日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(長編)ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle-Ⅷ〔102〕

 突然のアクシデントから、一体どれだけの時間が経ったのだろう?
 いや、実際はそれほど経ってはいない筈だ。あまり悠長にしていれば、ジークの魂が自分
達の手の届かない場所へと往ってしまう。
「くっ……!」
 半ば無理やり霞まされた意識を奮い立たせるように、イセルナやダン以下クラン・ブルー
トバードの仲間達は、身体を起こした。或いは両脚を踏ん張り、失意の勢いのまま崩れ落ち
そうになる己を守った。
 船内を見渡してみても、あの異常な揺れはすっかり止んでいる。赤と鈍(にび)色に染ま
ったセカイも、気付けば嘘のように元通りになっていた。どうやらルフグラン号自体の大破
だけは免れたらしい。
「皆、大丈夫か? 怪我はないか?」
「……ええ、何とか。それよりもレジーナさん、エリウッドさん。至急現在地と被害状況の
確認を」
「は、はいっ!」
 ゆっくりと頭を振って、体勢を立て直すダンやグノーシュ、リカルド達。蒼い光を静かに
纏ったまま呼び掛けるブルート。
 そんな中イセルナは、すぐさま団長としての思考と次に取るべき指示を面々に飛ばした。
す、すぐに! 弾かれたようにレジーナ以下技師組や団員達が、まだ少しふらつく足取りの
ままで動き出す。
「畜生……。一体あれは何だったんだ??」
「分からん。たくさんの手が、気色悪い小人みたいな奴らが視えたが……」
「声も聞こえました。凄く……哀しそうな……」
「うん……。私も、頭の中がグチャグチャになりそうだったよ……」
 ダン達は混乱している。ことレナやステラ、リュカなど魔導の使い手に至っては、余計に
あの異変に感じてしまう所があったらしい。単純な不快感だけではない、胸を締め付けられ
るような錯覚が、彼女らの表情を複雑なものにしている。
「あ、アルス様は一体何処に? え、エトナさんも巻き込まれちゃいましたし……」
「落ち着け、イヨ。まだ外がどうなっているか分からない。下手に飛び出して、私達も消し
飛んでしまったらどうする?」
 何よりも──深刻な事態はアルスだ。異変の最中、彼と彼を助けようと飛びついたエトナ
だけが、結局あの小人達によって引き摺り込まれてしまった。侍従として気が気でない友人
に、リンファも内心酷く焦っている筈ながら、そう今にも走り出しそうなその肩を軽く掴ん
で押し留めている。
 その間に、ブリッジに他の団員達が慌てた様子で駆けつけてきた。船内別室で寝かされて
いた、負傷中のクロムを看ていた面子だ。互いに事の経緯を伝え合い、彼らもアルスとエト
ナが攫われてしまったことに動揺する。「外は大丈夫みたいだよ! ……凄い陰気だけど」
そうしていると、レジーナらが再びブリッジに顔を覗かせてきた。不時着という形ではあっ
たが、どうやら船は何とか冥界(アビス)に辿り着いたらしい。報せを聞いて他の団員達が
数名、確認の為にタラップへと向かってゆく。
「……とりあえず、全滅だけは避けられたかな?」
「ああ。しかし参ったな。俺達が無事でも、アルスとエトナがいないんじゃ、あいつに申し
訳が立たねえよ」
「助け出そうにも、何処に連れて行かれたのかも分からない……」
「完全に不意を突かれた格好だったからな……。何者かは分からないが、あの小人達の周り
には大量の魔流(ストリーム)が視えた。ということは、彼らも魂……?」
「ま、まさか。ゆ……幽霊!?」
「あながち間違ってはいないだろうな。“虚穴(うろあな)”は、この世とあの世を結んで
いる穴だ。だとすれば、その只中を進んでいた我々に、そのような存在達が干渉してきたと
しても不思議ではない」
 小走りで駆け出す彼らの背中を見送りつつ、呟くシフォンの表情は暗い。どうやら目的地
には降り立てたようだが、まさか仲間を──アルスとエトナを放っておいて進む訳にはいか
ない。ミアやサフレ、マルタ、ブルートなどが口々にごちている。ジーク救出に前のめりに
なっていたとはいえ、もう少し慎重であるべきだったか。尤も今更悔いた所で、状況は一切
好転しないのだが。
「……聖浄器、かもしれないね」
 ちょうどそんな時だった。未だ困惑する仲間達の中で、ハロルドがそう、それまで沈黙し
いていた口を開いた。ダンやイセルナ、場の面々が誰からともなく視線を向ける。
「あの小人達に掴まれていたのは、全員聖浄器を持っていたメンバーだったろう? 聖浄器
は、強い魔力を持つ魂を核にして作られている。クロムも、魔流(ストリーム)とは未だ生
まれぬ魂達の集合体だと言っていた。だとすれば、あの小人達が聖浄器に殺到していた理由
も説明がつく。特に、アルス君は六華を──ジーク君の聖浄器を抱えていたしね」
 あ……。じっと口元に手を遣り、そう淡々と順序立てるハロルドの言葉に、仲間達は軽く
衝撃を受けたように目を見開いた。
 それならば辻褄が合う。自分達よりも多くの聖浄器を持っていたからこそ、アルスだけは
あの小人達の引力を振り払えなかった……。
「マスターヲ想ウオ気持チガ、完全ニ裏目ニ出テシマッタトイウコトデスカ……?」
「何てことだ。では六華を別な形で保管していれば、こんな事にはならなかったのか?」
「可能性は高いだろうね。でも今は、もう起こってしまったことだ。それよりも先ず、私達
は、二人をどうやって助け出すかを考えるべきだよ」
 流石にリンファも自身の配慮不足を痛感したのか、ぎゅっと唇を結んでいた。しかしそれ
でもハロルドは、彼女を含めた場の仲間達全員に向け、そう促す。要するに自分達に課せら
れた条件が増えたのだ。ジークやアルス、エトナの救出も、基本的には時間との戦いだと考
えておいた方がいい。
「……参ったな」
 大体何で、引き摺り込む必要がある? その言い方じゃあまるで、奴らが“道連れ”を望
んでいるみたいじゃないか……。ダンは思わずごちたが、今はそんな感傷に時間を割いてい
る場合ではない。イセルナ以下他の仲間達も、互いに顔を見合わせつつ、次にどう動くべき
かの思案を始めている。
(手分け……するしかねえか)
 ガシガシと、やや乱雑に髪を掻きながら、ダンもそう内心苦悩する他ない。


