日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)曖昧とした輪郭の上を

101回目のアップロード\(^o^)/

結局この二月は、頭にあった遠出(出張)にほぼ持っていかれた感がありますね。滞在期間
自体は日数全体のほんの一部だったにも拘わらず、後々まで自分の中に残っていたという感
触でした。経験値的な意味でも、長旅の疲れが遅れてやって来た──それこそ十二分に回復
し切るまでに一週間以上も掛かってしまったという点でも。
(代休やら通院休みやら、雪のせいで物理的に作業場が臨時休業になる等、幸いにもお休み
が多めに確保できたとはいえ。時間差疲労とは、やはり歳だなあ

先日、ユー録の百一章をUPしました。現行第Ⅷ部としてはまだ二回目の更新なのですが、ど
うにも感覚としてはそれ以上に時間が経っているような気がします。普段はやれ創る時間が
足りないだの、月日が流れが早過ぎるだのと嘆いている癖に、片やふとした瞬間に振り返る
と妙に正反対の感覚があったりする(ガバガバである)まぁそれだけ、お仕事なり何なりに
自身を注ぎ込めている証と、ポジティブに捉えた方が色々得ではあるんでしょうが……。

何にせよ、中の人的には例の如く綱渡りなスケジューリングが続きます。
そんなサックリ戻せるとはまでは思っていませんでしたが、それでも存外、久しぶりの長旅
から“いつもの”コンディションへ修正してゆくのに時間が掛かってしまいました。今月は
特に日数自体が少ないのに、です。ようやく直近のタスク達も捌けて、その隙間から余暇的
なものが見えてきたかなあと思ってたら……月も既に折り返しで。次の三題もぼちぼちネタ
出しを始めないと拙いし、サハラ~次編のプロット作成もかなり遅れてる。去年はほぼ目立
った成果どころか頓挫さえしたtktkだって、形にしたいし……。
自身のキャパに対してあれやこれやと求め過ぎ──二兎を追う者は云々という奴なのでしょ
うが、こと創作方面に関しては未だ、自分は“諦め(達観)”の境地に至れていないんだな
なあと思う事しきりです。尤も逆に言えば、他=日常部分をそれらでさんざ塗り広げてきた
分、このライフワークにおいては妥協したくないと足掻いているのかもしれませんね。
(今に始まった話ではありませんが、趣味活動なのにそんな気負っていたら余計に書けなく
なる一方だぞと、折につけて自分の心に言い聞かせてはいるのですが……如何ともし難く)

……うーん。どうにも「休む」ってのが下手だなあ。暇さえ出来れば時間が惜しくて、一つ
でも何か作業を進めてしまおうと自分に鞭を打ってしまう。つい数年前まで臥せっていて、
若い盛りをふいにした負い目が抜けないのか、相変わらずの反動的な症状。
その癖、実際疲労回復も中途半端になりがちなモンだから、じゃあ捗っているのかというと
そうでもない。ぶっちゃけ殆ど進んでいなかったりする。寧ろ仕事中とか、別の事で手を動
かしているような時に限ってポンッと浮かんでくるパターン。しかしいざ家に帰って来た頃
には、大抵頭からすっぽ抜けている。現実は非情であるヾ(:3ノシヾ)ノシ

「書く為に書く」──やはり手段と目的が逆転してしまっているのが大きいんだろうなとは
思います。かと言って大人しく(?)書きたいことを探しに行くってのも現状、物理的にも
気持的にも難しい。先日主治医に『そこまでして書かなきゃいけない?』と言われるほど、
おそらく中毒化が進んでいるのでしょう。ただでさえ感覚が疲弊している所に、無理に文字
起こしをぶち込み続けてもグダグダになる一方であるのは、他ならぬ自分自身がかねてより
感じている所ですし……。

参ったなあ。
何につけても先ず、普段から思考がまとまらない(深まらない)ってのが。


芸能やら政治・経済やら、世の中の時事や諍いが騒ぎ立てる諸々の“雑音”が煩わしくて、
あまり日々のニュースを能動的にチェックしなくなって久しい今日この頃。ですがそういっ
たものを“雑音”として切り捨てるような真似をしておいて、一体何が描けるというのか?
そもそも手前の脳味噌は、そんなに引き出しが豊富だとでも言いたいのか?

