日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(長編)サハラ・セレクタブルⅣ〔44〕

「に、逃げろおおおーッ!!」
「くそっ! 一体何なんだよ!? 何でこんな……!」
 自分には関係ない、何処か遠いセカイの出来事だとの思い込みに“否”を突き付けられた
時、人はその本性を露わにするのだろうか。或いは元より保身(それ)は、皆誰しもに備わ
った反応(もの)なのか。
 アウターと思しきミサイル型怪人からの襲撃を受け、現場に居合わせた学園(コクガク)
生や職員達は、大わらわになって逃げ出していた。直接大穴の空いたクラス教室近隣から始
まり、恐怖は間を置かずして波紋のように伝染してゆく。
『──』
 そんな学内の一部始終を、密かに見つめている者達がいた。少し上階の廊下側、窓際の一
角に立ち、生徒達と破壊された現状を見下ろしている。
「ねえねえ、見えた?」
「ああ。視た」
 人影は二つ。先ずは少女らしき人物が口を開き、もう一人が応える。彼女に比べるとひょ
ろっとした背丈で、やや気の弱い印象を受ける男性だった。共にその顔は逆光と物陰に隠れ
ており、口元から上は窺い知ることが出来ない。
 校舎内には先ほどから、緊急を知らせる警報が鳴り響いている。
 そういった状況も手伝って、生徒や職員達は避難一辺倒だったのだが……この二人はそん
な他人の波には呑まれていない。寧ろ自ら取り残されるように、その場に立ったまま、事の
推移をギリギリまで観察しているかのように見えた。

『よし、誰もいないな。ここで一旦奴を迎え撃つぞ』
『あ、貴方達は、一体……?』
『ナナミ、ユカ……コロス!』
『やっぱり、あれぐらいじゃあ死なないか……。皆、七波さんをお願い!』

 変身!
 そして二人の“眼”には、一連の騒ぎの中で全くの別行動をしていた、ある人物達の一部
始終もまた映っていた。
 七波を庇いながら屋上へと逃げ、更にそこへミサイル型の怪人が追いついて来る。これを
面々の一人──睦月が守護騎士(ヴァンガード)となって迎え撃とうとし、残る面々もリア
ナイザらしき装置を片手に身構える。
「よりにもよって、あの子が学園(うち)に来た矢先にねえ……。少なくとも転入するって
話は、対外的には発表されてない筈なんだけど……」
 一旦フッと瞳を閉じて、彼女は一人しみじみと呟いた。尤もその内容とは裏腹に、肝心の
声色の方は寧ろ弾んでいるように思える。ワクワクと。そんな彼女の、良くも悪くも旺盛な
好奇心に、一方で男性の側は半ば呆れた様子を見せている。
「……面白くなってきた」
 ふふふ、と口元で微笑(わら)う声と、やれやれと肩を竦める気配。
 爆音轟く非日常にあっても、事態(とき)は変わらず構わず進んでゆく。


 Episode-44.Gossip/悪意に差す灯を

 襲撃直後の混乱も一しきり、学園の校舎外。
 突然の爆発騒ぎを受けて、校内にいた面々はあちこちから大グラウンドへと避難を済ませ
ていた。幸い上がった黒煙は一つだけだったが、それでも生徒達は酷く不安げにこれを見上
げている。空中に散ってゆく警報の音と、教師達の怒号めいた指示・対応が、場の混乱ぶり
を否応なく理解させて久しかった。
「七波さん!」
 そんな状況を一変させたのは、七波の合流である。他にもぱらりぱらりと集まって来る生
徒達に交じり、自身のクラスの教え子が姿を見せたのを認めると、豊川先生は一目散に駆け
寄って来た。近付き、はしっと彼女を抱き締めると、ボロボロと涙を流しながらその無事を
我が事のように喜ぶ。
「あああああ! 良かった、良かったよお~! 姿がないから心配してたのよ? 大丈夫だ
った? 怪我はない?」
「……はい。何とか、お陰様で」
 為されるがまま、七波は半ば苦笑するように答えていた。いや、厳密には自嘲と表現すべ
きだったろうか。声色も佇まいも力なく、只々自らが呼び込んでしまったらしいこの状況に
強い負い目を感じている。
「良かった。貴女は経緯が経緯だし、もっと気を付けてあげなきゃいけなかったのに……」
「……いえ」
 殆ど消え入りそうになりながらも、長い口籠りの後にそうポツリと呟き、彼女はその複雑
な表情を濃くする。
 こちらこそ、心配をお掛けしました──つい“迷惑”という言葉を引き出しそうになった
が、すんでの所で喉の奥に押し込め、謝罪する。「ううん、いいのよ」豊川先生は変わらず
我が子のように自分を抱き締めてくれ、声色を安堵のそれに変え始めているが……お世辞に
も周りの他人びとは、そんな真心でもってこちらに接してはくれない。
 一角とはいえ、破壊された校舎を、呆然と見上げたままの生徒や職員達がいた。目の前の
現実を、まだ受け入れられない様子だった。或いは不自然な地面のくぼみ──ミサイル型の
アウターが一旦落下した後、再び飛んで行った際の痕を挟んで、こちらをじっと睨み付けて
いる者達もいる。さも“疫病神”の如く、一連の出来事が彼女に所為だと決め付け、非難し
たがっているかのように。

『あ、貴方が、守護騎士(ヴァンガード)……?』
 時は、今より少し遡る。
 クラス教室から屋上に逃れてミサイル型のアウターを倒した後、変身を解いてこちらに戻
って来た睦月に、七波は酷く戸惑った様子で訊ねていた。ほぼ確認の為の言葉、と言ってし
まってよい。
『皆人』『三条』
『……ああ。もう隠し通せるとは思っていないさ』
 そんな問いに答えたのは、同じく彼女を守っていた皆人以下五人の仲間達だった。睦月や
仁が短く窺うように促し、話し始める。全員が全員、今日転入したクラスの同級生達だ。
『結論から言おう。俺達は、アウター対策チーム。政府が言う所の“有志連合”だ』
 語られ始めたのは、七波にはにわかに信じ難い事実の数々だった。かねてよりこの飛鳥崎
で暗躍してきたという、電脳生命体こと越境種(アウター)。そんな、さも人知を超えた怪
人達と秘密裏に戦ってきたのが、彼らだというのだ。そして自分が今回学園(コクガク)へ
の転入を勧められたのも、全てはそんな作戦の一環──今後組織に狙われるであろう、自分
を保護する為の工作だったとも。
『じゃあ、あの説明に来た役所の人も……?』
『ああ。俺達の仲間が手を回し、実際の手続き諸々を進めてくれた。まさかあの時は、こう
も早く敵の攻撃があるとは思わなかったが』
『……』
 加えて何よりも、七波は知ることになる。例の中央署の一件、由良の死についても訊ねて
みた際の事の顛末も、彼女にとっては立て続けのショックばかりが大きかったのだ。
『既にネット上に動画や音声が流れているし、知っているとは思うが……確かに俺達はあの
時、筧刑事と共闘した。尤も本人は、素直に認めてはくれないだろうが』
『そして現在、彼は中央署の刑事を辞職しています。私達の仲間が、万一に備えてこっそり
見守ってはいますが……』
『えっ──』
 思わず驚きの声が漏れる。七波は一人大きく目を見開き、そして動揺に瞳を揺るがせた。
 確かに彼のその後はニュースでも聞かないし、こちらも色々とあったため、まともに連絡
すら取れていなかったが……。
『もしかして、由良さんを守れなかったから? じゃあやっぱり、私があの時助けを求めた
から、筧さんを追い詰めて……??』
『いや。それとこれとは違う。あくまで彼自身の下した判断だ』
 駆られる自責の念。しかし皆人は、これをピシャリと、遮るように否定する。
『何より君が声を上げてくれたからこそ、結果的に俺達は奴らを退けることが出来た。当局
の一件でも、玄武台(ブダイ)の件でも』
『……』
 あくまで彼らにとって、自分は“功労者”なのだろう。世間的に見ればお騒がせ──渦中
の人物でも、あの怪物達と戦う中でのキーパーソンといった立ち位置で。
『だから今度は、俺達が君を守る番だ』
 そして皆人は言う。うん、と睦月以下他の面々も、決意を新たに力強く頷いている。筧の
失意、由良の無念の為にも、せめて自分達は進み続けるべきだということか。
(……そんなこと、言われたって)
 しかし当の七波自身は、寧ろ筧らの“犠牲”の方に思いを致す──重荷ばかりを感じてし
まっていて……。