 Tale-102.禁忌(おきて)破りの者達は

 ぐらぐらと揺らぐ、両の瞳とその視界。死者の都・魂魄楼で、ジークは思いもしなかった
人物との再会を果たしていた。
 デビット・マーロウ。ジークとアルスがかつて、その命を救うことができなかった故郷の
小父さんである。村を襲った魔獣の群れと戦い、自身も瘴気に中てられて暴走。完全に魔獣
化してしまう前に、ジークに介錯を頼み、自ら死を選んだ筈なのだが──。
「まさか、マーロウさんが生きてたなんて……」
「いや、死んでるからな?」
 そんな感動の対面もそこそこに、ジークが案内されたのは、隊舎内の一角にある隊長室。
何でも今彼は、死神衆のいち隊長として働いているのだそうだ。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ……! よがっだ…。本当によがっだ……!!」
 幼い頃の記憶が次々と蘇り、マーロウと応接用の机を挟んだ畳に座るジークは、両手で顔
を押さえながらボロボロに泣きじゃくっていた。そんなかつての同胞の息子を、彼は優しく
穏やかな微笑(えみ)でもって見守っている。
 マーロウと、その副官たるハナ・ヨウ。彼らは暫くの間ジークが一しきり泣き止むのを待
って、細かな事情を話してくれた。発端は楼の検問所において、ハナがジークの名前を聞い
たからだという。日頃隊長のマーロウから、ジークや彼の可愛がっていた故郷の兄弟達の話
はよく聞いていたため、急遽先行して隊舎の彼に連絡を取ったのだそうだ。
「生前の知り合いとバレたら、担当を外される可能性があったからな。手を回して、時間を
稼いで貰った。出迎える用意もしたかったしな」
「そう、だったんスか……」
 しかし当のジークは、尚も浮かない表情(かお)をしている。何故なら正直、今更合わせ
る顔がないと思っていたからだ。あの時は力が足りなかった、仕方なかったとはえ、彼の命
を奪ったのは他ならぬ自身だからである。
「でも俺は……マーロウさんを殺したんです。俺達は、取り返しのつかない事をしたんだ。
こうしてまた会えたのは、嬉しいけど……」
『……』
 ぽつりと漏れるそんな本音。ハナ・ヨウのクチナシ姉弟を傍らに置いたまま、マーロウは
じっと俯き加減なジークを見ていた。だが予めこうした言葉が出るのは想定内だったのか、
次の瞬間彼はおもむろに腰を上げると、ポンとその肩を優しく叩く。
「お前達は悪くない。寧ろ謝らなきゃならないのは俺の方だ。状況が状況だったとはいえ、
まだ子供だったお前達に辛い役回りを頼んじまった。だけど……俺は感謝してるんだぜ? 
完全に魔獣化しちまう前に倒してくれたから、俺は人間のまま死ぬことができた。そうでな
きゃ、死神として戻って来て、こうしてお前とまた会うこともできなかったんだからな」
 ──ありがとな。
 軽く身を乗り出した格好でそう呟くマーロウ。次の瞬間、ボロッとまたジークの目から大
量の涙が零れた。罪の意識、贖罪──ずっと抱え込み、以降の人生さえも左右してきたかつ
ての過ちの、当の被害者本人から告げられた赦し。
 また大声を上げて泣きそうになったジークだったが、今度はぐっと堪えて強く強く歯を噛
み締めた。零れる涙を何度もガシガシと袖口で拭い、震える身体を何とか抑え込んで平静を
取り戻そうとする。
(ごめんな。ジーク、アルス。俺が思ってた以上に、お前らを苦しめちまって……)
 フッと静かに苦笑(わら)い、マーロウとジークは暫し昔話に花を咲かせた。お互いの近
況を話し合い、十年以上もの空白を必死になって埋めようとする。
「何だかんだ言って、俺も未練があったのかもしれねえなあ。死神になってまでこっちに残
ろうと思ったのも、すんなり消えちまうのが惜しかったんだと思う。お前らが心配……だっ
たんだろうな。まぁそれも、皇国(トナン)の内乱や大都(バベルロート)奪還で、シノブ
さんやコーダスも戻って来れたんだと思えば。っと、今は両陛下か」
「……知ってたんですか?」
「ある程度はな。ハナからもざっくり聞いてるとは思うが、死神ってのは割合現世に出張る
ことが多いんだよ。特に俺達みたいな、東棟の連中は特に」
「??」
 頭に疑問符を浮かべるジーク。そんな反応を見て、マーロウ達は部屋の壁に引っ掛けてあ
る魂魄楼の簡易地図を指差すと説明し始めた。複雑に入り組んだ迷路のような市中。それら
を囲むようにして、東西南北四つの城壁が描かれている。
「一口に死神って言っても、その任務は配属先によって大きく違うんだ。隊長格が各隊をま
とめてるっていう構図は同じなんだが、まぁ序列みたいなモンがあるんだよ」
「北棟は主に楼内の守護、治安維持を司ります。閻魔衆と最も近しいエリート集団ですね。
死神達の頂点・総長も、この北棟の一番隊隊長が担うことになっています」
「で、私達みたいな東棟の隊は逆に、現世を回って魂達を回収して来るのが主な仕事。実働
部隊って奴ですね~。だけど扱いとしては、末端の兵士って場合が多いです」
「そうなのか……。でもまあ、それで合点はいった。普段から現世(こっち)のことを観て
るからなんだな」
「ええ。ただ上層部は、外界の情報が巷に流れるのを好みませんから……。西棟の任務は、
回収され、裁定を受けた後の魂達の行く先──“煉獄”の管理です。大雑把に言うと牢屋番
ですね。普段の環境が閉鎖的な分、僕達に比べると実戦経験は劣ります。最後の南棟は、主
に技術担当の集団となります。基本的に自分達の隊舎兼研究室に籠っていますが、時々実験
の為に、僕達実動部隊と共同で動くこともあります」
 トントンと各方角棟を差しながら、この魂魄楼の全景を明らかにしてくれるマーロウ達。
 しかしジークは、それが一方で自分が本当に“別世界”に来てしまったんだなと改めて思
い知らされた。旧知の小父さんとの再会で、うっかり忘れてしまいそうになっていたが。
「本当に俺は……死んじまったんだな。皆を、置いて来ちまった」
 訥々と、ジークは改めて語り出す。村を出てからのこれまでの歩み、皇国(トナン)内乱
前後から続く“結社”との確執と、特務軍の一員として十二聖ゆかりの聖浄器を回収する旅
を続けていたこと。その途上、竜王峰の宝物殿で、使徒ジーヴァに敗れたこと。
 今の服装が旅装でもなく昔の普段着で、いつも腰に差してあった六華も無くなっていると
いうことは、そういうこと。自分は──戦死したのだということ。
『……』
 するとどうだろう。そんな彼に、暫くじっと耳を傾けていた三人の内マーロウが、次の瞬
間再び腰を上げると部屋の奥に向かって歩き出した。畳敷きのスペースを越え、板張りの床
を横切り、大きめの物書き机の前に屈み込む。
 どうやら、彼の隊長としての執務机(デスク)のようだった。マーロウはその鍵の掛けら
れた引き出しを開錠して中を探ると、ある物を手にまたこちらに戻って来る。
「ジーク、これを使え。思いっ切り息を吹き込みながら口に含んでみろ」
 それは小さなスリーブ箱に入った、小さな鈍色の飴玉のようだった。スライドさせて差し
出された箱の中には、きっちりと六個──半ダース分のそれが収められている。
「!? た、隊長! それは……!」
 ヨウが隣で慌てている。ジークはその態度に妙だなとは思ったが、他でもないマーロウが
勧めてくるまま、この飴玉のような何かを一個手に取っていた。言われた通り思いっ切り息
を吹き込みながら口の中に加えてみる。
 ──変化は、その直後に起こった。
 何と存外に大きく膨らんだこの鈍色の玉は、膨張が故に少し色を薄く変えながらこちらに
向かって破裂してきたではないか。うっ!? 思わず眉間に皺を寄せ、身構えたジークだっ
たが、これといって害はない。寧ろパンパンに膨張していた鈍色の皮が、自分の身長大以上
になって全身に纏わりつき……。
「んんっ?! 何だ? さっきまでと、感じが……?」
「ああ。これでお前は“肉体を着た”んだよ。“人工魄”──南棟が発明した仮の器だ。使
った者の精神の蒸発を防いでくれる。俺達には隊章や舟があるが……死神達が楼外に出る際
に持ち歩く必需品さ」
 予備の分が余ってるから、一つやるよ。マーロウはそう至極こざっぱりとした口調で言っ
たが、流石に当のジークにもこれが重要な品物であることぐらいはすぐに解った。
 驚いたようにヨウが、或いは相変わらずのんびりマイペースに微笑(わら)っているハナ
が、自分と彼を見ている。困惑するジーク及び姉弟に対して、マーロウはあたかも始めから
そのつもりであったかのように笑っていた。隊長専用の羽織を翻し、ニッと肩越しに振り返
えると彼は言い放つ。
「さあ、行くぞ。何をぼさっとしてる?」
「お前にとっての未練──仲間ってのは、その程度のモンなのか?」


