日暮創庵

-当庵は長岡壱月によるごった煮創作ページ(主に小説)です-

(雑記)このカラダに巡るもの

今月もあと僅かになりました。気付けばすっかり秋めいています。
以前の残暑や台風が嘘のように空だけは穏やかというのは……。こんにちは、長月です。
気付けばもうこんな季節、今年も残り三ヶ月ですか。早いものです。
夏の暑さの中で早く涼しくならないかなと思っていたのが、随分昔のような錯覚を覚えてし
まいますね。実際、季節の移り変わりが急になっているのかもしれません(事実自分も一度
体調を崩しましたし^^;)環境の変化も手厳しい哉……。

今週始めに連載の七章をUPしました。またぼちぼち続きを書いていこうと思います。
……が、しかしやっぱりというか自分でもこのペースは早いんじゃないかと思ってしまうの
ですよね。何よりも“創作に対し変に力んでいる”のではという自問や指摘がありました。
それ故、今後は以前よりも意識的にローペースな創作に抑えていこうと考えています。
また連載自体も、一区切りが終わった後の事は未定な状態です。
そんな迷い深々としている今日この頃ですが、それでもご愛顧頂けるのならば嬉しい限りで
ありますm(_ _)m

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  1. 2011/09/29(木) 20:30:00|
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(長編)ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle-〔7〕

「エトナを……捨てる?」
 ブレアの言葉の意味を、アルスはすぐに受け入れる事ができなかった。
 アルスも、エトナも、お互いの顔を見合わせる余裕すらなく、ただ唖然と肩越しに自分達
に鋭く真剣な眼差しを向けてくる彼を見遣るしかない。
「どう、して……」
「そ、そうだよっ。何で!?」
「何故? よく考えればお前らなら分かる事だろ?」
 たっぷりの沈黙。アルスはそう動揺に震える中で呟くのが精一杯だった。
 エトナと、離れ離れにならないといけない……? あの日からずっと一緒だった相棒であ
り家族である彼女と? 実感がわかなかった。それでも身体の震えが止まらない。
 当のエトナは対して弾かれたように問い詰めていたが、ブレアはあくまで冷徹な様子のま
ま続けた。
「お前たちが目指している研究は、魔獣や瘴気と切っても切り離せない。そんな環境の中で
持ち霊──精霊の連れなんぞを同行させてみろ。ただでさえ精霊族はマナに近く瘴気の悪影
響を受け易いんだ。……中てられて死ぬか、最悪その場で魔獣になっちまう可能性が高い」
「それ、は……」
「……お前の意気込みやら動機は把握した。だが、現実はそんな根性論で変わってはくれは
しないんだ。お前に、自分の持ち霊が魔獣になっても研究を続ける覚悟が……あるのか?」
 アルスは答えられなかった。
 確かにそのリスクがある事くらいは承知だった。
 でも実際にブレアの口からその天秤の選択を迫られたこの場で、アルスはすぐに決断する
事ができなかった。傍らで、エトナが不安そうな眼で自分を見つめているのが分かる。
 夢──目標が僕にはある。
 でもその為にエトナを捨てるなんて……。
「これは、俺なりの親切心のつもりなんだがな。俺だって魔導師の端くれだ。自分の持ち霊
が失われる事がどんなに辛いか、分からないわけじゃない。でもな、だからこそこう言って
いるんだ。瘴気に中てられて取り返しのつかない事になる前に自分から遠ざける。……論理
的に間違っている選択じゃない筈だぜ」
「で、でもっ!」
「……いいんだエトナ。先生の言い分は、理に適ってるよ」
「あ、アルス……?」
 ブレアの言葉が揺らぐ心を容赦なく打ち貫いていった。
 確かに理屈はそうかもしれない。でも自分達は──。
 エトナはそう言おうとしたようだったが、アルスは敢えてそれを制止していた。
 トーンを落とした戸惑いの声が振ってくる。アルスは俯き加減のまま、怖くてその顔を見
返す事ができなかった。
「流石は主席クンだ。あくまで冷静であるなら、俺の言っている事は分かるよな?」
「……はい」
 つまりこれが彼の言う条件なのだ。
 エトナを瘴気から守る為に、敢えて彼女を契約解除する(すてる)のか。
 それとも彼女との繋がりに拘った結果、その彼女を失う末路を取るのか。
 夢を追う──その為に自分の教えを請いたいのならば、その覚悟を示せと。
「…………」
 それでもアルスは決断できなかった。
 夢を追いたい。皆が瘴気や魔獣によって悲しまない世界を作りたい。
 でも、その為にエトナとの契約関係を解除する──彼女を切り捨てる選択を、アルスはど
うしても下せなかった。
「ま、いきなり決めろってのも酷だがな。そう焦ることはねぇさ。ゆっくり考えろ。邁進す
るのか諦めるのか。持ち霊を捨てるのか拘るのか。まだ希望届の締め切りまでは日がある。
よーく考えて決めることだ。……お前はまだ若くて、何より優秀な卵なんだ。もっと別の進
路だってあるんだって事も忘れるなよ」
「……。はい」
 アルスの声はとても弱々しく、か細かった。
 そして暫しブレアの肩越しの眼に晒されてから、アルスはのそりと踵を返してラボに背を
向けて歩き出した。
 その動きに慌ててエトナが、しかし掛ける声を見つけられずに後を追う。
 部屋を出て行く間際に彼女はキッとブレアを睨んでみせたが、対してブレア当人は意に介
さずといった淡々とした表情でその眼差しを受け流し、書物だらけの室内に再び腰掛ける。
「……ふぅ」
 再び研究室(ラボ)内は一人だけになった。
 夕暮れの日差しが無言で差し込む本の山の中、ブレアは届けるべき相手が去った中でそっ
と言の葉を紡いでいた。
「悪い事は言わねぇ。こっちに……来るな」

