霊」を名乗っており、戦う事
 に生きがいを感じている。射出される鋼柱や鈍色の焔、何よりも己の拳が武器。
 シンシアとはその地元・打金の街(エイルヴァロ)に居た頃に知り合い、契約を結んだ仲。
 パートナーというよりは戦友的な関係であり、良くも悪くも勢いに任せて突っ走ってしま
 う彼女に嬉々として悪乗りするのが恒例行事となっている。

キース・マクレガー  【人族♂/30→32歳(人族換算)/先天属性:冥】
:エイルフィード家に雇われた密偵。現在はシンシアの護衛兼目付け役をしている。
 その相棒であるゲドのことは「ホーさん」、シンシアに対しては「お嬢」と結構口調自体
 はざっくばらんだったり毒舌だったり。曰く「雇い主はあくまで伯爵。お嬢は警護対象」
 頭にバンダナを巻いた長髪で、着用しているミリタリジャケットには得物の短剣や暗器が
 大小様々仕込んである。
 護衛対象の性格がアレであり、相棒が何事にも寛容過ぎる所為で何かと苦労人だが、元々
 は暗殺者としての仕事をメインとしていた為、内心今の生活には安らぎを感じている。

ゲド・ホーキンス  【巨人族♂/45→47歳(人族換算)/先天属性:意】
:エイルフィード家に雇われた傭兵。現在はシンシアの護衛兼目付け役をしている。
 鷹揚自若とした性格の持ち主で、この仕事の相棒であるキースや護衛対象であるシンシア
 を、自分の家族や娘のように穏やかに見守っている。
 得物は大槌型の魔導具「震撃の鎚(グライドハンマー)」。インパクトした瞬間、衝撃波
 が周囲に放たれる効果を持つ。

フィデロ・フィスター  【人族♂/17→19歳(人族換算)/先天属性:鳴】
:アルスと同じくアカデミーの新入生。ルイスとは同郷の幼馴染(腐れ縁)。
 実家が武具屋であり、父の跡を継ぐ為に“魔導具の作れる職人になる”べく受験した。
 快活で物怖じしない性格。ルイスと共に入学早々好奇の視線に晒され困っていたアルスに
 接触、その心根の優しさを肌で感じ取り、自ら親友(ダチ)になると言い放った。
 故にそれ以降はルイスと、その反応に安堵し受けれいれたアルスと三人で行動することが
 多くなった。アルスにとって学院内での一番の友人の一人。
 実戦は得意だが座学は苦手(ルイス曰く「全力バカ」)
 楯と組み合わさった両手甲型の魔導具「迅雷手甲(ヴォティックス)」を使う。
 電撃のエネルギーを纏い、放出しながらの突撃、或いは応用的に飛行できる効果がある。
 
ルイス・ヴェルホーク  【鳥翼族♂/17→19歳(人族換算)/先天属性:天】
:アルスと同じくアカデミーの新入生。ルイスとは同郷の幼馴染(腐れ縁)。
 フィデロの受験に付き添う形で自分も受験し、結果合格。元々魔導には造詣があった為、
 そのまま魔導師の資格を取ることにしたとのこと。
 一見して穏やかで知的。裏を返せば本心を簡単に見せない分析家な性格。
 フィデロの誘いで彼と共に噂の新入生主席・アルスに接触、その秘めたる才能の豊かさや
 人格に強い興味を持って、以後フィデロと共に三人で行動することが多くなった。
 アルスにとってはフィデロと同様、学院内で一番の友人の一人。
 実戦はフィデロにこそ劣るが、座学は彼よりもずっと上(入学試験での成績も)。
 真っ白な飾り布がついた杖型の魔導具「風繰りの杖(ゲイルスタッフ)」を使う。
 杖先を振るだけで周囲の風に干渉、ある程度自在に操れる効果を持つ。
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 《嵐》の色装/操作型
 :自身に触れた魔力を暴走、自壊させる事のできる性質。撹乱者の心象。ジーク達の修行
  に感化され、密かにエマに訓練をつけて貰った末に体得した。ただ、当のルイス本人は
  この能力をあまり好いてはいないようだ。

ブレア・レイハウンド  【人族♂/33→35歳(人族換算)/先天属性:焔】
:アカデミーの教職員の一人。専門は魔流(ストリーム)力学・魔獣学。
 ボサボサの茶髪に、格好はいつも着崩したラフな私服。たまに法衣用のストールを引っ掛
 ける程度。元冒険者という一風変わった経緯の持ち主でもある。
 そんな彼の変り種ぶりや一見すると不真面目そうな風貌、何より専門分野が「地味」が故
 に所属生は長い間閑古鳥な状態。
 そんな典型的な“窓際さん”だったが、魔獣から皆を守りたいというアルスのラボ訪問、
 所属の希望により彼の指導教官──第二の師匠となる。
 当初は「理想」に燃えるアルスを試すような言動が多かったが、徐々に彼の真剣さに触れ
 る中でより具体的な指導を行うようになる。
 どうやら彼自身、アルスの目指す理想に何かしらの苦い経験を重ねているようで……?
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 《燃》の色装/操作型
 :触れた対象のオーラを一時的に強化する事のできる性質。
  ブレア当人曰く地味。直接的な攻撃能力はなく、殆どが自他の強化に用いられる。

ミレーユ・リフォグリフ  【眞法族♀/33→35歳(人族換算)/先天属性:界】
:魔導学司校「梟響の街」(アカデミー・アウツベルツ)校の学院長。
 落ち着いた物腰、しかし学院の責任者として時に毅然とした対応を躊躇しない芯の強さも
 併せ持っている妙齢の女性。
 レノヴィン兄弟の出生の秘密を知っても“学生の学びを妨げる教育者はいない”と彼らへ
 の協力を約束。アウルベルツが“結社”の手勢に襲撃された際も、学院の教員らを率いて
 その撃退に一役買った。

エマ・ユーディ  【人族♀/30→32歳(人族換算)/先天属性:刻】
:アカデミーの教職員の一人。専門は魔導解析学。
 眼鏡とスーツをびしっと着こなし多くの事務も捌くクールビューティ。また学院長補佐も
 務めているなど、アウツベルツ校屈指の才媛でもある。
 それ故に彼女の研究室(ラボ)は、その専門分野が「花形」分野であることもあり、毎年
 希望者の殺到する人気の所属先の一つとなっている。現在シンシアとルイスが所属中。

バウロ・マグダレン  【人族♂/43→45歳(人族換算)/先天属性:墳】
:アカデミーの教職員の一人。専門は魔導工学。
 長身で隆々としたガタイのよい体躯にスキンヘッド、短く剃り揃えられた顎鬚と外見だけ
 なら冒険者だと言っても通用しそうな威圧感のある容姿をしている。
 それでもやはり魔導の──魔導具の専門家であり、ジークの六振りの剣が魔導具であり、
 何よりも聖浄器であると看破し、告げた人物でもある。
 性格は豪胆な親方風。昔気質な愛ある厳しい指導者として有名。現在フィデロが所属中。

バラク・ノイマン  【蛇尾族♂/40→42歳(人族換算)/先天属性:墳】
:アウツベルツに拠点を構える冒険者クランの一つ「サンドゴディマ」の団長。
 強力な毒と酸を噴き出す鉤爪手甲型の魔導具「酸毒爪甲(ポイズンガトレット)」をその
 主装としており、呼ばれるようになった異名が“毒蛇”のバラク。
 同業者は勿論、身内の失態にも厳しい強面の人物として知られ、街の冒険者達からも一目
 を置かれている。ただイセルナらのピンチに加勢する等、根はそう辛辣ではない模様。

キリエ  【犬獣族♀/32→34歳(人族換算)/先天属性:墳】
:クラン「サンドゴディマ」の一員でその幹部。セミロングの銀髪を湛えた物静かな女性。
 同クランの幹部の中でも比較的高い地位にあるようであり、バラクの秘書役もこなす。
 戦闘時の武器は両脚に装備した具足(レガース)。蹴り技が主体の格闘戦を得意とする。

ロスタム  【蟲人族♂/35→37歳(人族換算)/先天属性:天】
:クラン「サンドゴディマ」の一員でその幹部。唾広帽を被ったガンマン風の男性。
 六本腕という種族の特性を活かし、戦闘時は複数の銃器を同時に巧みに操って戦う。

ヒューイ  【蛮牙族♂/27→29歳(人族換算)/先天属性:銕】
:クラン「サンドゴディマ」の一員でその幹部。腕っ節が強く、血の気も多い青年。
 戦闘時の武器は矛。団員らと共に真っ先に敵陣へと飛び込む斬り込み隊長的な存在。

アスレイ・モレウル  【人族♂/22→24歳(人族換算)/先天属性:意】
:ブルートバード新団員選考会に参加した冒険者の一人。
 “聖壁”の異名を持ち、強力な障壁を発生させる盾型の魔導具を駆使する青年騎士。
 実力が認められ、二年後の新編成にて九番隊隊長を任される。

テンシン・カザマ  【女傑族♂/39→41歳(人族換算)/先天属性:流】
:ブルートバード新団員選考会に参加した冒険者の一人。
 “傾奇(かぶき)”の異名を持ち、身長大の長刀を自在に振るう自由人。
 実力が認められ、二年後の新編成にて十番隊隊長を任される。

ガラドルフ・D・オズマン 【眞法族♂/55→57歳(人族換算)/先天属性:銕】
:ブルートバード新団員選考会に参加した冒険者の一人。
 “地違(ちたがえ)”の異名を持ち、得意分野である火門に留まらず多くの術式を修めて
 いる老練の魔導師。腕はいいが、少々跳ねっ返りが強いのが玉に瑕。
 実力が認められ、二年後の新編成にて十三番隊隊長を任される。

アウルベ伯 【人族♂/28→30歳(人族換算)/先天属性:意】
:梟響の街(アウルベルツ)の若き領主。アウルベ伯爵。
 ちなみに本名は「ルシアン・V(ヴェルドット)・アウルベル」。
 “結社”からの襲撃を受けた際、レノヴィン兄弟を差し出せと脅迫されていたことから、
 亡き父より受け継いだ街を守ろうと当初、二人を探し出し要求を呑もうとしていた。
 しかしその脅迫に屈する──何よりも先代よりの側近達にいいように誘導されていること
 をジークに導話越しにどやされ、領主としての心構えの甘さを自覚し、恥じた。
 この一件以降、側近達の利益の為に使われるのではなく、彼らを使って領民を護る者だと
 いう意識──芯のある領主へと成長を始めているようである。

