日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)この身一つに圧し掛かるもの

最近のバレンタインデーって「女性から男性へ」という形よりも、女の子同士であげ合った
り、自分自身のご褒美で食べたりするんですってね。
まぁ本場(欧米式)だとそもそも親しい間柄同士・恋人同士が贈り物をし合う日──らしい
のであながち間違ってはいないとは思うんですが……お菓子業界の販促、恐ろしい^p^
だけどそんなものにはとんと縁はありません。
こんにちは、草食系ならぬ創作系男子(誰得)の長月です(挨拶)

先刻、連載の続きが書き上がりました。
例の如く一旦クールダウン(少しでもその場の勢いだけにならない為に)をした後、読み直
し手直しをした後、UP稿の作成に移ろうと思います。近日中に当頁やなろうさんにもUPでき
るものかと思います。

にしても……何だか章毎に書き上げるまでの苦労が増し増しになっている気がする;
それだけ達成感もあるし、苦楽を両方味わえるからこその創作の醍醐味なのでしょうが、ど
うにも負荷ばかりが続くと不安になってしまう気がします(誰得とかは最早デフォルト)
やはり現在の、第Ⅱ部の展開(内容)が重い──実は自分の手に余るものなのでしょうか。
創作作品に「思索」を込めるのは、間違っているのかな……?


以前にも言及し、その度に言い聞かせてきた手の話ではあるのですが、このふらふらと触れ
続けている「思索」型依りな創作と「娯楽」型依りの創作をどうバランスを取るのか、或い
はどちらに自分は依り立つのか?という懸案は、実は今もずっと悩み続けている部分ではあ
るのですよね。
「人によってニーズや嗜好が違うんだから……」と振り払える事はできなくはないですし、
実際迷い過ぎれば他益よりも自益(自分が創っていて楽しいと思う方向)に軸足を見直すよ
うにはしているのですが、やはり迷いは消えなくて。
エンターティナーとして創作家を捉えるなら、少なくとも今の僕の依って立つ方向性はズレ
ていると言わざるを得ないのだとも思っています。
“読者の楽しみ”を提供すること。
そういうニーズを合目的に考えた時──僕が浅学だからなのかもしれませんが──どうして
もそこに「自分が楽しい」を、即ち僕にとって「思索の結果」を入れ込むことは、往々にし
て“余計なもの”であるのでは?と思えてきてならず。
もっと感情的な言い方をすれば『お前の考えなんて興味ねぇんだよ。俺達を愉しませろよ』
といった、消費特化型にならざるを得ない今日の創作物の現状とそれに対する僕個人の本音
の部分の噛み合わなさであって。
すると、ついどうしても現在の仮の回答?である『愉しみと思索の糧になれば幸い』という
スタンスに自ら疑問を呈してしまうのですよね……。

先日、現代美術家の某M氏の発言がネットをざわつかせました。
抜粋を許されるなら、
“今日のサブカルチャーやオタク文化、ないし日本は「平和な日常」から生まれてきた、
「温い」ものであり、内輪でグダグダとやっていないでもっと外に生み出せ。楽をしないで
主体的に動け”という感じなのでしょうか。
少し調べれば分かる事なので深くは言及しませんが、この某M氏、サブカルと美術の双方に
知識がある分、サブカル畑やネット民などからの反発がかなり大きい人なんですよね。
「オタク文化を上澄みを海外に売って儲けてるただのパクリ屋」みたいな言い方もされてい
るようです。
(……それだって何だかんだで一面的じゃない? と個人的には思うんですが)
それでも、ネットユーザーとして以前に、僕は何だか彼の物言いに違和感を覚えています。
ただ上記のような“門外漢に俺達の文化を盗まれたという怨嗟”では(多分)ありません。
思うに、それらは僕自身の思う価値観との違いがいくつかあるからなのだと思います。

一つ目は、サブカルを題材に取り上げて世界に打って出る事を是としている向きです。
これは僕が学生時代に聞き、感銘を受けた言葉なのですが。
『サブカルは所詮サブカル(副文化)。領分を弁えずに表立っちゃいけないんだよ』
という言い回しがありました。
これは悪い見方をすれば“出る杭は打たれる”に対する消極的防衛策、或いは恥の意識であ
るのでしょう。
しかし、僕は基本的にこういう“節度を守る”という姿勢には賛同する立場です。
一般人と呼ばれる人達の大衆文化があるように、そうではないヲタク的な人達のサブカルと
いう個別特化型の文化世界もある。それでいいじゃないか。その“国境線”をわざわざ無闇
に破らずに自分達の好きなものを愛でていて、何が悪いのでしょう?

