日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(長編)サハラ・セレクタブルⅣ〔51〕

 最新鋭のAR技術を駆使した育成型対戦ゲーム・テイムアタック。及びその専用ツールで
ある短銃型装置・リアナイザ。
 一時は巷のコアなゲーマー達を夢中にさせたものの、他でもない製造・販売元たるH&D
本社のリチャードCEOにより、事実上の終焉を迎えた。
 だが……そうして“禁制”の品になったからこそ、人々は考える。水面下で尚蠢く者達が
いる。
 中央署の一件を経て、件のツールが電脳生命体なる怪物達の苗床となり得る旨は、広く知
れ渡るようになった。人によってさほど信を置いてはいないにせよ、政府が公式にその存在
を認めた点も大きいのだろう。要するに関わり合いになれば、碌な事にならないと判ってい
るのだ。
 にも拘らず、一方で彼らは考える。もしそんな人外の力を借りられれば、終ぞ果たせなか
った思いも現実のものとなるのではないだろうか? と。
 何としても──たとえ法や倫理を犯してでも叶えたい願い。それは極論、少なからぬ人々
が抱えているとも言える。問題はそういった良識の枷を、一線を越えて行動してしまえるか
否かなのだから。何も彼らを衝き動かす原動力は、「悪意」故の願いとは限らない……。

「だ、誰かいないのか? 来たぞ! 約束通り、例の物を俺に寄越してくれ!」
 水面下での変化。それはアウター及び改造リアナイザの、一層のアングラ化だった。中央
署の一件以降、それでも件のツールを求める者達は、人知れず“窓口”とされる存在と接触
を図っていたのだった。
 昼間でも薄暗い、街の暗部──雑居ビル群の谷間。
 そこへ独り、おずおずと足を運んで来た一人の青年が、未だ見えぬ取引相手へと呼び掛け
て言う。
「──分かってるよ、そんなデカい声出すな。気付かれるだろうが」
 するとどうだろう。次の瞬間暗がりの一角から、何者かの声が返ってきた。青年が思わず
ハッとなって振り向くと、そこには荒くれ風の男と酷い肥満の大男が立っている。良くも悪
くも目を見張る二人分の人影が、気付けば音もなくこちらへと歩いてくる。
「ようゴゾ。あんたは正直者で……幸運だァ」
 言わずもがな、人間態のグリードとグラトニーだった。“蝕卓(ファミリー)”七席にし
て、かねてより改造リアナイザの売人を務めている二人組である。喉まで肉に塗れたグラト
ニーが決め台詞のように、舌っ足らずな口調で言う。
 ほらよ。そして青年へと十分近付くよりも前に、グリードが手にしていた改造リアナイザ
を一つ、彼へと放り投げた。それが自分の求めていた品だと知り、一瞬慌てつつも咄嗟の反
応でキャッチ。両手に包み込んで受け取る。
「こ、これが……苗床のリアイナイザ」
 何より呟くその目には、確かに動揺と一抹の興奮が滲んでいた。
「おうよ。じゃあ確かに渡したぜ? 精々上手くやるこった」
「頑張ってネー」
 禁制の闇取引。だが人々がそれらを求める際、彼らは別段金銭を要求したりはしない。既
に知る者は知っているように、彼らの目的はあくまで苗床の──アウターこと電脳生命体の
増殖にあるからだ。ヒトの欲望、負の感情に付け込み、その個体数を増やす。同胞達の進化
を促す……。
 荒くれ風の男と、肥満の大男。グリードとグラトニーは引き続き言った。
 同じくこれも、予め取り決めた台詞であるかのように。既に青年に対して半ば興味と用件
を失い、ヒラヒラと片手を振って、暗がりの中へと再び踵を返しながら。
「引き金をひけ。そうすりゃあ……お前の願いは叶う」

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  1. 2020/01/28(火) 18:00:00|
  2. サハラ・セレクタブル
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(企画)週刊三題「モンスタア」

──これから毎週、小説を書こうぜ?