 
<03>レノヴィンの盟友達
コーダス・レノヴィン  【人族♂/38→40歳(人族換算)/先天属性:意】
:レノヴィン兄弟の父。セドとコンビを組んで冒険者をしていた剣士。
 かつて国を追われた皇女を仲間達と共に守り抜き、やがてその彼女と恋に落ちて結ばれた。
 それからの後、ジーク・アルスがまだ幼い頃に村(サンフェルノ)を襲った魔獣らに村の
 自警団の面々と立ち向かった末、消息が途絶えて今に至る。
 ジーク達や村の人々、かつての仲間達も“魔獣に喰われた”とばかり思っていたが……。
 かつての彼をよく知る者達は口を揃えて「大が付くほどのお人良し」「穏やかな人」との
 評を述べる。冒険者時代の二つ名は“凪剣”。
 大都消失事件にてその消息が判明。
 実は生きており、結社に囚われ“戦鬼(ヴェルセーク)”として長らく操られていた。
 息子や盟友達の尽力で救い出された後は、紆余曲折を経て、妻と共にトナン皇国に移る。
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 《空(くう)》の色装/超覚型
 :自身の感覚をより広範囲に拡張する事のできる性質。コーダスの迎撃無双の剣技・凪剣
  の正体。半球(ドーム)状に広げた力場に入って来た相手の挙動を正確に把握できる。
  ただ長く“結社”に囚われていたブランクもあり、その能力は全盛期に比べると衰えて
  しまっているらしい。

シノブ・レノヴィン  【女傑族♀/37→39歳(人族換算)/先天属性:聖】
:レノヴィン兄弟の母。東方出身の黒髪美人。夫を亡くしてからも、村唯一の開業医として
 皆に尽くしながら、ジークとアルス、二人の息子を育ててきた。
 彼女こそがコーダスが“仲間と共に守り抜いた皇女”本人であり、その正体はアマゾネス
 の国・トナン皇国先皇の一人娘「シノ・スメラギ」である。
 当初はたとえクーデターで自分が国を追われても、それで領民の暮らしが良くなるのなら
 このまま庶民として生涯を終えてもいいと考えていたが、その謀反の主アズサが向け続け
 てくる敵意と息子達に迫る危機から意を決し、故郷(こきょう)に帰還する。
 皇国擾乱の末にアズサが亡くなってからは、女皇代行(事実上の新女皇)として、戦禍に
 傷付いた祖国の復興に力を尽くそうと試行錯誤を始めている。

セオドア・エイルフィード  【人族♂/37→39歳(人族換算)/先天属性:焔】
:アトス連邦朝中西部の都市・打金の街(エイルヴァロ)の領主。エイルフィード伯爵。
 親しい者達からは「セド」の愛称で呼ばれる。シンシアの父親。
 まだ公子だった頃は諸国見聞という態で冒険者をしていた。その道中でコーダスと出会い
 コンビを組むようになる。コーダスのかつての仲間達の一人、その筆頭。
 口調は荒っぽいが腕の確かな魔導師であり、紅い電撃を放つオリジナルの魔導“灼雷”を
 駆使して戦う。当時は“灼雷の魔導師”や“レノヴィンの片腕”などと呼ばれていた。
 シノ(シノブ)を救い切れなかったことを悔やみ、冒険者を辞めて爵位を継いでからは、
 彼女ら一家を見守りいつの日か故郷に返してやれるようにと権力基盤を固め続けていた。
 皇国擾乱の折、シノの決心を受け取り、長らく温めていたプランを発動した。
 娘・シンシアの気難しさには父として手を焼いており、ゲド・キースらに向こうでの様子
 を定期的に報告させている。
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 《盤》の色装/超覚型
 :空間把握系の能力。周囲の空間を碁盤目のように細かくブロック分けして把握する事で
  正確無比な行動を起こせる。彼のオリジナル魔導“灼雷”もこの能力を応用して編み出
  されたもの。

アラドルン・ヴォルガー  【人族♂/52→54歳(人族換算)/先天属性:墳】
:エイルフィード家の執事長。親しい者達からは「アラン」の愛称で呼ばれている。
 先代伯爵の頃から仕えてくれている重臣で、セドの信頼も厚い彼の補佐役。
 折り目正しい所作の壮年執事だが、実は突剣(レイピア)での戦闘もこなせる。

サウル・フォンテイン  【人族♂/42→44歳(人族換算)/先天属性:鳴】
:レスズ都市連合の領地の一つ、輝凪の街(フォンテイム)の領主。フォンテイン侯爵。
 コーダスのかつての仲間達の一人・アイナの夫であり、妻亡き後はその遺志を受け継いで
 セドらと長らく連携を取り合っていた。
 しかしそうした権力強化に邁進する姿は、息子サフレには「母を蔑ろにして金儲けに走っ
 ている」との誤解で受け取られてしまっており、現在父子仲は断絶状態にある。
 (サウル自身が「やっている事実はその通りだ」と釈明をしてこなかった所為もあるが)
 彼の使用する魔導具「銀律錬装(アルゲン・アルモル)」は魔力ある水銀を纏い、重武装
 の騎兵等へと換装するというもの。文字通りの騎士としての力を発揮する代物。
 アルスの仲介もあり、険悪な親子仲は一応解消に向かっている。
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 《銀》の色装/操作型
 :解毒系能力。自身のオーラに触れた毒素・呪詛など様々な変調を消滅させる事ができる。
  大都消失事件の折“狂化霊装”に対して使用したが、直接の接触面を確保できなかった
  ため不発に終わっている。

リュカ・ヴァレンティノ  【竜族♀/32→34歳(人族換算)/先天属性:天】
:サンフェルノ村に父クラウスと共に隠居生活を送っていたドラグネスの女性。
 スラックスと羽織ったマント、肩近くまで伸びた濃紺の髪を毛先で緩く束ねている。
 村の教練場(寺子屋のようなもの)の先生であり、レノヴィン一家とは家族ぐるみの付き
 合いがある。またアルスにとっては逸早くその才能を見出し魔導のイロハを教えてくれた
 最初の師匠でもある。知的で面倒見の良いお姉さんといった感じ。
 そうした背景からジークには「リュカ姉」、アルスには「リュカ先生」と呼ばれている。
 ジークとアルスが自分達の出生の秘密を知って皇国(トナン)に向かうと決心したことを
 受け、村の代表として以降彼らに同行することになる。
 魔導師としても優秀であり、風門の魔導を得意としている。

クラウス・ヴァレンティノ  【竜族♂/54→56歳(人族換算)/先天属性:界】
:サンフェルノ村に娘リュカと共に隠居生活を送っているドラグネスの男性。
 実は元・七星「竜帝」であり、村に“結社”が襲ってきた際には大剣を片手に、リュカと
 共々その撃退に貢献した。武芸者であることは以前より皆に知られており、ジークに頼ま
 れて剣の手ほどきをした彼の師匠。ただ口数が少なく、娘ほど村人と関わっていない。
 村を発ち、皇国(トナン)に向かうジーク達にそっと激励の言葉を送った。 

ハルト・ユーティリア  【妖精族♂/37→39歳(人族換算)/先天属性:魄】
:コーダスのかつての仲間達の一人。現在は出身部族の長を務めており、結婚した幼馴染の
 サラと子宝に恵まれて暮らしている。シフォンの伯父に当たる。
 皇国内乱の際、保守的な部族内の反発が故にジーク達に直接手を貸せず、後悔していた。
 その後妻や子らと相談し、長子クレアを自分達の名代としてブルートバードに遣った。
 当初は他種族との共存を説得して回っていたが、その難しさを痛感し「開明派らの集落」
 を新設してはどうだろうと同士らと模索している。
 娘曰く、妻とは仲睦まじく「押される側」らしい。心優しいが押しに弱い。

サラ・ニロップ  【妖精族♀/36→38歳(人族換算)/先天属性:流】
:コーダスのかつての仲間達の一人。現在は幼馴染のハルトと結婚、彼が族長を務める部族
 の面々や我が子らと共に暮らしている。
 皇国内乱の際、保守的な部族内の反発が故にジーク達に直接手を貸せず、後悔していた。
 その後夫や子らと相談し、長子クレアを自分達の名代としてブルートバードに遣った。
 当初は他種族との共存を説得して回っていたが、その難しさを痛感し「開明派らの集落」
 を新設してはどうだろうと模索する夫をサポートしている。
 娘曰く、夫とは仲睦まじく「押す側」らしい。柔和な女性だが肝は夫以上に据わっている。

アイナ・ウィルハート  【眞法族♀/36→38歳(存命の場合)/先天属性:意】
:コーダスのかつての仲間達の一人。武者修行中の(しかしおどおど自信なさげな)魔導師
 見習いの少女だった。その旅路の中でコーダス達と出会い、共に力を合わせた。
 そんな旅の中で当時フォンテイン公子だった頃のサウルと出会い、彼に求婚をされ受託、
 息子サフレをもうけた。
 しかし本編開始時には既に故人になっており、少なくともサフレが物心つく頃には病床に
 あったらしい。その最期の折、最愛の夫サウルに『皆がもっと笑顔でいられますように』
 との願いや盟友・シノの行く末を託し、静かにこの世を去った。

シルビア・エイルフィード  【人族♀/37→39歳(人族換算)/先天属性:鳴】
:セドの妻、即ちシンシアの母親。娘と同じく負けん気の「強い」女性だが、娘の前などで
 はお茶目に振舞うこともしばしば。親元を離れて学院に通う娘を気に掛けている。
 セドとは幼馴染で、彼の冒険者時代以前からの許婚であったようだ。


<04>第二の故郷・トナン皇国
アズサ・スメラギ   【女傑族♀/46歳(死亡時)/先天属性:銕】
:当代のトナン女皇。かつて同志らと共にクーデターを起こして双子の妹夫妻を殺害、現在
 の王座に就いた経歴を持つ。博学強記の才媛であり、同時に峻烈なまでの実力主義者でも
 ある。クーデターまで起こして王座を求めたのは、ひとえに女傑族の伝統の上に胡坐をか
 いたまま漫然と贅を尽くすだけの代々の王権に嫌気が差し、改革しようと決心したから。
 実際、その手腕は二十年の歳月の内に同国を東方でも随一の強国にまで成長させた。
 しかし一方でその思想信条は弱者切り捨てとも同義であった為、遂には“真の皇となる”
 野望につけこんだ“結社”の謀略に嵌って悶え苦しみながらの死を遂げることに。
 最期まで対話と和解を信じようとするシノを前に「精々その奇麗事で足掻いてみせろ」と
 哂いながら──最期まで和解を拒んだまま、力尽きた。

