日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)移ろう姿を留めたくて

随分と過ごしやすくなりましたね。こんにちは、長月です。
先日、連載の九章をUPしました。期せずして、現在今作中最大分量となっています<(^o^)>
まぁ戦闘回(盛り場?)の章立てでプロット段階でもシーンを多めに構成していたので、多
少長くなるだろうとは予想していたのですが……;

話題は変わってツイッタ(という名の小日記)での一コマ。
TL上で「創作の修行方法を晒し合ってスキルアップ」なるハッシュタグを見つけ、暫くその
発言の流れを眺めていました。
その多くはひたすら書く、模写する、好きな作品を自分なりにアンソロジー化して練習台に
する等々。割と個別具体的なノウハウだったと思います。
ですが……自分自身はちょっと唸っていました。
確かに「これで君も絶対文章力UP!!」みたいな方法があるのなら自分も飛びついているかも
しれませんが、実際はそうこれだ!という確固たる方法があるとは思えないのですよね。
皆さんが寄せた例は結局は個人的な経験則とか、或いは何処かのノウハウ本の受け売りのよ
うな。そんな印象を受けたのです。
でも文章力ってものは、そういう小手先の鍛錬で得られるものなのだろうか?
(偉そうに言っていますが)何だか違うような気がするのですよね……。

続きを読む
  1. 2011/10/20(木) 00:30:00|
  2. 【雑記帳】
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

(長編)ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle-〔9〕

 ヒトの歴史とは、争いの歴史と言い換えることもできるだろうと思う。
 聖域・霊界(エデン)より始まったセカイの伸張と神々の乱立、創世の時代。
 神々からの独立を模索し、魔導という力を確立した古種族台頭の時代。
 特権的力となった魔導を人々に開放させしまんとし、争い混乱に落ちた改革の時代。
 混乱の中で成立した、穏健なる「神竜王朝」の勃興とのその滅亡に至るまでの時代。
 あらゆるセカイを巻き込み拡がった覇権を争う群雄割拠、空前絶後の乱世の時代。
 戦乱を統一した「ゴルガニア帝国」とその原動力たる機巧技術の大成、開拓の時代。
 だがそんな強権さゆえに人々の反旗によって滅ぼされ、再び混乱の中に落ちた時代。
 そして──そんな混乱を経て、各世界政府が樹立され今日に至るこの時代。
 どの時代にも、人々の争いがあった。
 旧来の姿に寄り添う者達と、そこから脱皮し新たな姿を希求する者達。
 往々にして彼らは相容れずにその懸隔こそが争いの火種となってしまう。歴史でも、個々
人の事であっても、現実に多くの争いはそうした“溝”が発端となることが多い。
 僕は……思ってならないのだ。
 どうしてヒトは、これほど共存することを難しくしてしまうのだろう。どうして相手の思
うそれらを許し、重んじることができないのだろう。
 何よりも──どうしてそんな現実を変えたいを願うことすら、許されないのだろう。

 僕は妖精族(エルフ)の一部族の集落に生まれた。
 豊かな自然と古き良き伝統の中、僕らは静かに時を過ごしていた。
 でも時折そんな僕らの集落にも、ヒューネスなど他の種族が訪れることはあった。
 勿論、里があるのは天上界の一つ・古界(パンゲア)であり、現在身を置く地上(ここ)
──顕界(ミドガルド)に比べればそう人々の出入りは多くなかったけれど。
 それでも異文化、外よりもたらされる刺激は、歳若かった僕には憧れだった。
 僕らの生きるセカイはこんなにも豊かさに満ちている。そんな未だ見ぬ地を思うだけで胸
が躍った。
 だけど……里の先達らはそんな交流すら快く思っていなかったらしい。
 僕ら里の若者が外からの商人らとやり取りを交わしているのを見かけるだけで咎め、彼ら
を時に力ずくで追い出すことさえあった。
『いいか、お前達。ゆめゆめ“秩序”を乱すな。我らはセカイの要素なのだ。その領分を弁
えず徒にセカイを掻き乱す輩に肩入れすることはあってはならぬ』
 長老らはそう何度も、耳にタコができる程に説教を繰り返した。
 あの頃は、外への憧れと若さでじゃじゃ馬だったのかもしれない。今の自分なら、あの頃
既に周りの同族(なかま)達から白い目で見られていた事にも気付けたかもしれない。
 でも……気付くのが遅かった。もう、取り返しがつかない程に。
 だから僕は故郷を出た。
 これ以上、僕の思いで誰かが傷付くのが怖かったから。これ以上、大切な人達を危険に晒
したくなかったから。
 悔しかったけど……里を捨てるしか、なかった。