 その日、導信網(マギネット)上に公開された“結社”の犯行声明は、良くも悪くも膠着
状態に陥っていた世界を大きく揺るがした。
 竜王峰宝物殿にて、ジーク・レノヴィンを殺害。
 更にディノグーラド大公こと“勇者”ヨーハンも、事実上命を落とした──。
 我々の勝利だ! 声明には今回の激突を大きな“成果”とし、傘下の同志達に更なる奮戦
を促す旨が綴られていた。遂に特務軍ことクラン・ブルートバードを倒したのだと。
『“結社”の野郎……またやりやがった!』
『まさか、あの生ける伝説が……』
『こんな時に、統務院は何で戦争なんてやってたんだ!?』
『これ、やばくないか? 今度は天上の連中と対立したりしないか……?』
 案の定、メディア各社はこの一報を大々的に取り上げた。人々も半ば脊髄反射的に書き込
みや噂話によってこれを広め、世論は怒り──大きく“義憤”と“反権力”に流れる二つの
向きに分かれていった。程なくして前者と後者の対立が散発し始めたのは勿論の事、メディ
アも連日関連情報を投下しては、人々の感情を煽り続ける。より激しく広範な反応は、テロ
リストたる“結社”の思う壺であったなの筈だが、彼らも彼らでその辺りは自社のニュース
さえ売れれば割とどうでも良いらしい。

「お兄さんが……?」
 梟響の街(アウルベルツ)、学院内ユーディ研究室(ラボ)。
 大慌てで室内に転がり込んで来たエマの助手により、エマとシンシア、フィデロにルイス
といった場の面々は、その世間を揺るがす一大ニュースを知ることとなった。
 直前まで、自身の指導教官でもあるエマに詰め寄っていたシンシアも、この突然の報せに
愕然として立ち尽くす。
 助手が手にしていた携行端末の画面を皆で囲み、先刻公開されたという“結社”の犯行声
明を確認する。確かに今し方、エマに同様の揺さぶりを掛けてはいたものの……こんな結末
になるなど思いもしていなかった。考えまいとしてきた。
 しかしこれで、全ての辻褄が合う。
 アルスの休学、失意の原因。それは他でもない──兄の戦死を知ったからだったのだ。
「まさか、お兄さんが……」
「辛い筈だよな……。だけど俺達に、一言も相談してくれないなんて……」
「だからこそ、だろう。或いはそれほどにショックだったということか」
 いつの間に姿を見せていたカルヴィンが、そう近くの壁に寄り掛かって両腕を組み、珍し
く険しい表情(かお)を浮かべている。思わず恨み節を漏らしたフィデロも、その辺りは何
となく感じていたのだろう。自分達の親友は、馬鹿がつくほど優し過ぎる……。
 団員達の態度にも、これで合点がいく。彼らは必死で、この事実を隠そうとしていたのだ
ろう。おそらくはアルスや中心メンバー達の意思、或いは同様の配慮で。尤もこのような大
事となれば、遅かれ早かれバレていた筈だが。
「……アルスにとって、ジーク皇子はこの世でたった一人のお兄さんなんですもの。クラン
の皆さんにとっても大切な仲間ですし、私達にとっても決して“他人”なんかじゃありませ
んわ」
 牙をもがれたようにすっかり大人しくなったシンシアの言葉に、ルイス達はただ声もなく
頷いて押し黙るしかなかった。勿論だ。学友だと思っている、親友だと思っている。切磋琢
磨してきたライバルでもあるし、何より今まで数多の苦楽を共にしてきた仲間だという自負
は、ブルートバードの面々にだって負けていない。
 それでも……誰も割って入るように口を開かないのは、解ってしまったからだ。
 自分達の個人的な友情云々という以上に、彼らクラン・ブルートバード、レノヴィン兄弟
がこの世界において担ってきた意味──即ち特務軍、対“結社”戦力の象徴。彼らが失われ
たとして、一体誰が代わりに闘ってくれるのだろうか?
(……こんなのおかしいじゃない。人が一人、殺されたのよ?)
 だがちょうどその時、沈黙を破る者が現れた。他でもないエマだ。彼女はじっと、助手が
携行端末に表示させていた、犯行声明の全文を見つめていた。
「それにしても……。妙ですね」
「ええ。やはり先生もお気付きですか?」
 ややあって顔を上げ、頭に疑問符を浮かべるシンシアやフィデロ、或いはカルヴィン。
 改めて近付き、画面を覗き込んでくる彼女達を見返すでもなく、二人は答えた。その表情
には総じて険しさと、そして困惑の色が浮かんでいる。
「この声明には、一言も書かれていないのですよ。クラン・ブルートバードの面々が、今何
処にいるのか。戦いの後、どうなったのか」