アカネ・スメラギ  【女傑族♀/26歳(死亡時)/先天属性:魄】
:アズサの双子の妹。故人。姉とは対照的に心優しく、蝶よ華よと愛でられていた。
 しかし「有能だが苛烈な皇」よりも「不器用でも民に寄り添える皇」をと願った父皇より
 王位を託されたものの、結局アズサの起こしたクーデターにより夫(婿養子)共々殺害さ
 れてその生涯を終えることになった。
 シノ、或いはその息子の一人であるアルスの穏やかな人柄はこの彼女譲りと思われる。 

サジ・キサラギ  【女傑族♂/53→55歳(人族換算)/先天属性:鳴】
:元トナン皇国近衛隊隊長。仕えていたアカネ・シュウエイ夫妻の謀殺を防げなかったこと
 を悔やみ、アズサ皇が政権を掌握した後も、先皇先々皇を慕う者達と共にレジスタンスを
 結成。長らく皇国軍と争い、内戦の片棒を担いでいた。
 しかしトナンに足を踏み入れたジークからシノの存命を聞いて安堵したのも束の間、その
 ジーク──主君の嫡男から「母を勝手に看板にして争っていただけ」だと猛烈に詰られ、
 剣まで向けられてしまう。
 その後も実娘との敵対など、それまで信じていた“忠節”は大きく揺らぎ、擾乱集結の後
 も、思い悩みながらシノの要請の下、再び近衛隊隊長として家臣団に加わることに。
 彼の使う槍型の魔導具「印導の槍(スティグマランス)」は、一撃目に相手の“刻印”を
 刻み、二撃目でその印を貫く結果を引き寄せるという“二撃必中”という特性を持つ。
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 《砕》の色装/操作型
 :二年後に覚醒した。相手のオーラを分解する事のできる性質。
  但しその効果があるのは自身のオーラが触れた部分のみであり、武器に纏わせつつ使用
  するとどうしても範囲が限定されてしまう。試行錯誤中。

ユイ・キサラギ  【女傑族♀/25→27歳(人族換算)/先天属性:墳】
:サジの実の娘で、一時はアズサ皇に仕え一個小隊を任されていた将校。
 対象物を無色透明化する魔導具「不視錯装(インビジヴル)」で得物の剣を覆い隠した、
 見えない剣撃という戦法で戦う。
 擾乱の最終局面、王都攻防の折に遂にサジ──母と自分を捨てた憎き男との再会を果たし
 憎悪のままに討ち取ろうとしたが、彼の槍の前に力及ばず敗れた。
 しかしながら擾乱の後、これまでの自身の歩みを一人の父として深々と詫びたサジの姿に
 意固地になっていた想いも氷解。宛がわれていた病室にてようやく父娘の和解を果たす。
 擾乱の後は新生近衛隊の副長に就任。シノの皇としての手腕を見届けることにした。

イヨ・ミフネ  【女傑族♀/37→39歳(外見年齢)/先天属性:意】
:皇国内乱の後、アウルベルツへ「留学」という形で戻る事になったアルスに付けられた
 侍従衆の長。跳ねた後ろ髪をアップで止めた、黒縁眼鏡と白色系の簡易礼装という格好。
 元々はリンファと同期に宮仕えを始めた元・王宮図書資料館の司書であり、その当時から
 彼女や(皇女だった頃の)シノとも面識・交友がある。特に民俗風俗の知識が豊富。
 クーデター発生の直後から避難の為に遠方の実家へ戻っていたが、シノが新女皇になった
 のを契機に再出仕。そこで友(リンファ)とも再開を果たし、更にその専門分野も相まっ
 て、シノ自らリンファ共々侍従衆のツートップに任命されてしまう。
 性格は真面目で誠実──なのだが、如何せんそう気が強い訳でもなく、再出仕早々に大役
 を任されてしまった事でおどおどと緊張しまくっている。
 しかしその奮闘ぶりは、同じく慣れない環境に置かれた者同士という親近感もあり、当の
 侍従対象であるアルスには好印象を持たれているようだ。

ナダ・カシワギ  【女傑族♀/70→72歳(人族換算)/先天属性:焔】
:皇都トナンのスラム街に住む老医師。歯に衣着せぬ口調だが、医術の腕は確か。
 内乱の際、単身王宮で奮闘した末に大怪我を負ったジークと出会い、彼を治療する。
 スラム住人達から「御婆」の愛称で呼ばれ、信頼厚い彼らのご意見番だった。
 実は先々代の皇家より重用されていた元・王宮医務長(要するに王宮の医師団長)。
 クーデターが起こった際、当時のアカネ・シュウエイ皇夫妻を助けられなかった事を
 強く悔やんで長らく王宮から距離を置いていたが、その実娘であるシノからの許しと
 礼を尽くした再出仕の懇願を受け、再び医務長に就任することとなった。


<05>地上層─王貴統務院と六大陣営
アトモスファイ・ハウゼン  【伴霊族♂/68→70歳(人族換算)/先天属性:蒼】
:顕界(ミドガルド)北の盟主・アトス連邦朝の現国王。老練なる賢王として知られる。
 沈着冷静にして圧倒的なカリスマ性を持ち、諸侯らに畏怖されているが、そんな淡々と
 した外見に反してその内面は彼なりに多くの憂慮で満ちているようである。
 セドやシノからの要請──その際に彼がサヴィアン侯らに叫んだ思い──を受け止め、
 皇国(トナン)の内乱に終止符を打つべく軍を派遣することを決める。

ファルケン・D・ヴァルドー 【人族♂/38→40歳(人族換算)/先天属性:鳴】
:顕界(ミドガルド)西の盟主・ヴァルドー王国の現国王。ミドルネームは「デュセムバッハ」
 セカイの開拓派を牽引する人物の一人であり、故に“結社”を始めとした保守派勢力から
 は目の敵にされているが、当の本人は「何をしようが賛成する奴も反対する奴もいる」
 「糞真面目に一々聞いていたら何もできねぇよ」等と豪語し、世の発展を御旗に開拓推進
 の政治を推し進めている。このように、性格は王にも関わらず粗野。されど器は大きい。
 自身もかなりの武闘派であり、ジーク達を“セカイを変える起爆剤(クスリ)”と称して
 歓迎(利用)しようとする姿勢が窺える。
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 《覇》の色装/操作型
 :細かくした自身のオーラを相手に送り込み、その動きを封じ込める性質。威圧の能力。
  大都消失事件の折“狂化霊装”に対して使用したが、理性を失っている相手にはあまり
  効果がなかった。

ギルバート・ウォルター  【人族♂/43→45歳(人族換算)/先天属性:銕】
:顕界(ミドガルド)東の盟主・レスズ都市連合の現議長。ウォルター侯爵。
 都市連合きっての有力富豪であり、恰幅の良い身体と他人を試すような眼が印象的。
 セドと連携したサウルからの要請と証拠の提出を受け、アトス連邦朝と共にトナンへの
 派兵を決めた。

ロゼッタ・ウィンストン  【人族♀/33→35歳(人族換算)/先天属性:墳】
:顕界(ミドガルド)南の盟主・サムトリア共和国の現大統領。人々からは「ロゼ」の愛称
 で呼ばれる事が多い。元統務院議員出身であり、その後故郷サムトリアの政治家に転身、
 実直で既存の派閥に頼らない政治スタンスが領民の好評を博し大統領にまで上り詰めた。
 しかし実際上の政務はそう“理想”通りにはいかず、自らの権力基盤の脆弱さ・不安定さ
 に四苦八苦する日々が続いている。

エイテル・フォン・ティアナ三世  【鳥翼族♀/27→29歳(人族換算)/先天属性:聖】
:セカイ最大の信者数を誇る『クリシェンヌ教』の現教皇。鸛(コウノトリ)系翼人。
 歳若い、しかも女性のリーダーだが、その神官としての能力は非常に高い。
 過去にも教皇が選出されたことのある枢機卿家の出身。

Mr.リストン  【種族不明/年齢不明/先天属性:?】
:開拓に邁進するセカイに対抗する保守派の超党派勢力・リストン保守同盟の長。
 同盟の性質上、政敵に狙われる危険性がある為、主だったメンバーは皆覆面をして素性の
 公表を一切禁じている。リストンという名も、同盟の長に代々与えられる称号である。

リカルド・エルリッシュ  【人族♂/35→37歳(人族換算)/先天属性:流】
:ブルートバードのご意見番・ハロルドの実弟。
 現在は教団直属の組織の一つ「史の騎士団」で部隊長を務める神官騎士。
 教団本部の命により、ブルートバードと共闘する(間諜役になる)ことになる。
 元は優秀な兄と比較され、遊び人に為ってひねていたが、その兄当人がレナと共に教団を
 出て行ってしまったことから急遽エルリッシュ家の跡継ぎにされた。
 身体中に魔導具のルーンを刺青として彫っている為、ほぼノンウェイトで魔導を発動させ
 ることが可能(但し身体に掛かる負担も相応のものである)
 主戦術は、その身体に刻んだ“調刻霊装(アクセリオ)”による加速能力と銃撃。
 普段は自若を装っているが、兄や親族──ひいては教団との確執もあってその内面は相当
 沸々とした反骨心を抱えているが、聖都(クロスティア)でのレナを巡る一件を経て兄と
 も和解。一件の後は部下達と共に教団を脱会し、正式にクランの一員となった。
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 《滞》の色装/操作型
 :自身が張る力場の内部において外部からの魔力(マナ)供給を断つ事のできる性質。
  いわばマナの酸欠状態を作り出す。マナに頼り切りがちな相手には大きなダメージを期
  待できるものの、敵味方──何より自分自身にも効果が見境無いのがネック。

