日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)伝達のハレーション

(何かラノベの題名みたいですね。或いは某弾幕ゲームの曲名とか)

お久しぶりです。世間的に「ゴールデン」から「我慢」ウィークになった今年の大型連休も
気付けばあっさりと終了し、こちとらまた作業場と自宅を往復する毎日。勿論消毒やら三密
回避やら、取れる対応は取ってのお仕事ではありますが……業種的に全面禁止という訳にも
いかないのが、しんどいやらまだ救いなのやら(。д゜)
元を辿ればコロナで、そもそも起こらなければゴタゴタしなかった一連の事態。何事も怪我
の功名といいますか、炙り出されて良い面(改善点)が視えてくるならば未だ良しと自分に
言い聞かせようとはするものの、やはり個人的には差し引きマイナス──辟易する他人びと
の部分が悪目立ちしてばかりだなあと感じずにはいられず……。

いいや、面と向かって眉を顰めるだけ無駄だ。世の中ってのは残念ながら「そういうもの」
で、彼・彼女らにそれは違う! とこちらの感情をぶつけた所で粗々得られるものは無い。
寧ろ時間的にも精神的にも、失うものの方が圧倒的に多い。インターネッツは魔境だぜ。

……それよりも。自分は自分で、ぼちぼち筆感覚のリハビリを完成させなければ。いやまぁ
完成って何なのよ? と訊かれれば、自分でも分からない。今に始まった事じゃあないけれ
ど、多分自分の執筆(創作)活動ってのは、そうやって延々ぼやっとした“コンディション
の底”からなるべく離れた位置(?)をキープし続ける・し続けようとする営みなんだろう
なあと。正解なんて無い──それっぽく言ってみれば気障なれど、改めて本当に染み付いた
苦行でしかないなあ、ホント。

そんな訳で、今回もリハビリついでの雑記となります(週前半に三題を捌けたので、少し間
が空いていたんだ。かと言ってこのまま新規記事もないのも味気ないし……)
予定では明日・明後日にユー録の執筆モードを予定していますし、万全を期すならばガッツ
リと“溜めて”おけば良さそうなものなのだけど……まぁ今回も多分書き出し~中盤くらい
まで難儀するでしょうからねえ……。だったら別にいいや、という投げ槍。寧ろギリギリま
で気張るからコケるのか? ある意味そんな実験的な意味合いも含めて、書き物を一つこさ
えてみる試みです。何かしら書かなきゃ、吐き出したくなってきた衝動への方便とも言う。

なまじ普段、自分の物語自体が重く苦しい毛色になりがちな分、リアル日常の見聞までそれ
一色に染まるなんてごめんだ、という理屈なのか?(それだと結局、自作らが押し付けがま
しいと白状しているようなものだが)陰鬱や絶望などは、あくまで自分達の少し遠くに浮か
んでいる程度が一番、緩み過ぎず追い詰められ過ぎずに済むのかもしれない。

……感情を、剥き出しに闘うような日々は要らない。内に籠れる暇さえあればいいφ(=_=;)


話の梃子に──とぶっちゃけてしまえば何ですが、最近個人的に「なるほど」と膝を打った
批評を見つけましたので、紹介がてらに一つ。

連日のコロナ禍に伴う自粛の影響は、今や世の中のありとあらゆる業界に及んでいると言っ
ても過言ではありませんが、少し前に某劇作家さんの発言が炎上したのを皆さんはご存知で
しょうか? 演劇界の窮状を訴える、その趣旨自体はまだ良かったのですが、如何せん言葉
が悪かった。文化藝術を守ってゆくべきだという言い分を補強する為か、さも世の製造業を
下に見るような(引き合いに出した)言い方をして顰蹙を買ってしまったんですよね……。
しかも自分が確認した限り、当稿現在もこの件に関して氏が明確に詫びた様子はない。寧ろ
弁明した際にまたボロが出たというか、火に油を注いだだけらしいというか……。例の如く
昨今は“問題”の噴出に日々暇がないため、目下段々とフェードアウトしていっているよう
ですけれど。