 時を前後して、古界(パンゲア)・竜王峰。ディノグラード公爵邸。
 ブルートバードの面々が旅立った後、暫しの沈黙を続けていた同家だったが、先の戦いに
おける犯行声明を“結社”が出してしまったことで、事態は一気に悪化していた。
「そんな……。大爺様が……」
「何故だセイオン!? お前がいながら、何故あの方を守れなかった!?」
 屋敷に集まった古老や各分家の代表達は、酷く焦り、ショックを受けていた。渋い表情で
歯噛みをする者もいたが、あまりの出来事に呆然としている者もいる。同じディノグラード
家の関係者とはいえ、その全員が全員、今回の事件やそもそもの経緯を知らされていた訳で
はない。
 案の定、次々に自身を詰る声を浴びせられ、セイオンは眉間に深い皺を寄せたまま黙って
いた。努めて表面上は平静を装い、彼らからの批判は全て甘んじて受ける覚悟だった。
「……申し訳ございません」
 それはひとえに、罪の意識故である。何より“勇者”ヨーハンが、文字通りその命を賭け
てまで守ろうとしたもの達を、どうして自分がふいに出来るだろう?
 禁制の魔導具に手を出してまで、かつての戦友(とも)に一矢報いようとした彼。
 結果自らの命が燃え尽きようとも、今を生きる人々を援けられるなら構わないといった強
い意志。老いた自分では結社(かれら)に届かなくとも、きっと乗り越えてくれると信じ、
託した未来。
 レノヴィン達はその象徴だ。彼の遺志の為にも、自分は彼らが戻ってくるまでの間、その
動静を秘匿する義務がある。
「……遅かれ早かれ、明るみにはなっただろうがな。やはり“結社”もただでは転ばぬか」
「いつぞやの皇国(トナン)内乱に似ていますね。先んじて情報を公表し、人々を操ろうと
した。実際今回も、世論は既に大きく二分させられ、混乱しています。何も彼らの出してき
た情報が全てではありませんのに」
『……』
 出席者達はそう、一旦次から次へと嘆いた後、たっぷり数拍黙り込んだ。世の人々が既に
少なからず敵の術中に嵌っていることは、こちらが対応しようというその初手からして不利
であるに他ならない。干渉の仕方を一つ間違えば、逆にこちらが手痛い損害を被ることにな
るだろう。
(機先を制してくることは予想していたが……思いの外、当たり障りのない内容だな)
 あーでもない、こーでもないと話し合う古老や代表達を少し離れた位置から眺めながら、
セイオンは密かにそう思考を巡らせていた。
 “結社”が導信網(マギネット)上に発表した声明文は、一通り目を通した。要はプロパ
ガンダの類であるのだから、自分達にとって都合の悪い情報は載せないというのは道理では
あるのだが……それにしては肝心のブルートバードの動向についてまるで触れられていない
のは妙だと感じていた。
 現状、冥界(アビス)潜入まで報じられていないのは幸いだが……その理由がイマイチ分
からない。より明確に彼らが敗れたと明記すれば、士気高揚を含めて自分達に有利になって
いただろうに。……冥界(アビス)の存在を知られては困る? それとも、本当に情報とし
て出回っていないのだろうか?
 何とかレノヴィン達に助力できればいいのだが、こちらも事後処理で手一杯な状況だ。既
に大爺様死亡の報せを受けて涙を流し、弔問に訪れ、或いは取材をしようとこの館や市中に
やって来る者達が現れ始めている。今はまだ追悼ムード、同情こそ勝っているが、いつ責任
追及という形で反転攻勢が強まるか分からない。
「しかし……。我々はこれから一体、どうすれば……」
「セイオン、君の意見は?」
「……会見と、葬儀でしょうか。既に大爺様の死は世界中に伝わってしまっています。下手
に隠し通そうとしても、却って人々の反発を招くだけでしょう。何より……大爺様をあのま
ま山の上に放っておく訳にもいきません」
 そう、だな……。その間にも、話題は具体的な対応策に移り、彼らから意見を求められた
セイオンは、そう淡々と予め考えていたプランをそれとなく伝えた。
 情報戦で既に“結社”には後れを取っている。ならば多少恥を忍んでも正直に事の経緯を
説明し、頭を下げる──誠意をみせるのが筋だろう。元よりその役目は、自分が負うつもり
でいた。そう告げると彼らも内心ホッとしたのか、めいめいに小さく頷き合うと、今後の対
応を任せてくれる。
「問題は大爺様のご遺体だな。報告では絶晶剣(ボルフ)・絶晶楯(マルフ)と共に、結晶
の塊の中に閉じ込められてしまっているのだろう?」
「ええ。部下達に警備こそ続けさせていますが……搬出は一向に進んでいません。何分巨大
過ぎるのと、頑丈過ぎて砕くことさえ出来ないのです」
 だからこそ、最大のネックは他でもないヨーハン自身だった。文字通り命を懸けて一族の
聖浄器を守り抜いたのは良いが、今度はその強い意志の力がこちらの対応の柔軟性を阻む。
 世間体にも、何より身内の者としても、彼の弔いはきちんとしてあげたい。しかし当の本
人をあそこから容易に動かせないとなると、最悪葬儀自体があの場所で行わなければならな
くなる。単純に冬の山は堪えるというのもあるが……心情として、最期の姿のままの彼を、
できれば衆目に晒したくはなかったのだ。
「むう……。どうしたものか……」
「……」
 故に古老や代表者達は、頭を抱えている。セイオンはじっと、このテーブルを囲む彼らの
様子を眺めていた。
 決して言葉には出さないが、はたしてこの中で、本当の意味で苦悩してくれている者はど
れだけいるのだろう? 時折ちらっちらっと互いの様子を窺っている視線然り、彼らの間で
はもう既に、次の大公は誰か──次期後継者を巡る駆け引きが始まっているとみえる。
「エイラ」
 さりとてセイオンは、今思い煩っても詮無いと、そっと自分の中で気持ちを切り替えた。
小声で同じく近くに控えていた部下を呼び、彼らの目を盗みながら、密かにとある人物へ連
絡を取るよう指示する。


 時を前後し、更に世界の人々の反応は多岐へと渡る。
 魔界(パンデモニム)西部・鬼ヶ領。開放的な寝殿造、和圏風の屋敷が点々と広がる集落
の一室に、鬼族(オーグ)の長・セキエイの姿もそこにはあった。
「……」
 但しその表情は不機嫌にぶすっと。身体中に包帯を巻かれ、絶対安静の状態で。
 広々とした畳敷きの一室で、彼は布団の上に寝かされていた。先のクロムとの一騎打ちを
挑んだ末に敗れ、一度はボロボロの重症を負った。
 もし初手から《武》の筋肉鎧で全身を覆っていなければ、もしクロムが相手を殺してでも
押し通ろうと考えていたならば、今頃自分は命を落としていただろう。
 それが何につけても気に食わなくて……先ほどからずっと不機嫌面をしている。尤も彼が
“結社”に対し、特にリュウゼンと面識のある使徒級の魔人(メア)達に思う所があるのは
周りもかねてより承知しており、彼を左右からゆっくりと扇いでいる女官達も苦笑いを隠し
切れなかった。
「お館様? あまり思い詰められないでくださいまし。お身体に毒ですよ?」
「そうでございます。今は傷を癒すことだけを考えてくださらないと……」
「分かってる。……ちょいと、考え事をしてただけだ」
 それでも部下達にやたらめったら当たり散らさないのは、伊達に一族の首長を務めている
からか。女官達の恐る恐るといった声掛けにセキエイは少々ぶっきらぼうながらにも答えて
いた。そもそも怪我のせいで、ろくすっぽ布団の上から動けやしない。
(あいつら、無事に通れてりゃあいいがな……)
 気になっているのは他でもない、クロムを含めたクラン・ブルートバードのその後だ。
 彼女らの飛行艇は、そろそろ“虚穴(うろあな)”を通り過ぎた頃だろうか? そもそも
現世の者があれを使うなど、前代未聞なのだ。見逃してやった手前、大きなことは言えない
が、もし明るみになればお互いどうなることやら……。
「──っ! お館様」
 ちょうど、そんな時である。
 扇を手に看病を続けていた女官達の一人、魔導の心得を持つ者が、ふと緊張した面持ちで
こちらに向き直ってきた。目を凝らせば彼女のすぐ傍には小さな光球──下級精霊の姿が。
どうやら誰かからの精霊伝令が来たらしい。
「どうした?」
「その……。つい先ほど、導信網(マギネット)に“結社”が……」