リザ・マクスウェル  【人族♀/38歳(人族換算)/先天属性:刻】
:教団直属の神官騎士団の一つ「史の騎士団」の総隊長。一見涼しげな妙齢の女性。
 しかしその本性は教皇エイテルを支える参謀的な存在であり、微笑の裏で目的達成の為に
 あらゆる手段を惜しまない策謀の人。威を借りるばかりの枢機卿達のことは内心よく思っ
 てはいないようだ。
 互いに駆け引きの最中だったとはいえ、ヒュウガと互角に粘り合うなど、総隊長の名に相
 応しい高い戦闘能力を持つ。
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 《鏡》の色装/現出型
 :相手のオーラを写し取り、そのコピー人形を作り出して操る事のできる性質。こと相手
  が猛者であればあるほど本領を発揮する能力だが、複数同時に作り出すほどに一体ごと
  に込められる力はその分目減りしてしまうデメリットもある。

ミュゼ  【人族♀/27歳(人族換算)/先天属性:蒼】
:教団直属の神官騎士団の一つ「史の騎士団」の部隊長の一人。リザの側近でもある女性。
 “楯無のミュゼ”の異名を取り、魔導具の双槍を巧みに操って戦う。
 小柄ながら鋭く、正確無比な槍捌きとその色装で対峙したリカルドを追い詰めたが、加勢
 に現れたハロルドによってその能力を看破され、その後共闘した兄弟に破れる。
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 《霧》の色装/強化型
 :オーラを通常よりも更に細かい粒子に分解・再構築する事のできる性質。
  彼女はこの能力と魔導具の槍を組み合わせる事で“防御をすり抜けてくる一撃”を駆使、
  主戦法としていた。

ダーレン  【人族♂/35歳(人族換算)/先天属性:焔】
:教団直属の神官騎士団の一つ「史の騎士団」の部隊長の一人。刈り上げ頭の偉丈夫。
 リザやミュゼ、ヴェスタと共に本山からレナを手に入れる為にやって来た。神官騎士では
 あるが、信仰の徒というよりは戦士である。横柄で好戦的。
 一度はジークを「英雄クン」と甘く見、痛めつけたが、聖都での決戦にて既にその能力の
 攻略法を見つけられていた彼に惨敗する。
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 《寄》の色装/付与型
 :オーラに引力を加える事のできる性質。引き寄せる強さは基本オーラ量に比例する。
  彼はこの能力を相手を逃がさず、自身の振るう豪拳に吸い込ませる枷として使っていた。
  但しそれは裏を返すと、一撃をかわされれば無駄に懐に入らせる隙ともなりうる。

ヴェスタ  【♂/37歳(人族換算)/先天属性:冥】
:教団直属の神官騎士団の一つ「史の騎士団」の部隊長の一人。一見優男風な、陰険紳士。
 リザやミュゼ、ダーレンと共に本山からレナを手に入れる為にやって来た。やや自信過剰
 な気障男であり、相手を愚弄することを好む。一度はジーク達をダーレンと共に捕らえ、
 痛めつけたが、聖都での決戦にて撃破。大怪我を負った。
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 《影》の色装/操作型
 :オーラを通じて自他の影を掌握し、操る事のできる性質。相手の影を捉えて動けなくし
  たり、自身の影を鋭い触手のようにして攻撃したりできる。
  縦横無尽な攻撃力を誇る一方、強い光を浴びたりして影自体が消えると能力が使えなく
  なるという弱点を抱える。

ダグラス・レヴェンガート  【人族♂/40→42歳(人族換算)/先天属性:墳】
:王貴統務院直属軍・正義の盾(イージス)の長官。“槍聖”の異名も持つ槍の達人。
 真面目で情に厚い良き上官。ただその甘さが自身の後悔を生むことに。
 大都消失事件では結界迷宮内で真っ先に王達の救出に奔走、合流したその他の軍勢を纏め
 上げて、王達の脱出及び追撃してくる使徒らへの足止めという大役を担った。
 その家系は元々旧ゴルガニア帝国将校の筋であり、統務院(現在の世界政府)に出仕して
 いるのは“罪滅ぼし”の心算であるようだ。
 (一度彼と交戦したジーヴァはこの負い目を「くだらん」と一笑に付している)
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 《地》の色装/操作型
 :周囲のあらゆる地面に干渉し、変幻自在に操る事のできる性質。
  土槍から射出弾、砂の眼くらましまで、大よそ墳魔導に近い多彩な戦術が組める。
  ダグラス自身は槍技と、この色装を併用しながら戦う。弱点は、周りの地面の状況に力
  の出せ具合が左右されること。

エレンツァ・ピューネ  【眞法族♀/36→38歳(人族換算)/先天属性:鳴】
:王貴統務院直属軍・正義の盾(イージス)の副長官。別名“紫の魔女”。
 自身のオーラを雲に変えて様々な天候の魔導を駆使する若き技巧派。戦闘能力も高いが、
 どちらかと言うと情緒に挟まれて悩みがちなダグラスの参謀として立ち回ることが多い。
 正義の盾(イージス)に招聘されるまでは学者で、その時代に発表した論文はアルスも目
 を通した事があるらしい。
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 《雲》の色装/変化型
 :自身のオーラを雲に換える事ができる性質。雨雲、雷雲、雪雲。様々な状態に弄ってや
  ることで様々な天候を巻き起こし、攻撃力へと変える事ができる。

ヒュウガ・サーディス 【人族→魔人♂/35→37歳(人族換算)/先天属性:天】
:王貴統務院直属軍・正義の剣(カリバー)長官。別名“赤雨(せきう)”のヒュウガ。
 元々は弟グレン、妹ライナと共に優秀な冒険者──傭兵として七星候補にも挙がるほどの
 実力者だったが任務中に瘴気に中てられて魔人(メア)と化したことでそれも辞退した。
 (曰く「魔獣を間引く為の組織のトップに、その親戚がいたら筋が通らない」)
 統務院からの招聘を受けたのも、ひとえに“抑止力としての魔人(メア)”という存在を
 示せば同胞達への差別意識も変わるかもしれないと思ったから。ただあくまで傭兵である
 という立場を崩さないドライな一面も存分にみせる。
 得物は長剣。戦う度に“血の雨が降る”ことからその異名がついた。
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 《雨》の色装/操作型
 :自身のオーラと水を反応させ、自在に操る事のできる性質。
  ヒュウガはこれを自他の「血」で以って発動させ、無尽の刃として文字通り雨霰の如く
  操り、降り注がせる。そしてまた血塗れになったその戦場で「血」を巻き上げ、延々と
  攻撃する事が出来るという無限ループを実現させている。

グレン・サーディス  【人族→魔人♂/33→35歳(人族換算)/先天属性:焔】
:王貴統務院直属軍・正義の剣(カリバー)副長官右席。サーディス三兄妹の次兄。
 元々は優秀な冒険者──傭兵だったが、兄や妹達と同じ経緯で魔人(メア)となる。
 体格は兄よりも一回り以上大きく、筋骨隆々。半裸に軍服を引っ掛け、文字通り爆裂する
 大剣を振り回して戦う。三人の中で最も戦闘狂である。
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 《炸》の色装/付与型
 :自身のオーラに「爆発」を付与する事のできる性質。文字通り彼の纏ったオーラや武器
  はヒット直後爆発してダメージを与える。本人は専ら爆破攻撃として使うのを好むが、
  全身から広げたオーラを張り巡らせればド派手な防御網にも早変わり。

ライナ・サーディス  【人族→魔人♀/28→30歳(人族換算)/先天属性:鳴】
:王貴統務院直属軍・正義の剣(カリバー)副長官左席。サーディス三兄弟の末妹。
 元々は優秀な冒険者──傭兵だったが、兄達と同じ経緯で魔人(メア)となる。
 なりこそ小さいが、気の強さは男顔負け。電撃と磁力の魔導を得意とし、剣や銃など兵が
 大よそ使いうる全ての武器を引っこ抜き無力化、更に自分のコントロール化に置いて敵対
 する者達を翻弄する。
 豪快な性格は三兄妹共通だが、彼女自身は同胞の復讐的行為には憤りを覚えている模様。
 -------------------------------
 《磁》の色装/付与型
 :自身のオーラに「磁力」を付与する事のできる性質。ライナは自身が小柄で、且つ魔導
  師である事も併せ、この色装を利用した金属(武器)収集からの敵の無力化・巨大鉄屑
  攻撃などを主戦法とする。また自他をこのオーラで包み、反発力で宙に浮くなどという
  芸当もやってみせる。

セラ・ウゲツ  【女傑族♂/30→32歳(人族換算)/先天属性:意】
:『監獄島』の一つ、ギルニロックの副署長を務める女傑族(アマゾネス)の男性。
 真面目で誠実な性格で、たとえ囚人相手であろうと発散目的に暴力を振るう事に否定的。
 しかしその“真面目さ”が故に、署内の一部の獄吏・看守達からは嫌われていた。
 クロム収監中の折、ジーク達と共闘して侵入して来た“使徒”達を退けた実績から、後に
 ケヴィンと共に新生・正義の盾(イージス)の要『四陣』の一角に抜擢された。
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 《波》の色装/強化型
 :自身のオーラをより長くへ延ばす事のできる性質。ウゲツ自身はこの遠くへと延ばした
  オーラに斬撃を乗せ、変幻自在な飛ぶ斬撃を操って戦う。

ケヴィン・イーズナー  【剛獣族♂/43→45歳(人族換算)/先天属性:墳】
:『監獄島』の一つ、ギルニロックの署長を務める男性。猛牛(バッファロー)系の獣人。
 見た目色黒でゴツい大男だが、年長の落ち着いた物腰をしている。ウゲツの事はやや優し
 過ぎるが優秀な部下だと思っている。
 クロム収監中の折、ジーク達と共闘して侵入してきた“使徒”達を退けた実績から、後に
 ウゲツと共に新生・正義の盾(イージス)の要『四陣』の一角に抜擢された。
 -------------------------------
 《震》の色装/付与型
 :自身のオーラに「震動」を加える事のできる性質。近距離では震動を加えた超破砕能力
  を持つ拳撃、遠距離では空間を叩くことで生み出す衝撃波で攻撃可能。
  ギルニロックに侵入した“使徒”達を撃退した実績あり。
 
デニス・デュゴー
:ダグラスの部下の一人。正義の盾(イージス)所属の将校。階級は大佐。
 “色持ち”でありその事もあって大都消失時、とある任務を任されていたが、相棒である
 スタンロイと共に使徒達と“フードの男”の襲撃を受け、再起不能なまでの重症を受ける。
 面会に来たダグラスやジーク達に、とある重大な情報を伝えることになる。
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 《熔》の色装/変化型
 :自身のオーラを溶岩(マグマ)に換える事ができる性質。
  触れる者近付く者を誰彼構わず焼き尽くし、燃やし尽くす強力な能力であったが、大都
  消失事件の折、自らの前に現れたジーヴァの力の前には為す術も無かった。

ミッケラン・スタンロイ
:ダグラスの部下の一人。正義の盾(イージス)所属の将校。階級は大佐。
 “色持ち”でありその事もあって大都消失時、とある任務を任されていたが、相棒である
 デュゴーと共に使徒達と“フードの男”の襲撃を受け、奮戦も虚しく討ち死にしてしまう。
 ------------------------------
 《像》の色装/現出型
 :巨大な自身の分身を作り出し、攻撃する事のできる性質。巨大分身は己の挙動をリンク
  しており、これにより体格や力で上回る相手も圧倒できる……筈だったが、大都消失事
  件の折、自らと相対したヴァハロの力の前に易々と打ち破られた。

アトモスファイ・ハーケン
:アトス連邦朝王子。ハウゼンの息子。ミルヒの弟に当たる。
 長く在位する父を補佐し、自信も華やかではないながら堅実な政治家として実績を積んで
 いた。次の王位継承者と目されていたが……?