……別に、それほど世事に対する“憎しみ”が故の態度ではないんですけどね。少なくとも
現在は。確かに床に臥せって閉じ籠り、鬱々としていた頃はそんな気もありましたが、それ
も結局の所“一過性の燃料”でしかないんですよ。何かを書く、表現する動機としては強い
瞬発力を持つのかもしれませんが、一度放ってしまうと弱い。厳密には衝動に近い──衝動
に屁理屈を付けて叫ぶ行為なものだから、継続して「物語」を書くという営みには、実はあ
まり向いていないというのが僕個人の経験則です。ただ単純に黒歴史だというのもあります
が、療養生活の中で、他ならぬ自分自身が“諦める”ことを覚えていったからというのが何
よりも大きな理由だと思います。剥き出しの憎悪や正義感──義憤(いか)りを表明して世
の中を変えようという乱暴なエネルギーよりも、僕はとにかく先ず自分の足元を固める方を
選んだ。一度は不定形な理想に焦がれ、それ故に届かない自らを攻撃し続けた失敗を、自ら
の若い盛りをふいにしたという代価で学んだだけに。“憎しみ”を通り越して“諦め”の境
地へと至る道。だけどそれは必ずしも、敗北宣言だけとは限らない。諦めるとは、即ち受け
入れるということ。まぁ仕方ないかと、ビンビンに張り詰めていた自分を緩められる機会で
もあること。過去のプライドや諸々の拘りといったものを、一旦捨てること……。

なので、少なくとも僕個人の感覚では、世事や他人の気配・生活音を“雑音”として捉えて
しまうのは、単純に「集中するのに都合が悪い」という理由に尽きます。物書き(創作人)
さんの中には逆に、ファミレスなど他人の目が無いと作業一本に自分を持ってゆけないんだ
というタイプの方も結構いらっしゃるようですが、僕はこの“缶詰”型なので。
思考する為の自身のコンディション、話題なり属性・嗜好等の用いる素材、そして物理的に
静かな環境──これら全てが整って初めて、どうやら僕はまともに「考えを深める」ことが
出来うるようなのです。……寧ろ周りの生活音やら何やらに関係なく集中できるような方法
があるならば、是非とも教えて欲しいくらいなんですよねえ。単純な打ち込み作業的なもの
であれば、好みのBGMを無限ループさせていてもいいのですが、如何せん「音」が耳に入
ってしまうと頭の中の「言葉」がぐしゃっと崩れて維持できなくなってしまうので……。

話がごちゃごちゃと輻輳(ふくそう)します。しかしそういった“雑音”達とはそもそも、
僕自身(ないし個々人)が物事を考える際の大元──ネタの源泉でもある訳です。物理的に
思考する頭の中の「言葉」が明瞭に起こるのを邪魔する存在である一方、その「感慨」を自
分なりに言語化しようと思った切欠でもある。厳密には実際の音と、話題としての本質それ
自体は分けて捉えるべきではなかったのか……? 此処にきて僕は、新たにそんな考えを巡
らせています。

──○○君は何を考えている?
──○○君はどう思っている?

回答(こたえ)は『分からない』のです。普段、文字言語にばかり慣れ親しんでいるせいも
あるのでしょうが、いざ自他にそういった問いを投げ掛けられた時、すっかり語彙が咄嗟に
出てこなくなってしまったなあと痛感する瞬間が増えてきました。考えているようで、実際
何を「思って」いるのか? その形をはっきりと誰かに伝えることが出来ない。そもそもに
自覚できるほどはっきりとした順序立て=姿形を、他でもない僕自身がここ暫くろくすっぽ
イメージ出来ていないことに気付かされ、正直ショックを受けたのでした。

ぼんやりと、あれは嫌だな、これは複雑だな……そんな曖昧な感慨を持つこと自体は今も昔
も多分一緒です。だけど問題なのは、そこにきちんと姿形を、輪郭を付けられないままずる
ずる過ごしてきてしまった自分への驚きです。仮にも物書きを自称している自分が、文字で
以ってそれらを(自分なりに)規定出来ずにいるというのは……結構な重症ではないのか?
と。言語化する技術やノウハウ、習慣といったものが、気付けばすっかり鈍って回復が効き
辛くなってしまっている。これは世の中=自分の「外」側というネタの源泉に対し、それら
から書くべきこと・書きたいことを、そもそも上手く引き出せないという致命的な技能不足
を意味するからです。ある程度削り出して、引き出しにしまえなければ、そもそも題材とし
てそこからものを書くことも捗らない。ましてや、箱庭(物語)の種として植えるその内容
を、書き手自身がイマイチ分かっていない──そりゃあ“コレジャナイ”感ばかりな筈で。