 直接の騒ぎがようやく収まり、避難した生徒達も順次下校させるべく、事後処理に追われ
る学園(コクガク)側。
 ただそんな非日常、突然の事件発生に、野次馬と化した近隣住民やマスコミ各社が駆け付
けて来ない筈もなく……。
 昼過ぎには、既に学園の外には大勢の人々が集まっていた。応急処置で被せられたブルー
シートと、そこから窺える校舎に空いた大穴を、ためつすがめつ角度を変えながら目にしよ
うとする者達がいたり、或いは熱心に写真撮影や関係者への突撃を試みている者達がたむろ
していた。ざわめく人ごみは、良くも悪くも好奇心(ほんのう)に忠実である。
「──」
 そんな黒山の中、遠巻きにこの学園(コクガク)をじっと見上げている者がいた。人々に
混じり、帽子やカツラで人相を隠した勇である。
 密かに見つめる眼は相変わらず、やはり剣呑さを帯びて。貼り付けた表情は、酷く不愉快
なそれを隠そうともせずに。
(これは一体……どういう事だ?)
 七波由香が、玄武台(ブダイ)からこっちに移ったと聞いてやって来たが……どうやら既
に何者かに襲われたらしい。シートで覆われている破壊の範囲や、残留するエネルギーの反
応からしても“同胞”の仕業で間違いないだろう。実際、手の中の黒いデバイス──ドラゴ
ンも、先ほどから警戒の唸りを堪えっ放しだ。
(……俺以外に、あの女を狙っている奴がいる?)
 正直、出鼻をくじかれた格好だった。邪魔をされて不快だった。
 チッと小さく舌打ちをしつつ、勇は改めてこの学園(コクガク)の校舎を見上げる。


 事件から数日が経った、司令室(コンソール)。
 ミサイル型のアウターによる襲撃以降、学園は臨時休校を続けていた。復旧作業など、物
理的に態勢が整わない以上仕方ないが、生徒を始めとした関係者達の心に落とした影は相当
なものと思われる。この日も皆人や睦月以下対策チームの面々は、市中の様子を中央のディ
スプレイ群越しに眺めながら、対応を話し合っていた。
「しっかし……。まさか、新学期早々とはねえ」
「ああ。こちらの打った保護策が、寧ろ裏目に出てしまった。教室に直接というのは、流石
に俺も考えが甘かったらしい」
 皆人曰く、七波の転入について当局などのニュースリリースは無い筈だという。至極当然
だろう。彼女をなるべく、一時でも世間の耳目から遠ざけることがそもそもの目的なのだ。
尤も本人を目の当たりにしたクラスメートなどを発端に、ある程度噂に戸は立てられなかっ
たろうが……。
「それで、当の七波さんは?」
「今日も自宅から出ていない。今は地域全体が似たようなものだがな」
「ただ、これまでと今回の一件で、当局も彼女を守る口実を得たのも事実だ。実際の所、ど
の程度の抑止力になるかは分からんが……何も無いよりはずっとマシだろう」
 皆人の台詞を萬波が引き取り、ディスプレイの一部に七波宅の現在の様子を映させる。周
囲には少なからぬ記者達が張っていたが、それ以上に配置された警官達が巡回し、睨みを利
かせて、彼らをより遠巻きに追いやろうとしている。
 休校以来、状況はずっとこんな調子だ。心の傷も浅からぬ内から、連日マスコミ各社は取
材攻勢に忙しい。彼女だけでなく、他の学園(コクガク)生にまでその魔の手は及びつつあ
った。
「……國子、大江。聞こえるか?」
『おう。電波バッチリだぜ』
『お呼びでしょうか、皆人様。次のご指示を』
 そして皆人は、通信機に手を伸ばすと、既に現地へ派遣されている仲間達──國子及び仁
隊の面々に呼び掛けた。報道陣や警官達の人だかりから更に遠巻き、七海家からの出入りが
確認できるように、正面や裏口に手分けして隠れ、物陰に待機してくれている。
「どうやら状況は膠着しつつあるようだ。改めて彼女と、ご両親を連れ出して来てくれ。表
向きの取り繕いに関しては、こちらでなるべく早く手を回す。朧丸やダズルのステルス能力
があれば、確保すること自体はそう難しくはないだろう。必要があれば、冴島隊長達にも応
援を掛ける」
 了解(ラジャ)! 通信の向こうで、國子と仁の短い返答が聞こえた。至って真面目な声
色と、何処か努めて明るく振る舞っているような声色だ。
 ディスプレイの優先順が切り替わるのを傍目に、司令室(コンソール)の睦月達は再び話
し合いに戻り始めた。七波の保護と並ぶ現在の懸案と言えば、先日襲ってきたミサイル型の
アウターである。
「ただまあ……このまますんなり、七波ちゃんの問題が片付くとは思えないわよねえ」
「そう、だね。心の傷もそうだけど、あのアウターも何か変だったもの」
『ええ。そうなんですよお。あれだけ殺意ムンムンの割には、案外弱かったですし……』
 睦月のぷらんと提げた手の中、デバイスの画面内でそう身振り手振りに話すのは、彼の相
棒であり守護騎士(ヴァンガード)のシステム制御を司るコンシェルの少女・パンドラだ。
 先の交戦から数日、事態の暗澹さと消化不良感も手伝って思わずごちる宙や海沙に、彼女
は改めて当時の違和感を話していた。睦月もコクコクと、今回の敵に未だ引っ掛かる部分を
感じていたらしい。
「弾頭(ミサイル)のアウター、でいいのかな? あいつは多分“蝕卓(ファミリー)”の
刺客だと考えて差し支えないんだろうけど……」
「十中八九、そうだろうな。つまりは報復だ。彼女及び、俺達に対しての」
 対する皆人は淡々と言い切る。睦月や宙、海沙達の表情が明らかに暗くなった。とうに何
処かで解っていても、いざ真正面から言葉にされると辛いものがある。
「だがお前の証言や、パンドラから採った戦闘記録(ログ)からも、本当に奴がアウターだ
ったのかは怪しい。刺客としては不十分ではないか? というのは俺も同じ見立てだ」
 博士。そして促され、先ほどから話し合いの輪に交ざっていた香月が、手元のタブレット
を見せてくる。画面には例のミサイル型のアウターの3Dモデルと、各種比較用のグラフが
幾つも並べられている。
「少なくとも、睦月やパンドラが“弱い”と感じた理由は、奴のエネルギー出力よ。これま
で私達が戦ってきたアウター達と比べても、およそ半分ほどの出力量しかない。貴方達が単
純に、経験を積んで強くなっているという面もあるんでしょうけど……」
 実際、そう分析結果を出した彼女自身、戸惑っているようだった。息子達が無事に戻って
来られるならば、勿論それに越した事はない。だが、ただ純粋に“敵が弱かった”と片付け
てしまっていいものなのか? かつてのミラージュのように、市中に紛れて無害な個体なら
ばいざ知らず……。
「……楽観的に済ませる、という訳にはいきそうにないかな」
「結局、正体とか色々分からないままでしたもん。そりゃあ気にはなりますよ」
「でも優先するべきは七波さんの保護だし、調べるのはその後でもいいんじゃない? 当の
本人だって、むー君が倒しちゃったんだから……」
「そうだな。今後の支障になるようならば、解明を急がなくてはならないだろうが……」
 だがちょうど、そんな時だったのである。
 萬波の苦笑や宙、海沙の思案。とりあえずは國子達の帰りを待とうとめいめいが黙り始め
た次の瞬間、当の彼女らから通信が入ったのである。緊急を知らせる甲高い声、周囲のざわ
めきと破裂音。七波家の下へ潜行(スニーク)しようとした二隊を、妨げる者がいる。
『皆人様、大変です! アウターが出ました!』
『あん時のミサイル野郎だ! 加勢を頼む!』