アトモスファイ・ミルヒ
:アトス連邦朝王女。ハウゼンの娘。ハーケンの姉に当たる。
 男女の別がなければ長子だが、やや感情的になりがちな性格であり、自身もあまり政治家
 には向いていないとの自覚がある。夫は有力貴族・ゼノゲイル公ギュンター。

アトモスファイ・Z・ギュンター
:ミルヒ王女の婿。同国の有力貴族・ゼノゲイル公爵。
 あまり口数は多くなく、少々厳つい印象を与えがちだが、妻やまだ幼い息子・セネルを誰
 よりも大事にする愛妻家。国王ハウゼンの信頼も厚い。


<06>地底層─万魔連合(グリモワール)と四魔長
“鬼長”セキエイ  【鬼族♂/38→40歳(人族換算)/先天属性:焔】
:地下世界群を取り仕切る、万魔連合(グリモワール)の四巨頭の一角。鬼族の長。
 朱色と白の羽織を引っ掛けた赤髪の偉丈夫で、面倒見のよい兄貴分。
 どうやらリュウゼンとは因縁(過去に相応の面識)があるようだが……?

“夜殿主”ミザリー・ファントムベイン  【妖魔族♀/40→42歳(人族換算)/先天属性:冥】
:地下世界群を取り仕切る、万魔連合(グリモワール)の四巨頭の一角。妖魔族の長。
 闇色の衣を纏う大人の女性。酒好きで同じ魔界(パンデモニム)出身のロミリアの友人。
 冥魔導の達人であり、かの十二聖の一人「闇卿エブラハム」の子孫。

“幻姫”リリザベート  【幻夢族♀/19→21歳(外見年齢)/先天属性:流】
:地下世界群を取り仕切る、万魔連合(グリモワール)の四巨頭の一角。幻夢族の姫。
 夢魔とも別称される同族の名に相応しい、若き色気──と天然なお頭の持ち主。
 だがそのポジティブな陽気さは周囲には癒しであるようで、案外支持率は高い。

“首領”ウル・ラポーネ  【宿現族♂/50→52歳(人族換算)/先天属性:銕】
:地下世界群を取り仕切る、万魔連合(グリモワール)の四巨頭の一角。宿現族の長。
 後発の種族であることから、その成り上がりを支えてきた門閥(ファミリー)ごとの団結
 力が総じて強く、彼はそんな各ファミリーを束ねる大ボスという立ち位置。
 同族の例に漏れず、身体に器械の武装(具現装)を纏わせる能力を持つ。

ハンマー・スミス
:地底武闘会(マスコリーダ)に出場していた大男。巨大な鎖鉄球を操る。
 予選でサフレと同じブロックに当たるが、彼の槍の下に倒される。
 ----------------------
 《鎚》の色装/付与型
 :自身のオーラに「打撃」を加える事のできる性質。
  得物である鎖鉄球と相性が良かったが、鍛えたサフレの色装には勝てなかった。

ピエール・ド・シャルハン
:地底武闘会(マスコリーダ)に出場していた男。投擲用の曲剣を操る。
 予選でミアと同じブロックに当たるが、彼女の拳の下に倒される。
 ----------------------
 《傀》の色装/操作型
 :自身のオーラで覆ったものの動きを自在に操る事のできる性質。シャルハン自身は得物
  である無数の投剣にこれを付与し、攻防一体のファンネルとして使っていた。

ハリー・ブレイド
:地底武闘会(マスコリーダ)に出場していた蛮牙族の冒険者。身長大の重剣が武器。
 予選でジークと同じブロックに当たるが、彼の色装を込めた一撃によって沈む。

アドバール・キャメル
:地底武闘会(マスコリーダ)出場者。魔導具を仕込んだ部分兜と剣、盾で戦う。
 その正体は老魔導師アシモフの造った戦闘仕様の被造人(オートマタ)であり、余分
 な感情も大きくセーブされている。
 兜に仕込んだ転座の法(リプレイス)の魔導でダンとグノーシュを破ったが、本選に
 出場したイセルナとの一騎打ちの末、敗れる。

アドバール・アシモフ
:キャメルの創造主である老魔導師。自身の最高傑作(自称)である彼女を大会で優勝
 させ、その事で自身の優越性を証明しようとしていた。

ユリシズ
:地底武闘会(マスコリーダ)出場者。仮面と鎧で全身を覆った謎多き戦士。
 その正体は神の眷属・天使(エンゼル)。※詳細は『天上層』の項にて。

ヘルバルト・エイカー
:地底武闘会(マスコリーダ)出場者。地底層を中心に活動する新鋭の賞金稼ぎ。
 自身の色装を利用した戦法で敵を狩り尽くす魔導師だが、本選で戦ったアルスの
 冷静さと弛まぬ努力、尽くした策の前に敗れ去った。
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 《猟》の色装/現出型
 :相手の感覚を奪う狼型のしもべ達を召喚する事のできる能力。エイカー自身は直接的な
  攻撃力のないこの能力の正体がバレるのを防ぐ為、同じ姿をした自爆する狼型の使い魔
  を併用して戦っていた。

ディアモント・フーバー
:地底武闘会(マスコリーダ)出場者。クラン・クオーツパーティの団長を務める
 竜族(ドラグネス)の偉丈夫。徒手拳闘の戦闘スタイルで、正々堂々とした勝負を
 好む。同大会には自身以下クランの腕試しのつもりで参加していた。
 本選でジークと当たり、最初こそ豊富な経験と色装の相性で押していたが、とある
 「奥の手」を出したジークを押し返す事ができず、撃破される。
 ---------------------
 《晶》の色装/変化型
 :自身のオーラを結晶化させる事のできる性質。クロムの《鋼》とは違ってオーラを伸ば
  せば短剣ほどのサイズや形状にも固定化する事ができる。その臨機応変な攻撃力の前に
  ジークも苦しめられた。


<07>天上層─神託御座(オラクル)と天上人
レダリウス
:天上に棲まう神格種(ヘヴンズ)の一人。書と追憶の神。書生風の姿をしている。
 とある人物の頼みにより、天使・ユリシズを連れて地底武闘会(マスコリーダ)に潜入
 していたが、ディアモントやウゲツと共闘したジーク達の追跡によって捕らえられ、更に
 その醜態と真名を世界中に配信されてしまったために力の源である信仰を失い、消滅した。

ユリシズ
:天上に棲まう神格種(ヘヴンズ)達の眷属、天使(エンゼル)の一人。
 仮面と鎧で全身を覆って素性を隠し、潜入した地底武闘会(マスコリーダ)でジーク達
 の抹殺──本選で当たったミアを殺害しようとしたが、これに割って入ったイセルナとの
 激戦の末に倒される。
 多くを語らなかったため、レダリウス自身の傘下だったかは不明。

 
<08>七星連合(レギオン)の冒険者達
エドモンド・バークス  【巨人族♂/53→55歳(人族換算)/先天属性:界】
:現在の「七星」の一角にしてその筆頭。通称『仏のバークス』。
 常に穏やかな微笑を湛える人格者でありながら、“世界最強の傭兵”の名を欲しいままに
 する男。その巨大な矛から繰り出される彼の必殺技“空断(からだち)”は、標的を空間
 ごと斬り落とす豪快且つ緻密な技であり、その威力の前には堅固な城壁も意味を成さない。
 主な活動拠点は(顕界)北方南西部。

ディノグラード・F・セイオン  【竜族♂/35→37歳(人族換算)/先天属性:蒼】
:現在の「七星」の一角。通称『青龍公セイオン』。ミドルネームは「フランシェス」。
 かの志士十二聖の一人『勇者ヨーハン』の子孫であり、現在はその一族・ディノグラード
 公爵家の当主も務めている本物の貴族。故に業界内外からの黄色い声は後を絶たない。
 性格は沈着冷静かつ生真面目。水門の魔導と剣技、何より竜族(ドラグネス)という強み
 を存分に活かして戦う。
 多くの竜族(どうほう)の戦士達を率いる、空戦最強の傭兵団の長。
 主な活動拠点は古界北部。
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 《天》の色装/超覚型
 :いわゆる千里眼。眼に込めるオーラを増やせばかなり遠くの様子まで克明に把握する事
  ができる。またその分のエネルギーを眼前の相手に向ければ、いわば顕微鏡の如き性質
  となってその筋肉の動き、兆候の一つ一つを手に取るように把握できる。

リオ・スメラギ  【女傑族♂/38→40歳(人族換算)/先天属性:虚】
:現在の「七星」の一角。通称『剣聖リオ』。当代“世界最強の剣士”であり、トナン皇国
 アズサ皇の実の弟(但し祖国を出奔した折に皇族の身分を返上しているので一応は庶民)
 性格は無愛想で独立独歩。「七星」の中で唯一、自分のクランを持たない風来坊。
 トナン流の剣技が免許皆伝であるのは勿論、ストリームを利用した多彩で強力な技巧を数
 多く駆使する。その実力は一人で一個師団を壊滅させるほどであり、他の「七星」達から
 も一目置かれている(距離を置かれている)存在。
 主な活動先は(顕界)東方……と言われているが(当人が風来坊なので)実際は不詳。
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 《剣》の色装/付与型
 :自身のオーラに斬撃を加える事のできる性質。これによりリオは手刀一本だけでも大岩
  を真っ二つにするほどの力を発揮している。曰くスメラギ家にはしばしば見られた系統
  の能力らしい。