二つ目は、そうして打って出て儲ける事。もっと言えば世界(欧米?)に認められることに
のみ、存在意義を見出すかのような言動に感じられたから。
確かに内輪のなぁなぁを続けて排他的に過ぎれば、その集まりは腐ってしまいます。
でも、かといって僕は全てをグローバルにすることが唯一至上の価値だとは到底思えないの
ですよね……。
今日の政治や経済を見てみて下さい。
グローバルという旗印の下に、どれだけの理論的武装を施した争奪戦が行われていますか?
ならばせめて文化くらいは、抱く思いくらいは個々の自由にさせておいて欲しいのです。
それが、僕の(多分一貫している)強い願いでもあって……。
だからこそ、彼のように世界に打って出、クリエイティブ(?)に活動してより多くの評価
を利益を得たいと望む者もいれば、一方で「別にいいよそんなの。好きでやってるだけなん
だから」を許してくれる(彼のように批判の槍玉に挙げられない)柔軟さが欲しいなぁと思
うのです。……『サブカルは所詮サブカル』なんですから。

三つ目は、やはりそういう邁進的ポジティブ以外は駄目だ!もっと闘争しろ!と急きたてる
かの如き発言を──創作家の一人でありながらその作品外で──している事への押し付けが
ましさでしょう。
便利で豊かであることを否定する気はありませんが、かといってそれを必ずしも「継続させ
なければならない」とは思いません。栄枯盛衰。滅びる時はまぁ滅びるんだろうなぁ……。
そんなある種ふわふわっとした待機姿勢を持っているからなのかもしれません。

先述した、今回の冒頭で僕自身が疑問を呈した『思索を込めるのは間違っているのか?』と
いう自問の根っこはここにあるのです。
何かを表現したい、伝えたい。それは確かに創作人の意欲の源泉であると思います。
でもそれはあくまで「放ってみる」だけ。決して誰かに「強いる」べきではないと僕は常々
思っているのです。その時点で彼の者は表現者ではなく喧伝家であり、僕らの多様性や柔軟
さを殺しに掛かる「害悪」だと言ってもいいかもしれないのですから。

僕らは、強さも弱さも持っている。
皆が皆、常にずっと規定された「強さ」で在れる訳じゃない。
そもそも一方向だけにしか向かうことを許されない世の中は……間違っている。

だからこそ、僕らは「物語」を求めているのではないでしょうか?
そこに描かれた人、社会、様々なものを自分の感性と理解で汲み取り、そこから一時の安ら
ぎを、ハッと我に返って思索する糧を──失った、失いかけた何かを取り戻す営み。
故に手に取る者がみるのは“断片的漂流”であって“画一化圧力”であってはならない。
物語は、少なくとも法律のような強制物ではない筈なのです。
(所謂バイブルとして崇拝したりするのは……個々の自由かもしれませんが、知らない人に
までそれを強いると「二次被害」になるかもです)
創作の中、仮想的なフィールドであるからこそ、作者の主張はあくまで「放流されただけ」
に留まれるのではないかと、そうは思わないでしょうか?

最後に今回の雑記は、この話題で語らった折にとある友人が紡いだ言葉を引用して、結びと
代えさせて頂こうと思います。

『作品の中で思ってることを言わない奴は、表現者として失格だと思うんだけどなぁ……』

スポンサーサイト



  1. 2012/02/12(日) 23:15:00|
  2. 【雑記帳】
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<(長編)ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle-Ⅱ〔17〕 | ホーム | (雑記)制度機構(システマティック)は歯車の夢をみるか>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://higurasisouann.blog27.fc2.com/tb.php/125-fedb562c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

自己紹介

長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止します。

訪問者累計

最新記事

最新発言

検索窓

月別履歴

07 | 2020/08 | 09
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

分類/索引

【案内板】 (2)
【小説:短編】 (20)
本の蟲 (1)
硝子野不動産店 (1)
夏の日の幻影 (1)
四番線の彼女 (1)
夢視の宿 (1)
線を曳く町 (1)
炬燵の神様 (1)
三者三盗噺 (1)
色眼鏡 (1)
奴らは攻城戦師 (1)
詰め替える (1)
同じ籠の狢 (1)
二十年後の遺言 (1)
轍の先 (1)
水に流せば (1)
真夜中の御二柱 (1)
いつか見た夢 (1)
神様達の初詣 (1)
白い花束 (1)
丸の代償 (1)
【小説:長編】 (205)
Amethyst League (6)
アンティーク・ノート (3)
ユウキのヒカリ (5)
NIGHT GUNNERS (5)
レディ・ルーン-Bonds of RU'MEL- (6)
ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle- (116)
死に損いのデッドレス (5)
Dear SORCERY (4)
サハラ・セレクタブル (55)
【企画処】 (510)
週刊三題 (500)
その他参加物 (10)
【資料庫】 (2)
【落書帳】 (2)
【詩歌帳】 (9)
【雑記帳】 (419)
【読書棚】 (32)
【遊戯倉】 (25)
path. (4)
decide: (3)
ユー録FW(凍結中) (17)

記事録

交友関係

このブログをリンクに追加する

(RSSリンク)

(QRコード)

QR

Tweets by long_month