毎週一回、ツイッタの「診断メーカー」で出たお題で小説を書いてみるという
自己鍛錬、 それがこの『週刊三題』であります。
さてさて。紡がれる文章は良分か悪文か、或いは怪文か?
とある物書きの拙文晒し、此処に在り。

【今週のお題:竜、眼鏡、燃える】

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  1. 2020/01/26(日) 00:00:00|
  2. 週刊三題
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(歌帳)とある物書の気紛短歌 2020

ここでは、拙いながら自分が気紛れに練ってみた短歌をまとめていこうと思っています。
なのでこの短歌という形態での創作は不定期となります(何よりも専門?ではありませんし)
一応「五・七・五・七・七」という、短歌としての最低限の形式になるよう文字数は調整
している筈ですが、時折変則的な読みをさせている場合があります。あしからず。
(その際は括弧付きでその読みを併記しておきます)

他の書き物共々拙作ではありますが、束の間の一興にでもして頂ければ幸いですφ(=_=)
(肝心の句は追記部分に掲載しています↓)

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  1. 2020/01/21(火) 00:00:00|
  2. 【詩歌帳】
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(企画)週刊三題「余空」

──これから毎週、小説を書こうぜ?

毎週一回、ツイッタの「診断メーカー」で出たお題で小説を書いてみるという
自己鍛錬、 それがこの『週刊三題』であります。
さてさて。紡がれる文章は良分か悪文か、或いは怪文か?
とある物書きの拙文晒し、此処に在り。

【今週のお題:彗星、テント、静か】

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  1. 2020/01/20(月) 00:00:00|
  2. 週刊三題
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(雑記)人の尊厳、人の空腹

早いモンだなあ。気付けばもう一月も折り返しか……(´A`)-3

年明け最初の週、正月中にがっつりと書かないでゴロゴロしていた結果と言ってしまえばそ
れまでなのですが、今年最初、今月前半分の長編系更新がすっかり「前半」とは呼べなくな
ってしまいましたねえ……。執筆モード時点では、確かに月序盤ではあったものの。

さて何時もの如く。間が空いてしまいましたが、先日ユー録の百十二章をUPしました。今回
より現行第Ⅷ部も終盤戦に入ります。あっという間と言うべきなのか、ようやっと消化され
てきたなあと前向きに捉えるべきなのか……。

分量としましては、推敲後時点で23600字弱──個人的な目安よりもそこそこ多め。物語中の
展開、事態の進展度はそう多くはない、助走的な構成だったのですが……視点の切り替えが
多いとそれだけ、シーン数自体は嵩んでゆく故という具合でしたね(相変わらずユーザーフ
レンドリーという概念とはあさっての方向にばかり進んでゆく文章であります)
年も替わり、リアルではまた早速負荷ラッシュの予感ではありますが、なるべく今後もコン
スタントに小説を書く=創作活動をできるようタスク管理に勤しんでゆく所存です。今後と
も気長に、生温かくお付き合いくだされば是幸いですm(_ _)m

とはいえ当稿現在、特に大きくトラブっている案件はなく。

……まぁ各種メディアの情報を開く度に、国内外のきな臭い案件は飽きもせずに報じられて
はいるんですけどねえ。何よりインターネッツ、一部の声の大きい人々を中心とした醜い罵
り合いは年を跨いでも変わりやしない。自身の普段日中、ミクロに視えている世界により軸
足を置くように(タスク的に置かざるを得ない状況に)なったのは、少なからずああいった
マクロの世界ばかりに浸っていると“疲れる”からというのも大きくて……。

だからというのに前者の側で、いざ概ね大丈夫──秋口から年末辺りの新環境云々に慣れる
タームが何となく引いてくる感のあるここ暫く、どうにもそわそわと「不安」が過ぎる瞬間
瞬間がある。ふいっと大ポカをやらかさないだろうかと、未だ生ってもいない内から強張ろ
うとする。……実際の所、順風満帆(?)が怖いのだろうなあと自己分析しています。本末
転倒じゃないかと自分でも思いするのですがね……。一日一日単位ではそれこそバタバタ
と忙しなく動いているっていうのに、根っこのネガティブ癖は今も抜けていないんだなあと
改めて。
実際変に「出来る筈だ!」と自他へのハードルを上げても、真逆の結果になれば大ダメージ
必至なんだもの。そういう意味で、後ろ向き系の保険=予防線を張るのが癖になってんだ。

……やっぱり、厭世的な思考は毒だねえ。

個人的には嫌いじゃないんだけど、この手の命題はどうしても闇を孕む(´・ω・`)

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  1. 2020/01/16(木) 23:00:00|
  2. 【雑記帳】
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自己紹介

長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止します。

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