日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)人の尊厳、人の空腹

早いモンだなあ。気付けばもう一月も折り返しか……(´A`)-3

年明け最初の週、正月中にがっつりと書かないでゴロゴロしていた結果と言ってしまえばそ
れまでなのですが、今年最初、今月前半分の長編系更新がすっかり「前半」とは呼べなくな
ってしまいましたねえ……。執筆モード時点では、確かに月序盤ではあったものの。

さて何時もの如く。間が空いてしまいましたが、先日ユー録の百十二章をUPしました。今回
より現行第Ⅷ部も終盤戦に入ります。あっという間と言うべきなのか、ようやっと消化され
てきたなあと前向きに捉えるべきなのか……。

分量としましては、推敲後時点で23600字弱──個人的な目安よりもそこそこ多め。物語中の
展開、事態の進展度はそう多くはない、助走的な構成だったのですが……視点の切り替えが
多いとそれだけ、シーン数自体は嵩んでゆく故という具合でしたね(相変わらずユーザーフ
レンドリーという概念とはあさっての方向にばかり進んでゆく文章であります)
年も替わり、リアルではまた早速負荷ラッシュの予感ではありますが、なるべく今後もコン
スタントに小説を書く=創作活動をできるようタスク管理に勤しんでゆく所存です。今後と
も気長に、生温かくお付き合いくだされば是幸いですm(_ _)m

とはいえ当稿現在、特に大きくトラブっている案件はなく。

……まぁ各種メディアの情報を開く度に、国内外のきな臭い案件は飽きもせずに報じられて
はいるんですけどねえ。何よりインターネッツ、一部の声の大きい人々を中心とした醜い罵
り合いは年を跨いでも変わりやしない。自身の普段日中、ミクロに視えている世界により軸
足を置くように(タスク的に置かざるを得ない状況に)なったのは、少なからずああいった
マクロの世界ばかりに浸っていると“疲れる”からというのも大きくて……。

だからというのに前者の側で、いざ概ね大丈夫──秋口から年末辺りの新環境云々に慣れる
タームが何となく引いてくる感のあるここ暫く、どうにもそわそわと「不安」が過ぎる瞬間
瞬間がある。ふいっと大ポカをやらかさないだろうかと、未だ生ってもいない内から強張ろ
うとする。……実際の所、順風満帆(?)が怖いのだろうなあと自己分析しています。本末
転倒じゃないかと自分でも思いするのですがね……。一日一日単位ではそれこそバタバタ
と忙しなく動いているっていうのに、根っこのネガティブ癖は今も抜けていないんだなあと
改めて。
実際変に「出来る筈だ!」と自他へのハードルを上げても、真逆の結果になれば大ダメージ
必至なんだもの。そういう意味で、後ろ向き系の保険=予防線を張るのが癖になってんだ。

……やっぱり、厭世的な思考は毒だねえ。

個人的には嫌いじゃないんだけど、この手の命題はどうしても闇を孕む(´・ω・`)


にも拘らず、今回敢えてそんな“闇属性”の話題を持って来たのは、他でもなく僕個人がこ
こ何日かで幾つか思うことが重なったからです。何時も通りか。
それは表題通り、現代人の在り様について。人の──とりわけ自分以外の誰か達、圧倒的な
多数である他者の価値について。

既にご存知の方も多いとは思いますが、先日相模原の障害者施設連続殺傷事件の公判が始ま
りました。今日に至るまでの間、報道でもあったように、被告の“間引き思想”は未だ撤回
されておらず、反省している様子も見られない。周りが義憤で攻撃すればするほど、本人の
歪な自意識ばかりが反発して拗れてゆく……。事件本体については完全に野次馬の一人でし
かありませんが、観測範囲に届く情報を浚ってみる限り自分にはそう思えます。

本当に……難しい。なまじ人によっては「正しい」とさえ考えるものだから、余計にかの犯
罪がややこしく絡め取られる。

事件以前も、事件が起こって未だ間もない頃も、僕自身は今ほど福祉の業界にガッツリとは
携わっていませんでした。寧ろあの一件を契機に再三燻り始めた、しばしば極端に過ぎる他
者への攻撃性・余力の無さ──何処かで被告の言わんとする旨に「理解」する所も浮かぶ、
いち闇属性の人間だったからではないか? とすら、当時を振り返ってみるに感じます。