アントニオ・グラムベル  【猫獣族♂/42→44歳(人族換算)/先天属性:焔】
:現在の「七星」の一角。通称『獅子王グラムベル』。獅子(ライオン)系獣人の偉丈夫。
 根っからの傭兵・戦士であり、傘下に抱える幾つものクランを引き連れて日夜戦場を駆け
 回っている。鎖鉄球付きの手斧と、パイルバンカーを仕込んだ大型の丸盾が武器。
 そんな一見して戦闘狂ともみれる人物だが、歴戦の猛者らしく、思い悩むサジに戦士とし
 ての覚悟を説くなど一軍の大将たる哲学はちゃんと持っている様子。
 勇猛果敢な大軍を以って真正面から敵を蹂躙、突破する陸戦最強の傭兵団の長。
 主な活動拠点は(顕界)西方中北部。
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 《鎧》の色装/強化型
 :オーラを何重にも重ねて張る事のできる性質。堅い決意と仁義の心象。
  この能力により、通常よりも遥かに高い防御力を得ることができる。且つその堅さは即
  ち高い攻撃力にも転嫁できる。

シャルロット・ブルーネル  【魚人族♀/36→38歳(人族換算)/先天属性:流】
:現在の「七星」の一角。通称『海皇シャルロット』。鯱(シャチ)系魚人の美女。
 性格は穏やかで、時折茶目っ気がある。“剣聖”リオとは個人的にも交友があるらしい。
 魚人達の中でも屈指の有力者であり、その性質は傭兵団というよりは騎士団に近い。
 陸上にあっても、魔力ある海水を無限に吐き出す魔導具「海皇珠(トリトンスフィア)」
 を使って場を「海」にし、得物の三叉槍を片手に部下達と水の中で優雅に舞うようにして
 戦う。蠢く水と共に躍動する、海戦最強の傭兵団の長。
 主な活動拠点は(顕界)東方中南部。

セロディアス・ギラファード  【蟲人族♂/40→42歳(人族換算)/先天属性:天】
:現在の「七星」の一角。通称『万装のセロ』。鍬形(クワガタ)系蟲人族の男性。
 今の七星随一の曲者と評され、全身に仕込んだ無数の暗器を手足のように扱う高い戦闘
 技術を持ちながらも、策略を巡らして敵を陥れることを好む知将。
 皇国内乱の折も、リオやシャルロット辺りが動くだろうと静観の構えを取っていた。
 他の七星と違って未だレノヴィン兄弟(皇子)への態度は否定的。自身のビジネスに支障
 が出るのであれば皇族相手でも容赦なく排除する気配がある。
 主な活動拠点は(顕界)南方北中部。
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 《隠》の色装/操作型
 :オーラで覆った物体を周囲の視覚から遮断する事のできる性質。陰湿と策士の心象。
  これ自体に攻撃力はないが、無数の仕込み暗器を得物とするセロの戦闘スタイルとは非
  常に相性が良い(但し見氣を駆使すれば全く見えない訳ではない)

ロミリア・ローゼンクロイツ  【眞法族♀/38→40歳(人族換算)/先天属性:冥】
:現在の「七星」の一角。通称『黒姫ロミリア』。
 占札(タロット)を愛用する、妖艶な魔性の女性。
 活動拠点は魔界だが、現在はサムトリア大統領ロゼッタに雇われている。
 魔導師というよりは占い師に近く、暇さえあればタロットや水晶を手に世界のストリーム
 を観察し万事の吉凶に視線を注いでいる。皇国内乱の折も「星の導き」により加わる必要
 はないと判断、サムトリアの内政支援に助力していた。
 同じく知将タイプであるセロとは時折連絡を取り合っているようだ。
 (但しお互い“利用できる”と思っているだけで、信頼というものとは違う)
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 《占》の色装/超覚型
 :いわゆる未来視の能力。魔流(ストリーム)から流れてくる膨大な情報を読み取り、先
  に起こりうるイメージを描き出す事ができる。この能力を活用し、詠唱までの回避のし
  方を把握したり、どうすればより確実に攻撃が入るかを知ることが可能になる。

ヨゼフ・ライネルト  【伴霊族♂/62→64歳(人族換算)/先天属性:鳴】
:「七星」と並ぶ組織の中核メンバー。事務方のトップ・事務総長の役職を務めている。
 元は自身も腕利きの傭兵として鳴らした猛者で、現在の「七星」達ともタメ口を張れる程
 に肝が据わっている生真面目な(というよりは今日の若者に渋面をみせている)老人。
 持ち霊は、山羊頭な人型の精霊・コーネリアス。
 長く事務方のトップを務めてきたが故か、政治的駆け引きを「七星」らに説く場面もしば
 しば見られる。
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 《檻》の色装/現出型
 :一見すると力場型の、自他を閉じ込める空間を作り出す事ができる性質。
  内部は常時可変し、迷路のように蠢いており、この壁に触れると電撃が走って足掻こう
  とする者を弾き飛ばす。覚悟と不退転の心象。


<09>結社“楽園(エデン)の眼”
“教主”ハザン
:結社の指導者とされる存在。使徒らの前に現れる際は巨大な紫の光球をしている。
 声色を聞く限りは厳粛な老年男性といった感じだが、その素性は謎に包まれている。
 使徒ら幹部、或いは信徒・信者といった結社の面々をその一声で自在に動かす。

“剣将”ジーヴァ
:結社に属する魔人「使徒」の一人。黒革のコートを羽織った白髪の剣士。寡黙で堅物。
 組織内でも屈指の実力者らしく、その剣技には他の使徒達も一目を置いている模様。
 元ゴルガニア帝国の将校という過去の持ち主で、ある人物との出会い、変わらず戦ばかり
 を続ける世の人々を見て“我を貫く生”を自らに課している。
 組織というよりも己の為に剣を振るうそのスタンスは、誰かの剣に盾になろうとするレノ
 ヴィン兄弟とはある意味真逆であり、互いに因縁ある相手になってゆく。

“竜将”ヴァハロ
:結社に属する魔人「使徒」の一人。竜族出身の武人で、根っからの戦闘狂。手斧と手槍
 の二刀流を使い、力の硬軟を使い分けた巧みな戦いをする。
 自称ジーヴァの好敵手(本人は否定──というより面倒臭くて無視している)。
 豪胆な言動が目立つが、その戦闘能力は使徒らの中でも屈指レベルである。初めてジーク
 と対決した際には、彼がジーヴァと競り抜いたと勘違いしていた。それでも彼の素質に目
 を付けており、敵ながらそれとなく引き入れようとする台詞が垣間見える。
 「武人の語る正邪に意味は無い」との持論を持ち、只管強さを求め、愉悦する。

“博士”ルギス
:結社に属する魔人「使徒」の一人。白衣と眼鏡、後ろに撫で付けた褪せた金髪といった容姿。
 主に組織内の技術開発に携わっているようで、戦闘用オートマタ(傀儡兵)の量産管理や
 “狂化霊装(ヴェルセーク)”といった新技術の研究などを行っている。
 引き攣った笑いと語尾が特徴的なマッドサイエンティスト。
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 《白》の色装/変化型
 :一度受けた相手のオーラ=色装をコピーして操ってしまう事のできる性質。
  何者にも染まる、無限の可変性の心象。但しコピー能力にも一応条件はある……?

“焔妃”フェニリア
:結社に属する魔人「使徒」の一人。緋色のローブに身を包んだ茶色のロングヘアの美女。
 一見すると冷静で知的だが、一度その牙を向ければ妖艶な笑みと共に無数の火炎の使い魔
 らを操って敵対する者全てを容赦なく焼き払う。フェイアンとは姉弟。

“侵将”セシル&ヒルダ
:結社に属する魔人「使徒」の一人。紺色の半袖服に剣帯をたすき掛けにした傭兵風の男。
 元は伴霊族(ルソナ)であり、自身の持ち霊・ヒルダもまた瘴気に中てられた結果、下半
 身が巨大な百足の魔獣と化している。
 共に自身のマナを瘴気に替えることができる力を持ち、立ち塞がる障害全てをことごとく
 朽ち果てさせる。
 -----------------------
 《蝕》の色装/変化型
 :自身のオーラを瘴気に換える事のできる性質。元々は別な色装だったが、魔人になって
  しまった時に魂まで変質したらしい。瘴気と変えたオーラを振り撒き、近付く敵全てを
  呑み込んで滅ぼす。唯一有効打となりうるのは、非物質の遠隔攻撃。

“冷将”フェイアン
:結社に属する魔人「使徒」の一人。青紫のマントにオフホワイトの礼装、気障ったらしい
 言動を繰り返す美男子。何事も「スマート」であることを好み、一方で相手の感情を逆撫
 でしては満足そうな笑みを浮かべる生粋のドS。フェニリアとは姉弟。
 自身のマナより冷気と氷結の八頭蛇(オロチ)を生み出し、蒼属性の魔導や剣技を操る。
 ------------------------
 《氷》の色装/変化型
 :自身のオーラを冷気に換える事のできる性質。典型的な変化型。
  纏った冷気によりあらゆる敵や攻撃を凍て付かせ、無尽蔵の氷による攻撃を行う。
  能力それ自体はそれほど珍しいものではないが、本人の力量に依る強化度が大きい。

“武狂”バトナス
:結社に属する魔人「使徒」の一人。隆々とした体躯を持つ大男で、生粋の戦闘狂。
 魔獣人(キメラ)の血が濃く、戦闘スタイルは徒手拳闘でありながら、魔獣化させた身体
 から繰り出される一撃は強力無比。
 反面、冷静な状況判断よりも、荒っぽい己が感情を優先する傾向にある。
 魔獣の力が強い為か、何だかんだといってエクリレーヌの尻拭いをしていることが多い。
 -----------------------
 《凶》の色装/強化型
 :本来、完全にゼロサムには割り振れない全身のオーラを、その生物としての本能を凌駕
  して配分可能にする性質。戦いに狂う鬼気の心象。
  これより驚異的な破壊力を発揮する事ができるが、一方で文字通り防御が全くできなく
  なるため、使い所が難しい。

“獣姫”エクリレーヌ
:結社に属する魔人「使徒」の一人。継ぎ接ぎだらけのパペットを抱いたあどけない少女。
 彼女単体での戦闘能力は乏しく他の使徒らに大きく劣るが、一方で魔獣を召喚・使役する
 能力に特化している。戦闘では無尽蔵に呼び出す魔獣達(トモダチ)の大軍をけしかける
 他、軽い祝福(キッス)で魔獣達を融合──合成魔獣(キマイラ)に変える力も持つ。
 結社からのスカウトに応じたのは、その能力以上に「皆が苛められる世界が嫌」だから。

“虚牢”リュウゼン
:結社に属する魔人「使徒」の一人。着流し姿の青年で、酷い面倒臭がり屋。元は鬼族。
 扱いの難しい結果系の魔導──特にその高難度の最たるものである空間結界を易々と操っ
 てしまう能力の持ち主。主に結果内に敵を閉じ込めるストッパー役。
 怠惰で何も考えていないように見えるが、一律に結社を「悪」と断じたジークに嘆息と説
 教を垂れたり「この世界は五月蝿過ぎる」と漏らすなど、どうやら彼なりに今日のセカイ
 について色々と思う所があるらしい。どうやらセキエイ達とは知り合いのようだが……?