 長い旅路だったと思う。
 パンゲアをぐるりと巡っても同志は中々見つからず、やがて僕らは地上界に降りた。
 そこでようやく、僕らは長老達の言葉が指す「負」を知った。
 豊かさ。だがそれは必ずしも皆が幸せになるそれではなかったのだ。
 機械が轟音を上げ、魔導が連発され、精霊達が疲労を訴えている。それでも人々は何食わ
ぬ顔でその犠牲の上に成り立つ限定的な繁栄を謳歌しているように見えた。
 だがそれでも、心が百八十度回ってヒューネスらを憎まずに済む事ができたのは……間違
いなくイセルナ達との出会いがあったからなのだろう。
 冒険者。汚名を着せられても、大義を信じて戦うその姿は眩しかった。
 そして皆と出会い、共に時間を共有していく中で、僕は……ようやく腰を落ち着ける場所
を見つけたように思えた。心の、底から。
 クラン・ブルートバード。
 イセルナを団長に擁き、ブルートの名を冠し、仲間達と共に打ち立てた僕らの居場所。
 十数年。エルフの僕には瞬き程度にしかならない時間の筈なのに、とても心穏やかな時間
であることに疑いはなかった。
 イセルナやダン、ハロルドにリン。そして少々ぶっきらぼうな友・ジークに、団員達。
 皆が、僕に居場所をくれた。里を捨て、居場所を失くした僕に安住の地をくれた。
 だから……守ってみせる。今度こそ僕の手で。
 何とも因果な巡り合わせじゃないか。……そうだろう? 楽園(エデン)の眼。
 だが、たとえ相手がお前達であってでも。
 友(ジーク)を仲間を手に掛けようとしたその所業──決して僕は、赦しはしない。

続きを読む
  1. 2011/10/19(水) 20:00:00|
  2. ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle-
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

(雑記)信仰という名の魔力

今月も気付けばもう折り返しを迎えようとしていますね。こんにちは、長月です。
嗚呼、創作したい。けど生計とかキャパとか時間とかが足りない……分身したい(何

以前から思うほどに創作の実務に掛かれていないんじゃないかとぼやいている自分ですが、
そんな感触と同じくらいに疑ってしまう事があります。
それは──自身の小説に対するマンネリ感。
読み返す思い返す度に、どうにも「現代社会+(ラノベ的)属性」という型の中で捏ね繰り
回しているだけなんじゃないかという矮小さへの危惧です。
似た毛色でもそこを上手く自分なりに味付けし直すのが物書きの本領発揮……。確かにその
側面はあります。ですが、では実際具体的にどうすればオリジナリティになるのか? そこ
を問われると答えに窮するのが実情だと思うのです。引き出しが、足りない。

しかし、先日友人知人との語らいでそんな思考に喝が入れられたように思えました。
創作と言っても様々な畑の方がいます。そして彼らが手掛ける物語世界の豊かさ、多様さに
自分はハッとさせられたのでした。
引き出しが無いと嘆いていても、現実にはこんなに多種多様な(デーィプな)属性が方々に
群れているじゃないか。なのに自分は何て狭い属性の中で唸っていたのだろう……と。
(直接そう言われたのではありませんが)改めて精進の必要性・継続性を内心で噛み締めた
一コマだったと思います。
この場を借りてではありますが、皆さん、良い刺激をありがとう(^o^)ゞ