いわばそういった状態の僕・僕たちは、輪郭の見えない下書きの上をペンを持って駆けよう
としているようなもの。何かを書こうとは思っていても、その何かをちゃんとある程度定義
すること自体出来ていないのだから、当然抱き締めたペン先はふらふらと迷走する他ない。
設計図は曖昧で、最初にイメージした「感慨(思ったこと)」は不定形。そんな状態で駆け
ようとしても、書き手は只々ぼんやりとしたその表面上を滑ってゆくしかない。そんな状態
で「仕上げた」ものが、どうして自分でも頷ける出来になるというのか。

……こんな言い方をするとアレなのですが、この辺りの工程(プロセス)がガバってきた要
因には、多分お仕事が含まれていると思うんですよね。労働環境を避難しようっていう訳で
はないんですよ? ただ何の職種にせよ、お仕事ってのは昼間、日々のエネルギーの多くを
費やして行うものだから、どうしても帰って来た後の可処分時間と同様にその残量は限られ
てくる訳です。そこでがっつりクリエイティブ(と自分で呼んでいいものなのか)な営みを
しようとしたって、先ずリソース不足じゃないですか。一応は身体は労わるべきだと、僕も
一旦軽く寝たり、風呂飯を済ませてリフレッシュしてからにしたり、コンディションを充分
な域(感触)に持っていこうとはするんですけど……中々その日の内に間に合わないって事
が少なくない。そんなまだ曖昧な段階なイメージを、暇を見つけては昼間、メモに取ってお
くというのが現実次善の対策と言わざるを得ない(尤もメモしても、実際に本稿へ入ろうと
した時点で捗るという保証もない。無いよりは幾分マシなんだろうけど)だけどお仕事中に
あんまりそういう片手間をやり過ぎても……いかんよなあと思うのです。うちの作業場は比
較的緩い──いわゆる一般の企業・勤め人ではないとはいえ、仕事は仕事。やるべきことは
きちんとスマートにこなしてこその職人でありますから。我ながら変な拘りだとは思う。

長々と書いて(文字数を稼いで)しまいましたが、要はその辺りを踏まえてもう少し自身の
“いつもの”を改良してゆかねばならんということなのでしょう。先ず雑音=諍いや他人に
もっと目を向け、仮にメンタル的に毒を食らおうが、共々肥やしにしてやるぜってぐらいの
気概で臨むこと。それは即ち自分を「開いて」ゆくことにも繋がる。対人関係の経験とか、
社交的シーンの場数とか。今はまだ機会の数自体は乏しいかもしれないが、先の長旅を経て
の改めての課題でもある。後はもっと──気楽に。今回も述懐というか、言及したけれど、
どうにも今や自分はものを書くそれ自体を美化し過ぎてしまうきらいがある。結果同時に書
いた文章・物語を「きちんとしたもの」にしなければと気負ってしまう。それが積もり積も
ってまた一層、自分の首を絞めている。書くこと自体を楽しむ──年初に立てた、抱負の筈
なんだけど。

何かを「分からない」と、真正面からぶつかって、必ずしも“答え”を出そうとその思考を
陰惨の色に染め上げる必要はない。シリアス病・ネガティブ教は良くも悪くも僕の悪い癖だ
と思う。とりあえずは「分からない」をその前段階──じゃあ自分は一体何で迷っているの
かを書き出すぐらいでちょうど良いのかな? 洗い出すのと、ブラッシュアップするのは、
似ているようで違う。後者はもっと突き詰める意思、自らを真剣に晒すフェーズだ。全部が
全部をそこに投じなくても……多分大丈夫なんだと思う。別にやらなきゃ死ぬって訳じゃあ
ない。死ぬぐらいの衝動とエネルギーの貯蓄・遣り繰りが出来る人=いわゆるその道のプロ
だったり論客なんていう人達が、基本はそれをやればいい。僕の場合はあくまで創作に活か
す為の資料作りであるのだから。それ「だけ」で力尽きてちゃあ元も子もない。要は選択と
集中って話。必要に応じて、引っ張り出してくればいい。どうせ普段からぼ~っとしか考え
られないんだから。何よりそんな“みっちり”じゃない片手間に限って、下書きに輪郭が付
いてくるパターンが存外多い。能率は良くない、運任せ的な所があるものの、確率は高い。
脳味噌のデスク正面に挙げている時よりも、ふとした瞬間にベストマッチが生まれうる。

……書けなくたって、いいんだ。いいんだ。

ぼんやりとした下書きの上を滑ろう。それ自体も楽しめるようになろう。ずっと昔は、僕と
いう人間はそれだけでも結構面白がっていたじゃないか(何時から形にならないものは駄目
だと狭めるようになった?)

もっと娯楽的な欲望に、素直になろう。

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長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止します。

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