僕自身、件の批評記事を読んで初めて知った事なのですが、この本職劇作家の氏は一方で、
世の人々のいわゆる「コミュニケーション能力」向上の運動を長らく牽引してきた人物でも
あるそうです。事実自分が学生だった頃にはまだマイナーだった、一芸入試的な選抜方法や
就活での面接テクニック、マナービジネスの流行など、言われてみればあれもその一端だっ
たのかなあ? という世の中のトレンドが(個人的にその是非はともかくとしても)幾つか
生まれてきては定着してを繰り返しています。
……だからと言う訳ではないのですが、事後的にちょっと恨み節。生来いわゆるコミュ力、
他人との関わりを能動的に作るという局面に滅法弱い・苦い失敗経験を重ねてきた自分とし
ては、随分とまぁ余計な事をしてくれたなという感想を持ったからです。或いはこれらの情
報を梃子として、諸々の思考に援用されていったここ数日なのでした。

詳しい全文ないし分析は元ソースとその執筆者の方をお訪ねください。自分が一通り読んで
みての論旨、及び印象に残った部分は以下の通りです。

・氏が推奨してきたコミュニケーション能力(以降コミュ力)は、こちらが相手に『伝える
技術』ばかりに偏重しており、相手に『理解して貰おう』という観念に乏しい。
(なまじこの技術を磨いてきたという自負がある人間ほど、相手が理解しなかった際、その
理由を“相手の勉強不足”に転嫁しがち)

・故に、この言わば一方通行な技術論は、結局の所氏が理想とした人々の“相互理解”から
は寧ろ遠ざかる。発信強者が発信弱者を呑み込むという歪な構造が根本にある。
(深まってゆくのは両者の“溝”であるのに、何とかしなければと考える人々=前者はもっ
と『伝える技術』を磨くことで突破しようとする逆効果。コミュ力の名を借りた地獄?)

・実情として、社会がコミュ力とする・肯定されるもの=如何に相手を“説き伏せる”か?
そのノウハウであったり実績であったり。要するに「売り込む」事のみに特化した技術。
(相手を“論破”すれば勝ちという風潮。ごり押し的な営業・利益獲得が正当化される?)

・逆に言えば、こうした価値観・行動力に馴染めない人間=発信弱者達は淘汰されていって
しまう。結果相互理解ではなく対立し、溝ばかりが深まる「コミュニケーション」が常態化
する温床となった。

・筆者曰く、このような一方通行的な論になってしまったのもむべなるかな。

・何故なら氏は劇作家という「表現者」であり、コミュ力運動云々を牽引する「教育者」で
はない──極論を言ってしまえば、自分側の表現をポンと出してしまえば、相手=観客の反
応が返って来ようが来まいがどちらでもいい(どう思うかはそれぞれが判断すればいい)と
いう意識が染み付いている?

・結局の所、氏は“伝えるプロ”ではあっても“理解するプロ”ではなかった。そもそもの
教育観として、後者を軽視し過ぎた。

・発端となった発言の上から目線も、弁明が火に油を注ぐような結果になったのも、根っこ
にはそうした氏の職業柄獲得してしまった性質があったからなのかもしれない。
(だからこそ、今回の問題から垣間見える本質は、一般に思われている以上に重症?)

・今後採りうる道があるとすれば三つ。これまでの「コミュ力競争主義」を肯定し、一方的
な論破ノウハウという立ち位置(筆者曰く“武器商人”)を貫くこと。『解って貰う技術』
をその技術論に拡充する(筆者曰く“格差になって何が悪い?”的な開き直り)こと。或い
は“相互理解”そのものを問い直す──定義と限界と、何処まで挑むべきで、諦めるべきな
のか? から始め、一から再構築を試みること。

・但し、前者二つは現状維持(二つ目に至ってはより激しい断絶が起こる?)後者は実現可
能性すら怪しい理想論。氏が本気で“相互理解”を望んでいるならば。

……僕自身、夜時間ふとこの批評記事に当たっていて、かなり「胸が痛かった」んですよ。
あくまで筆者さんは氏の“相互理解”への非本気度、そもそも相手を“理解する動機”が欠
けていたんじゃないかという旨で綴られていたのですが、一応は僕も物書き。演劇という媒
体こそ違えど、この(傲慢な)表現者という括りで喝破されているのを読んだ時、思わず我
が事のように恥じたものです。改めて自問していたのです。