 怪人による学園(コクガク)襲撃の報道を受け、案の定批判は様々な方面から噴出した。
こと七波の同校への転入が判明し、これを関係者が隠していた点が、人々の義憤(いかり)
に尚更火を点ける格好となってしまったらしい。
 ──警備体制に穴は無かったのか?
 ──そもそも何故、彼女を迎えた?(要するに、面倒な人間を引き込むな)
 匿名性の高いネット上を中心に、人々の口撃は今回も容赦ない。中には彼女を露骨に疫病
神扱いし、学園から追い出せと主張する者も少なくなかった。先の事件で、中央署自体に余
力が残されていない内情も手伝い、正式な“謝罪”も“釈明”もなく沈黙している官憲への
不信は強まる一方にも見える。
 どうせ叩かれるのだから……。
 半ば諦めと開き直り、或いはほとぼりが冷めるのを待とうとする保身は、益々外側からの
批判を呼び、故に彼らの態度を一層頑なにする。寧ろ原因と結果はぐるぐると相互増強ばか
りを繰り返すが、一度正義を見出した者達もそこは譲らない。事実悪しき怠慢には違いない
のだから。練磨(ブラッシュ)ではなく、浄化(クレンズ)ばかりが進んでゆく……。
『というか、政府はどうした? 例の“有志連合”とやらは何処に行ったんだよ?』
『結局今回も、守護騎士(ヴァンガード)がこっそり追い払ったって話じゃねえか。こうい
う時の為に共闘しようって話じゃなかったのかよ?』
 加えて批判の矛先は、数日して以前政府が正式に言及した、件の“有志連合”──睦月達
対策チームにも向けられ始めていた。全体としては今回の騒動も、政権批判の糸口にしよう
とする者が大半を占めたが……いずれにせよ、放置し続ければ“実害”も出かねまい。
『そもそも守護騎士(ヴァンガード)って、何者なんだろう?』
 事実人々の口撃は枝葉末節に飛び火し、しばしばネット上では、この未だ謎多きヒーロー
達の正体を探らんとする動きが活発化している。最近では中央署の一件をアップした映像な
どから、手掛かりになりそうな情報を取り出そうと試みる動画が、一つまた一つと投稿され
始めていたのだった。

「──全く。皆好き勝手言っちゃって」
 ただこうしたネット世論(むき)に、密かに反感を抱いている人物がいた。今回の騒ぎも
あって取り沙汰されるようになった件の動画達を漁るように見ながら、デスクトップのPC
越しにぶつくさと不平不満を漏らしている。
(どうも怪しいのよねえ……タイミングが良過ぎる。一個一個は確かに感情に任せて作られ
ているっぽいけど、全体の状況を引いて観れば、結局“敵”の有利になるばかりじゃない。
襲撃と口撃の相乗効果ってとこかしら?)
 片手にストローを差した野菜ジュースを持って、合間合間にちゅうちゅうと吸いつつ。
 画面から出るブルーライトが反射し、その人相は見えなかったが、当の人物はどうやら少
女のようだった。慣れた手付きでキーボードやマウスを操り、乱雑に散らばったネット上の
断片達をこまめに収集してゆく。
 ……確かに、元より個人的には素性も何も知らない。関わった訳じゃない。
 だけども、互いに顔も名前さえ知らぬネット民達の炙り出し──悪意の類に、彼女は何よ
りも先ず不満を抱いていた。これまで守護騎士(ヴァンガード)に散々守って貰っておきな
がら、恥ずかしくないのか? 自分だけは“例外”だと勘違いしているのではないのか?
 何とかしたい……。
 気付けば彼女は、自らこれらネット上のスレッドや記事に書き込みを行い、批判一色にな
りがちな声を少しでも和らげようと働きかけ始めていた。複垢に裏垢。伊達に“新時代”生
まれの現役学生ではない。
 元よりこの手の情報戦は、自分の土俵──慣れ親しんで得意とする所だ。キーボードを打
つ指も自然と速くなる。目に映る大量の文字情報、画像データに意識を集中させ、作業用の
眼鏡がブルーライトを反射するのも構わず、一人小さく唇を結ぶ。
「や、止めとけよお。メグぅ」
「俺達も目を付けられたらどうするんだ……??」
 だがそんな彼女を、やんわりと止めようとする者がいた。同じく先ほどからこの部屋で一
緒に画面を見つめ、正義感に衝き動かされる彼女を何とか宥めようと試みている男性だ。椅
子に座っている分、余計に判り辛いが、彼女と比べると結構ひょろりと高い。声色はやや気
弱な印象を拭えないが、少なくとも年格好はずっと上のように見える。
 少女と同様その背丈もあって、肝心の人相は映らない。ただ後ろからふいっと釘を刺され
た当の彼女は、少なからず不機嫌に頬を膨らませたようだ。
「……その為にあんたがいるんでしょ? 大丈夫。それに、私達が彼らを援けることは、回
り回って私達自身にとってもメリットになる」
「そりゃあまあ……。そうだけどさあ……」
 だが彼のそんな懸命な説得にも、彼女は耳を貸そうとはしなかった。
 ──やれやれ。尤も予め想定はしていたのか、或いは経験的に諦めを知っていたのか。再
び画面に張り付き始めた彼女の後ろ姿を見つめたまま、彼はそう静かに肩を竦ませる。