 所変わり、同界某所。
 セキエイ達が“結社”の犯行声明を知るよりも少し前、市中では逸早く今回の事件に対す
る反動が巻き起こっていた。一部の過激な反開拓派が、徒党を組んで大規模なデモ行進を展
開し始めたのだ。
「統務院は、選択を間違った! 先の討伐戦に現を抜かしている間に、対“結社”の重要な
戦力を──ジーク皇子を失わせた!」
「しかし彼らは、未だ公式の声明すら出していない! こんな大事件が起きたのに! 仮に
も一国の皇子でもあるのに!」
「これは統務院の怠慢だ! 陰謀だ! 自らの失敗を隠そうとした、卑劣な行為だ!」
「俺達は、奴らにまた厄介事だけを持ち込まれた! 奴らいつもそうだ!」
「あの武力衝突(じけん)を思い出せ! あの時も、俺達は地上の奴らに都合のいいように
弄ばれたんだ! あの時から奴らは、何も学んじゃあいない!」
 徒党を組んで上げるその叫び声は、かつて開拓の波を巡り顕界(ミドガルド)の者達と争
った歴史。この地底層に生きてきた者達ならば、誰もが記憶に留めている不愉快な歴史だ。
「奴らは決して、この世界の平和には寄与しない!」
「奴らを追い出せ! 追い出せ!! 奴らをこれ以上、我が物顔で歩かせるな!!」
 街の大通りを埋める、そんなデモの人だかり。
 しかし異変を聞いて駆けつけた万魔連合(グリモワール)の治安部隊は、ずらっと長盾を
並べて構えたまま、黙して動かなかった。じりっと険しそうに唇を結んで警棒や催涙弾を手
にしていたものの、迂闊に手を出す訳にはいかなかったのだ。
『……』
 “結社”による、犯行声明があったこと自体は事実だ。だが今は情報が交錯しており、何
より自分達の属する門閥(ファミリー)ないし、万魔連合(グリモワール)としての共通の
方針も固まっていない。そんな状況で独断専行、下手に動けば、彼らを徒に刺激してしまう
恐れがあった。
 それに見方を変えれば、彼らのデモ行為は“ガス抜き”だとも言える。少なくとも今ここ
で果敢に止めに入るよりも、多少許容してやり過ごす選択の方がメリットが多かったのだ。
「──まーたそうやって、反対反対ばかりかよ」
「五月蠅いし、迷惑なんだよ!」
 だがそんな当局の思惑とは裏腹に、事態は悪化──御し切れない方向へと転がってゆくこ
とになる。デモ隊が現れたとの報せを受け、同じくこの大通りに集まっていた反デモ隊の集
団が、そうぽつっと喧嘩腰に言葉を投げ付けたのだ。
 何だと……? 元より独立独歩の気風が強く、喧嘩っ早い国民性ではある。盾を構える治
安部隊の後ろにこそいたが、彼らはこのデモ隊の振る舞いに明らかな苛立ちをみせていた。
売り言葉に買い言葉。対するデモ隊の側も、自分達に投げ掛けられたこの“批判”を、許さ
れざる“攻撃”と認識し、ギロリとその先鋭化した眼差しを向けてくる。
「追い出せって言ったって……今更戻れるのかよ?」
「その後の、具体的にどうすればいいっていう考えはあるのか?」
 や、止めなさい──。当局の面々が慌てて仲裁に入ろうとするが、既に両者は、互いの境
界線を乗り越えて殴り合う寸前だった。ガチャガチャと部隊の装備と彼らの身体がぶつかる
音がする。にわかに剣呑さを増してきた場の空気に、居合わせたり家屋の上階でこの一部始
終を眺めていた人々が、一人また一人と逃げる準備を始める。
「現状に服従するのか!?」
「レノヴィンのように、使い捨てられて死にたいのか!?」
「ならば、お前達も敵だっ!」
「……さっきから聞いてりゃあ好き勝手ばかり。じゃあ訊くが、レノヴィンは俺達の、世界
中の人間に代わって“結社”と戦ってきてくれたんじゃないのか? 俺達の“身代わり”に
なってくれてたんじゃないのか? お前らがどう思ってようが勝手だがよ……それでもそこ
を飛び越えて、あいつらの犠牲を、死を利用するなんざ屈辱以外の何物でもねぇだろうが!
そんなモン、ヒト以下の屑野郎の真似だろうがよ!」
 何だと!? 故に感極まった一人の男性の叫びが、デモ隊の怒りに火を点けた。次の瞬間
治安部隊の制止も聞かず、両者は遂に取っ組み合いの大喧嘩を始めてしまったのだった。
「や、止めなさい!」
「おい、止め……止めろォ!」
 双方入り乱れての、人だかりを混ぜっ返すかのような殴打・被殴打。決して相手を許さな
いという、激しい怒り。
 一旦はデモ隊・反デモ隊に押し退けられたものの、治安部隊の面々も急いで動き出した。
同じく半ば頭に血が上り、尚且つ持てる装備でこれらを押さえ込むべく──。