続きを読む
  1. 2011/10/14(金) 21:45:00|
  2. 【雑記帳】
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

(雑記)限られたセカイで僕らは

連休が終わってしまいました<(^o^)> 休息ばかりで何やってたんだろう……。いやむしろ何
かにつけて寝過ぎなんですよね。どれだけカラダが疲れているんだと。睡眠欲や食欲は人間
の根本の欲望とはいいますが、まさか物欲を肯定し始めたからこっちも強くなってきたなん
てことはないのかしら……。
そっちはいいです、引っ込んでて下さい(切実)こんにちは、長月です。

創作も日々の営みも、どっちも抱えてこなしてみせる(キリッ
そう意を決して色々すべき事を順位づけて手を伸ばしてみている今日この頃なのですが、如
何せん狭く深くで生きてきた身だからなのか、中々「二束の草鞋」的な状態にはなっている
とは言い難い状況で……。自身のキャパシティの不足、物事に対する経験値の足りなさを痛
感している最中であります。

続きを読む
  1. 2011/10/11(火) 00:25:00|
  2. 【雑記帳】
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

(長編)ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle-〔8〕

 世界規模の商業ギルド・全陸財友会(ぜんりくざいゆうかい)。
 各地に設けられた支店は通称「財友館」と呼ばれ、金品の倉庫業や投資窓口、導話などの
インフラの代行サービスといった様々な業務を提供している。
「じゃあ、イセルナ」
「ええ。見張ってるからごゆるりと」
 そして此処アウルベルツにも、勿論財友館は設けられている。
 イセルナはリンファを病院へ連れて行ったその帰り道、通りの一角にある同支店へと立ち
寄ると、導話を掛けたいという彼女に付き添っていた。
 ずらっと壁際に設置され、防音の個室式となっているブース。
 その中にリンファが入ったのを確認し、イセルナはドアを閉めてその前に背を預ける。
「……」
 一度ちらりと遮音壁で囲まれた周囲を見渡して。
 リンファは目の前の導話に手を掛けた。
 指先が覚えた番号──少なくとも今までに何度も掛けた事のあるその向こう側の人物へと
発信を始める。
『は~い、もしもし? レノヴィンです』
 やがて導話の向こうから応対したのは、一人の女性の声だった。
「……お久しぶりです。リンファです」
『あら、久しぶり。どうかした? 定期の連絡はまだ日があった筈だけど……?」
 優しい穏やかな声色。
 その声にフッとと頬を緩ませかけたリンファだったが、すぐにそれを自戒するように引き
締めると、真剣な表情を──相手への“最大級の敬意を込めた態度”を保っていた。
 リンファの名を聞いて、向こう側の彼女も一抹の硬さをすぐに解いていた。
 だが当のリンファ本人は、そんな彼女の優しい声色に対して、あくまで冷静に振る舞いな
がら告げる。
「──“護皇六華(ごこうりっか)”の封印が解けました」
 衝撃が導話越しに伝わってくるようだった。
 それまでにこやかだった向こうの彼女が、その言葉を聞いた瞬間凍り付く。
 ガタンと物音がするのが聞こえた。ややあって、己を宥めさせながらの声が返ってきた。
『それは、本当……なの?』
「はい。間違い御座いません。私もこの目で、間近で目撃しました。ただ解放は一時的なも
のだったようです。その場が収まった後は再び元の状態に戻っています」
『そうなの……。六華が……』
「……申し訳御座いません。切欠は私自身でした。私の、所為で」
『? どういう事?』
 問い返す声に、リンファは先日の襲撃事件の詳細を話した。
 ジークの刀を狙う者達が刺客を差し向けてきたこと。その交戦の最中に自身の負傷が切欠
で封印が一時的に解ける事態を招いたこと。そして、その刺客だった者──サフレとマルタ
をイセルナの提案により自分達の懐(クラン)で抱える事になったこと。
 導話の向こうで、彼女は暫く黙り頷いていたようだった。
 淡々と報告をしながらも、その苦悩は察するに余りある。リンファもまた、内心でこれか
らの彼らに降りかかるであろう受難を思うと胸が痛んだ。
『息子達は、どうしてるの?』
「ジーク様はシフォンと共に、サフレとマルタをクランメンバーに申請するべくギルドに向
かったそうです。アルス様はいつも通り学院に登校されたかと」
『そう……』
 ため息が聞こえた。
 何を思っているのだろう。自身故の禍根への後悔か、それとも息子達への憂慮か。
 証拠がある訳ではないがおそらくは後者だろう。
 リンファは思いもかけない再会を経てから今までに至るまでのやり取りの中で、彼女が今
や家族というささやかな幸せに寄り添って生きているのだと強く感じていた。
『ねぇ、リン。この事は』
「分かっております。最大限、私どもで事態を大きくしないよう努めるつもりです。それは
同時に私達の望みでもありますから。……ですが、お二人自身が気付き、追求を始めてしま
えばそれも何時まで続くかは」
『……そうね』
 再び、今度はか細くため息が漏れる。
『仕方ないのかもしれない。どれだけ逃げても、私は私なんだもの……』
 そして誰ともなく呟いたその言葉に、リンファは無言のまま居た堪れなくなる。
 暫く二人は導話越しに黙っていた。もしかしたらこの場でこうして話している事自体が、
状況をより望まない方向に進めていってしまうのではないかと錯覚するようだったから。
 それでも、向こう側の彼女──レノヴィン兄弟の母・シノブは気丈を装おうとしていた。
 穏やかな声色を少し真剣なそれに軌道修正するようにして、ゆっくりと言う。
『お願いね、リン。どうかあの子達を……守ってあげて』
 するとリンファは胸元に手を当てると、
「勿論です。……この命に代えてでも」
 最敬礼で以ってその懇願に応えたのだった。