“黒翼”ヘルゼル
:結社に属する魔人「使徒」の一人。元は鴉系鳥翼族(ウィング・レイス)の男。
 幻術のエキスパートであり、特に第三者に化けるのが得意。大都消失事件においてはその
 能力をいかんなく発揮、ものの見事に周囲の王や議員、官吏らを騙し、同胞らが潜入する
 為の突破口を開いてみせた。
 フェイアンと同じく嗜虐的な性格。ただ彼の方はより陰険で憎悪によるものと思われる。
 基本他人と関わりたがらないリュウゼンへの連絡役も務める。

“鉱僧”クロム
:結社に属する魔人「使徒」の一人。元は鉱人族の僧侶。寡黙でミステリアスな男性。
 “救い”の無いこの世界について強い疑念と不信を抱いており、結社に加わっているのに
 も何かしら彼なりの理由があることが窺える。対決する前にジーク達とは“嘆きの端”で
 出会っており、以来妙な縁と共に何度も顔を合わせることに。
 鉱人族の能力である「硬質化」による攻守一体の体質と、修行僧という経歴が備えた合気
 道的な徒手拳闘を駆使して戦う。
 ──「大都消失事件」の最中、人々からの断罪を覚悟の上でジーク達の側についた。
 その後は大罪人としてギルニロックに収監されていたが、紆余曲折の末にブルートバード
 の一員として迎え入れられた。“結社”の内情を知る重要な人物。
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 《鋼》の色装/付与型
 :詳細は「クロムエル・オルダイト」の項にて。

“蟲繰”アヴリル
:結社に属する魔人「使徒」の一人。身体のあちこちに包帯を巻いた、病弱そうな女性。
 魔獣人(キメラ)の性質を強く持っており、その血から蟲型の魔獣が量産される。基本的
 に戦闘時はこれらを配下とする。相手を「~っち」などとニックネームで呼ぶ癖がある。
 女性としての経験が豊富だったのか、敵味方問わず色気で惑わし翻弄する言動が目立つ。

“導童”ヘイト
:結社に属する魔人「使徒」の一人。機巧技術にも精通している、一見すると少年。
 携行端末を媒体に周囲のストリームに干渉し、一度の大人数の他者を洗脳する技術を得意
 としている。直接的な戦闘能力はそう高くないが、その能力特性を以って「人質」的戦力
 を形成、敵にプレッシャーを掛けて楽しむという構図が目立つ。
 良くも悪くも合理主義者であり、自信家。
 特に旧態依然の価値観を捨て切れず、本質が理想論者であるクロムとは何かにつけて対立
 している。まだ若い内に魔人(メア)に為ったため、時折情緒不安定な所も。
 ──ギルニロックでの戦いの最中、己が私怨(復讐心)を優先するさまを不適格とされ、
 同じ使徒らに刺されつつも脱出する。その後も“結社”に追われていたようだが、現在は
 行方を眩ませている。

“戦鬼”ヴェルセーク
:使徒の一人、ルギスが連れてきた謎の黒騎士。
 その正体は彼が研究中の“狂化霊装(ヴェルセーク)”の試作体(プロトタイプ)。
 高い戦闘能力を備えているが、一方で狂気に支配されたが如き反応も多く、まだ制御面で
 不安定さが残されている。ルギスの話ぶりからして「中の人」がいるようだが……?

“葬装”グノア
:使徒の一人。ヴァルド王国──もといファルケン王らが牽引する開拓政策に不安と不満を
 抱いていたグノア侯が瘴気を浴び、魔人化した姿。勧誘(?)をしたルギスによって改造
 を受け、全身をヴェルセークと同じ素材の装甲で固めたサイボーグとして蘇った。
 魔人の再生能力こそ抑え込まれているが、それを補って余りある多数の武装をその全身に
 仕込んでいる。裏切り──決別の為に妻子を屋敷もろとも破壊、次いでオーキス公の前に
 現れ彼を殺害した。

ダニエル
:結社の「信徒」の一人。自分達の影を嗅ぎ取ったシフォンや開拓派の人々を郊外のアジト
 に拉致・監禁、瘴気を浴びせる「天罰」を与えようとした。
 結社の「信徒」の位を与えられた自身を選ばれた者だと豪語し、操る聖魔導も強力なもの
 ばかりだったが、アジトを突き止めたジーク達の奮戦、何よりも殻を破って皆の危機に現
 れたステラの魔人(メア)としての圧倒的な導力差の前に敗北。命辛々逃走を図る。
 しかしその途上で現れた「使徒」達に瘴気を注入されて魔獣化。再びジーク達の前に立ち
 はだかるも、今度こそ彼らに“討伐”されてしまい、悲痛な最期を遂げた。

ムドウ
:結社の「信徒」の一人。闇門の魔導を得意とする老魔導師。
 レノヴィン抹殺の大命が下った際、偶然にもアウルベルツ近郊に滞在していたため、
 計らずもその功名心に火が点く事になり、同じく信徒のゲイス・キリヲらを伴って
 アルス達を強襲する。
 始めこそ巡らせた策に乗じていたものの、老練という自負が引き際を見誤らせ、結果と
 してアルス抹殺に失敗、ゲイスと共に敗走を余儀なくされる。
 一旦撤退して体勢を立て直そうと考えていたが、抹殺失敗を咎める「使徒」らの処刑に
 よって焼死する。

ゲイス
:結社の「信徒」の一人。毒斧の二刀流を扱う戦士であり、ムドウ・キリヲらと共に
 アルス抹殺の為にアウルベルツの執政館を襲った。血気盛んで、実際にその毒斧にミア
 を捉えたものの、アルス抹殺という目的には失敗し、ゲイスと共に敗走する。
 キリヲとは長らくの相棒同士だったらしく、早々に彼を切り捨てたムドウに食って掛かる
 場面も見られた。抹殺失敗を咎める「使徒」らの処刑によって惨殺される。

キリヲ
:結社の「信徒」の一人。真空刃を放つ刀剣型魔導具・風撫の剣(シェイバーソード)の
 使い手。ムドウ・ゲイスと共にアルス抹殺の為、アウツベルツの執政館を襲った。
 マイペースな性格で、長らくの相棒であるゲイス曰く「バカだけどの気の置けない奴」
 一旦はその剣でイセルナ達を苦戦させるも、戦闘に加勢してきたリカルドらによって
 射殺された。

シェリィ
:結社の「信徒」の一人。風都(エギルフィア)暴動を陰で扇動していた。
 戦闘というよりは諜報寄りのエージェントであったらしく、リュカによってその策が看破
 され反撃を受けた際、追尾能力を持つボウガンで応戦してきたがジークとサフレによって
 あっさりと倒されてしまった。
 騒動後はジークらの尋問(情報収集)の末に当局に引き渡された模様。

イザーク
:結社の「信徒」の一人。ヴァルドー王国屈指の鉱山地帯フォーザリアで反開拓テロを密か
 に扇動する役目を担っていた。
 地門の術を得意とする魔導師であり、同鉱山に乗り込んできたジーク達を地の利で以って
 仕留めようとするが、その作戦に頼り過ぎていたが為に出鼻を挫かれ、敗北。ジーク達に
 よって拘束されかかったが、最期は自ら隠し持っていた毒を飲み自害した。

カムラン
:結社の「信徒」の一人。クロムに破れ怪我を癒している最中、ジーク達の消息確認とその
 抹殺任務を帯び、多数の魔獣騎兵を率いて現れた。自身も魔獣グリフォンを駆る。
 持ち込んできた兵力で最初こそジーク達を追い詰めるが、加勢した“空帝”により形勢を
 逆転される。最後は一騎打ちの末に破れ、墜落した所をヴァルドー兵らに拘束された。

カルラ
:結社の「信徒」の一人。カムランの実妹でもある。大都消失事件に世界中が揺れる中、同
 じく彼らの襲撃を受けていたアウルベルツに侵入──しようとしたが、その動きを気取っ
 たリカルド以下史の騎士団一隊と交戦することになる。
 武器は鋸刃のダガー二刀流。身代の刻印(サクリファス)の魔導具で、連れたオートマタ
 兵達を“保険”として使ったが、調刻霊装(アクセリオ)を操るリカルドの前には通じず
 敗北。その場で射殺された。

ボーロ(作中で名前は出ていない)
:結社の「使徒」の一人。虎系獣人族の男。大都の結界迷宮内にてヒュウガ・サーディスと
 遭遇、手下達と共にこれを討ち取ろうとしたが、あっという間に当のヒュウガ本人に返り
 討ちにされた。