 幾つものトラブルに見舞われながらも、イセルナ以下クラン・ブルートバードの仲間達は
ようやく本来の目的の為に動き出していた。先の一騎打ちにおる負傷で暫く動けなくなった
クロムからメモを預かり、一行は話し合いの結果、二手に分かれてレノヴィン兄弟の救出へ
と向かうことになった。
「念の為、もう一度確認しておくわね? 私とダン、シフォンにグノーシュさん、リュカさ
ん。レナちゃんとサフレ君、クレアちゃんとマルタちゃんは魂魄楼に。ジークの捜索を担当
するわ。こちらは基本的に聖浄器を持っているメンバーよ。“虚穴(うろあな)”での一件
があるし、当面近付かない方がいいでしょうからね。一旦聖浄器を預けて渡り直すという手
も考えられなくはないけど……」
「いざという時が怖いですもんね」
「そうだねえ。船と聖浄器、大事なものを両方落とされちゃったら、私達は“詰み”だし」
 あはは。数枚のメモを片手に語るイセルナに、ルフグラン号を預かるレジーナはそう苦笑
いを零して言った。レナも呟く通り、聖浄器は心強い戦力だ。“虚穴(うろあな)”という
障壁、魔流(ストリーム)の魂達の干渉がなければ、本来もっと戦力を一点に集中して救出
作戦に臨めていたのだから。
「どっちにしろ、俺達が出てる間は守備が手薄になっちまうしなあ。仕方ねえだろ。悠長に
防衛戦を張ってる暇もない」
「大丈夫っスよ。留守は俺達がしっかり務めます!」
「ダンさん達は、ジーク達を連れ帰って来ることに専念してください」
「……おう。任せとけ」
「それともう一方。ハロルドとリカルドさん、リンファとミアちゃん、オズ君は、アルス君
とエトナちゃんの捜索をお願い。大よその場所はレジーナさん達が解析してくれた通りよ。
必要に応じて船の皆を呼んでくれて構わないわ。でも何より、二人を無事に連れて帰ること
を優先して」
「ああ」「うん。分かってる」
「承知シテオリマス」
「うう。き、気を付けてね? リン。皆さん……」
「……善処するよ。尤も、そう一筋縄にいくとは思えないが」
「兄貴。そこは嘘でもどんと胸を張るモンだぜ? まぁ気持ちは分からんでもないがよ」
 二手に分かれる主なメンバーは、このように十人と五人。基本的には聖浄器の有無でもっ
て振り分けた。但し内クレアとマルタは、それぞれシフォンとサフレの補佐、オズはいざと
いう時戦闘力を補う為の、助っ人要員としての意味合いが強い。本来ならば主(マスター)
と認識しているジークを捜しに行きたかった筈だが、こちらが事情を話すと案外すんなりと
受け入れてくれた。
 もしマスターが先に戻って来ても、その弟が居なくなったと知れば酷く哀しむ……。
 既に兄弟のどちらとも、彼にとってはかけがえのない仲間なのである。
「……そうね。私達もそっちも、厳しい行軍になるのは避けられないでしょうし……」
 問題は両チーム共に、どれだけ問題少なく目的地に潜入できるかという点だ。
 本来死者しか立ち入ることのない冥界(アビス)は勿論、ハロルド達にこれから向かって
貰う、アルスの信号(シグナル)が最後に確認された場所は、お世辞にも外界からの門戸を
開いているとは言い難いからだ。
 ──天上層・神界(アスガルド)。
 地上よりも更に“上”に位置する三界の内、創世の民とも呼ばれる神格種(ヘヴンズ)、
天上の神々が住まう世界である。ルフグラン号が不時着した後、レジーナら技師組がアルス
の転送リングの位置情報を必死になって逆探知した末、割り出した。
 但し膨大な魔流(ストリーム)に揉まれたからか、その細かなデータは途中で絶えてしま
っていたという。それでも辛うじて拾えた座標同士を点と点で結び、時系列で方向を想定す
ることによって、大まかながら彼がこの地に流されたと結論付けたのだ。
「こっそり忍び込んで、こっそり帰る。それが出来ればベストなんだが……」
 それが出来れば苦労しねえよなあ。ダンがそう、ガシガシと後ろ髪を掻きながらぼやく。
同時にそれは、この場にいる全員の理想であり、懸案でもあった。
 ただでさえ自分達には、時間がない。
 不慣れな土地でもしも戦いに──侵入がバレて交戦状態に入ってしまえば、どうなるか分
からない。兵力差があり過ぎる。未知の部分が多過ぎる。
 何より今回、自分達は何も好き好んで彼らと敵対しようとは思っていないのだ。只々失わ
れ、引き摺り込まれた仲間を助け出したい。それだけなのだから。
「ええ。だから可能な限り、不要な戦いは避けましょう。どのみち私達は横紙破りをやろう
としている。なるべく彼らからの心証は、悪化させないに越した事はないわ。今度のことも
踏まえてね」
 うむ……。仲間達は、めいめいに深く静かに頷いた。既にメンバーは二手に分かれ、いつ
でも出発できる用意が整っている。
 皆の視線に、ややあってイセルナは応えた。それぞれがそれぞれの場所で、持ち場で。目
的の為に全力を尽くすことをここに命じる。
「では、作戦を開始しましょう。ジークとアルス君、エトナちゃんを救うわよ!」
『応ッ!!』
 かくしてクラン・ブルートバードの仲間達は、潜入組と留守組に分かれて動き出した。ば
たばたと、船内はにわかに慌ただしくなり、これを降ろすべくタラップが開いてゆく。

『──』
 しかしこの時彼らは、まだ気付いていなかった。
 黒き不毛の大地が広がる冥界(アビス)。そんな普段では見慣れぬ筈の、この不時着した
飛行艇を、こっそり遠巻きから見つめる者達がいたことを。忍び寄ろうとする、不穏な人影
の群れがいたことを。