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  1. 2011/09/26(月) 20:30:00|
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(雑記)天とヒトと秋めく季節

ご存知の事かと思いますが、先日より台風15号が列島を縦断し猛威を振るいました。
12号で大雨被害を受けた紀州を始め、東海や関東、東北に北海道と多くの地域で爪痕を残し
たのち、温帯低気圧に変わったようです。
何というか……やるせないですよね。こうも何度となく自然の猛威を被らないといけないと
いうのは(´・ω・`) こんにちは、長月です。

古代中国でしたか。
「政治が悪いと、天災が起こる」という云い方があるそうで(諸葛孔明でしたっけ?)
もちろんこれは迷信の類なのでしょうけど、実際にこの国の権力の椅子取りゲームを見てい
ると、あながち間違っていない気もしてきてしまうのが、何とも哀しい所です……;
ですが、何となく分かる気がしますね。
こう圧倒的な自然の力の前に「仕方ない」と言ってみてもやるせなくて、捌け口としてこの
ような言い回しが誕生したのでしょうね。

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  1. 2011/09/22(木) 21:45:00|
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(雑記)僕らと欲望と経験値

残暑は嫌だとぼやけば、今度は台風が団体さんでやって来てるじゃないですか<(^o^)>
僕のせいではありませんよ? ええ……。こんにちは、長月です。
先日、連載の六章をUPしました。現在確定させている分のプロットから換算すればちょうど
折り返しとなります。そして物語もより大きく変動していく展開を迎えます。
キャラクタ達共々、愉しみ考え、貴方の一助になれば幸いです。

それにしても……気付けば自分は、何かしら創ったり創っていないと不安というビョーキの
ような状態にある気がしてなりません; 連載のペースが早かったのもそれが一因にあるの
かもしれないと思うのですよね。勿論、読者さんがいるのだといういい意味での緊張感・責
任感があったからというのも言わずもがなではありますが。
それに加え、もっともっと創りたいという欲望が自分をチクチクと突付いています。
正直言ってこれらへの戸惑いが強いのです。
思えばこれまでの人生は、節制──無闇に欲しがらない事で荒波を立てずに来た部分が少な
からずだったのですから……。

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  1. 2011/09/19(月) 13:30:00|
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(長編)ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle-〔6〕