キリウス
:結社の「信徒」の一人。空間結界の中に消えた大都の外周にて布陣し、救出に向かわんと
 する人々を足止めしていた。蟲人族(インセクト・レイス)の剣士。
 信徒級では珍しい“色持ち”であり、オーラを無数の触手状に変える。
 種族本来の多腕+オーラの触手による手数重視の剣技で連合軍の面々を苦しめたが、駆け
 つけたジークとの交戦の末、斬り捨てられる。
 -------------------------------
 《触》の色装/強化型
 :自身のオーラを無数の触手のように展開し、手足のように操る事のできる性質。
  色持ちの一人だったが「マナを使った細工」である事には変わらず、白菊を抜き放った
  ジークによって呆気なく破られた。

ヴィノン
:結社の「信徒」の一人。古仰族(ドゥルイド)出身の少女魔導師。キリウス・ゾルゲと共
 に大都外周にて軍勢を率いていた。
 自爆して攻撃する、雷球型の使い魔を幾つも操って連合軍を苦しめたが、リュカとオズの
 連携の前に慢心を衝かれ、彼のレーザー砲に撃ち殺された。

ゾルゲ
:結社の「信徒」の一人。巨人族(トロル)の斧戦士。ただでさえ巨躯な同族の中でもより
 大柄という身体的な優位を活かして文字通り肉壁となる。キリウス・ヴィノンと共に大都
 外周にて軍勢を率いていた。
 最初こそそのパワーでもって連合軍を苦しめていたが、一騎打ちとなったサフレの新たな
 魔導具とその応用戦法の前に破れる。

ベゼット
:結社の「信徒」の一人。訓練された猟兵部隊を率い、導都(ウィルホルム)へ向かうダン
 達を得意の森の中で襲撃したが、マルタの《音》によって崩壊。敗れ去った。

ヴォーゲン
:結社の「信徒」の一人。翠風の町(セレナス)を襲った“結社”の軍勢に加わっていた。
 しかし援軍に来たサムトリア連合軍に呑まれ、通信越しに救援を求めるも力尽きる。

ルビオ
:結社の「信徒」の一人。翠風の町(セレナス)を襲った“結社”の軍勢に加わっていた。
 しかし援軍に来たサムトリア連合軍に呑まれ、通信越しに救援を求めるも力尽きる。

フードの男
:結社達に制圧された大都、その結界迷宮の中に易々と迎え入れられ、圧倒的な力で以って
 とある者達を恐怖と絶望のどん底に追い遣った人物。
 対面したジーヴァやヴァハロが畏怖し低頭してみせたことから、結社と深い関係を持つと
 推測されるが……?

重鎧の男
:グノアによるグランヴァール反乱の一部始終を眺めていた謎の偉丈夫。黒い重剣を軽々と
 振るい、且つファルケンと同じ《覇》の力を使って、これを追討に現れたグラムベルらを
 圧倒してみせた。
 オートマタ兵達を連れていたこと、報告に現れたフェニリアやフェイアンらが恭しく低頭
 していることから結社と深い関係を持つと推測されるが……?


<10>その他人々
ディノグード・ヨーハン
:竜族(ドラグネス)の雄・ディノグラード大公にして、現在も「大爺様」と呼ばれ絶大な
 影響力を持つ老人。その正体はかの十二聖が一人“勇者”ヨーハンその人。既に同種族の
 平均寿命も越えているが、今も解放戦争の後の世界を眺め続けている。
 若き日の傭兵としては勿論、貴族としてもとうに一線を退いており、ゆっくりと余生を過
 ごす筈だったが、とある出会いが尚も彼の運命を弄ぶことに……。

ミカルディオ・マ・モルモレッド
:顕界(ミドガルド)で最も世界樹に近い街・風都エギルフィアの領主。
 同時に各地の「導きの塔」を管理する衛門族(ガディア)の首長でもある。
 七星の一人セロによってジーク達が風都に連れられた際も、彼らを“世界を掻き乱す者”
 だとして快くは迎えず、街を襲った騒動の後、一行を当初の目的地・ヴァルドーへと半ば
 強制的に空間転移させた。
 そんな経緯だけを見れば保身に汲々とする老人という印象だが、それ以上に現在の世界に
 対する懸念は相当深いようである。

マチス・ドゥーモイ
:機巧技師らの一大組織・機巧師協会(マスターズ)の現会長。一見するとヤクザと見間違
 うほどの風貌をしているが、彼自身も正真正銘腕利きの技師である。
 オズの修理の為、レジーナ達にレア部品の提供を打診されるが、拒否。彼女が協会に開拓
 に非協力的なことなどを理由に一度はオズを収奪しようともした。
 いい意味でも悪い意味でもリーダーシップのある漢。
 開拓技術を束ねる人物として保守派からは目の仇にされているが、本人はどうせ敵味方で
 争うものだと割り切っている様子。

カルロ・フィスター
:清峰の町(エバンス)で武具屋を営む鍛冶師の男性。フィデロの父親。
 代々店を手伝ってくれている精霊・ポフロンや妻と共に暮らしている。
 当初、息子から「ダチのアルスが遊びに来る」と聞いた時、同じ名前の別人だと思い込ん
 でいたため、いさ本物(皇子)のアルス達が現れた時には腰を抜かして驚いていた。それ
 でも事情を聞いた後は、彼の静養中の寝泊り先として我が家を提供してくれる。
 口が荒く喧嘩っ早いがその実照れ屋。嬉々としてフィデロが自分の跡を継ぎ、魔導具職人
 になるんだと語っていた時には息子をまともに見ていられなかった。一方で夏祭りの魔獣
 騒ぎの際には、ポフロンの魔力を付与したハンマーを片手に加勢に駆けつけるなど、血の
 気の多さはやはり親子のようである。

ルーディ・フィスター
:夫カルロと共に清峰の町(エバンス)で武具屋を切り盛りする女性。フィデロの母親。
 一見するとエプロン姿の穏やかな女性だが、時々夫を尻に敷くほどの威圧感を纏うことも
 ある(何だかんだでバランスの取れた夫婦である)夫ともども息子やアルス達を歓迎し、
 世話を焼いてくれる。

ポフロン
:フィスター武具店に住み着いた火の精霊。羽の生えた小人のような姿をしている。ボクと
 自称するが性別は不詳。カルロの鍛冶をその力で手伝ったりする他、客にお茶を淹れるの
 も彼(彼女?)の仕事らしい。
 夏祭りの魔獣騒ぎの際にはカルロのハンマーに加護を与え、共に加勢に駆けつけた。

カイン・セディナ
:散光の村(ランミュース)に暮らす白鳥系鳥翼族(ウィング・レイス)の男性。
 その正体はレナの実父。幼い頃からその不思議な力を発揮していた娘を、当時教団の司祭
 を務めていたハロルドに相談し、託した。線は細いが筋は通すタイプ。

クラリス・セディナ
:散光の村(ランミュース)に暮らす白鳥系鳥翼族(ウィング・レイス)の女性。
 その正体はレナの実母。幼い頃からその不思議な力を発揮していた娘を、当時教団の司祭
 を務めていたハロルドに相談し、託した。気弱だが、心根はとても優しい。

アリア・ハーヴェンス
:ダンの元妻。シャム猫系獣人(ビースト・レイス)。現在は再婚し、導都ウィルホルムの
 一角で親子三人小さな花屋を営んでいる。
 まだルーキーの冒険者だった頃のダンと出会い、熱心なアプローチを受けて交際・結婚。
 しかし冒険者と一般人の差は埋め難く、やがて別れた──とされていたが、その実は自分
 が彼の活躍を縛る枷になっていると感じて身を退いた。艶と余裕のある芯の強い女性。

ロイド・ハーヴェンス
:アリアの現夫。柔和な印象を与える人族(ヒューネス)男性。導都ウィルホルムで妻と娘、
 親子三人で小さな花屋を営んでいる。
 妻から折に触れてダン──クラン・ブルートバードの話を聞いていたため、すっかり彼ら
 のファンになっている。妻とダンの良き理解者。

サーシャ・ハーヴェンス
:アリアとロイドの間に生まれた娘。種族としては父方、人族(ヒューネス)の女の子。
 まだ五・六歳ほどの幼い少女で、無邪気。知ってか知らずか異父姉にあたるミアともすぐ
 に打ち解け「猫のおねーちゃん」と慕うようになった。素直で聡い子。

アルノー・マルセイユ
:サムトリア共和国北西端の町・翠風の町(セレナス)の現領主。十二聖“賢者”リュノー
 の血を引く末裔でもある。リュノーの書庫を訪ねて来たダン達と出会い、その案内役など
 を務めた。まだ年若く、謙虚な性格。
 ただ、先祖のネームバリューに自身の才覚が追いつかないと感じており、言動の端々には
 自信のなさ──ややもすると卑下のような悪癖が見え隠れする。

ルーシェ・マルセイユ
:アルノーの妻。マルセイユ侯爵夫人。自信なさげな夫を支える姉さん女房。
 夫と共にリュノーの書庫を訪ねて来たダン達を迎えた。

テオ・マルセイユ/ミオ・マルセイユ
:アルノーとルーシェの間に生まれた子。双子の兄妹で、テオが兄、ミオが妹。
 年齢は十歳くらい。好奇心が旺盛なお年頃。

サヴィアン候
:アトス連邦朝の有力貴族の一人。セド曰く「狸ジジイ」。
 セドらがハウゼン王へシノへの力添えを頼んだ際、彼らが亡命皇女(シノ)を長らく
 匿っていた点を王への不敬と批判したが、逆にセドやハウゼン王にまでその保身を指弾
 されてしまった。

グノア侯
:ヴァルドー王国家臣団の一人。本名はセルジュ・グノア。気難しい武人出身の男性。
 かねてより国、世界の開拓推進(に伴う軋轢)に不安と不満を抱えていた。
 そんな鬱々とした内面を“結社”に目を付けられ……?

オーキス公
:ヴァルドー王国家臣団の一人。本名はサザランド・オーキス。文官出身。
 本国より大鉱山であり反開拓派との係争地であるフォーザリア地方に派遣されて指揮を執
 っていた。ただ本人は良くも悪くも貴族的であり、日和見的。国是の前では民草の声は押
 し切れるとさえ考えていた。
 しかし、ジーク達を用心棒(本人曰く政治的カモ)として迎えたことを切欠に……。

リファス王
:南方のとある小国の王。統務院総会(サミット)にも勿論参加していたが、後に大都消失
 事件が起こる切欠を作ってしまうことになる。

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  1. 2012/06/19(火) 21:00:00|
  2. 【資料庫】
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止します。

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