「ナナミ、ユカ……コロス」
「ナナミ、ユカ……コロス!」
「だーっ!! 五月蠅いな、お前ら!?」
 七波宅の前に再び現れたミサイル型のアウターは、アウター“達”だった。家の中に居る
筈の彼女とその母親を連れ出そうとした國子・仁率いる隊の面々に、突如として降り注いで
来たのだった。
 周囲の警官達は既に軒並み倒され、野次馬や記者らも散り散りになって逃げ去ってしまっ
ている。現場に居合わせた二人は、半ばなし崩し的にこの押し寄せるアウター達と交戦せざ
るを得なかった。
「くそっ! 一体何がどうなってやがる!?」
「この前、佐原が倒した筈だよな……?」
「もしかして……量産型か?」
「考えるのは後です。今は倒し切ることに集中してください」
 壊れたレコードのように、繰り返し繰り返し例の台詞を呟いているミサイル達。
 予想外の出来事に──何より今度は何故か増えている相手に、仁達は少なからず慌ててい
た。そんな数の力で押されがちな彼らを、國子は自身の朧丸を操りながら叱咤する。「この
ままでは、彼女とお母さんが……」戦っているのは単に自衛の為ではない。護る為の戦いな
のだ。
「一匹だって中に入れるなよ! 横一列で壁を作れ!」
「取り漏らしに注意してください。なるべく時間を──陣形の維持を!」
 幸い個々の戦闘能力は、以前と変わりないようだ。國子と仁、二人を先頭に隊士達はヒッ
トアンドアウェイを心掛け、一体また一体とこれを撃破してゆく。
「ヴォオオオオッ!!」
「ナナミ、ユカ……コロス! コロス!!」
 しかしそれ以上に、ミサイル達は次から次へと降って来ていた。こちらが倒し切れたか切
れないかの間に、第二波・三波と同じ姿形の個体達が追加され、キリがない。故に國子や仁
達は、次第にその数の力に押し返され始めていた。
「ぐっ……!」
「このままでは──」
 だがちょうど、その時だった。苦戦を強いられる一行の背後、頭上から、聞き覚えのある
呼び声とつんざくような滑空音が聞こえた。「下がって!」ホーク・コンシェルに身を包ん
だ睦月である。一旦低空飛行の突進でミサイル達を引き離し、そのまま即座に二度、百八十
度に旋回。銃撃モードのEXリアナイザに、ペッカー・コンシェルの連射力を付与し、場の
これらを瞬く間に片付ける。
「大丈夫? 怪我はない?」
『七波さん達は無事ですか?』
「ああ。何とかな……」
「助かりました。感謝します。彼女達はまだ家の中です」
『國子、大江。ここは睦月に任せて、早く彼女達を。冴島隊長達にも連絡を飛ばしたが、距
離からしてすぐには合流出来そうにない』
 応よ! 司令室(コンソール)の皆人から、そう通信越しに指示が飛び、睦月達は手分け
して動き出した。尚も追加で降って来るミサイル達を睦月が迎え撃ち、その間に國子・仁隊
が七海宅内へと向かおうとする。
「──やはり、余計な邪魔が入ってやがるのか」
 しかしである。次の瞬間、また新たな人影が現れた。コツ、と靴音を鳴らして勇が場に姿
を見せたのだった。睦月達が、或いはミサイル型のアウター達が思わずこれを見遣る。既に
手にしていた黒いリアナイザを、トントンと軽く肩に担いで叩きながら、彼は不機嫌そうな
面構えで一同をざっと睨み回す。
「変、身」
『EXTENSION』
 コードを入力、銃口を掌に押し立て、黒いバブルボールのような光球が彼を包んだ。やや
あってその身は漆黒のパワードスーツに身を包んだ、龍咆騎士(ヴァハムート)へと姿を変
える。
「瀬古さん!?」
『……拙いな。これ以上敵が増えては……』
 司令室(コンソール)にもこの一部始終が映ったディスプレイ群を見上げながら、そう皆
人が通信越しに呟いている。
 だが一方の仁、現場の仲間の一人は少し違った反応を示していた。じりっとこちらに近付
いて来る勇こと龍咆騎士(ヴァハムート)に警戒はしながら、されど口元には小さな嗤いが
浮かんでいる。
「いや。あいつは佐原と戦いたがってるんだ。なら、その間に──ウッ!?」
 しかし彼のそれは、はたして油断だったらしい。通信越しにチラリと、渋い表情(かお)
をする皆人に、仁は追加の提案をしようとしたが……直後他ならぬ勇によって吹き飛ばされ
ていたのだ。
 銃底を回転させ、改(ツヴァイ)の一つ『ACCEL』の電子音。
 一瞬の隙を突き、霞むように加速した彼の拳がもろに、グレートデュークの土手っ腹にめ
り込んでいた。思わず目を見開く睦月達。制御の為に、ある程度同期していた仁自身も同じ
くダメージを受け、この鎧騎士のコンシェルは七波家の壁に大穴を空ける。