 彼と初めて出会ったのは、今から五年ほど前のことだ。
 その日も、私は『蒼染の鳥』の一角でゆったりと時を過ごしていた。
 クランの──放浪の末に腰を降ろす事のできたこの地の仲間達が、ギルドで明日の糧に目
星をつけて戻ってくるのを他の皆と待っていた。
「いででっ! は、離せ。離しやがれっ!」
「あ~もう、やかましい! ったく……ホントに尖ったガキだなぁお前」
 だがあの日は……もっと別なものまでが付いて来ていた。
 戻って来たイセルナやダン、そしてシフォン達。
 だがいつもと違っていたのは、クランの副団長たるダンが一人の見知らぬ少年を片手に摘
まんだまま、彼を手荷物よろしく連れていた点にあった。
「その子は……?」
「冒険者(どうぎょうしゃ)だよ。ギルドで見かけたからね」
「で、他の連中と言い争いになって喧嘩になってたんだ。それを俺達で止めて、とりあえず
場を収めたんだが、仕方ないんで連れてきた」
「肩入れした分ね。あのまま険悪な空気の中に放置しておく訳にもいかなかったし……」
「ま、大方成人の儀を済ませてすぐに飛び出してきた新米(ルーキー)ってとこだろ」
「……そうか」
 確かにこの少年を見る限り、年格好は十五、六。ダンやシフォンの言う通り、彼は冒険者
になって間もない新参者なのだろう。
 髪や瞳も自分と同じ黒色。女傑族(アマゾネス)だった。
 しかし、元より自分達は世間一般には荒くれ者の集まりと見なされている。
 多少の諍いなどこの業界では日常茶飯事なのだが……。
「でもね? ちょっとこの子、変わった物を持ってたのよ」
 そんな私の内心を見透かしたかのように言ったのは、イセルナだった。
 ダンに摘ままれ宙ぶらりんになり、じたばたと喚いているこの少年を静かに一瞥してから
そっと、先程からその手に抱えていた布包みを解いてみせる。
 それは──刀だった。
 この歳の少年が持つには如何せん大きく不相応に思える三本の太刀と、三本の小刀。
 彼はそんな自分の得物……所有物を取り上げられている事にも不満であったらしい。
「くそっ、離せよ! 返せよっ、それは俺の刀だ!」
「だ~っ! うるせぇな。ちったぁ大人しくしてろぃ。何も取って食いやしねぇよ」
「返せ! 返せよぉっ!!」
 イセルナが私にこの六本を見せた瞬間、より一層離せと喚いていた。
(これは、まさか……。いや、でも何故こんな少年が……?)
 しかしそんな少年の喚く声も、再び拳骨制裁を下すダンの声も、この時の私にはずっと意
識の遠くに聞こえていたような気がする。
 イセルナから受け取り、じっくりと検める。他の皆もぞろぞろと後ろから集まってくる。
 見た目は少し装飾の手が込んだ太刀。
 だが……間違いなかった。私の記憶があの日から完全に色褪せてしまっていなければ。
 しかし何故彼がこの六振りを持っているのか?
 内心もう行方知れずになってしまったと諦めていたのに……。
 あの方と共に、守り切れなかった筈の過去が何故、今になって……?
「……君。名前は何という?」
 訊ねない訳には、確かめない訳にはいかなかった。
 内心では心臓が動揺で激しく脈打っている。それでも私はできるだけこの気を荒げている
少年を刺激しないよう、彼の目線にまで屈み訊ねていた。
「何でてめぇらに名乗らなきゃい──ぎゃふっ!?」
「おいおい若造。言葉遣いには気をつけな? ……で、名前は? お前も坊主だのガキだの
って呼ばれるままじゃ嫌だろ」
 拗ねたようなむくれっ面。
 だがようやく自分が抵抗し切れないと悟ったようで、彼は三度喰らった拳骨の痛みに顔を
不機嫌にしながら、やがて口にする。
「……ジーク・レノヴィン」
「レノ、ヴィン……?」
 そして私は確信した。
 もっと調べてみないと詳しい事は分からないが、間違いなく目の前のこの少年は……彼は
あの方の関係者であるらしい。
 ぐるぐると脳内を駆け巡る動揺と思考と、あの日々の記憶と。
 私がこの少年・ジークが口にしたその名に硬直している間にも皆はわらわらと自分達の立
つ酒場の一角に集まり、彼を弄ってみたり質問攻めにしてみたりと好き放題を始めている。
「はいはい。皆、あまりルーキー君をいじめないように」
 イセルナがあくまで穏やかにポンポンと手を叩き、皆をあっという間に制止させた。
 伊達にこのクランの長をやっている訳ではない。ややあってしんと黙った皆を見渡してか
ら、彼女は問い掛ける。
「それで……どうしましょうか、この子?」
「どうするって。まぁ、またギルドに放り投げるのは拙いよなぁ。さっきコイツ自身が一悶
着起こしたばっかりだし」
「……少なくとも、とりあえずほとぼりが冷めるまではうちで預かるしかないかな?」
 少なからぬ戸惑い──おそらく先程までの張った気の荒さを見たからだろうが──を見せ
る面々。それでも、先刻よりカウンターの中から成り行きを見守っていたハロルドがそっと
放ったその一言に皆の大まかな方針が凝縮されていた。
 少年は、ジークは不満も言えずにダンに摘ままれ宙ぶらりんなまま黙り込んでいた。
(性格はまるで正反対だが……顔立ちは彼によく似ている)
 私も、そんな彼の姿を見つめながら思っていた。
「オーケー、分かった。じゃあ何処か適当に空き部屋を」
「待ってくれ」
 そして私は、皆に口を開いていた。
 場の皆の視線が、ジークの視線が私の下に集中する。
「何だ? お前は反対なのか?」
「いや……。そうではないが」
「じゃあ、なぁに?」
 ダンが眉根をくいっと上げて問う。
 そうだ。私はこの時もう、自ら離れるつもりなどなかった。
 次いでそれまでじっと皆を──いや、何となくだが私を注視していたイセルナが問う。
「……ああ」
 数奇な運命だと、自分でも哂いたくなる。
 だがここで逃げてはいられない。今度こそ……守り抜いてみせる。
「皆。一つ、私から提案があるのだが──」
 今の仲間とかつての自分と。
 重なって見えてくる現在と過去の姿に向き合いながら、私はそう切り出していた。

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  1. 2011/09/16(金) 20:30:00|
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自己紹介

長岡壱月

Author:長岡壱月
(ながおか いつき)

創作もとい妄想を嗜む物書きもどき。書いたり描いたり考えたりφ(・_・)
しかしながら心身共々力量不足な感は否めず。人生是日々アップデート。
今日も雑多な思考の海に漂いながらも何とか生きてます。
【小説/思索/落書き/ツクール/漫画アニメ/特撮/幻想系/小説家になろう/pixiv】
(※上記はPN。物書き以外では概ね、HN「長月」を使用しています)

【注】当庵内の文章や画像等の無断転載・再加工ないし配布を禁止
します。

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