要するにかの殺戮の言い訳・正当化になった極論を、内心真正面から批判できなかった。巷
の、いわゆる良識と善良ある(とされる)世間の人々のように、かの犯人に対してある種反
射的な義憤(いか)りを向けられなかった。
『障害者(こいつら)は社会のお荷物だ』
『このまま増えてゆけば、俺達のリソースはやがて枯渇する』
『だから殺すんだ。減らしてやった俺は間違ってなんかいない』
そんな上から目線の、他人の尊厳をガン無視したような独善でもって行われた、遠く離れた
街での凶行に。

……本人のそれまでの経緯、内面的な変遷を含めた人となりは、どうしても伝聞という形で
しか僕らには知り得ませんが、少なくとも彼のような歪んだ正義感・自己愛を抱えた人間と
いうのは昨今そう珍しくはないのだろうなと僕は思っています。というより、この社会にそ
んな空気が“暗黙の了解”よろしく存在するからこそ、良くも悪くも一定数共鳴してしまう
者達が出てしまう。

『●●さんって、本当に手が遅いから。教えたことを守れないから』
『本当、早い内に辞めて貰って良かったわ~』

だって身内の人間ですら、そんなことを(電話越しの陰口とはいえ)同僚と半分笑いながら
話すんだから。何度か似たような言動を注意したことがあるのですが、逆にこっちの苦労が
云々と不機嫌になられ、大よそ聞く耳は持たれぬまま今に至っています。……僕が福祉系の
お仕事に就いたこと自体は知っている筈なのになあ。それとこれとは話が別、ってことなん
ですかね……。

良くも悪くも。今の環境に関わるようになってからの当初、或いは昇格へと至る中途段階で
それぞれの時期において。
内心、改めて僕は痛感しています。どれだけ僕らが頑張っても、彼らを変えることは難しい
んだなと。よほど関心──当事者にならないと、現代の人々に通底している概念・価値観か
らは距離を置けないのだろうと。
即ち『人の価値を決めるのは、他人の役に立つかどうか?』であり、それらは翻ってしばし
ば『自分(達)に“不利益”をもたらす人間は要らない』という本音へと、哀しいかな容易
に反転してしまうという現実なのです。
もっと言ってしまえば『個人の尊厳やら人権云々ってのは知ってるし、分かってる。だけど
その為に、自分の生活やら何やら犠牲になるのは嫌だ』でしょうか。

今回僕が内心モニョっていたのは、その“理想”と“現実”の間でどうしても前者には向か
い切れない、僕ら人間の根っこを観たからです。どれだけそれが正しいことで、社会全体と
してみれば最善の選択であろうとも、いざ自分個人の段階にまで下げた時に差し出せるのだ
ろうか? ことそういった時世や法律の要請、いわゆるリベラル的な価値観の波が直接自身
の利害(物理的・金銭的に限らず。寧ろ精神的な被害感の方がこの場合大きい)に関わって
くるケースに直面した時、はたしてどれだけの人が別の誰かを慮れるのだろう? こと今日
は良くも悪くも個人主義・自己責任論の時代。それらを推し進め、僕らの中にコンセンサス
として刷り込ませてきたのも、同じくいわゆるリベラル的な価値観であって……。

僕自身、まだまだ勉強不足です。経験値は足りない筈だと思っています。ですが少なくとも
現状の段階と知識、思考でもって言語化してみるに、このある種の(本来は必ずしもそうで
はないと信じたいのですが)二律背反が悪く働いた結果が「差別」なのかもしれません。公
正公平を採れば間違っているものの、障害なり出生なり、少数派とされる人々のそれを守ろ
うとすれば自分達=自称・多数派が享受できる筈の利益が侵される。だからあいつらを排斥
しないといけないんだ、して構わないんだ──そんな正当化。(多く精神的な)安堵を求め
るが故に作り出された一方的な構造。まぁ実際には逆に、それらを闘争の口実にして暴利を
得る差別利権なんてものもあるのですが……(その辺りを突き始めるとキリがない故、今回
の雑感には含めません)