 時は、一度少し遡る。
 学園(コクガク)でも怪物に襲撃され、皆に迷惑を掛けてしまった……。七波はまたもや
自室に閉じ籠もり、独り強い自責の念の苛まれ続けていた。
(私の所為で……。私の所為で……)
 校舎の損壊により、学園は暫く休校にならざるを得なくなった。他人に紛れて、気を紛ら
わすことさえも叶わない。ボロボロと零れる涙は、しかし彼女自身を“偽善者”だと嘲笑う
作用、指弾する作用ばかりを見出す。
(これから一体、どうすればいいの……??)
 ベッドにうつ伏せになって倒れ込み、ボスッボスッと力ない拳だけを延々と叩き付ける。
 彼女は悲嘆に暮れていた。こんな事ならいっそ、告発者になどならなければ良かった。
「……?」
 だがちょうど、その時だった。ふと何気なく手元に放り出してあったデバイスの画面、そ
の通知アイコンの中に、留守電が一件入っていることに気付いたのだ。
 もそもそと、泣き腫らした顔で近寄り、相手の名前を確認する。……筧だ。ここの所転入
の手続きやら襲撃後のドタバタやらで、すっかり見落としてしまっていたらしい。
『──あ~、もしもし。俺だ。筧兵悟だ。……出られないようだから、用件だけこっちに残
しておく。本来なら君とも一度ちゃんと顔を合わせて、謝らなきゃいけないんだがな……』
 記憶されていたメッセージは、筧が彼女に宛てて、自身の近況とこれからの予定を伝える
ものだった。
 ハッとなって両手でデバイスを持ち上げ、七波はその声に耳を傾ける。まさしく全身全霊
のように、縋るように。直接聞けず気付けずにおいて何だが、この時の彼女には他でもない
励ましのように感じられた。
 曰く、彼が留守電に込めたのは大よそ謝罪とその後──由良をみすみす死なせ、七波をも
巻き込んでしまったことへ詫びと、先の中央署における事件についての言及だった。
 後日政府が正式に表明したように、いわゆる“有志連合”は実在する。自身も一時彼らと
共闘し、長らく白鳥に化けていた幹部プライド達を退けることに成功した。既にネット上に
流出している映像なども、概ね事実だと認める発言だった。
『それとな……。あの一件の後、刑事を辞めたんだ。相棒──慕ってくれる部下一人守れな
かった人間が、今更刑事面なんぞ出来ねえしな。何より今の組織は、一件の所為でボロボロ
だろう? 俺の信じた正義も居場所も、あそこには残ってねえんだよ』
「……」
 先日、睦月達より打ち明けられた後だとはいえ、全くショックが無かった訳ではない。
 やっぱり本当に……? 七波にとってすれば、それが正直な感想だった。彼らよりも筧の
口から直接語られたことにこそ、意味がある。静かに打ちひしがれ、押し黙る。
 本来ならば、直接頭を下げに行くべきだ。
 しかし今はお互いに“悪目立ち”し過ぎているし、アウター達に狙われるだろう。暫くは
ほとぼりが冷めるの待ち、鳴りを潜めてからの方が良いだろう──筧の判断はそんな、自ら
が身を引くというものだった。そして由良の弔いを済ませた後は、一度各地の元被害者達を
巡る旅に出る予定だと、自身の居所を知る手掛かりも残す。故に物理的にも、心情的にも、
暫く会えなくなるだろうとも。
『俺の方は……まぁ大丈夫だ。あれ以来ずっと、連中が俺を殺らせまいと見張りを付けてる
んでな。正直気には食わんが……現状あの化け物どもに対抗出来るのは、あいつらだけだ』
 あいつらとは、十中八九例の“有志連合”──睦月達こと対策チームのことだろう。
 筧がこのメッセージを残した時点、こちらの状況をどれほど把握していたのかは知らない
が、一応彼らの実力は自身も認めている所らしい。普段なるべく「親切な刑事さん」として
振る舞おうと努めていた印象があった分、ちょっと可笑しい。或いはこの素直じゃない感じ
が、彼の本来の性格なのだろうか?
『最後に……。力を貸してくれてありがとう。これから大変だろうが、俺はいつでも君の力
になる。独りじゃない。忘れないでくれ』
 それでも終始、彼が失意の中に在るであろう自分を何とか励まそうとしてくれたことを、
七波は心より嬉しく思った。相変わらず申し訳なさも根を張り続けているが──それもこれ
も、心を開いた相手か否かの差なのだろう。本当は彼自身、色んなものを失い過ぎて、それ
所ではない筈なのに。
(筧さん……)
 ぐしぐし。涙を拭いながら、七波は留守電の再生を切った。
 笑みと悲しみ。嬉しいけれど、今は正直、その優しさが辛い……。
「──?!」
 だが感傷に浸っていられるような暇は、残念ながら許されていなかった。
 無情にも次の瞬間、七波の自室が突如として激しく揺れる。……いや、家全体が何かの衝
撃で揺さぶられたのだ。ハッと我に返り、七波は閉め切っていたカーテンの隙間から家の外
を見下ろす。
 化け物だった。あの時のミサイル型の化け物“達”が、今度は家にまでやって来たのだと
知った。「何で……」覗いた視界の向こう、遠く上空から次から次へと降って来るミサイル
型の怪人達。連日警戒に当たってくれていたお巡りさん達が、一人また一人と殴り倒されて
ゆくのが見えた。家の周りを取り囲んでいた、他の野次馬や記者達も慌てて逃げ出し、そこ
ではいつからか紛れていたらしい國子や仁以下対策チームの面々が、めいめいのコンシェル
達を召喚してこの怪人達と戦っている。自分達を、守ろうとしている。
「一匹だって中に入れるなよ! 横一列で壁を作れ!」
「取り漏らしに注意してください。なるべく時間を──陣形の維持を!」
 だが次々に増え、キリのない相手側の数の暴力に、彼らは次第に押され始めていた。
 加えて場に現れた勇が、黒い守護騎士(ヴァンガード)に変身して、状況を更に引っ掻き
回す。何故か油断したらしい仁をその霞むような速さで殴り飛ばし、階下の壁をぶち破って
しまったのだった。
『キャアアアーッ!!』
「お母さん!?』
 そうだ。台所にはお母さんが居たんだ。七波は思い出したように飛び跳ね、半ば反射的に
彼女の下へ向かおうとする。だがその間もミサイル達の猛攻は止んだ訳ではなく、ちょうど
降り注ぐ個体の波と揺れに撃ち抜かれ、七波もまた階段の途中から転げ落ちた。半壊して穴
の空いた壁から、黒いパワードスーツ姿の勇と、彼に割り込まれながらもこれに続こうとす
るミサイル達が入って来る。
 あわわわ……!? すっかり腰を抜かしてしまった母に、七波は慌てて駆け寄った。そん
な二人揃った様子を見下ろして、勇は拳鍔(ダスター)形態にした黒いリアナイザを、大き
く振り被ろうとする。
『……??』
 しかし、思わず身を縮こませて目を瞑っても、一向に痛みが訪れる気配がない。
 七波は母を庇うように抱きかかえながら、恐る恐る瞼を開いた。するとそこには──居た
ではないか。自分達のすぐ目の前で、振り下ろそうとしたその右手を何か蔓ようなものに引
っ張られている勇と、後方の睦月──白い守護騎士(ヴァンガード)の姿が。
「七波さん!」
 そしてこの一瞬の隙を縫い、般若面を着けた侍──おそらく自身のコンシェルを引き連れ
た國子が、気付けばへたり込んでいるこちらのすぐ目の前まで来て、手を伸ばしている。