何も氏だけの話じゃない。僕もとかく「物語」を射出するだけ射出して、他人に理解して貰
おうという意識をちゃんと持っていたか? 伴って書いてきたか? 理解して貰う為の努力
を──(語彙を開くなど)技術的なあれこれは勿論だとしても、何より“まあ、別に理解さ
れなくてもいいや”と、心の何処かで思って来なかったか? それこそ上述の氏のような、
己の語彙・思考レベルについて来れない人間を下に見て切り捨てては来なかったか……??

そう考えると、内心とても恥ずかしかった。卑屈のふりをして、その実自分は独り善がりな
文章を、何とかして正当化しようとばかりしてきたんじゃないのか? 数字なりレスポンス
が世の人気作者さん達とは比べ物にならない理由は、始めっからそこに在る。己の主義主張
ばかりを吐き出すばかりで、キャラ達に配分して捏ね回すばかりで、受け入れて貰う工夫か
ら逃げ続けているんだと。後者よりも前者の方が、優れているという自惚れがある──。

そりゃあね。一々何かしら発信する度に角が立ちますよ。どうせ揉めるから面倒だという、
別方面からの経験則で政的な(思想信条めいた)発言はしないようにしていますが、その揉
める云々という現象の原因自体が多分、発信者自身の“上から目線”を他人らが嗅ぎ取って
不快になるからなんでしょうね……。或いは己の信仰をageて、相手の信仰をsageるから素直
に「はい貴方の言う通りです」なんて口が裂けても言えなくなるのか……。

正直やっぱり、人間って面倒臭いなあと思いますよね。こうした『物の言い方』でもって心
のシャッターが閉まっちゃうパターンも多々あるでしょうし、加えて僕の場合は只々単純に
『発言量が多い』というだけで諦めてしまう。何とか咀嚼してみようとする試みを、ふいっ
とした瞬間に止めてしまう。……まぁアレです。要は「ああ、この人は主張したいだけなん
だな」と、自分の中で結論が出てしまう。咀嚼しようとする間にもだばだばと情報量が増え
てゆく面倒さと徒労感、何よりも自らの主張に“反抗”してくる輩を“哂って”いるさまを
見せられちまったら……駄目ですね。こちらも手持ちのリソースと誠意でもって理解してみ
ようかという気力さえ削ぎ落とされる。勿論、当人的にはある種の自衛、クソリプ的な罵倒
なんぞ知ったことかと(場合によっては何も言わなければ既成事実化されてしまう)いう意
志の現れに過ぎないのでしょうけど……少なくとも僕は距離を置くことを優先します。既に
諍いになっている言論の下へ、わざわざボコされにゆく馬鹿はいない。まあ、実際いるから
こその地獄絵図なんでしょうが。

──眩暈(ハレーション)。もうちょっと詩的に形容するならこんな感じかな? 要するに
頼んでもいない情報量に、自身の手持ちキャパがパンクする感じ。もう止めてくれ! 黙っ
ているから、見ないから! スルースキルという言葉も大分死語になりつつある(前段括弧
書きで触れたように、SNSが発達した現在は、最早放っておいても批判者達の内輪でどん
どん誤解が培養・拡散されてゆくため)らしいですが、個々人の精神衛生を守るという観点
においては、今後も寧ろ必須技能ではあり続けるのだと思います。
願わくは、そもそもに変な輩に絡まれないことを。
消極的と言われれば否定しようがありませんが、その為の沈黙、物の言いようなのではない
でしょうか?

うーん……。結局今回も語彙というか、字が開けてない。ガッチガチに固めた文章。

理解して貰う為の努力。
情報量が多いとパンクしちゃうんです云々。

此処は一つ、盛大なブーメランでオチましたという事で。

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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

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