続きを読む
  1. 2011/10/07(金) 20:30:00|
  2. ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle-
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
前のページ 次のページ

自己紹介

長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止します。

訪問者累計

最新記事

最新発言

検索窓

月別履歴

09 | 2011/10 | 11
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

分類/索引

【案内板】 (2)
【小説:短編】 (20)
本の蟲 (1)
硝子野不動産店 (1)
夏の日の幻影 (1)
四番線の彼女 (1)
夢視の宿 (1)
線を曳く町 (1)
炬燵の神様 (1)
三者三盗噺 (1)
色眼鏡 (1)
奴らは攻城戦師 (1)
詰め替える (1)
同じ籠の狢 (1)
二十年後の遺言 (1)
轍の先 (1)
水に流せば (1)
真夜中の御二柱 (1)
いつか見た夢 (1)
神様達の初詣 (1)
白い花束 (1)
丸の代償 (1)
【小説:長編】 (194)
Amethyst League (6)
アンティーク・ノート (3)
ユウキのヒカリ (5)
NIGHT GUNNERS (5)
レディ・ルーン-Bonds of RU'MEL- (6)
ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle- (111)
死に損いのデッドレス (5)
Dear SORCERY (4)
サハラ・セレクタブル (49)
【企画処】 (472)
週刊三題 (462)
その他参加物 (10)
【資料庫】 (2)
【落書帳】 (2)
【詩歌帳】 (8)
【雑記帳】 (403)
【読書棚】 (32)
【遊戯倉】 (25)
path. (4)
decide: (3)
ユー録FW(凍結中) (17)

記事録

交友関係

このブログをリンクに追加する

(RSSリンク)

(QRコード)

QR

Tweets by long_month