「邪魔だ」
 回避する暇もなく、直後デュークと仁は吹き飛ばされた。ハッと睦月達が我に返った時に
は、既に龍咆騎士(ヴァハムート)姿の勇やミサイル型のアウター達が、穴の空いた壁から
家の中へと侵入しようとしている。
「しまっ……!」
「どういうこった? あいつも、七波ちゃんを……?」
 慌てて睦月や取り残された仁隊の面々、國子達がその後を追う。少なくとも、仁の言いか
けていた推測は間違っていたらしい。今や勇はミサイル達と──わらわらと押し入って行く
ミサイル達に寧ろ割り込みもして、同じく七波母子(おやこ)を狙おうとしている。
 壁をぶち抜かれた衝撃で、家具などが巻き沿いを食って破壊された一階部分。
 勇は、更に進路の邪魔になるもの撥ね退けつつ、一塊になって怯える二人の前に立った。
無言のまま見下ろしてから、拳鍔(ダスター)形態のリアナイザを大きく振り被る。
「……む?」
『ARMS』
『BIND THE VINE』
 だがそれを、睦月がすんでの所で止めたのだった。
 背後から放たれた蔓状の拘束縄。ヴァイン・コンシェルの特殊能力である。勇は振り下ろ
そうとした拳を、その右腕ごと絡み取られて引っ張られていた。パワードスーツの下で眉間
に皺を寄せ、このあくまで邪魔をしてくる睦月達を憎々しげに睨む。
「させるもんか!」
「……邪魔を」
『今の内だ! 國子、大江! 二人を! 奴の狙いも彼女だ!』
 司令室(コンソール)の皆人が叫ぶ。
 どういう訳か、瀬古勇(かれ)の標的も睦月から彼女に切り替わったらしい。……いや、
経緯を詰めて考えれば至極当然の流れか。これまではタウロスの一件以来、自身を打ち負か
した睦月──守護騎士(ヴァンガード)を目の敵にしていたが、それはひとえに己のプライ
ドが許さなかったからだろう。その点で言えば、今の彼は組織に泥を塗った、七波由香と筧
兵悟の抹殺を命じられていても何らおかしくはない。
 七波さん! 國子及び隊士らが七波とその母親の前に駆けつけ、手を伸ばしていた。驚き
と戸惑いと。それぞれに反応を見せる彼女らを、朧丸や他のコンシェル達はステルスやダズ
ルの能力を発動させながら確保する。
『──ふえっ?』
 一見すると、面々の姿が消え失せたように。
 國子隊は七波と母親、人員を二手に分け、そのまま急ぎ現場を離脱してゆく。
「逃がすか……!!」
 尤も傍目でこれを見ていた勇は、苛立つようにヴァインの拘束縄を引き千切った。思わず
体勢を崩す睦月をそのまま突き飛ばし、逃げようとする國子らを追おうとするが──。
「!?」
「どっ……せいッ!!」
 瓦礫の中から半ば奇襲のように現れた、デューク渾身の盾突撃(シールドバッシュ)をも
ろに受け、ぐらり真横へと吹き飛ばされる。

『そちらに最短ルートの地図を送る。そのままステルス状態を維持して直行してくれ』
 一方で國子及び傘下の隊士達は、司令室(コンソール)の皆人達からそう指示と、道順が
記された地図データを送られていた。めいめいの調律リアナイザの画面を確認し、朧丸以下
自身のコンシェル達に自らも七波も抱えられたまま、とある場所を目指して疾走する。
「う……ううっ……! どうして……。どうしてこんな事に……」
 國子が率いるA班は七波を、もう一方のB班は母親を。二手に分かれた彼女達は現場を離
脱した後、全く別方向へと走り去っていた。朧丸に小脇で抱えられて、七波はえぐえぐっと
悲嘆をぶり返している。
「お母さんを──私達を助けてくれたのはありがとうございます。でも……こんな目に遭う
ばかりだって言うのなら、いっそ殺されてしまっていた方が──」
「いいえ。貴女は死なせません。悪意に屈してはいけません。それこそ、奴らの思う壺では
ありませんか?」
 自棄になって、声音が思わず叫びに変わりそうになる。
 しかし対する國子はぴしゃりと、さも言わせまいとするばかりに言い切った。自身も朧丸
に抱えられ、反対方向からじっと彼女を見つめて、問い返すようにその最後のワンフレーズ
を付け加える。
「だって貴女は、正しいことをしたのだから。だから貴女は、私達が守ります」
「……。陰山さん……」
 そうして彼女達が逃れた先は、とあるだだっ広い河川敷のど真ん中だった。ステルス状態
は維持しつつも、一旦國子や隊士達は七波を下ろして、休憩を取り始める。
「ここまで来れば大丈夫でしょう。瀬古勇も、睦月さん達が足止めしている筈です」
「はい……」
 だがそんな時である。ようやく一息つけたと思い込んでいた國子達の下へ、尚もしつこく
迫って来る者らが現れたのである。ミサイル型のアウター達だ。彼らは一見、ステルス能力
で身を隠している彼女らをまさしく空中から捉え、突撃しようとしていたのだった。
「──ふふ、馬鹿め。逃がす訳がなイバァァッ?!」
 されどこれも全ては、作戦の内だったのだ。國子達が逃れた河川敷から更に遠く、とある
雑居ビルの屋上からこれを見下ろしていた一組の少年と怪人の下へ、次の瞬間一発の弾丸が
撃ち込まれた。絶対優位を信じて疑わず、更なる追撃を加えようとしていた矢先、この一発
で相棒と自らを吹き飛ばされて盛大に転倒。悶絶する。
「グオ……」
「な、何が起こった……??」
『よし。これで第一段階突破だな』
「ふふーん。任せといてよ。私達コンビに、撃ち抜けない標的はいないんだから」
 通信越しでやり取りをしていたのは、皆人と宙、海沙達だった。この少年と同じく宙と海
沙、Mr.カノンとビブリオ・ノーリッジは別のビルの屋上にスタンバイ済みであり、國子
達を狙って攻撃を仕掛ける者──即ちミサイル型の出所とその召喚主を探していたのだ。
「……どうやら、上手くいったようですね」
 故に國子と隊士達も、この作戦については予め聞かされていて。
 七波を狙って降って来たミサイル達は、朧丸や隊士らのコンシェルが既に倒し終えた後だ
った。個々の戦闘能力はそう高い訳ではない──その点も判っていたからこそ、実行に移せ
た作戦だとも言える。