 マーロウ達から隊の死神服と隊章を借り、袖を通す。普段の旅装とは随分勝手が違うため
に最初は戸惑ったが、意匠は何となく皇国(トナン)のヤクランに似ている。公務用のそれ
と比べればかなり色合いは大人しいが、思わぬ所で役立った。念の為にと腰に二刀を差して
おき、支度が完了する。やはり下げていないと落ち着かないものだなと思った。
「準備は出来たか? じゃあ俺達について来てくれ」
 隊舎を出て、ジークとマーロウ、クチナシ姉弟は楼内市中へと向かった。本来なら、裁定
を受けていない死者が留まっていれば処罰の対象になるのだが……マーロウ達と同じ死神服
に身を包んでいるせいか、すれ違う人々はまるで気付いていない。人工魄を纏った影響もあ
るのだろう。そうでなくともこの隊章に込められた結界は、三存の散逸を防いでくれる。
「──何で?」
「ん?」
「何でだよ。こんな事したら、マーロウさんが……。また迷惑を掛けちまう。これって裏切
りじゃないんスか? ただでさえ今は、隊長って立場にいるのに……」
 なるべく周りに怪しまれないよう、徒に委縮した素振りは見せないようにしながら。
 しかしジークは、そう自分と共に魂魄楼の街並みを進んでゆくマーロウ達に、戸惑いを多
分に含みつつ訊ねた。時折人気の少ない通りを選んで入り、迂回路を取りながらも、されど
彼は穏やかに微笑(わら)って言う。
「構わないさ。きっと俺は、この日の為にここに残ったんだと思う」
「……マーロウさん」
 確かに自分のやっていることは、死者の脱出幇助。死神衆及び、魂魄楼という組織に対す
る反逆行為なのだろう。
 しかし当のマーロウは、寧ろ晴れやかな表情だった。ジークと、解っていて自分について
来てくれたこの部下達をちらっと視界に映して、何処か吹っ切れたように笑っている。
「私達も、隊長から貴方のことについてはよく聞いていましたからねえ。勝手かもしれませ
んが、何となく他人とは思えないんですよ~」
「隊長命令ですから。僕はそれに従うまでです」
「……お前ら」
「ははは。我ながらいい部下を持ったモンだ。尤もみすみす捨てに行くことになるのは、正
直勿体無いと思うがな」
 クチナシ姉弟、ハナとヨウも、理由はそれぞれながらも明確に彼に従う意思を持っている
ようだ。だからこそ彼も、二人を副隊長とその補佐に任じているのかもしれない。時折羽織
を揺らしつつ、マーロウの語る横顔がふっと物寂しくなった。
「それに……。死神ってのも、結構しんどいからなあ」
「えっ?」
 思わず弾かれたようにジークは顔を向けたが、結局彼からその続きを聞くことはできなか
った。代わりに話題を変えるかのように、マーロウは慣れた歩みで複雑に入り組んだ市中の
死角を先導しながら、努めて淡々と語り始める。
「ジーク。お前がこの魂魄楼、冥界(アビス)から脱出するには、二つの問題がある」
「二つ……?」
「ああ。一つはお前の仲間達の動向だ。ブルートバード、だっけ? お前が使徒に叩っ斬ら
れちまった後、その遺体(からだ)をどうしてるかだ。戻るべき器が残ってるかどうかって
話だよ。火葬されたり腐っちまってた場合、お前の身体はもうねえ。最悪、今の人工魄を使
い続けるしかなくなる」
「なっ──?!」
「そもそも仲間達が、お前がまだ復活できる可能性を残してるってこと自体を知らないだろ
うからなあ。現世でも云われてる四十九日──裁定から“煉獄”にぶち込まれるまでの平均
日数。浄化を終えてからの転生、魂の一サイクル。ある程度高位の僧侶になりゃあ、その辺
の秘密を知ってる奴もいるだろうが……」
 正直、彼との再会と、脱出を手助けしてくれるという戸惑いの中にまだ浮かれている部分
があった。とにかく此処から逃げさえ出来れば、何とかなるんじゃないかと思っていた。
 ぶつぶつとそう語っているマーロウの横顔を見ながら、ジークは黙して渋い表情(かお)
をしていた。はたしてそんな奇策を、仲間達が思いついているかどうか。高位の僧侶。ハロ
ルドさんやクロム、リカルドさん辺りなら、もしかしたら知っているかもしれないが……。
「もう一つは?」
「他でもない、追っ手の問題だ。俺達は今、この魂魄楼全体に喧嘩を売ろうとしてる。もし
他の死神隊や閻魔衆にお前のことがバレれば、奴らは全力で俺達を捕らえに来るだろう。楼
内の“平穏”を優先して、先ずは内々に事を済ませようとするかもしれないが……どのみち
多勢に無勢だ。なるべく勘付かれるタイミングは遅い方がいい」
「ええ……」
 だが頷きつつも、ジークの表情は暗い。そこまで不安材料が多いにも拘わらず、彼らは自
分を逃がそうとしてくれている。組織に背いてでも、かつての縁と忠節を理由に分の悪い戦
いに挑もうとしている。
 正直、申し訳なかった。本当ならもう、自分は死んでいるってのに……。
 ごめん。マーロウさん、ハナ、ヨウ。
 俺がうっかり冥界(こっち)に来ちまったせいで、こんな目に……。
『──ッ!?』
 ちょうど、そんな時だったのだ。四人が密かに市中を潜行していた最中、次の瞬間、突如
として大きな地鳴りが辺り一帯を襲ったのである。
 いや……足元じゃない。空だ。冥界(アビス)の、黒灰の空が震えている。思わず体勢を
崩しそうなった両脚を踏ん張り、或いは近くの壁に掴まって、ジーク達はきょろきょろと辺
りを見渡した。
 敵か? マーロウさんが話していた傍から、もう追っ手が……?
 しかしどうも様子が変だった。突然の震えにざわめいたのは寧ろ市中を行き交う人々の方
で、ジーク達はこっそりおずおずと、隠れていた物陰からそんな彼らの狼狽ぶりを覗く。
 皆が空を見上げていた。最初に誰が気付いたのかは知らないが、彼らは戸惑いながらも、
次々に同じ方向を仰いで指を差している。
 異変が起こっていた。北北東の空の一角が、渦を巻くように一点に吸い込まれているのが
見えたのである。中枢域たる北棟の城壁群すらも遥かに越えて、高く高く蠢いているその空
を、身分の上下を問わず楼中の人々が不安そうに見上げている。
「……“虚穴(うろあな)”だ」
「? ウロアナ?」
「この世とあの世、現世と冥界(アビス)の境目に空く霊海の穴だよ。俺達死神衆が定期的
に塞いではいるが、いざという時の為の直通路として幾つか残してあるんだ。ちょうどあの
辺りは……魔界(パンデモニム)の鬼ヶ領か」
 暫し唖然と立ち尽くしていたジークの意識を呼び戻したのは、そうたっぷりと間を置いて
口を開いたマーロウだった。
 同じ死神であるハナとヨウも、一体どうしたのかと驚いている。少なくとも此方の住人達
にとっても、これはそう頻繁にある現象ではないようだ。
(“虚穴(うろあな)”か……。要するにショートカットみたいなモンだな)
 頭の片隅でそう自分なりの解釈をまとめながら、ジークはマーロウ達と並んでこの異質な
空を見上げた。その色合いのせいかもしれないが、じっと目を凝らしていると、何だか気分
が悪くなる。ジンジンと、耳にたくさんの声が響いてくる……。
「……参ったな。よりにもよって、こんな時に」
 だが一方でマーロウは、そう別の意味で渋い表情(かお)をする。何でもあの穴は、場合
によってはジークを逃がす為の脱出口として使うつもりだったという。
 基本的に死者がこの冥界(アビス)から出る為には、何らかの方法で魔流(ストリーム)
の隙間を縫う必要がある。死神達の舟を使えば一番確実で安全ではあるが、必ずしもジーク
を伴って船着き場を通過できるとは限らない。最短距離のルートが用意できれば、それだけ
いざという時の選択肢は増える。
「たま~にあるにはあるんですけどねえ。ここ二百年ぐらいで増えてきたとか何とか」
「まあ僕達は、そこまで昔の人間ではありませんけど」
「……」
 ハナとヨウ、そしてマーロウと共に、死神服のジークは空を仰いでいた。こちらの不安を
嘲笑うかのように、渦巻く“虚穴(うろあな)”の雲海は黒く黒く捻じれてゆく。