ただ少なくとも、そうした「配慮」を「負担」と捉えて避けたがることが、この手の問題・
極端な排斥理論がまま人々に受け入れられてしまう大きな理由なのかなあ? と、僕は現状
考えています。
上述した通り、ハンディがあるから慮る、配慮しつつ事を進めようとすれば実際問題として
それ相応のリソースを割かざるを得ませんし、かと言ってじゃあ止めようとするとこの手の
(一部の)声の大きい勢力が炎上させてくる──本質の所とはズレている筈なのだけれど、
そういった積み重ねも周知のものとなり、余計に共に手を携えようと良心に従う人達が減っ
ていってしまうのではないか……?
人の尊厳は言わずもがな、保証されるべきものです。しかしその一方で、空腹(自分の物理
的生存)を満たせなければ死ぬ。もし両者を天秤に掛けないといけないような極端、社会環
境があれば……先ず大抵の人間は己の身を選ぶのではないでしょうか? そこまで聖人君子
な人間というのは世に溢れてはいないのです。
誰かを排斥する選択をしている人間は、おそらく「配慮」が邪魔臭いのかなと思うのです。
問題はそんな内々のミクロ、個人レベルの保身が飛躍して、そんな排斥される側の生存さえ
も否定してしまう場合だと……僕は考えます。前者の段階で詰り過ぎても、寧ろ当人らの反
応はより頑なになるでしょう。露骨に表に出し、周りを不快にさせ(悪く染め)ないのなら
ば、今日ほど目くじらを立てなくても良かったんではないか……?

──勝手に決めるな。少なくともお前に、彼らに対する決定権なんざ無かったろ。他人の生
殺与奪を握れるだなんて、思い上がりも大概にしろ。

実際の所、この手の思想犯(?)に対しては、寧ろ本人の名前を出すべきですらないという
理論も幾つかあります(根本的にその目的が自己主張である為、逆にその内容を宣伝してし
まうから)それでも僕は今振り返って改めて、こう言いたい。

そりゃあ症状の重さによっては、確認の取りようもなかったかもしれない。実際問題その人
を一人ケア、この社会で生かしてゆく為には、人的リソース諸々が投入されざるを得ないの
かもしれない。
でも……だからと言って、彼・彼女ら自身に『意思』が無い訳じゃないんだ。健常者と同じ
ように、人並みの欲気だって確かに在る。ただそれらが障害などによって表明し辛く、或い
は実現する為に多くのプロセスが要りがちだから聞き入れられなくて、諦めて……。

これは業界の先輩からの受け売りではありますが、福祉とは幸せになること。社会の皆がそ
の為に必要だと感じる条件──色々な違いを越えて整え合い、充たされるように支えてゆく
こと。可能ならば仕組みとして成立させること。障害があろうとなかろうと、個々人の自己
決定を尊重すること(たとえそれが、周りの誰かさんにとって面倒な「配慮」であっても)
あんたも元々は、同じ業界の人間だったんだろ? 考えなかったのか……?

確かにこの国における、従来の福祉と呼ばれるものは、往々にして闘争を伴う仕事だったの
かもしれない。いわゆる差別利権にぶら下がる寄生根性は論外としても、しばしば『こっち
は弱者なんだから配慮しろ。社会(おまえら)のリソースを寄越せ』的な、今在る全から引
っ張り出して都度確保するというやり方が罷り通ってきた。だがそれも、源泉たる社会全体
がじわじわと衰退してゆく中で、もう無理筋──反発ばかりを呼ぶのかもしれない。言って
しまえば互助する余力も、助け合って心和ませる暇も、少なからぬ人々の日常においては最
早“非日常”のものとなっているのだろう。

でもそんな個々人の背景(バックボーン)は、誰かを踏み躙っていい理由にしてはいけない
筈だ。免罪にはならない筈だ。先述の通り、それはただ単に他人の尊厳よりも、自分の利益
を採ったことへの言い訳でしかないのだから。事実には変わりないのだから。

僕らも頼りっ放しではなく、可能な限り向上することを忘れずに進むべきなのだろう。尤も
自力でその自己決定を完遂できないと判断されたからこそ、彼・彼女らは“障害者”と括ら
れてきたのだけれど。

……溝は埋まらないだろうなあ。

両者を隔てる壁を、物理的な距離を、都度一つ一つ崩すことが出来たとしても。

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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

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