『確認したいことがある。これから俺の言う通りに動いてみてくれ。上手くいけば、今回の
敵の正体を掴めるかもしれない』

 全ては皆人の、ミサイル達“再出現”の報告を受けたことによる閃きであった。
 応援として出撃していった睦月を含め、現場に居合わせた國子や仁らも、同じくこの時彼
の思いついた指示を予め受けた上で行動していたのである。
『睦月。本体の居場所が分かった。すぐに向かってくれ』
 故に司令室(コンソール)の皆人は、続けて勇を足止めして戦っている睦月にそう指示を
飛ばした。手数の多いペッカー・コンシェルの突剣で、パワーに勝る勇を何とか繋ぎとめよ
うとしていた睦月が、デュークを操る仁隊の面々と共に一瞬戸惑った様子を見せる。
「えっ? でも……」
『彼女も、母親の方も無事だ。第二段階に移行する』
「……」
 数拍耳元に手を当て、何やらぶつぶつと喋っていた睦月。
 勇が訝しみ、しかし絶好の隙だと襲い掛かろうとした次の瞬間、彼は言ったのだった。
 まるで敢えて口に出して──勇の方にも聞き取れるように。
「分かった。すぐに“七波さんと合流する”」
「──」
 するとどうだろう。通信越しに皆人へ応えるや否や、睦月はホーク・コンシェルを纏った
姿のまま、不意に上空へと飛び立って行ったのだ。先ほどのやり取りが漏れ聞こえていたの
も手伝い、勇はすぐさま自身もプテラモジュールを起動して、その後を追い始める。
「……行ったか。よし、じゃあ俺達は一旦ずらかるぞ!」
『応ッ!』
 警察の増援が向かっている事を確認して、仁隊の面々は一度ここで現場を離脱した。睦月
と勇の戦いの舞台は遥か上空に移り、仁達も去り際、そのあっという間に小さくなっていっ
た姿を振り仰ぐ。こちらが目指すのは、七波の母を保護したB班だ。
(──あそこだな)
 そして睦月は、背後から勇が追って来ているのを確かめつつ、司令室(コンソール)から
指示されたポイント付近へと辿り着く。
 七波を連れた國子らが、逃れて行った先の河川敷だ。パワードスーツの視界の中に表示さ
れた地図データや、地上で“掃除”の終わった國子らを見下ろしながら、向かうべき先は更
に河川敷を越えた雑居ビル群の一角に在る。
「海沙、宙。見える?」
『うん。こっちからも感知完了』
『いっくよー! 睦月はそのまま真っ直ぐに!』
 その直後の事だった。七波の下へと向かうらしい睦月を追っていた勇は、突如自身の機械
翼を撃ち抜かれて大きく体勢を崩した。「何──っ!?」錐揉みになって落ちてゆくその最
中に目を凝らし、勇はようやく理解した。こちらの進行方向とは全く別、後方側面から、例
の幼馴染コンビが長銃の口を向けていたのだった。
「畜……生ォォォォーッ!!」
 騙された。自身が狙撃されたということよりも、何より先ず守護騎士(ヴァンガード)ら
に陥れられたことに気付き、そう脱落際に激しく怒号を放ちながら、勇は一人加速度的に地
上へと消えてゆく。
「──ひっ!?」
 はたして皆人の立てた策は、即席でありながら大いに功を奏して。
 ホーク・コンシェルの飛行能力で、このとある雑居ビルの屋上に降り立った睦月は、よう
やく今回の事件の主犯らしき人物を捉えることが出来た。少し年上、私服姿の自分と同年代
らしき少年と、両手両肩がミサイルポッドになっているアウターだ。十中八九、ミサイル型
アウターの出元と、その召喚主だろう。
「やっと、見つけたぞ」
「な、何で……??」
『それはこっちの台詞ですっ! どうして貴方は、そこまで七波さんを執拗に狙ったんです
か!?』
『まあ大方、予想はついてるんだがな』
「攻撃を止めてください。貴方も彼女も、これ以上何も得なんてしませんよ?」
 EXリアナイザ内のパンドラと、通信設定をオープンにした皆人からの問いが重なる。そ
んな二人の叱責を間近で聞きながらも、睦月自身はなるべくこのまま戦いを終わらせたいと
思っていたのだが──。
「……理由? 復讐に決まってんだろ。あいつは玄武台(ブダイ)の裏切り者だ。あいつが
余計な真似をした所為で、俺達の人生はメチャクチャになったんだろうがよ!!」
 おそらく、自棄もあったのだろう。数拍押し黙っていた召喚主の少年は、次の瞬間狂った
ような笑いを浮かべると、そう剥き出しの憎悪をぶちまけた。『……やはりか』皆人が通信
の向こうで呟いている。睦月はギリッと、パワードスーツの下で強く強く唇を結んでいた。
 兄の方は弁護できないとしても、瀬古君を死なせておいて、その言い分は……。
「邪魔をするなら、お前らも敵だ! やっちまえ!!」
 そして彼は、続いて自身のアウターをけしかけ、正体も目的も知った睦月達を始末しよう
と試みた。両手両肩がミサイルポッドのこの怪人は、重量に任せて腕を振るい、睦月を足元
のコンクリごと粉砕しようとする。
「甘い……よっ! その図体で、間合いを詰められた時点で君の負けだ!」
 仕方ないと、自らに言い聞かせながら、睦月は直ちに応戦する。事実砲身状の腕を振るう
この相手に、彼は懐へと潜り込み、小回りを利かせた格闘スタイルに持ち込んだ。既にミサ
イル達との戦いで要領を得ているのと、純粋な経験値の差と。相手が一発を振るうまでにこ
ちらは何発も拳を叩き込み、或いはナックルモードを起動させてのコンボを織り交ぜる。
「グッ、オ……!?」
「こ、こいつ、強い……。おい、何をしてる!? ミサイルだ! もう一発お前の能力をぶ
ち込んでやっつけろ!」
 こいつ、まさか……。少年は戦いの間、慌ただしく逃げ回り、それでも尚自身のアウター
に命令して攻撃を打たせようとする。
「グオッ!」
『……無駄だ』
 しかしそんな抵抗は──直前皆人が呟いた通り、現実のものとなった。繰り返し打撃を叩
き込まれ、少し距離が空いたのを見計らってアウターがその砲身状の腕から放ったミサイル
は、睦月のすぐ横を通り過ぎて何処かへと飛んで行ってしまったからである。
「え──」
『やはりな。諦めろ。お前はもう、俺達には勝てない』
 じりっ。再びこちらを見据えた守護騎士(ヴァンガード)姿の睦月が、近付いて来る。少
年は顔を引き攣らせ、ミサイルポッドのアウターの背に隠れようとしたが、当の本人も自身
の攻撃が当たらなかったことに動揺しているようだ。通信越しに、淡々と皆人は続ける。
『そいつの能力は、既に把握済みだ。あのミサイル達が七波のみを執拗に狙っていたこと、
ステルス状態で通常感知出来ない筈の國子達に連れられていても、的確にその逃れた場所を
特定していたこと。ミサイル単体はそれほど強くないこと……。つまりミサイル達は、お前
の操るアウターの“本体”ではないということだ』
 うっ……!? 少年の顔面が歪む。どうやら図星らしい。睦月も皆人もパンドラも、それ
を視認しながらも追及の手を緩めることはなかった。彼は勿論、当のアウター自身もじりじ
りっと後退を始めている。
『おそらく、その個体本来の能力は、特定のターゲットを自動的に追尾する能力。一度標的
を設定してしまえば、一々視認する必要はないのだろう。この遠距離でステルス状態の國子
達を狙えたのがその証拠だ』
『差し詰め──“追跡(チェイス)”のアウターといった所か。だからこそ、一度確かめて
おきたかった。俺の予想が間違っていなければ、ミサイル達の発射位置さえ特定できれば、
本体を捕捉するのはそう難しいことじゃないからな』
「……」
 それ故の、一連の作戦だったのだ。國子隊をわざわざ河川敷──見晴らしの良い場所まで
誘導したのも、宙・海沙の二人に確実に狙撃して貰う為だ。避難の為ではない。
『もう守護騎士(そいつ)には、お前達の攻撃は当たらない。少なくとも虚を突かれた今、
標的を切り替えている暇は無い筈だろう?』
 やれ! 通信をクローズに戻し、皆人が叫んだ。一瞬無防備なまま後退りしていたミサイ
ルポッドのアウター、もといチェイス。睦月は同じく気合の雄叫びを放ちながら、再び猛烈
な連打をこの怪人のボディに叩き込むと、ナックルモードの一撃で一旦大きく後ろへ吹き飛
ばした。その隙にEXリアナイザを、頬元に近付けてコール。必殺の態勢を取る。
「チャージ!」
『PUT ON THE HOLDER』
 腰のホルダに銃口から差し込み、大量のエネルギーを充填。起き上がりかけたチェイスの
ど真ん中に向かって、先ずは光球から円錐へと拡散する拘束網を放つ。グギギ……ッ!? 
元より雑居ビルの屋上という限られた空間では、縦横無尽に逃れることも叶わない。身動き
を封じられたこの元凶たるアウターへ、睦月の渾身の飛び蹴りが炸裂する。
「どっ……せいやーッ!!」
「グゴォッ?!」
 打ち込まれた大量のエネルギーが、内側から膨張させるようにして破裂。チェイスの身体
を粉微塵に吹き飛ばした。
「ひっ!?」
 そして同時場に爆ぜるその余波で、少年は吹き飛ばされるようにダウンしてゆき、握り締
めていた改造リアナイザも砕かれて──。