 全ての死と再誕を司る魔流(ストリーム)達の終着点、冥界(アビス)。
 肉体的なる死と精神的なる死。その狭間で揺れ動くジークの消滅まで──残り三十九日。

 ぐるぐると、四方八方から渦に呑まれてゆく。繰り返し綯い交ぜにされて、僕と僕以外の
境界線が曖昧になってゆく。
 辺りはしんとしている。上も下も、右も左も、行き止まりが視えない閉ざされた闇だ。
 にも拘わらず、視界には──意識の端で感じ取れるずっと足元には、大量の光が明滅して
いるのが解る。青や緑、赤や黄色。とても鮮やかで綺麗なんだけど……何だかちょっぴり、
物寂しいような心地がする。
 身体の自由が利かない。ぐるぐる掻き回されているせいで方向感覚がすっかり狂ってしま
っているのか、僕という存在は只々、視えない大きな力に煽られては、上下左右がひっくり
返るといった動きを繰り返しているらしい。
 ──ずっと以前、何処かで経験したような浮遊感。
 そう気になって記憶を引っ張り出そうとしたけれど、どうやらそんな色々と考える力さえ
も、ここでは鈍ってしまうようだった。たぷ、たぷんと小刻みに浮き沈みする感触の中で、
少しずつ僕が僕というカタチから溶かされてゆくような心地がする。危ない──そうもっと
本能的な部分で理解はしていたのだけど、抗い切れそうになかった。このまま自分は、消え
て無くなってしまうのかなと思った。
『……』
 でも結果的に、僕は何とか助かったんだ。自分の中ばかり見つめることを止め、ふいっと
周りに意識を向けてみたその時、僕は“一人じゃない”って気付いたんだ。
 可笑しな話だけど、ずっと視られていたから。
 それこそ数え切れないくらいに沢山の、僕を見ている何者かの眼に。
 ──そう。まるで刺すような。全身をじっと刺してくるような彼らの視線に、僕は少しだ
け身構えていた。
 何というか、不思議な感じだった。向けられる眼差しから感じるのは、大よそ“羨望”だ
ったり“恨み”の感情だったのに、僕は何故かその中に別種の色味を見つけていたから。
 これは……ほんのり赤い。ううん、黄色? 金色?
 まるで、穏やかな日差しのような温かさ。たぷ、たぷんと浮かんでいるこの感触が、気付
けば一転して、とても心地の良いものに感じられるほどの。
『……』
 ちょうどそんな時だった。ザザザッと、それまで何も“視え”ない筈の僕の五感に、突如
として映り込んでくる風景があった。まるで古いフィルムを取り換えたように、それまでの
真っ暗と眼差し達がひっくり返る直前、脳裏にあるイメージが焼き付く。
 ──女の人。そう、大きな樹の下に立っている、女の人だ。
 熱心に何かを祈るようにして両手を前に組み、音もなく静かに目を瞑ったままでいる。比
喩とかじゃなくって、本当に眩しい輝きを纏った、綺麗な女の人だった。
『……ますか?』
『私の声が……聞こえますか?』
 でも一つだけ、奇妙だったことがある。大きな樹の下に立っている彼女は、同じく光輝く
鎖のようなものに捕らわれていたんだ。ぐるぐる巻きにされて、身動きが取れなくて、なの
に当の彼女はずっと祈り続けている。嘆きや怒りじゃなく──寧ろとても優しくて、壊れそ
うなくらいに儚げで。
 ──嗚呼、そっか。やっぱり僕は、この人のことを知っている。
 ずっと昔に、確かに僕は彼女を視ていた。その声を、その祈りを、誰に届くとも知れない
その願いを、ずっとずっと丁寧に包み込みながら。
『もし貴方に、この声が届いているのなら。もし貴方が、その意思と力を持つのなら』
 彼女は、祈り続ける。
『……お願いです』
『どうかあの人を、止めてください──』

「──っ!!」
 次の瞬間、いつか何処かでみたような気がする夢(こうけい)が遠退き、アルスは弾かれ
るように意識を取り戻した。
 慌てて上半身を起こしたものだから、少し筋が痛い。よほどリアリティのある夢だったの
か、服の下からはじんわりと汗が滲んでいた。
「おわっ!? あ、アルス? だ、大丈夫……??」
 どうやら自分よりも先に、エトナは目を覚ましていたらしい。ちょうど彼女に揺さぶられ
ていた最中に、ガバッと身を起こしてしまったようだ。
「あっ、エトナ……。う、うん。大……丈夫」
 念の為におずおずと、自分の全身をためつすがめつ。
 多少身体を打ちつけたらしいが、それ以外は特に異常はない。ゆっくり手を突いて起き上
がると、二人の周りには一面、綺麗な草原が広がっていた。緩々とした丘陵が何度も波打ち
ながら続き、ちょうど彼らのいる辺りを頂点に下り坂になっている。白ばんだ光と、空気。
そのせいか、ただこうして佇んでいるだけで清々しい。
「っ! そうだ! エトナ、六華は……!?」
「あ、それなら大丈夫。この辺りにほら、全部転がってる」
 とはいえ、いつまでもぼーっとしてはいられない。先ずアルスは亡き兄から預かっていた
六華が手元にないことに気付き、エトナに訊ねた。彼女の答えるままにもう一度周囲の草む
らを見渡してみると、確かに太刀三本と脇差三本、計三対の六本が無造作に転がっている。
精霊ゆえに持ち切れない彼女に代わり、アルスはてくてくと歩いてこれらを一本一本回収し
ていく。脇差の方はともかく、太刀の方は相変わらず重い。
 いざ誰かから逃げなくてはならない状況に追い込まれた時、どうしたらいいものか……。
 まさか投げ捨ててしまう訳にもいかず、アルスは小柄な全身でこれを抱えたまま、少し思
案顔をして立ち止まった。ふよふよと、そんな彼の足取りにエトナも遅れてついて来る。
(……ここは、何処なんだろう?)
 妙に美しい景色が広がるこの現実に、アルスは改めて戸惑っている。
 まさか、ここが冥界(アビス)なんだろうか? これだけ綺麗だということは、いわゆる
天国? だけど基本的に、世界の空は“下”に降ってゆくほど暗くなってゆく筈だから、お
そらくここは自分達の目指していた場所じゃない。そもそもイセルナさんやダンさん、他の
仲間達の姿が一人も見えない。
「!? あ、あれ? おかしいな……。転送リングが反応しない……」
 故に急いで合流しようと、自身の手首に嵌められた魔導具を使おうとした時、アルスはよ
うやくその考えが誤っていることに気付いた。何度魔力(マナ)を注いでみても、一向に腕
輪の文様(ルーン)が光らないのだ。 
「えっ!? ど、どういうこと? まさか……壊れちゃった?」
「うん……多分。そうだよ。僕達はあの時、たくさんの手に引き摺り込まれた。他の皆はど
うなっちゃったのか分からないけど、僕達はここに投げ出されたんだと思う」
 転送リングは、その際に故障してしまったのだろう。何せ“虚穴(うろあな)”──無数
の魔流(ストリーム)が流れ込む大穴を通っていたのだ。揉まれて機能がショートしてしま
った可能性は十分に考えられる。それでも二人とも五体満足なままである点は、幸運だった
というべきなのか。
 そんなあ……。露骨に残念がり、頭を抱えるエトナのポーズ。
 にも拘わらず、何だか様になっているような気がするのは──この現状とは反比例するほ
どの、美しい緑のせいか。
「どうしよう……。現在地が分からないとなると、手の打ちようがないな。何処か近くに、
街や施設があるといいんだけど……」
 ともあれ、何もしないままではいられない。当てのない道のりに思わずため息が出そうに
なるが、アルスは意を決して歩き始めた。
「~♪」
 しかしそんな相棒とは裏腹に、エトナは何故か妙に楽天的だった。辺り一面に果てしなく
広がる浮世離れした緑の丘陵、清らかな空気をいっぱいに吸って、彼女は歩き始めたアルス
に慰みのような煽りのような言葉を掛ける。
「うーん。大丈夫なんじゃない? 何っていうか、ここは安心するもん。魔力(マナ)の感
じからして、天上層(うえ)の何処かなんじゃないかなあ」
「……そうなの?」
 故に思わず立ち止まって振り返り、そんな相棒の笑みを見つめるアルス。それじゃあまる
で真逆じゃないか。
 まぁこの辺り一帯、凄く自然が豊かだもんなあ。元が樹木の精霊だし、綺麗な環境ってだ
けで、エトナには過ごし易いのかも……。
「うん。これだけ綺麗で澄んでるってことは、多分“お母様”に近いんだと思う」
「……お母様?」
 数拍、目を瞬き立ち止まったままのアルス。
 そんな彼の問いに、エトナはニコニコと、至極嬉しそうに笑うのだった。

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  1. 2019/03/12(火) 18:00:00|
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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止します。

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