「召喚主の身元が判明した。片桐岳人。玄武台高校の三年──元野球部の生き残りだ」
 チェイス・アウターを破ってから、数日も経たぬ内に。
 流石と言うべきか、皆人以下司令室(コンソール)の仕事は早く、集められた睦月達にそ
う事の詳細が伝えられる運びとなった。
 戦いの最中、本人も吐露していた所だが、やはり動機は復讐──自分達の苛め、優の死を
告発(リーク)した七波に恨みがあったらしい。現在その身柄は当局に引き渡され、警察病
院の一角で眠っている。目覚めて回復し次第、取り調べが行われるそうだ。
 正直不安材料が無い訳ではなかったが、中央署の一件以降、電脳生命体ことアウターの存
在は世間も知る所となっている。以前のように、事件自体を内々に揉み消されるようなこと
はないだろう。良くも悪くも、世間の彼らへの眼は、ずっと厳しくなっているのだから。
「……復讐、か。玄武台(ブダイ)の事件は、今も終わっちゃいないんだな」
「あの時は私達も、何も知らなかったとはいえね……」
「うん。でも今は──私達も関係者だよ。今度こそ、嫌な連鎖を断ち切らなくちゃ」
「ええ……。そうッスね、海沙さん」
「流石は海沙さん! それでこそ俺達の天使だ!」
「言うは易しとも云うがな。少なくとも今回の一件で、事件が“終わる”とは思えん」
「? どういう事だよ?」
「まさか……。他にも刺客が居るって言うのかよ!?」
 ざっと例の召喚主・片桐の近況を聞いた面々は、続く皆人の難しいままの表情(かお)と
発言に眉根を寄せていた。「それもあるが……」この司令官にして親友は、それとなく皆の
様子を見渡しながら続けようとする。睦月も、そんな仲間達の中でじっと押し黙ったまま動
かなかった。
「問題は片桐の“復讐”が、単に個人的な犯行だったのか? という点だ。少なくともアウ
ター、改造リアナイザに手を出している時点で、“蝕卓(ファミリー)”の差し金ではある
のだろうが……。ただ単純に、その復讐心を利用されただけとは、俺にはどうも思えない」
『……??』
「えっと。単発の刺客って訳じゃなく、他にも意味を持たせてるってこと?」
「おそらくはな。片桐とチェイスの攻撃行動を大事(おおごと)にして、俺達対策チームへ
の市民感情を悪化させようとしている可能性がある。大多数の“他人”にとっては、実害の
有無こそが、何より態度の硬軟を分ける要因だからな。事実ネット上にも、それらしい悪評
が頻繁に書き込まれるようになっている。何らかの工作が含まれていてもおかしくはない」
『……』
 論理的思考というよりは、付き合いの長さからくる経験で問い返す。
 睦月からの質問に、皆人は概ねイエスとの回答だった。表情は相変わらず努めて神妙に、
尚且つタイミングを逃さず、今頭の中にある可能性をなるべく仲間達に伝える。睦月やパン
ドラは勿論、海沙や宙、仁や旧電脳研出身の隊士(なかま)達も、一様に渋面を浮かべた。
今に始まった事ではないとはいえ、やはり“蝕卓(やつら)”のやり口はえげつない。
「そりゃああのまま、大人しく引き下がるとは思ってなかったけど……」
「いよいよ、反撃開始って訳だな」
「ネットの工作云々は大丈夫なのか? 場合によっちゃあ、俺達の正体自体バレかねないん
だろう?」
「ああ。そこも含めても、奴らは報復手段にするだろう。こちらも一応人員を割いて、火消
しを行っている最中ではあるんだがな……」
 少なくとも、皆の警戒心を再び奮起させるには充分な効果があったようだ。悔しそうに爪
を噛む宙の発言を皮切りに、面々が改めて今後の対応について擦り合わせを行っている。
「──」
 しかし一方で睦月は、この時内心別のことを考えていた。例の“違和感”である。
 最初七波を狙って、自分達のクラス教室に突っ込んできたミサイル達──チェイスが放っ
た、自動追尾の分身達。
 だが……睦月が当初感じた視線・気配は、教室の廊下側だった。
 なのに、実際にミサイル達が飛んで来た方向は……教室の窓側。
 故に、あれからずっと気になっていた。あの時の違和感をずっと強く抱いたまま、今日の
今日まで来てしまった。
 もし皆人の説を取り入れるならば、チェイス以外にもあの時、教室の自分達に狙いを定め
ていた者がいたことになる。
 言葉の通り、チェイスとは別のアウター? ならば何故、彼らは同時に攻撃して来なかっ
たのだろう? そこまで連携してはいなかったのか? 互いを認識してはいなかったのか?
今回の一件を踏まえれば、少なくとも別個体ではあるのだろう。
 そもそも。その第三者は“敵”なのだろうか……?
「──う、あ……。あああああああッ!!」
 いや、今は未だ、そんな不確定な思考に時間を割いている場合じゃない。
 そうして不意に足元から絞り出されるような、這い出て来るかのような嘆きの声に、睦月
達対策チームの面々はじっと密かな眼差しを投げる。
 七波だった。幸い、事件後大きな外傷もなく、國子隊によって即此処まで保護されて来た
のだが……こと今回の真相を知って激しいショックを受けてしまったらしい。皆の輪から数
歩外れて背を向け、頭を抱えて蹲っている。震えるように繰り返し繰り返し、泣いている。
『……』
 睦月や皆人以下仲間達は、皆誰からともなく居た堪れないといった様子で、そっと視線を
逸らすしかなかった。先ほどからショックで震えているさまは時折見遣っていたが、さりと
て安易な慰みで元通りになるほど、事が単純ではないことぐらいは場の誰もが知っている。
「感傷に浸っている暇はないぞ。おそらくこれからは──もっと地獄になる」
 眼差しは彼女を見下ろしてはいても、その実向けられた言葉は、仲間達の方で。
 あーでもない、こーでもない。司令室(コンソール)に集まった睦月達や自らに言い聞か
せるように、皆人は言った。睦月らもめいめいに、じっとこの最大の“被害者”の嘆きっぷ
りを見つめ……クシャッと心が握り潰されるような感覚を覚える。

 彼女の苦悩と、蝕卓(てき)の卑劣なやり口と。
 かくして静かな義憤(いかり)を、一様に湛えながら。
                                  -Episode END-

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  1. 2019/06/25(火) 18:00:00|
  2. サハラ・セレクタブル
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止します。

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